政治

2016年10月17日

【三橋貴明】いわゆるリフレ派の罪

From 三橋貴明

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財政赤字国のどこにそんな大金が?
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【今週のNewsピックアップ】

日銀の「総括」を総括する
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12208353811.html

全世界もリフレ派だ
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12209498459.html

改めて、「デフレは貨幣現象」などと出鱈目を振りまき、
金融政策偏重のデフレ対策を推進した「いわゆるリフレ派」の罪は重いです。

ここで言うリフレ派とは、フィッシャー方程式、
●実質金利=名目金利−期待インフレ率から、
「期待インフレ率を高めれば、実質金利が下がり、デフレ脱却」
という机上の空論を振りかざし、
「日本銀行がインフレ目標をコミットメントし、
量的緩和を継続すれば、期待インフレ率が上がり、
実質金利が下がり、銀行貸し出しが増え、
設備投資や消費が拡大し、デフレ脱却できる」
という、岩田規久男教授らが提唱した
「期待インフレ率理論」に基づき、
経済政策を主導した人々を指します。

リフレ派の罪は、主に二つ。

一つ目は、「デフレは貨幣現象」という嘘っぱちの概念を広め、
安倍政権にインプットすることで、金融政策偏重のデフレ対策が
三年半も実施される事態になり、日本のデフレ脱却を遅らせてしまったことです。

デフレは貨幣現象ではなく「総需要の不足」という正しい認識が安倍政権にあれば、
我が国はとっくにデフレから脱却できていたことでしょう。

二つ目は、金融政策偏重のデフレ対策で
「デフレ脱却は可能」という認識を政治家に広め、
結果的に財務省が主導する緊縮財政路線に加担してしまったという点です。

何しろ、フィッシャーの方程式を右辺から読めば、
金融政策のみでデフレ脱却は可能なのです。

ならば、消費税増税をしてもいいんですよね。
緊縮財政をしても、デフレ脱却できるんですよね。
何しろ、デフレは貨幣現象なんですから。という話でございます。

実際、浜田宏一氏、岩田規久男氏、原田泰氏という
政権や日銀に関わっている「いわゆるリフレ派」の三名は、
消費税増税にも、緊縮財政にも反対していません。

それどころか、原田氏に至ってはしつこいほどに
「反・公共事業」のキャンペーンを続けました。

公共事業を削れば、需要が減ります。

総需要不足というデフレーションは解決することができませんが、
彼らの主張では「デフレは貨幣現象」なのです。

政府が緊縮財政を推進しようが、お金を発行すれば
デフレ脱却できるという「誤解」を政治家に与え、
財務省の緊縮財政にお墨付きを与えてしまったのです。

結果は無惨であり、我が国は2013年3月以降、
250兆円超もの日本円を発行したにも関わらず、インフレ率は▲0.5%。

ついに、日本銀行は日本国民が期待インフレ率について、
「過去の物価状況が続くだろうという予想の要素(適合的な期待形成)」
で決める傾向が強いという「事実」を認めました。

ということは、国民が、
「中央銀行の目標である2%に向かっていくだろう
という予想の要素(フォワードルッキングな期待形成)」
で期待インフレ率を決めることが前提の
「岩田理論」は全否定されたことになります。

一体、三年半、何をやっていたんだという話なのですが、
浜田、岩田、原田の三名は、責任を採ることもなく、
現在の地位にしがみつくでしょう。

盛大に社会実験を実施し、
失敗したことが明らかであるにも関わらず、
主導者たちが何の責任も取らない。

与党はもちろん、マスコミも、野党も問題視しない。

まさに、この「なあなあ体質」にこそ、
日本国の最大の問題があるのではないかと考えるわけです。

ーーー発行者よりーーー

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三橋貴明は、このトランプ氏対クリントン氏の争いを
「グローバリズム対反グローバリズム」の戦いと位置付けるが、
「人類の歴史にも関わる戦い」であるとも語っている。

「自己責任」と「奴隷制」と「富の集中」が融合する世界が勝つのか、
「管理」と「助け合い」と「富の分かち合い」が融合する世界が勝つのか。

さらにはここに「経済学」が絡み合い、アメリカ大統領選挙という場でせめぎ合う。

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【三橋貴明】いわゆるリフレ派の罪への7件のコメント

  1. ぬこ より

    結果、日本の株式市場の7割を動かして居ると言われる外国人投機家(主にウォール街とシティ)に流れたんですよね?リフレ派とTPP賛成派って、妙にカブる気がする今日この頃。かわせみ 拝

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  2. 神奈川県skatou より

    いつも熱く先生のご活躍を応援しております。>盛大に社会実験を実施し、>失敗したことが明らかであるにも関わらず、>主導者たちが何の責任も取らない。>>与党はもちろん、マスコミも、野党も問題視しない。74年前から1ミリも進歩してない、ということでしょうか。こういうのこそ、「敗戦の反省」だったような気がします。TPPで世界に打って出ろとかいう勇ましい学徒動員策もまったく進歩がないようで、二度の失敗は日本という歴史の致命傷にならないか心配いたします。

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  3. ウピ より

    失策にも良い意味を持たせたいのは理解できるけど、失敗するとわかっていたものに意味を見出そうとしてたところで、得られるものなんぞたかが知れてるのでは?失敗を失敗と認めず堂々と居座る恥知らずの古狸なんだから、自分に都合のいいように解釈して正当化するだけかもね。誰とは言わないけどカードを増やしてみたら借金が〜まで増えた、なんてことにならなきゃいいけど

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  4. 赤城 より

    アメリカに従った結果の嘘裏切り詐欺は当然のように許され、その逆は潰されるということでしょうか。後はマスコミを使って愚民をごまかしながらアメリカやシナの都合のよいほうに煽動すればいいだけ。

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  5. 拓三 より

    三橋はんの思いは痛いほど解る。原田が日銀に入った時も何か意図的なものも感じたし…..唯、私の様な人間が言うのも失礼かと思いますが、リフレ派の妄想理論を責めるよりも、この金融政策を如何に意味を持たすかを世間に訴える事の方が今の日本において意味のある事だと思うのです。私はこう思うのです。確かにリフレ理論は妄想です。しかしその妄想理論で金融政策は実現出来たのも事実。その結果、政府債務も実質減らす事が出来、財務省の「借金が〜」を潰すカードを一枚増やした事になる。本来はこん邪魔臭い事をせんでもいいのですが、財務省のプロパガンダは強烈なものです。また、是非はともかく金融政策で様々なプラス数値が出ている箇所もあります。一つ一つはもうしませんがこれも財務省のプロパガンダを倒すカードでもあります。つまりリフレ理論は結果的に財政政策を行うためのプロセスであり、財政政策の鉾盾になてくれている正義の味方だと思うのです。あまり褒めるとリフレ信者が調子を乗るのでやめときます。三橋はんも意図的に(日本の為)リフレ政策批判をしているかとは思いますが、勘違いをする残念な人達も多いので念のため書かさせて頂きました。

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  6. 後藤 晋 より

    自民党も民主党政権時には、三橋先生と同じ主張をしていました。しかし、今はそうではなく、小泉・竹中路線を突き進んでいます。TPPも批准されそうです(本来ならば阻止しなければなりませんが)。結局、先生のおっしゃるとおり、「なあなあ体質」なんでしょうか。「君側の奸」とか「国賊」と言いたいですが。

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