FROM 三橋貴明 http://keieikagakupub.com/38news/
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2015年、世界はまさに激動の年となった。中東問題はフランス・パリでの同時多発テロやトルコ軍機によるロシア軍機撃墜にまで至った。また、南沙諸島では中国による人口島の埋め立てに対し、アメリカが自由航行権を主張すべく、米軍機を飛行させた。ウクライナ問題は解決の糸口さえ見えない。さらには、シリア情勢を受け、EU諸国へ大量の難民が流入している。
こうした世界情勢の中、各国経済はこぞって低調。なかでも、これまで世界経済牽引の一翼を担っていたように見えた中国経済が、著しく失速している。2016年の世界はどうなるのか。そして、日本にはどのような影響があるのか。
三橋貴明が2016年の世界と日本を語る、、、
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本日はチャンネル桜「桜プロジェクト」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1520
先日、取材した「首都高速横浜環状北線」のトンネル工事の特番が放映される予定になっています。
さて、今さらですが、トリクルダウンとは何でしょうか?
トリクルダウンとは、
「富裕層や大企業を豊かにすると、富が国民全体にしたたり落ち(=トリクルダウン)、経済が成長する」
という「仮説」です。トリクルダウン「理論」と主張する人がいますが、単なる仮説です。
上記は今一つ抽象的なので、より具体的に書くと、
「富裕層減税や法人税減税をすると、国内に投資が回り、国民の雇用が創出され、皆が豊かになる(=所得が増える)」
となります。
要するに、グローバリズム的な、あるいは新古典派(以前は古典派)経済学的な「考え方」に基づき、所得が多い層を優遇しようとした際に、政策を「正当化」するために持ち出される屁理屈なのでございます。
ちなみに、大恐慌期のアメリカでは、財閥出身の財務長官アンドリュー・メロンが「法人税減税」を推進した際に、まんまトリクルダウン仮説が用いられました。
さて、現代日本において、トリクルダウンで安倍政権の法人税減税に代表される「グローバル投資家」「グローバル企業」を富ませる政策を正当化していたのが、みんな大好き!竹中平蔵氏です。
『「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然
http://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/172701/1
テレビ朝日系の「朝まで生テレビ!」。「激論!安倍政治〜国民の選択と覚悟〜」と題した1日放送の番組では、大田区の自民党区議が「建築板金業」と身分を隠し、安倍政権をヨイショするサクラ疑惑が発覚。「今年初のBPO入り番組」とネットで炎上中だが、同じように炎上しているのが、元総務相の竹中平蔵・慶応大教授の仰天発言だ。
番組では、アベノミクスの「元祖3本の矢」や「新3本の矢」について是非を評価。冒頭、「アベノミクスは理論的には百%正しい」と太鼓判を押した竹中平蔵氏。アベノミクスの“キモ”であるトリクルダウンの効果が出ていない状況に対して、「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」と平然と言い放ったのである。
トリクルダウンは、富裕層が富めば経済活動が活発になり、その富が貧しい者にも浸透するという経済論だ。2006年9月14日の朝日新聞は〈竹中平蔵・経済財政担当相(当時)が意識したのは(略)80年代の米国の税制改革だった。その背景には、企業や富裕層が豊かになれば、それが雨の滴が落ちるように社会全体に行きわたるとする『トリクルダウン政策』の考え方があった〉と報じているし、13年に出版された「ちょっと待って!竹中先生、アベノミクスは本当に間違ってませんね?」(ワニブックス)でも、竹中氏は〈企業が収益を上げ、日本の経済が上向きになったら、必ず、庶民にも恩恵が来ますよ〉と言い切っている。
竹中平蔵氏がトリクルダウンの旗振り役を担ってきたのは、誰の目から見ても明らかだ。その張本人が今さら、手のひら返しで「あり得ない」とは二枚舌にもホドがある。埼玉大名誉教授で経済学博士の鎌倉孝夫氏はこう言う。
「国民の多くは『えっ?』と首をかしげたでしょう。ただ、以前から指摘している通り、トリクルダウンは幻想であり、資本は儲かる方向にしか進まない。竹中氏はそれを今になって、ズバリ突いただけ。つまり、安倍政権のブレーンが、これまで国民をゴマカし続けてきたことを認めたのも同然です」(後略)』
そもそも、トリクルダウンが成立するためには、絶対的に必要な条件が一つあります。それは、富裕層なり大企業で「増加した所得」が、国内に再投資されることです。前述の通り、トリクルダウンとは、富裕層や大企業の所得が「国内の投資」に回り、国民が豊かになるというプロセスを「仮定」したものなのです。
現代の説明も、かなり抽象的ですね。
「トリクルダウンは、富裕層が富めば経済活動が活発になり、その富が貧しい者にも浸透するという経済論」
まあ、それはそうなのですが、正しくは「富裕層が富み、国内に投資がされる」ことで経済活動が活発になるという話なのです。
すなわち、資本の移動が自由化されたグローバリズムの下では、トリクルダウンなど成立するはずがないのです。特に、デフレーションという需要不足に悩む我が国において。
富裕層減税や法人税減税で、「富める者」の可処分所得を増やしたところで、「グローバリゼーションで〜す」などとやっている状況で、国内への再投資におカネが回ると誰が保証できるのでしょう。誰もできません。
結局、企業は対外直接投資、富裕層が対外証券投資におカネを回すだけではないのでしょうか。特に、日本のように国内にめぼしい投資先がなく、国債金利が長期金利で0.26%と、異様な水準に落ち込んでしまっているデフレ国では。というか、国内における投資先がなく、民間がおカネを借りないからこそ、長期金利が0.26%に超低迷してしまっているわけですが。
無論、国境を越えた資本移動が制限されていたとしても、トリクルダウンが成立するかどうかは分かりません。減税で利益を受けた富裕層や企業が、国内に投資せず、増加した所得を「預金」として抱え込んでしまうかも知れません。
「いやいや、貯蓄が増えれば金利が下がり、国内に投資されるので、トリクルダウンは成立する」
などと学者は反駁するのかも知れませんが、長期金利0.26%であるにも関わらず、国内の投資が十分に増えないデフレ国で、何を言っているの? 頭、悪すぎるんじゃないの? という話でございます。現在の日本は、企業の内部留保までもが史上最大に膨れ上がっています。
お分かりでしょう。トリクルダウンが仮に成立するとしても、その場合は、
「国境を越えた資本の移動が制限されている」
「デフレではない」
と、最低二つの条件が必要になるのです。ところが、現実の日本はグローバル化を推し進めつつ、同時にデフレです。トリクルダウンが成立する可能性など、限りなくゼロに近いわけでございます。
そんなことは端から分かっていたし、何度も著作等で訴えてきたわけですが、残念ながらマスコミの主流は「トリクルダウン理論により、法人税減税は正しい」という、「頭、悪すぎるんじゃないの?」理論が主流を占めていました。
少なくとも、現在の日本において、トリクルダウン前提の経済政策は「間違っている」と、全ての国民が認識する必要があるのです。
—発行者より
2015年、世界はまさに激動の年となった。中東問題はフランス・パリでの同時多発テロやトルコ軍機によるロシア軍機撃墜にまで至った。また、南沙諸島では中国による人口島の埋め立てに対し、アメリカが自由航行権を主張すべく、米軍機を飛行させた。ウクライナ問題は解決の糸口さえ見えない。さらには、シリア情勢を受け、EU諸国へ大量の難民が流入している。
こうした世界情勢の中、各国経済はこぞって低調。なかでも、これまで世界経済牽引の一翼を担っていたように見えた中国経済が、著しく失速している。2016年の世界はどうなるのか。そして、日本にはどのような影響があるのか。
三橋貴明が2016年の世界と日本を語る、、、
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【三橋貴明】安倍政権ブレーンが認めた嘘への3件のコメント
2016年1月6日 10:01 AM
欧米日の先進諸国ではトリクルダウンなど虚言でしかありませんが、_小平が先富論を出した当時の支那に於ける経済環境では適切でした。それも国際金融資本が金儲けの為に持ち掛けただけでしょうが。支那では特権階級の独裁で、そのまま格差が無限大に広がっていることが問題ですが、そろそろ終焉を迎えるでしょう。要は、三橋先生がインフレ、デフレ環境で方策は違うというご指摘の通り、物事を考察するには空間的、時間的環境要素も考えねばなりませんね。
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2016年1月7日 3:55 AM
三橋先生 この国賊竹中にバカアベだけでなくバカ小泉純一郎から15年も振り回されたのですね。バカアベは竹中は愛国者だと言っています。一刻も早くバカ安倍晋三には退陣して貰いたいです。
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2016年1月8日 5:32 AM
三橋貴明さん、この記事の掲載をありがとうございます。小林よしのりさんも竹中平蔵がトリクルダウンや新自由主義の非を認めたと述べたから、竹中平蔵は完全に落ち目になったと言える。竹中平蔵を始めとするアメリカ留学組を排除して、代わりにロシア留学組を増やして欲しいと思います。安倍内閣も米利上げで、円高(それでも米ドルは他の通貨よりも高いままだが。)が進んでいる事からアベノミクスも終わり、多くの人間は鳩山由紀夫さんのクリミア訪問がきっかけで菅義偉が激怒したことで菅義偉が黒幕である事をばらしてしまった。菅が官房長官を止めれば確実に安倍政権にも打撃を与えられます。それでもロシアルーブル、イランリアル、豪ドルと日本円の相互決済は必要で、実行すれば米ドルとユーロは使われなくなり、豪ドルと円の相互決済で、アメリカの農業に打撃を与える事が可能になります。後、川口マ―ン惠美さんの著書である『ヨーロッパから民主主義が消える』を読んでドイツの内情が杜撰な者だと気づき、ドイツもアメリカと同様に財政難の可能性が大いにあり、同時に緊縮財政は危険だと感じました。
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