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2025年7月5日

【藤井聡】今、日本国家にとって一番大切なのは「石破おろし」。このために今何より大切なのは「自民党内の反石破勢力」支援と「与党で63議席を割り込むだけで石破辞任は絶対必要だ!」という世論の形成である。

参議院選挙が公示されました。最大の争点は、「消費減税」です。現石破政権の『減税絶対やらない自公』VS『消費減税野党』という構図になっているからです。

これで自公が過半数を超えれば、石破森山は減税回避が信任されたと石破・森山・財務あたりは騒ぎ出すこと必至です。

したがって、そんな状況を回避するためには、「自公の過半数割れ」が必須。

しかし、この「自公の過半数割れ」とは一体何を意味するのかについては、2通りの解釈があります。

一つは、「非改選議員も含めた、全参議院で過半数」。この場合、自公は「50議席」を割れば、過半数に達しなかった事になります。
もう一つは、「今回の改選議員の議席数175の過半数」。この場合、自公は「63議席」を割るだけで、過半数に達しなかったという事になります。

「ご都合主義」の石破はもちろん、前者の、より低いハードルである「50議席」を勝敗ラインだと明言しています。これによって石破は、少なくとも50議席を取るだけで参議院で自公が過半数を超えるので総理の進退問題など全く無くなる、ということを言外に主張しているわけです。

しかしこれでは全く筋が通りません。繰り返しますがこれは完全なる「ご都合主義」と言わざるを得ない卑劣かつ卑怯な主張なのです。

そもそも、「政権への信任」という点であれば、例え50議席をとったとしても63議席に達しないのであれば、今回の選挙において半数以上を落とした事になるわけです。自公には非改選の75議席がありますが、これは石破政権に対する信任でも何でもなく、前政権(岸田政権)に対する信任を示すものだからです。つまり、石破には何の関係もない議席がこの75議席なのであり、石破に対する信任を考えるにあたってそんなものをカウントしていいわけがないのです。だから、改選125議席の過半数の63議席を自公が割り切れば、国民は自公の与党に対して「NO」を突きつけたことになるのです。

そうなれば石破政権、昨年11月の衆院選挙と併せて二つの国政選挙において連続して「過半数」が信任しないという結果を国民から突きつけられた事になるのであり、それはまさに国民が石破政権に対して「解散せよ」との明確な意志を示した事になるのです。

したがって、50議席をとったとしても63議席に達しないのであれば、石破政権は、憲政の王道からして当然、「辞任」する責務を負う事になるのです。

無論、かの衆議院選挙で過半数を割り込み、少数与党に自民党を追いこんだにも関わらず総理の座に居座り続けるのが石破茂という男ですから、今回の選挙結果がどうなろうが、仮に50議席を割り込んだとしても何だかんだいって総理の座に居座り続けようとするに違いないというのは、過日の下記記事で指摘したとおりです。
『【藤井聡】【石破クマムシ論】自公過半数割れでも「石破続投」のリスクは有り。自民党内保守の党内政局における活躍が今、党利党略を越えた「国益」のために求められている。』
https://38news.jp/economy/32012

しかし、それは単なる「権力の横暴」に過ぎません。したがって、そんな不道徳な「暴挙」は絶対に許してはならないのです。

したがって、そういう横暴を絶対に許さないという「世論」が拡大すれば、「自民党内」においても確実に総理辞任論が確実に拡大する事になるでしょう。そしてその結果、必ずや石破は総理の座から追い落とされる事になるでしょう。

ですからもしも石破政権を終わらせるべきだと考える国民においては、ただ単に「今回の参院選で自民党以外に投票をする」というだけでは不十分なのです。それと同時に、与党が(50議席は当然のこととして)63議席を割り込んだだけでも、石破総理は当然辞任すべきだ、と言う世論を拡大させていくこともまた必要不可欠なのです。

さらに言うなら、以上に加えて「自民党内で石破おろし」で活躍するであろう、反石破勢力の「保守」派あるいは「積極財政派」の議員達を支援することもまた、必要不可欠なのです。

なぜなら、自公で50議席を割り込んだとしても、もしも自民党内で肝心の「石破おろし」の流れが拡大しなければ、石破は総理の座に居座り続けることになるのは必定だからです。

…こう考えると日本はこの大切な時になんと恐るべきロクでもない人物を総理大臣にしたのでしょう…と思わざるを得ません。返す返す、自民内リベラルの岸田元総理の弊害のとてつもない大きさに唖然とする他ありません…。

とはいえ、我々は明日の日本に向けてできるだけのことにできるだけ取り組まねばなりません。

したがって、もしも「石破政権を終わらせたい」と願う国民がおられるとするなら、何よりもまず自公50議席以下を目指し、最低でも自公63議席以下を目指すことが必要ですが、それに加えて、
第一に、石破おろしを自民党内で敢行可能な候補者については徹底的に支援すると同時に、
第二に、50議席、ないしは63議席を割り込んだ結果となれば絶対に石破おろしが必要であり、それにも関わらず総理の座に居座り続けるなんてことは絶対に許さない、という石破おろしに向けた世論を形成する、
という二つの取り組みもまた求められているのです。

この難局を打開するためにも是非とも、一人一人の国民ができるだけのことにできるだけ従事いただくよう、心から祈念申し上げたいと思います。

追伸:今回の参議院選挙は、「石破おろし」の機会となるばかりではなく、「財務省べったりの森山」を一線から退かせ、財務省の目論見を叩き潰すための絶好の機会ともなっています。是非、あわせて下記もご一読ください。

消費減税をポピュリズムと決めつける森山自民幹事長は、国民を「愚者」と決めつけ国民に「喧嘩」を売ったのである。
https://foomii.com/00178/20250630093622140190

「ポピュリズムの政治をしては国がもたない」と叫び消費減税を完全否定した森山自民幹事長が如何に愚かで傲慢で無知であるかを思想哲学的に解説します。
https://foomii.com/00178/20250630085000140173

財務省関係者や石破・森山・宮沢等の緊縮財政派議員達は、精神のバランスを崩した方々です。だから彼らには、ある種の心理療法・精神療法が必要です。
https://foomii.com/00178/20250628125534140127

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