日本経済

2016年1月19日

【藤井聡】今こそ、全国新幹線ネットワーク「第二期・整備計画」を

FROM 藤井聡@京都大学大学院教授&内閣官房参与

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【解説】

「人口減少で日本経済は本当に衰退するのか?」

データに基づいて三橋貴明が解説
↓↓
https://www.youtube.com/watch?v=IPXsFyPE7uM

富とはお金のことだと思っていませんか・・・?
https://www.youtube.com/watch?v=PnqVW9dgeMA

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(1)新幹線の大きな力
「東京大阪を二時間半で結ぶ新幹線」が、日本の高度成長以降、今日の日本経済をささえ続けてきたことは疑いの余地がありません。

太平洋ベルトが栄えたのも、新潟、仙台、福岡が大都市に成長した背景にも、「新幹線整備」が重大な役割を担ったことは否定しがたい事実です。

そして昨今では、熊本が最新の政令市になったのも、金沢が空前の観光のにぎわいを見せているのも、新幹線の開業が重大な役割を果たしています。

一方で、大分、宮崎の東九州や山陰、四国、そして、羽越地方、さらには札幌を除く北海道の大部分の地域――これらの地域では、いわゆる「過疎」が進行し、目を覆うばかりに疲弊してしまった地が広がっています。こうした地域の衰弱の背景には、新幹線の「未」整備が決定的な影響を及ぼしています。

そもそも、都市部に新幹線を集中投資し、地方部に何もしなければ、「地方から都市への人口や企業の流出」は避けられなくなります。このことはつまり、都市部への新幹線投資は、地方部に対して、「経済被害」を与えていることを意味しています。

(※ 例えば、山陽高速道路は、山陰地方に1.9兆円の被害をもたらしていると推計されています。[下記のスライド13]
http://pcndr-shimane-u.com/wp/wp-content/uploads/2014/11/4_%E8%97%A4%E4%BA%95%E8%81%A1%E6%B0%8F.pdf)

(こうした議論の詳細は、下記の『新幹線とナショナリズム』等をご参照ください)
新幹線とナショナリズム

(2)「次」を考える時代に入ってきた新幹線の整備計画
一方で、わが国の新幹線整備は長らく停滞し、民主党政権でその動きはほぼストップしていたのですが、民主党政権末期ごろから徐々に動きはじめ、今日では、北海道、北陸、九州のそれぞれで、整備が進められる状況となっています。

そもそも今日の新幹線の整備は、40年以上も前の1973年につくられた「整備計画」にそって進められてきました。

これまではなかなかその「終わり」が見えてこなかったのですが、ここにきてようやく、その「終わり」が見えてきました。

北陸新幹線の「敦賀」接続は6年後、
長崎新幹線も6年後、
北海道新幹線の「札幌」接続は15年後にそれぞれ、完了する見通しとなっています。

ですから我々も遂に、73年の「整備計画」の「次」の議論を始めるタイミングにさしかかり始める状況となったわけです。

(3)新幹線整備のプロセス
今日の状況を確認する意味でも、ここで少し、新幹線整備が行政的にどのように進められているのかを解説いたしましょう。

まず、新幹線は、1970年に作られた「基本法」(全国新幹線鉄道整備法)に基づいて、作られます。

この基本法によれば、まず全国的な視点から「基本計画」がつくられます。わが国ではこの基本計画は、1971年〜1973年にかけて作られました。そのネットワークはこちらになっています。
http://trafficnews.jp/post/36474/20141113_shinkansen1/

この地図を是非、よくご覧になってみてください。

ご覧の様に、北海道には旭川にまでつなげられることが決定されており、東北でも青森、秋田に接続することが決定されています。西日本では、鳥取、島根と四国四県、そして東九州の街々にも、新幹線がつくられることが決定されています。

一方、こうして基本計画を策定した上で、その基本計画ネットワークの中で、早期実現が必要な区間をさらに選び出し、「整備計画」が策定されます。

今、この整備計画まで来ているのが、北陸、九州、北海道の3つの路線です(中央リニア新幹線も整備計画まで来ていますが、異なるプロセスで進められているので、その件についてはまた別途論ずることとしたいと思います)。

そして、その「整備計画」とされた路線の区間の中から、毎年毎年の予算の範囲で、具体的に整備が進められていくわけです(そういう段階に移行することを一般に「事業化」と言います)。

つまり、新幹線ができあがるまでには、

 「ステップ1:基本計画」
⇒「ステップ2:整備計画」
⇒「ステップ3:事業化」

という3つのステップを踏まなければならないわけです。

先に紹介した「敦賀までの北陸新幹線」「長崎新幹線」「札幌までの北海道新幹線」はいずれも、「事業化」されていますので、ステップ3に到達しているわけです。

一方で、ステップ2(整備計画になっているが、未だ、事業化されていない区間)としては、「北陸新幹線の敦賀から大阪までの区間」が残されています。

(4)今後20年間の新幹線の推進ビジョン
さて、以上のお話はつまり、

「新幹線整備は凄まじい地域発展効果があるにも関わらず、地方部においてはほとんど作られていない、それが東京一極集中をはじめとした都市の過密と地方の疲弊をもたらしている、だからこそ、迅速な整備が求められている」

という事を意味しています。そしてそのためには、

「現在の整備計画を一日も早く終わらせると同時に、まだ基本計画のステップに止まっている路線の中から『整備計画』に『格上げ』する路線を、現実的な範囲で少しでも多く選び出し、可能な限り迅速に『事業化』していくことが求められている」

という次第です。

こうした背景を受けて、筆者は一学者として、次のような提案を致したいと思います。

 『10年以内に「現整備計画」を完了させると共に
  「第二期・整備計画」の策定と20年以内の整備を目指すべきである』

そもそも、現在の整備計画は、先にも指摘したように、40年以上前に作られたものですから、その終わりがようやく見えてきた今、そろそろ、第二期・整備計画を策定する時期であると考えるのは、至って自然です。

ただし、第二期・整備計画をいち早く策定し、整備していくためにも、現計画を速やかに完了させることも重要です。

一方で、第二期・整備計画としてどういう区間を整備するかは、これから様々な議論を積み重ねていく必要がありますが、現時点での様々な地域の議論を概観しますと、例えば、次の様な議論が考慮の対象となりえるかもしれません。

・四国新幹線(四国区間)
 http://www.shimbun.denki.or.jp/news/local/20160113_01.html
・四国新幹線(大阪区間)
 http://www.nikkei.com/article/DGXLASDF19H0P_Z11C15A1EE8000/
・東九州新幹線
 https://www.oita-press.co.jp/1010000000/2015/11/04/220658641
・奥羽新幹線(山形区間)
 http://www.kahoku.co.jp/tohokunews/201501/20150114_52042.html

この他にも全国に様々な新幹線整備の議論が重ねられてきていますから(山陰新幹線や新宿新線、等)、こうした全国の議論を全国土スケールで俯瞰しつつとりまとめ、第二期整備計画を策定する議論をさらに深めていくことは、極めて重要であると考えます。

もちろん、こうした新幹線整備の迅速化、推進のためには、予算が必要となりますが、筆者の概略的な試算によれば、現在の政府の公共事業関係費の数パーセント程度の「追加」予算がその事業期間に確保されるなら、以上に述べた議論は全てカバー可能なのであり、決して非現実的などではありません。

折しも、地方創生のための地方分散化策、国土強靭化のための一極集中対策、そして、内需拡大を通したアベノミクス成功、デフレ脱却、経済成長が求められている今日、こうした新幹線インフラの整備は、極めて有望な国家プロジェクトの一つであることは間違いありません。

中央リニア新幹線の議論も含めながら、こうした新幹線整備の議論がさらに、国会、政府、マスメディア等を含めた国民的議論の形で展開していきますことを、心から祈念したいと思います。

—発行者より

【解説】

「人口減少で日本経済は本当に衰退するのか?」

データに基づいて三橋貴明が解説
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富とはお金のことだと思っていませんか・・・?
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【藤井聡】今こそ、全国新幹線ネットワーク「第二期・整備計画」をへの7件のコメント

  1. しー より

    仙台から山形を経由して新潟へ向かう東西新幹線はできないものでしょうか。仙台と新潟はガスパイプラインで結ばれるなど、経済的な結び付きもありますし、東北と日本海側の主要都市が結ばれる効果はたかいはず。特に東北の経済の核となる仙台から放射線状に延びることとなる新幹線網の効果は高いはずです。仙台新潟間は直線距離で200km程度で新幹線なら1時間で接続可能となります。現在のアクセスは大宮乗換で3時間弱。直行バスで4.5時間ですので、それが1時間になる効果ははかりしれまでん。東北の層の厚い経済成長のため、検討の余地ありと考えます。

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  2. ねこ より

    鉄道の重要性メリットをわからないではありません、都市近郊在来線の話ですが、実家は阪急沿線ですが、父は車の免許大型二種を持っているにも関わらず、自家用車を持ったことはありません。電車が充実していて、大阪神戸京都どこでもサッと出られるため、生活上に必要を感じないからだと思います。阪急電車料金が安いのも、生活の快適性に大きな理由だと思います。小林一三さんありがとう!ヽ(;▽;)ノ対比して、最近のベッドタウンはどうでしょうか、、松井しは泉北高速鉄道を悪名高い外資ハゲタカファンドに売ろうとして、住民が真っ当に賢明に反対すると、住民をワガママだと罵りましたよね・・・愚劣ナリ(-_-メ)

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  3. penname より

    比較的、国民的議論にはなりにくい分野なのではないかと考えました。市民運動などで国民が声をあげること、政府・行政への要望を出すこと、あるいは、一票にて実現を図るのに適する分野とそうではない分野があり、今回の話に関しては、比較的後者の色彩が強いのではないかと思いました。(建築的と土木的に分類できないだろうか?)トップダウン。政府関係者・専門家で議論し、結果や進捗を衆知いただきたいです!

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  4. 學天測 より

    お疲れ様です。先生(笑)。私、率直に思いますのは新幹線の議論はどこか一般ピーポーからは遠いんですよね。実際遠くないと思うんですが、やはり車社会でありますから、高速道路の方がまだ便利だなあという感があります。そういうわけで新幹線を引けば、水道料金が安くなるとかそういうですね。風が吹けば桶屋が儲かるじゃないですが、極めて胡散臭いですが、身近な生活にもろ直結する効果を提示できないのかとは思いますですwはいwではさようならw

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  5. ねこ より

    新幹線、よいのはわかる気はしますが、料金はいかがなものでしょうか?私は東京に行くとき、料金から夜行バスをよく使いますし、ある学生さんは格安飛行機を利用していました。格安スキーバスで、悲惨な事故が起こったばかりですね、学生や低所得の人→貧乏→安全性も自己責任→無理する→富裕層なら何でもないところで命の危険に晒される、というような、やりきれない悪循環をなんとかしないと、日本社会のために良くないと思いますね。(’_’、)まあ、バス事故は規制緩和のせいか、、鉄道なら学生なら時間がかかっても、青春なんとか切符がありますか。。。新幹線を多くの人が利用できるように、社会格差を小さくする努力方向性が、必要なんですかね。

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  6. 拓三 より

    何か意図を持った人はともかく、日本の為に日本を考える人ならば、今こそ絶好のチャンスだと考えるのが当然であります。支那を始め世界の経済が縮小すると言う事は、供給余りとなり世界の人件費の下落に繋がります。それに加え円高圧力が懸かると言う事は、リフレ政策だけでは押さえ込む事は出来ません(3年前から解ってた事やけど)ここでバカな人達は「公共事業を増やせばもっと円高圧力が懸かるではないか」と事大主義的発想を言う訳です。(借金が〜よりマシやけど)でもね、金融政策は必要不可欠やけど、この供給過剰の世界でいくら国内の供給を増やした所で(増えて無いけど)価格競争になるのがオチやろ。失業者もジワジワ増える様な…..。ならば多少の円高は覚悟の上(金融政策もね)数年間置き去りにされた公共事業(国土強靭化)を柱にし、需要拡大をはかり、その上世界の供給も抜け入れる位な男前の発想にならんか!資源価格も下落してるし、その分賃金に転嫁しやすい環境や。コラッ政府、大企業にベースアップお願いしても、もう無駄や!お前らの頭で考えて政治家の職務を真っ当せ!小ちゃい政府論には気を付けろ!

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  7. はっちゃん より

    とても前向きなお話で、読んでいて元気が出てきました。ぜひ新幹線が少しでも早く整備されることを願っています。「ほんま、これに集中してこれを選挙の争点にしてくれたらいいのに。」なんて独りパソコンの前で勝手につぶやいてしまいます。新日本経済新聞を読んでいて、本当に勉強になります。歴史に学んだり、他国の事例などをよく見て検討したり、仮説を立てたり検証したり・・・まだ私がわかっているのはこの程度ですが、冷静な議論ってこういうものなのだな。そう思います。この考え方は以前の私は知りませんでした。ビジネスにも役立っていると思います。いつも感謝しながら読ませていただいております。

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