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2025年7月8日

【藤井聡】【追悼:安倍晋三】暗殺事件から3年、奈良・西大寺で改めて「安倍晋三」を思い起こす。その志を思い起こしそれを今に活かすために、あの哀しき事件を忘れてはなりません。

今から3年前の2022年7月8日午前11時31分、安倍晋三元総理が、奈良市の西大寺駅前の交差点で、凶弾に倒れました。

あれから3年…もしあのとき安倍さんが撃たれていなかったとすれば、今の日本の政治が内政についても外交についても、ここまで惨憺たるものに堕落してしまっていることなど絶対になかったに違い無いと深くに深く感じています。

外交においてはトランプに24%と言われていた相互関税が日米交渉を通して25%に「引き上げられる」ような日本外交史に残る屈辱的大失態等あり得なかったという一点だけでも明らかなように、そして内政においては公明党を含めた全政党が消費減税を主張しているなか自民党“だけ”が消費減税を拒否する公約を掲げるという一点だけでも明らかなように、安倍さんさえご存命であるならそれら最悪の事態は回避できたに違い無かったのです。

それは逆に言うなら、安倍晋三に致命傷を与えたあの一発の凶弾によって、日本の歴史は少なくともこの3年間、より悪い、最悪の方向へと転落する事になったということを意味しています。

我々は決してそうならぬように、全力を賭して安倍晋三なき後の日本の政治を、日本の歴史を支えなければならぬと一人一人がそれぞれの立場でそれぞれに誓った筈でありますが…誠に情け無き事に当方自身を含めた今を生きる我々の力が不足しすぎていたという事実は認めざるを得ません…。

それはつまり、安倍晋三という存在が、平成、令和の日本の歴史を支える上で圧倒的に重大な意味を持っていたことを明確に、直接に意味しています。

それにも関わらず、その<真実>に思いが至る日本人が、圧倒的に少ない現下の日本の実情は大変に遺憾に感じざるを得ぬものです。

なぜそれが遺憾なのかと言えばもちろん、人々の記憶から安倍晋三という存在や思いが忘却されていくことそれ自身が、安倍晋三を深く知る一人の人間として哀しいものであるという当方の私的理由があることは事実ですが、それと同時に、あるいはそれにもまして、今の日本人が安倍晋三の思いや志を忘れ、現下の政治を当たり前のものだと受け止めれば受け止めるほどに日本の劣化がより加速度的に進展してしまうことそれ自身を、大変に哀しく感じているのです。

そして、そうした日本の劣化が安倍晋三の死によって加速してしまったとするのなら、その状況を最も哀しく感ずるのは、当の安倍晋三ご本人であろうと思えば、さらにさらに遺憾に感時ザルを得ません。

ついては当方はこの機会に改めて、安倍晋三さんが撃たれたあの交差点に赴き、安倍さんが撃たれてしまったことの我々日本国民にとっての「意味」を、それによって如何に日本の政治が激しく劣化するに至ったのかに思いを馳せる事を通して改めて問い直す追号動画を配信いたすことといたしました。
https://youtu.be/19Uqw2IZ7KA

この追悼動画の中でも申し上げていますが、かの交差点には「安倍晋三が撃たれた」という記憶のための「印し」が一切存在していません。

この状況は当方にとっては今を生きる日本人が、安倍晋三氏の存在や思いを日々忘却し続けている、ということを象徴しているように思えてなりません。

例えば、アメリカのケネディ大統領が安倍さんと同じく凶弾に倒れたダラスには、そのまさに撃たれたその道路上の地点には大きな「×」の印しが書かれています。そして、その現場の近くに、ケネディ大統領を追悼するための「ジョン F. ケネディ記念プラザ」が作られています。
https://4travel.jp/os_shisetsu/10311543

これはつまり「ケネディが暗殺された」という「哀しい事実」をアメリカとして忘れることなくしっかり記憶しなければならない、というアメリカ国民の意志の表れであると言えるでしょう。

そしてその哀しい暗殺という事実を記憶することを通して逆説的に、ケネディという存在や思い、志を改めてその時々のアメリカ国民がアメリカ国民として思い起こし続けようとしているということなのだと思います。

そしてそれはもちろん、そうすることがその時々のアメリカ国民が「明るい未来」を作り続けるにおいて大きな貢献を果たすという確信がアメリカ国民の内にあるからなのだろうと思います。

すなわち、そのケネディ記念プラザは、私人としてのケネディ個人の「墓標」とは異なる、「アメリカ国家の偉人・公人としてのケネディ大統領」のアメリカ国民に対する「墓標」となっているのです。

当方は、このアメリカのケネディ大統領に対するアメリカ国民の追悼する「姿勢」と同様の「姿勢」を、日本国民として安倍晋三元総理大臣に対しても取ることができないかと、感じています。

もちろん、アメリカを真似る必要など何もありません。しかし、安倍晋三の暗殺という哀しい事件を記憶に止める事を通して、安倍晋三という存在、思い、志を日本国民として思い起こし、それを明るい日本を作る未来をつくる努力の一つの多いな糧にしていく――そういう当たり前の取り組みを日本国民として継続するにあたって、あの暗殺現場に何の「印し」も内のは、余りにも哀しい状況であると感じています。

この動画では、この問題についても取り上げ、現地の状況などをよく知る地元の市議会の方のお話しを伺っております。

この安倍さんの命日に…一人でも多くの国民の皆様に、安倍晋三という政治家が存在していたこと、そして彼がやろうとしていたことが一体何なのかをしっかりと思い起こして頂きたいと思います。

そしてそれを、安倍さんが志していた「明るい日本をつくる」ための努力の一つの糧にしていただけると、大変有り難いものと思っています。

どうぞ、よろしくお願い致します。

追伸:是非、下記追悼動画、ご覧ください。
『安倍晋三元総理の死から3年…今だから伝えたいことがあります。(奈良県大和西大寺より)』
https://youtu.be/19Uqw2IZ7KA

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【藤井聡】【追悼:安倍晋三】暗殺事件から3年、奈良・西大寺で改めて「安倍晋三」を思い起こす。その志を思い起こしそれを今に活かすために、あの哀しき事件を忘れてはなりません。への6件のコメント

  1. 利根川 より

     安倍晋三総理ご逝去から3年、ご冥福をお祈り申し上げます。藤井教授や三橋さんのご活躍もさることながら、安倍総理のおかげで「積極財政」という言葉が広く認知されるようになったというのもあったと思います。
     一方で、国内で安定的に農作物の種を生産するための法律である「種子法」をスピード廃止してみたり、外国人労働者受け入れ拡大(「改正入管法」)を強行した人物でもあります。消費税を1つの政権で2度も増税したのも安倍総理でした。霊感商法で日本国民から多額のお金を巻き上げていた新興宗教団体との結びつきも強固で、それがあの惨劇に直接つながった原因だともいわれています。
     なので、

    「安倍総理さえ生きていれば今とは全く違う素晴らしい政治が展開されていたはず」

    と言われると、私はそうは思えませんが、彼のおかげでどんな時でも「増税しかしない」日本政府の異常さが周知されたのは、大きなプラスになったものと思います。
     近年、岸田首相襲撃事件やら候補者へのストーカー行為やら、荒れた選挙になることが多い印象を受けます。「力ずくで」ということだと民主制自体が崩壊してしまいますので、選挙は正々堂々と行っていただきたい。
     

    「自分の主張こそが正しい」

    そう思うのであれば、その主張を発信し、支持者を募ればいい。政治家の命を力ずくで奪う必要も、候補者に嫌がらせをする必要もない。今の時代、スマホもパソコンもあるのだから、TV新聞だけが国民の意思を決定するツールではないのだから。
     今回の参議院選挙、東京選挙区で複数の候補者に殺害予告・爆破予告メールが来ているということで、こういったことを許せば民主制などあっという間に崩壊してしまいます。しっかり取り締まっていただきたい。
     今回の参議院選挙、もはや消費税減税を掲げていない政党は自民党のみとなりました。暑さや選挙妨害の中、必死に選挙活動を続けておられる候補者の方々には頭が下がります。国民のためにも少しでも自公から票を奪っていただければと思います。

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      1. 利根川 より

        ジャーナリスト山口敬之さん
        「石破政権と言うのはそもそも嘘なんです。これ実態は森山政権なんです。」

        山口さん「石破さんって総裁選で言ったことって一つもやってないでしょ」

        山口さん「アジア版NATO作るって言ってたでしょ?NATOの会議にもいかないんですよ?」

        三橋さん「ははは…」

        山口さん「意味わかんないでしょ?要するに何にもやってない」

        山下さん「森山ひろし(自民党幹事長)に言われたことは全部やる。やるなと言われたことは全部やらない」

        三橋さん「具体的には消費税の減税」

        三橋さん「石破さんって確か食料品の消費税1%は一瞬だけど検討した時期がありましたよね?」

        山口さん「正確に言うと3月28日の国会の議論の中で『消費税の部分減税については検討する価値がある』『効果を検証する』って総理が言ったんですよ」

        山口さん「ところが、5月の中旬に森山ひろしと四谷のすごく面白い『森山ひろししか使わない料亭』ってのがあるんですけど、」

        山口さん「そこに森山ひろしと石破茂と、石破茂の奥さん、それから森山ひろしの長女、謎の四人で会食がおこなわれたんですね」

        山口さん「その日の夜、読売新聞『石破首相、消費税減税見送り』スクープしたの」

        三橋さん「物価高の対策で一人2万円配るって意味わかんないんだけど」

        山口さん「財源がないって言ってるんですね。(国民に)2万円配るのに3兆円かかる…財源あるじゃないか、ナメとんのかと」

        ~中略~

        山口さん「財務省と言う所は複数年度にわたる減税というのは絶対嫌なんです。その財務省の言いなりですから、あの二人は。財務省の狗なんです」

        山口さん「森山・石破家族会談が四谷で行われた日に何があったかと言うと、『石破茂の裏金問題』出た翌日なんです」

        山口さん「石破茂さんに3000万円献金してましたって言う人が記者会見してましたね。その翌日なんです」

        こゆきさん「そんなことあったんですか?」

        三橋さん「ありました、ありました。週刊文春でしたっけ?」

        山口さん「これが安倍晋三だったらどうです?毎日一面トップですよ」

        山口さん「でも石破茂の話、3000万払ったって言う人が会見してるのに何もなかったことになってる」

        三橋さん「立ち消えになりましたよね」

        山口さん「それが、四谷の料亭の会談で『消費税減税につっこんだら炎上しちゃうから、消費税減税は断念しなさい』って森山幹事長にさとされて、消費税減税を封印したのがこの夜なんです」

        山口さん「石破さんに3000万払ったって言ってる奴が会見開いてるんですよ。ってことは、これ脱税ってことになる」

        山口さん「脱税ってことは国税庁が調べて犯罪かどうか東京地検特捜部と立件勘案委員会ってのを開いて石破茂を訴追するかどうかを決めるのは国税庁なんです」

        山口さん「森山さんは消費税減税に突っ込んでいったら国税庁黙ってないからやめておきなさいと、おためごかしのアドバイスとして消費税減税を断念させたわけです」

        山口さん「みなさん『へ~』って言ってるけど、新聞読めばわかることばっかり言ってるんですよ」

        山口さん「要するに、それだけひどい政権なんです。国民を愚弄しているんです。財務省の言いなりなんです」

        山口さん「森山ひろしは参議院選挙戦う気がないんです。なんでか?負けていいから」

        山口さん「大連立するつもりだから」

        三橋さん「なるほど~」

        山口さん「森山ひろしは自民党の幹事長として初めて選挙を負けるために政策を指揮してる幹事長」

        山口さん「そう思えば全部つじつまが合う」

        山口さん「消費税減税って、やるかやらないかじゃなくって、『(減税を)やる雰囲気を出したまま選挙に突入すればいい』だけじゃない」

        山口さん「『(減税を)やらない』って言ったら『やらないんだ』って結論になっちゃう」

        山口さん「玉木さん大喜び、野党大喜び、言わなきゃいいことを言うのが自民党の幹事長、そしてその管理下にある総理大臣」

        山口さん「(消費税部分減税)検討するって言ってたのに、その翌日以降の国会では『財源がないからできない!それは責任ある与党の政策ではない!』って」

        山口さん「じゃあ、お前、3月の話は何だったんだよと」

        ということでした。山口さんありがとうございました。

        TV各社はしっかり報道してください。

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        1. 利根川 より

          ~~~~~~~~~~~~~~~ 
          2025年7月11日よみうり寸評

          ~これ一つでこんなに素晴らしい結果が得られる、などという都合のいい話がそうあるはずはないのだ、と

          たとえば、減税が暮らしをよくする特効薬のように語られ、その限界や副作用にはふれられない
          ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

           読売新聞の「中の人」は減税が嫌なのだそうです。

          まともなジャーナリスト
          「読売新聞は伝統的に財務省とのパイプが太いとされ、グループ本社の監査役には大物次官のOBの丹呉泰健氏や真砂靖氏を迎えてきた。社論も財政健全化路線の色が濃い。」

          まあ、読売新聞は財務省の天下り先の一つですものね、そりゃしゃ~ない(苦笑い
           戦中は軍部について「大本営発表」を繰り返し、戦後はGHQ(占領軍)の靴をなめて「お米を食うとバカになるぞ」と宣伝し、今は財務官僚のケツをなめてるわけか…オールドメディアが馬鹿にされている理由がよくわかるよ(苦笑い
           

          オールドメディア
          「我々は正しい!ネットはフェイクニュースだらけ!」

          たしかにネットにはフェイクニュースがあふれかえっておりますが、TV・新聞も「国の借金国民一人当たり1000万円の借金(ANNニュース)」と詐欺まがいの情報を垂れ流してきましたよね?ネット情報と何が違うのでしょうか?
           念のために言っておくと、TV・新聞は「国の借金は国民の借金である(そう読み取れるようにミスリードしている)」と主張していますが、

          2023年1月24日、参議院本会議、日本国内閣総理大臣、岸田文雄答弁。

          岸田総理「”国債は政府の負債であり、国民の借金ではありません”が、国債の償還や利払いに当たっては、将来、国民の皆様に対して、税金等でご負担頂くことなどが必要であり、また、将来仮に、政府の債務管理について、市場からの資金調達が困難となれば、経済社会や国民生活に、甚大な影響を及ぼすことにもなります。」

          と答えています。つまり、TV・新聞の主張は間違っているということですね。国の借金は国民の借金ではないのです。
           国債の償還や利払いは税金で負担していただく必要がある、と岸田総理がおっしゃるので、鈴木財務大臣に西田議員が聞いてみたわけです。国債(TV・新聞の言う国の借金)って税金で返済してるの?と…

          参議院予算委員会 令和6年5月27日 西田昌司議員質疑

          鈴木大臣「現状におきましては『国債の償還財源は借換債である』という点について、これにつきましては西田先生がこれまでもいろいろなところで指摘をされている通りであります」

          国債の償還財源は借款債、つまりは、借り換えを繰り返しているだけで国民の税金で国債の返済(国の借金の返済)なんてやっていないって言ってるわけ。
           だいたい、日本政府の債務残高(2015年時点)は名目の金額で1872年の3740万倍! 実質でも1885年の546倍!、

          TV・新聞流に言えば
          「国の借金は1885年と比べて546倍に膨れ上がっている!」

          ということになるわけですが、いつになったら返済始まるんだよ(苦笑い
           岸田首相は、政府の債務管理について、市場から資金の調達が困難になれば経済社会に甚大な影響を及ぼすと懸念しておられましたが、日本銀行金融研究所編『日本銀行の機能と業務』によると、国債は以下のようにやり取りされているそうです。

          1、日銀は新規国債発行に合わせ、新規発行額相当の「既発国債」を買い上げ、売り手の金融機関口座に購入代金分の日銀当座預金を付与する

          2、金融機関は国債を買うための資金(日銀当座預金)が手に入る

          3,日銀が金融機関から既発国債を買い上げたので、一時的に国債が品薄になる

          4,国債の購入手段である日銀当座預金が過剰、国債が過小な状態で新規国債が発行されるので速やかに消化される

          上記、銀行の業務について、ここで登場しているのは国債の発行主体である政府、買い手である金融機関、そして中央銀行である日銀の三者だけです。市場関係ある?
           盛大に話がそれましたが、どこの党も「減税さえすれば全部丸く収まる」なんて言っていませんよ。”最低限”減税は必要だって言ってるんですよ。
           日本の実質賃金は1997年をピークに一度もそこを超えたことがありません。当然、節約傾向が強く、GDPの6割を占める個人消費も伸び悩んできました。
           直近では「防衛的賃上げ」が行われているため”額面上の給与”は上がっていますが、相変わらず実質賃金は減り続けているわけです。
           

          「商品やサービスが売れるから経済は成長する」

          当たり前ですよね。でもね、国民負担率5割近い現在、国民は商品やサービスを買うためのお金を税として持っていかれてしまうので、使いたくても使えないのです。
           そして、経営者側も消費税や社会保険料負担が重いため、節税をはかり従業員を「外部委託扱い」にするため、労働者の給与や安定は損なわれてきました。これで経済成長なんてできるわけがないでしょう。
           国民の使えるお金を増やす(購買力を高める)、経営者の負担を軽くする、つまりは”最低限”減税は必要だということです。
           

          TV・新聞
          「デメリットを言え!デメリットを!」

          拒食症の患者さんに「食事をすることのデメリットを言う」ことに意味があるのかどうか私には判断付きかねますが、ハイマン・ミンスキー氏曰く

          「財政出動や減税によって総需要を刺激し、それが資本所得の増加だけを招く場合は資本所得者と賃金所得に依存する一般労働者との格差拡大を招いたり、いたずらに消費を煽ってインフレーションを招いたりする恐れがある」

          「政府の支出先がハイテク産業に限定された場合には、高技能・高賃金労働者の雇用だけが創出されることになり、これも格差の拡大を招く」

          「資本所得の拡大が企業の将来に対する強気を煽り、企業が債務に依存した投資を増加させた場合には、経済全体における債務比率が高まり金融システムは不安定化する。すなわち、金融危機が起きやすい脆弱な経済構造へ変貌してしまう」

          といったデメリットが考えられるということでした。念のために言っておくと、ミンスキー氏は「だから財政支出はダメだ」などとは言っておらず、一般的な政府支出の拡大ではなく支出先を選んで行えと言っているわけでしてね。
           たとえば、財政出動をするとインフレになると懸念する経済学者が多いわけですが、、、先進国の中でもダントツで支出を抑えてきた日本も今ではインフレになっていますよね?

          ~~~~~~~~~~~~~~~
          21世紀のG7諸国の政府総負債の増加率

          出典:IMF、World Economic Outlook datebaseより作成

          2001年を100として算出

          2001年~2018年

          <G7諸国の政府総負債の増加率>

          イギリス 474.5

          アメリカ 384.9

          フランス 258.1

          カナダ 215.6

          イタリア 170.3

          日本 169.5

          ドイツ 160.7
          ~~~~~~~~~~~~~~~~~

          財政支出の拡大や利上げを一切しなくても、何らかの理由で”供給能力が減少して”需要を満たすことが困難になった場合にはインフレは起こるのです。有名なところでは1970年代のオイルショックのように、産油国が石油と言う実物資源の供給を制限すればインフレは起こるのです。
           インフレが嫌だというのであれば、エネルギーの供給を外国に依存しなくても可能なように財政支出をして国内のエネルギー供給能力を高めればいいというわけです。
           所得格差についても普通に社会保険料減免と消費税廃止、その上で法人税率を高めれば、企業は従業員給与を上げることで節税をはかるようになるので、高度経済期のような好循環が生まれるでしょう。失業者については公的機関が「最後の雇い主」になるのもいいと思います。
           また、現在の「コメ不足」を見ればわかるように、現在の日本は、政府の支出先がハイテク産業に偏るといった事態には”政治家・官僚がまともであるなら”ならないと思われます。
           景気が良くなって企業が調子に乗って「借りた金で株を買う(ギャンブルをする)」という問題については金融規制の強化や監視の強化をすべきだと思います。まあ、近年、政府はむしろ新NISAへの投資を煽り、自ら金融危機が起きやすい脆弱な経済構造に変えていっているわけで、何をやっているんだかって感じではあります。
           ということで、読売新聞お望みのデメリットと解決法も言ってみたわけですが、いかがでしょうか。
           アホの私でもあきれるド低能な主流派経済学者には分からんらしいが、供給能力が低下してインフレで苦しむ国はあっても、貨幣を発行しすぎただけで(悪い)インフレになった国はないんですよと。なので、貨幣の使い方を供給能力を高めることに使えばインフレにはなりにくくなるんですよと。

          「供給能力を高める貨幣の使い方ってなんだ?」

          需要が上がるように使えってことだよ、言わせんなよ。

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  2. あ 他 より

    消費税増税を二度もやり、
    積極財政は第一次のときにちょろっとだけ。
    TPP阻止のポスターで選挙戦を繰り広げた末
    あれよあれよという間にTPPに合意する。

    そして移民は入れないといいながら
    世界第四位の移民国家へ。
    旧統一教会との度し難い癒着。
    自民の憲法改正案は旧統一教会が要求してきた
    そのまんま。

    法治を蔑ろにし人治国家へ退廃させた象徴的な
    モリカケ問題、赤木さん事件。検察ガタガタ。

    諸悪の根源は安倍じゃないかと叫び、
    激しく臍を噛んだ故西尾幹二の慟哭とは
    だいぶ遠く離れたところに、
    この大学院教授先生はおられるようですね。

    幸せの青い鳥が家の中にいたように、
    白雪姫に毒りんごを食わせたのが
    母親だったように。
    内なるものの幸福と狂気に気づかねば。

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  3. ヒゲもじゃ より

    まだ安倍信者やってるヒゲ

    論理的思考が出来、知性がある人には響かないヒゲの猿芝居。

    定期的に発作が起きるヒゲ。バカ丸出し。

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  4. utaka より

    安倍晋三元総理が生きていた場合は今より緩やかな緊縮路線が継続されて
    今よりはマシな程度に政府は金を出してはいたでしょう
    今よりもゆっくりと自民党は崩壊に向かっていたと思います

    消費税を二度も増税してアベノミクスも失敗している時点で
    期待できる存在とは思えないな

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