コラム

2016年9月4日

[三橋実況中継] 企業と国家は違う

From 三橋貴明

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データに基づく解説が評判の三橋貴明が、
中国の本質を解説する。

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【近況】

関東地方や東北、北海道にお住まいの方は、今年の夏は何やら毎週「台風」が襲来してきたという印象です。
台風9号、10号、11号に続き、台風12号が九州に接近中です。

度重なる台風による豪雨は、日本各地の川を氾濫させ、大きな被害をもたらしました。

日本には、河川法で管理される一級河川が約1万4千もあります。さらに、二級河川の数が約7千。
2万を超す川を適切に管理しなければ、我が国では安全に暮らしていくことができないのです。

「適切な管理」とは平時の話ではなく、「台風や豪雨の際であっても、川の氾濫を防ぐ」という意味になります。
さらに、いざ洪水被害が発生した際には、ライフライン(電気、水道、ガス、通信)を速やかに復旧させなければなりません。

道路が冠水し、電信柱や樹木が倒れ、更には橋も落ちる。
ライフラインはずたずたに引き裂かれ、住民が孤立し、物流も機能しなくなる。

その状況でも、被災者を救わなければならない。ライフラインを回復させなければならない。

上記は、我が国が台風の進路に存在する以上、国家として決して忘れてはならない課題なのです。
そして、非常時に被災者を救うための力を国家として維持するためには、「平時における供給能力の余剰」が必要です。

平時に供給能力について、需要を満たす最小分しか保有していないのでは、非常事態発生時には間違いなく「不足」に陥ります。結果、被災者という「日本国民」が苦しむ。

無論、費用対効果やジャストインタイムの発想は、企業にとっては重要です。
とはいえ「国家」としては、非常事態に対する脆弱性を高める結果をもたらす可能性があるわけです。

企業と国家(あるいは「政府」)は違う。「いわゆる国の借金」関連の情報もそうですが、「企業と国家は違う」という当たり前の事実を日本国民は早急に共有する必要があると思うのです。

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◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書第81回「「国民国家」の健全な維持のために、日本語を疎かにしてはならない」
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◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第187回「運送サービスの危機」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 Vol380 税金の役割
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税金について「政府の支出の財源」と、シンプルな理解をしている人が多いので、正しい「税金の役割」について書いてみました。

◆メディア出演

9月7日(水) 6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。

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9月7日(水) チャンネル桜「Front Japan桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

9月9日(金) TOKYO MX「モーニングCROSS」に出演します。
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8月31日(金) チャンネル桜「Front Japan桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】三橋貴明の経済の話[桜H28/8/31]https://youtu.be/o1YPuDRUeoc
http://www.nicovideo.jp/watch/1472627332

9月3日(土) チャンネル桜「日本よ、今…「闘論!倒論!討論!」 」に出演しました。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1655

◆三橋経済塾

8月20日(土)三橋経済塾第五期 第八回対面講義が開催されました
ゲスト講師は元「正論」編集長の上島嘉郎先生!
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インターネット受講の皆様、お待たせいたしました!

9月17日(土)三橋経済塾第五期 第九回対面講義のお申し込み受付開始しました。
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ゲスト講師は柴山 桂太先生(京都大学准教授)

◆チャンネルAJER 
『ヘリコプターマネー?』三橋貴明 AJER2016.8.23
https://youtu.be/1UzK-Gn-vpU

ーーー発行者よりーーー

はーやん様のレビュー: ★★★★★ 
「中国の本質が理解でき感謝です。」

特に印象に残ったのは以下3点となります。

1.グローバル経済の凄さ

確かに中国の経済規模は無視できないと思います。
冷戦前の1991年以前は鎖国していたので貧乏でしたが、
それ以降外資を導入して経済拡大したのはよく理解できました。

品質は悪いといわれていますが、新幹線も原子力も自国で
製造できるようになっているのは、経験の蓄積といえ、今後も脅威と思います。

2.中国共産党の意思決定の速さ

これは選挙で選ばれていないので民意を反映しないで
意思決定できる点がなるほどと思いました。
独裁国家であることを再認識しました。

3.尖閣の問題

日本として妥協してはいけないと思います。

領土問題は世界のどこでもありますが、
妥協すると相手の思うつぼっていうのは当たっていると思います。

いつ解決できるかはわかりませんが、
日本国として毅然とした対応が大切と感じます。

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[三橋実況中継] 企業と国家は違うへの3件のコメント

  1. 通りすがり より

    確かに、企業と国家は違うのだろうと思います(通貨発行権の有無など)。しかし、問題はそこではないのでは、と思うわけであります。1.「効果」というものの認識費用対効果という言葉がありますが、「効果」という言葉はもっぱら、金銭的価値に換算出来るものについてのみ論じられます。つまり安心、安全といったものは、効果換算が難しいため無視されます(換算できるのかも知れませんが)。ここに問題があると思われます。最近は「安心安全など求めているんじゃない軟弱者が」みたいな言動がそこここに見受けられるのですが、安心安全を求めることに何の問題があるのか、私には理解し難いです。会社においても、安心できる雇用や安定した人間関係でもって、仕事や開発はうまく運んでいくものだと思うのです。そう考えると、正社員という「制度」そのものにも、立派な「換算しにくい効果」があると思います。これを「金銭的価値に換算出来ないから切ってよい、無駄だ」と考える姿勢は、かえっていい仕事や開発を遅らせる結果になるのでしょう。2.「都市と農村」というものの認識よく「農村は無駄だ」という言論があるかと思います。確かに都市の方が経済規模は大きいし、集約的で効率的ではあるでしょう。しかし自分としては、最近「都市の無限の拡大の方が無駄なんじゃないか」と思ってきています。何故か。まず農村には自然があります。森を見ても分かりますが、禿山にしてしまったり、崩して平地にしてしまったら数年で元に戻すようなことはできません。それだけで大きな価値があります。第二に、日本の都市は美しくありません。これは、都市計画法や建築基準法などの制度的な問題があるのでしょうが、根本に「都市を美しく作って行こう」という精神が、日本人に欠けているからなのではないでしょうか。それは何故かというと、「美しさ」というものが金銭的価値に換算不可能だからです。他にも様々な理由はありますが省略します。したがってこういうことです。日本という国土には元々自然が先にあり、そこに人間は住まわせてもらっている。しかし日本人はその自覚を忘れたのか、農村を馬鹿にし、農村を食い潰すような形で住処を広げている。いつの間にか日本人は、「人間は自然を征服出来るようになった」などと思うようになってしまったのではないでしょうか。そして征服できない台風などの自然現象に対して呆然と立ち往生したり、「人工的に作り上げたわけではない農村は無駄だ」などと言うようになってしまったのではないでしょうか。とすると、これからは都市の無限の拡大は止め、農村を大事にすると同時に都市ー都市間および都市ー農村間の交通インフラをしっかり整備していくことこそが最も重要だと思うわけです。重要なだけでなく効率的であり、持続可能性が高いと思われます。ちょうど正社員の議論と同じような感じだと思います。藤井先生から「ワイズスペンディング」という言葉がありました。これを考えても、賢い投資を行うという姿勢は、国であれ企業であれ変わらないことと思います。問題は、「何を賢い投資と思うか」なのだろうと思います。農村や非正規社員を邪険に扱うことも賢くありませんし、野放図にばら撒いていくのも賢くないでしょう。ではどうすればいいかを考えるのが重要だと思われます。

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  2. あまき より

    松山藩の借金10万両を10年で完済したのみならず10万両の蓄蔵に成功した財政再建の鏡、山田方谷を推すコラムを読んだが、こういう書き方で財務省を代弁しゴマする方法があったかと、むしろ感心してしまった。三橋さんのおかげで新聞、経済誌がつまらなくなったような面白く読めるようになったような、少々複雑なところです。この経済誌界隈が、近年読者層の拡大を狙ってか鉄道ものを熱心に扱うようになり、得意のランキング記事で社局ごとの体力を分析してみせていますが、この手の独立採算を前提とするいかにも東京発らしい、凝り固まった視野狭窄の報じ方には読んでいて少なからぬ疑問を感じます。今回2度の台風で都市間路線が寸断され、復旧費用推定数十億円の半分を自社で賄う必要に迫られているJR北海道は、全営業路線が赤字で収支係数154と発表されて騒ぎになりました。ところが欧州でいま最も成功した鉄道投資といわれ乗客が増え続けているスイス国鉄のチューリッヒ都市圏輸送網は収支係数138なのです。これを経済誌が報じないのはなぜか。投資に見合った利用増が得られなければ、利用者が逸走し営業エリアが衰滅しても経営判断的にはそれでもよしとする恐るべき「選択と集中」の時流、合理思想に基づいて記事を書いているからに他ならない。日に50本の高速貨物と20本未満の旅客列車が走行する。海外では立派な重要幹線に値します。その同じ箇所で貨物が脱線している。今より財政規模の小さかった遥か昔でも線形改良といって曲線緩和や隧道の掘削による直線化が施されたものですが、そうした議論はこんにちまず出て来ない。この脱線多発事故の対応も、現場の「徐行」で対応するという、スピードが命のこの時代にまったくあり得ない方策でしのぐありさまです。これも経済誌では疑問が呈されなかった。台風被害による北海道各線の惨状は、あらためて国家が担うべき役割があるのだということを、深刻に思いいたらせるに余りある出来事です。しかし保守派は国家に頼るなという。ヒモつきでは魂の自由は得られないと個人と国家を一緒くたにして訳のわからぬことを書いている小説家が、方谷翁ではないが質素倹約と貯蓄の台所感覚で財政均衡主義を支持して国の将来を憂いてみせる。冷戦期に活躍した保守派が国家、国民の分裂分解に直接、間接に力を貸す様子を目の当たりにする時代が来るとは、正直思いもよらなかったです。

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  3. ofu_1 より

    約100年前、米国ニューデール政策の良、不良判定の違いによって通貨量の問題または積極的な財政出動かに分かれます? とりあえず日銀が通貨政策の土俵にあがりましたが不良のようで、二番手、財政政策も出たとこ勝負の観があります。 敗戦後の大きな変化。象徴天皇(軍隊等の統治権放棄)、土地所有改革、社会階級制度の廃止、財閥の不完全解体、女性の参政権。 原爆と爆撃で国中の主な町が消滅しましたので、まさに衣食住や公共財の爆発的需要が発生し、新円発行で貧富の格差も吹き飛びました。一戸建て需要で屋久島の千年杉が消えました。 家族、親戚、ご近所や役所などすべての人が助け合って生き抜きました。 新繊維、ラジオ、テープレコーダー、テレビ、洗濯機、自動車、医療設備などの新製品の開発と高級、高機能化で五、六十年があっという間に過ぎ去り衣食住が足りた後の社会政策の目標が見当はずれの模様です。 健脚な65歳以上の人はからだの健康維持のために自動車の使用が極端に減り、歩く日課になります。 長寿の単身女性(おそらく65歳以上で6割くらい)が目立ち、立派なマンションや家屋に老女の一人住まいも増えました。まさしく国民一人に一家屋が実現したようです。お気楽な社会ですが物凄く高くつく買い物の様な気がします。 無限には発行できないけど、そこそこ適当に一千兆円や二千兆円の日銀や財務省の国債発行はOKという、よく分からない説があります。岩田規久男(敬称略)のようにならなければよいが? 落選しないことが一番大事な代議士に年金は削れないだろうし、自国の経済政策にノーベル経済学者二人を引きずり回し(結果として無能が一人、これから判明が一人)、予算執行が滞ったら昇進と天下りが飛ぶ財務官にはなにもできないし、なにもすることがなくなった安倍総理は手土産かかえて世界行脚となります。 ドイツはフランスから、原発で発電した電気を買っているということですが、ドイツ国民が納得しているようなので、石油発電より安いのでしょうね。原子力空母も原子力潜水艦も問題なく働いているようなので本当は原発は安全なのでしょう。  新技術の熱核融合炉(ロッキード社とマサチューセッツ工科大学)の進捗はどうなのでしょうね? 農業、医療、交通、家屋などに現在の数倍のエネルギーが投入できると産業と日常生活がガラッと変わります。地下室に菜園があるのが当たり前のようになります。斜面を克服する補助足などがあると山間地が生き返ります。あくまでも人間の筋肉と共に働くのが原則です。 原子力潜水艦が3000億円位なら、1000万円_10万人で1兆円。100万円_100万人で1兆円(ファンドで資金調達)。各県で3隻位ずつ買える計算です。海中に浮かぶではなく、地中や地面に浮かぶ小型原子炉のイメージです。頑張れ! 東芝

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