From 三橋貴明
【今週のNewsピックアップ】
デフレ完全脱却による財政再建に向けた提言(前編)
https://ameblo.jp/
デフレ完全脱却による財政再建に向けた提言(中編)
https://ameblo.jp/
驚くべきことに、
7月6日に安藤裕衆議院を
呼びかけ人代表とする
「日本の未来を考える勉強会」が、
安倍晋三内閣総理大臣に
「提言書」を提出したニュースが、
「首相官邸」のホームページに
掲載されました。
【平成30年7月6日
自由民主党日本の未来を
考える勉強会による提言申入れ】
https://www.kantei.go.jp/jp/
しかも、わざわざ「動画」付きです。
一般議員の総理への提言が
官邸のホームページに載ったのは、
恐らく史上初めてでしょう。
6日に総理に提出された提言、正式名称は
「デフレ完全脱却による
財政再建に向けた「平成31 年度予算編成」
についての提言」
なのですが、長いので「安藤提言」
と呼ぶことに致しましょう。
安藤提言では、デフレ脱却のために
「骨太の方針2018」に基づき、
様々なデフレ対策の提言がなされています。
何しろ、骨太の方針2018は
すでに閣議決定されているため、
完全無視した提言は意味がありません。
例えば、骨太の方針2018では、
「中長期の視点に立ち、将来の成長の
基盤となり豊かな国民生活を実現する
波及効果の大きな投資プロジェクトを
計画的に実施する」
と、書かれています。
骨太の方針に上記が記載されており、
かつ「閣議決定」された以上、
当然ながら「将来」につながる
大規模投資プロジェクトをするんだよね、
という発想になっているのです。
安藤提言による主な提言は、
以下になります。
●2019年度問題
(消費増税、残業規制、東京五輪の特需終了)
を乗り越えるための10兆円規模の
政府需要拡大策
●政府試算の「経済成長ケース」
を達成するために、毎年3,2%
(約2.4兆円)の「当初予算」
における継続的な予算拡大
●2018年度の「補正予算」を含む、
基盤強化投資
具体的には、
●科学技術投資拡大
・ILC整備
・量子コンピュータ開発
・国立大学法人・研究開発法人の
運営費交付金増額(大学法人化前に戻す)
・政府研究開発投資額の対GDP 比1%
の早期達成
(※骨太の方針2018に明記されています)
●新元号記念フラッグシップ・プロジェクト
●新元号における「恩賜等特別枠」
・奨学金返済の減免
・無給制下の司法修習生
(いわゆる「谷間世代」)貸与金の減免
・年金基金解散時の事業主負担額の減免 等
●均衡ある国土発展のための
全国の新幹線整備の加速
・北陸新幹線の大阪接続・関空接続の事業決定
・北海道新幹線・北陸新幹線の整備加速
・国土軸形成を見据えた
全国の基本計画の整備計画化
・関空新幹線を想定した新大阪駅整備
●生産性向上投資の加速
・政府及び民間の老朽化した
基幹系情報システムの刷新
・IT 投資・地方移転・人材投資
および賃上げを促す税制・補助金拡大
・人手不足対応の生産性向上投資、
技術開発支援(自動運転の早期実用化など)
・各種投資減税の2021年
以降への延長・拡大
●人材育成投資
・農業、漁業、林業、建設、造船
などをはじめ各業種の日本人技術者
・技能労務者の集中育成期間を
設定し労務単価・賃金の大幅引き上げ
(人手不足を踏まえた処遇改善〈P.26〉)
・若者からいわゆる「就職氷河期世代」
までを含めた幅広い世代の人材育成、
賃金引上げ及び雇用安定化
●賃上げ促進
・公定価格による労務単価の
引き上げ(建設・運輸・保育・介護等)
・賃上げ促進税制の充実
●観光投資
・クルーズ観光の促進投資
・特定地域への旅行を補助する
「旅割」制度の運用
●全国の高速道路整備の加速
・ミッシングリンク整備
・暫定二車線高速道路の車線拡幅
・新東名・新名神の6 車線化
・首都高速日本橋地下化
●国土強靱化投資の加速
・総被害2000 兆円に及ぶ南海トラフ
/首都直下地震等の諸対策
(電柱地中化・橋梁強化・防潮堤整備等)
・全国の上下水道、電気、ガス、
道路・橋梁、河川管理施設(水門等)、
港湾、公営住宅、学校、農業水利施設
など非常時に耐えうるライフライン更新、
耐震化、長寿命化のための予算の確保
(全国自治体に別枠で予算確保、
民間事業者補助金・税制優遇等)
・全国の豪雨対策の対策計画の
策定および長期予算確保
・国土強靭化のための
民間投資促進税制
・巨大高潮のための治水投資
・山林整備のための長期計画策定、
予算の確保
・港湾整備(災害対策および深度)
・全国の老朽化した「ハコモノ」の
整理事業(更新、廃棄)
●地方創生
・地方交付税の増額
・各事業にかかる
賃金の底上げ(東京並みの賃金確保)
・道路及び鉄道・バス等公共交通網の
再構築等の交通インフラ整備
・地方都市再生プロジェクト
・地方移転・移住の加速
(補助金・優遇税制等)
・省力化・生産性向上設備投資支援
・学校給食費の支援拡大
●新エネルギー投資
・ダム再開発
・ガスパイプライン整備補助金
●消費税増税対策
・軽減税率の対象拡大
-軽減税率は8%ではなく5%とする
・一単位あたり100 万円以下の
ものはすべて軽減税率とする
・個人利用のものはすべて
軽減税率適用
●中小零細企業消費税対策
・免税事業者の拡大
(現行1,000 万円→3,000 万円へ)
・課税事業者の判定基準となる
課税売上高を「売上高」から
「粗利」へ変更
・限界控除制度の復活
●教育投資
・高等教育無償化拡大
(給付型奨学金の大幅な拡充等)
・乳幼児期の子供たちの心身の発達や
認知の特性を注意深く把握し、
それに応じた育児や学校における
指導にフィードバックする
仕組みの構築
(就学前に心理検査などが
受けられる子育て支援。就学前二回)
・学校IT 化の一括交付金(別枠予算で確保)
・地域みらい留学事業
(高校段階で親元を離れて
地方へ国内留学50 万人)
・文理分断を乗り越えSTEAM
立国創造事業
(私立大学の分野の構成比の組み換え)
・地域の核としての高校で社会的に
自立する地域人育成事業
(高校普通科を地域化へ転換) 等
●防衛装備投資
・防衛装備の拡充及び自衛隊の処遇改善
上記の通り、我々が過去十年間、
主張し続けてきた
「デフレ脱却と、日本の富国化」
に向けた様々なプロジェクトが
盛り込まれています。
安藤提言を「絵に描いた餅」に
しないためにも、読者の皆様も
是非とも地元の政治家に
「財政出動」を呼び掛けて下さい。
何しろ、官邸のホームページに
掲載されているわけですから、
「党中央」を気にする自民党の
国会議員にも響きます。
恐らく今が、最終的な
勝負所になります。
【三橋貴明】安藤提言への5件のコメント
2018年7月9日 10:52 AM
素敵な品揃えな政策ですね。
消費者としては、できれば土日の1000円高速の復活とかも検討してほしいなと思います。
あと経済関係ないですが、ハッピーマンデー法の廃止も出来れば。
(カネ目的で日にちの価値を無くしていまう悪法)
地方創生といえば、先日読売新聞の記事で、地方の大規模都市に施設・病院を集中させる法整備をするそうですね。圏域単位でのまちづくり、ということでしょうか。これは国土計画としてどう位置づけるか興味あります。
防衛装備といえば、IHIは推力15トン級のジェットエンジンの開発に成功しましたね。F22のエンジンに匹敵するものを国産化できたわけです。有人機無用議論もあるようですが、それは理屈です。古いものも用意するのが、軍事でしょう。効率的な軍隊ほど弱い軍隊は無いのですから。
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2019年1月1日 2:40 PM
[…] 記事(提言書pdf):デフレ完全脱却による財政再建に向けた 「平成31年度予算編成」についての提言 ←本提言は三橋貴明氏によって安藤提言と名付けられています。 […]
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2019年1月1日 2:58 PM
[…] 記事(提言書pdf):デフレ完全脱却による財政再建に向けた 「平成31年度予算編成」についての提言 ←本提言は三橋貴明氏によって安藤提言と名付けられています。 […]
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2019年3月21日 8:52 AM
[…] 記事(提言書pdf):デフレ完全脱却による財政再建に向けた 「平成31年度予算編成」についての提言 ←本提言は三橋貴明氏によって安藤提言と名付けられています。 […]
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2019年4月2日 1:35 AM
[…] 記事(提言書pdf):デフレ完全脱却による財政再建に向けた 「平成31年度予算編成」についての提言 ←本提言は三橋貴明氏によって安藤提言と名付けられています。 […]
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