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2025年7月1日
【藤井聡】【石破クマムシ論】自公過半数割れでも「石破続投」のリスクは有り。自民党内保守の党内政局における活躍が今、党利党略を越えた「国益」のために求められている。

今回の参議院選挙では、自公の与党が、今回の改選総議席数の過半数を割り込むのは当然のこととして、「非」改選も含めて「過半数」を割るか否かという点が、焦点となっています。
具体的には、自公で50議席が獲得できるか否か、という点が焦点となっており、石破も総理総裁の立場で勝敗ラインを50議席獲得できるか否かだと述べています。
そうなると石破政権としては50議席とれば、政権として掲げた目標に到達したと言うことになり、参院選後の続投が既定路線となる見通しとなりますが、50議席を割り込めば、当然、石破自身が決めた定義からして「敗北」となるわけですから、当然その敗北の「責任問題」が生ずることとなります。
では、その「責任」とは一体何かと言えば、普通なら、「総理辞職」という事になるのですが、石破に限ってはその「普通」は一切通じません。
何と言っても、昨年11月の衆議院選挙でも、石場自身が定義した「与党過半数」という勝敗ラインを割り込み、自民党公明党政権を「少数与党」政権に追い込むという途轍もない責任問題を起こしたにも拘わらず、何も無かったように適当な言い訳を二三嘯いた上で総理の座に居座り続けたからです。
だから今回も与党過半数割れでも総理を続投する気満々だと思っておかねば成りません。
もちろん口では、与党過半数割れになった場合どうするかと問われた時、「有権者の審判が下れば、厳粛に受け止めるべきものだと分かっている」と発言していますが、「厳粛に受け止めた上で、政権運営いたします」と言うことだって出来ますし、彼ならきっとそういう気満々で「厳粛に受け止める」と言う言葉を言ったとすら勘ぐることができるでしょう(付録1)。
https://news.yahoo.co.jp/articles/689848e043902f1cd1bc4385ef7b125e82f616f1
実際、斎藤公明代表は「過半数割れでも石破続投を支持」と言明しています。
https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20250625-OYT1T50148/
そして、この発言の直後に斉藤氏は石破氏と会食しています。そしてその会食後に石破は、「自公連携して過半数確保に向けて頑張っていこうと確認した」と発言していますから、石破は斎藤と強力な協力関係を継続させ、共にこの困難を乗り越えていこうと「誓い合った」であろう様子が見て取れます。
https://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/20250627-OYT1T50229/
だということは、もしも過半数割れた起こった時にどうするかについて話し合っていないはずなどありません。そしてその直前に斉藤氏は(自身のその発言の直後に石破とゆっくり食事する事が決まっていることを念頭に置きながら)「過半数割れでも石破政権続投を支持する」と記者団に言明し、新聞記事にまでさせたのですから、斉藤氏は石破にあえばこれと同じ事を言ってやろうと考えていたことは100%間違いないでしょう。
したがって、この両者の会食の席で、
斉藤氏「過半数割れでも絶対公明は支持しますから辞めなくていいですよ」
石破「へへへ、よろしく頼みますよ」
という主旨の下りがあった事は全くもって確実だと言えるでしょう。
しかし、衆参双方で過半数われを起こさせた与党総理が続投するなぞというのは、国民を激しく愚弄する暴挙に他なりません。言い換えるならそれは、民主主義の理念を根底から溶解させる破壊行為です。
既に昨年の衆院選敗北後に続投している状況だけでも国民は大きく愚弄され、民主主義は激しく破壊されたわけですが、石破がもしも本当にそうすれば、これらの暴力的行為をさらに加速させることになるわけです。
もしもこんな事が許されてしまえば、国民はもはや選挙に等行く気がますます失せ、日本の民主政治に対する信頼を完全に失ってしまう事になるでしょう。
だからそんな暴挙を絶対に許してはならないのです。
そのために何ができるのかと言えば、何よりもまず、「与党が過半数を割ったのなら石破は民主主義に対する信頼、政治に対する信頼を守るためにこそ、絶対に辞めるべきだ」と言う認識を世論、そしてとりわけ「自民党内」で高めていくことが必要です。
そして、与党過半数割れでも石破続投…という勢力をできるだけ弱体化することが必要でしょう。そういう勢力がどこにあるのかといえば、石破と「税と社会保障の一体改革」を継続的に進めることを合意している野田氏率いる立憲民主党です。
彼らは、与党過半数割れになったときに、自分たちが政権に入るために石破総理継続をサポートすると予期されているのです。だから、石破総理継続を断念させるためには、立民の勢力の弱体化も重要な要素となると考えられるわけです。
こう考えてみれば、「石破政権」というのは、叩いても叩いても潰れない、絶対零度から摂氏150度までの気温に耐えられる史上最強生物と呼ばれる「クマムシ」の様な存在である、ということが見て取れます。
衆議院で与党過半数割れでも続投、参院で与党過半数を超えれば余裕で続投、割れても公明斎藤と立民野田のサポートを受けて続投可能…となるからです。
しかし「史上最強生物」であるクマムシですら、150度以上の温度には耐えられず死滅することになりますから、石破とて絶対不滅というわけではありません。
が、必要なのはクマムシにとっての150度を超える程の厳しい環境を、石破に与えること。
それを誰が一体出来るのかと言えば、もっとも有望なのは麻生氏、高市氏、萩生田氏といった自民党内の「保守勢力」です。
何と言っても石破は総理大臣である以前に自民党総裁なのです。だから党内の石破おろしの圧力が高まれば、クマムシですら死滅するように辞任せざるを得なくなります。
もちろん、そういう党内政局前に、参議院選挙がありますが、今回の選挙に限って言えば、ただ単に各党党員が自分自身の党の勢力拡大だけを考えていては、国益を毀損する帰結をもたらしかねない、複雑な様相を呈しているのです。
とりわけ自民党、立憲民主党、公明党の候補者の皆さんは、ただ単に各党が勝利すればよいわけでなく、勝つにせよ負けるにせよ、参院選挙の結果が出た後に本当の勝負が始まる…という類いの複雑な状況化に今、置かれているのです。
一人一人の国会議員の皆様方の、党利党略とは一線を画した、あくまでも「ジャパンファースト」の思想に基づく日本を慮るご活躍を心から祈念いたします。
追伸1:仮に石破が辞任しても、コイツが後釜になれば元の木阿弥です(・∀・)
【小泉進次郎研究】客寄せパンダの為の「鳴り物」として使われた「ライドシェア」
https://foomii.com/00178/20250701090000140242
追伸2:そもそも、今回の参院選挙の争点は『消費税』。もしも自公で過半数を確保すれば、消費増税は決定的に進むでしょう。今回の参院選は、増税されるか否かの天王山なのです。
消費減税をポピュリズムと決めつける森山自民幹事長は、国民を「愚者」と決めつけ国民に「喧嘩」を売ったのである。
https://foomii.com/00178/20250630093622140190
「ポピュリズムの政治をしては国がもたない」と叫び消費減税を完全否定した森山自民幹事長が如何に愚かで傲慢で無知であるかを思想哲学的に解説します。
https://foomii.com/00178/20250630085000140173
財務省関係者や石破・森山・宮沢等の緊縮財政派議員達は、精神のバランスを崩した方々です。だから彼らには、ある種の心理療法・精神療法が必要です。
https://foomii.com/00178/20250628125534140127
(付録1)だいたい、「有権者の審判が下れば、厳粛に受け止めるべきものだと分かっている」という発言の最後に「分かっている」という言葉を使っているところ自体、滅茶苦茶胡散臭く感じてしまいます。「分かっている」ってことは結局、「俺は過半数割れても政権辞めたくないのにどうせ、辞めなかったらガタガタ騒ぐんだろ!?重く受け止めなきゃいかんってことくらい「分かってる」よ!いちいちうるせーよ!!こっちゃそれを重々「分かった」上で居座り続けるってことにしようとおもってんだよ!!」 って思ってるっていう風に聞こえるのは、当方だけではないと思います(苦笑)。
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