政治

2018年5月17日

【小浜逸郎】高度大衆社会における統治の理想

From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

前回このメルマガに、
誰が実権を握り、日本を亡国に導いているか
https://38news.jp/politics/11893
という記事を投稿し、
多くの方の支持をいただきました。
これらの支持をお寄せくださった方に感謝いたします。
しかし中には、
「右顧左眄していて、何を言いたいのかよくわからない」
といった意味のコメントもありました。
こうしたコメントを寄せる人々には、
失礼ながらもう少し正確な読み取り能力を
養っていただきたいと思います。

再読していただければわかりますが、
筆者の言いたいことは明瞭です。
要するに、いまの日本の政治で実権を握って
日本を動かしているのは、
必ずしも安倍首相ではなく、
まして与党の有力国会議員でもなく、
国民の前に姿を見せない財務官僚たちと、
内閣直属の各種会議の「民間議員」と称する
グローバリスト委員たちなのです。
国民は、空しい議論に明け暮れる
国会の動きや政局の今後などよりも、
まず何よりも、そのことにもっと気づくべきだ
というのが、その趣旨です。

ちなみに筆者の論考は、
何ら安倍首相や安倍政権を擁護する
ものではありません。
もとよりこの政権の経済政策が、
日本を一歩一歩後進国化へと
導いていることは確実ですし、
国政の最高責任者が安倍総理大臣である以上、
その最終責任が安倍氏その人にあることは
論を俟ちません。

ところで、昨年七月、このメルマガに、
劉暁波氏の死去に際して、自由について考える
と題して書いたのですが、
https://38news.jp/asia/10804
日本の言論状況は、
なまじ「言論の自由」が形の上で
保障されているために、
諸説乱立したまま放置されています。
政府関係者も、野党も、マスメディアも、
学者も、ネット言論も、みんな勝手なことを唱えて、
ほとんどだれも責任を取ろうとしません。
まともな議論がいまの日本には成立していないのです。
いくら正しいと思えることを、
論理と証拠を挙げて論じても、
声のデカい勢力の洗脳にたぶらかされ、
聞く耳を持たなくなった人たちが
圧倒的多数を占めていて、
暖簾に腕押し」の状態です。

もちろん、中には少数ながらこうした状況にもめげず、
繰り返し正論を唱え、
それに見合った実践をしぶとく行っている人々も
いますから、絶望してはなりません。
じっさい、この人たちの努力が
少しずつ浸透している兆候はあります。
たとえば、自民党の三回生議員を中心に作られた
日本の未来を考える勉強会
(代表・安藤裕議員)が、
このたび消費増税凍結や
PB黒字化目標の撤回を求める提言を発表し、
安倍首相に、6月の「骨太の方針」に反映するよう
要求することを決定しました。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO30361800R10C18A5EA3000/
これなどは、そのよき兆候を明確に示しています。
この会は、30人ほどによって構成されています。

筆者は、この会を心から応援するとともに、
ますます勢力を伸ばすよう祈りたいと思います。

ただ、「言論の自由」なるものが
いまの日本の大勢のような状況を呈していると、
こうした兆候だけではまだまだ足りません。
言論人の端くれとしては、
この「暖簾に腕押し」状態をどう打開すべきか、と
頭を悩ませざるを得ません。
社会批判、政権批判の有効性について考えるとき、
やはり念頭に置かなくてはならないのは、
高度大衆社会という苛立たしい現実です。
高度大衆社会とは、先進民主主義社会の
必然的な帰着点と言ってもいいものです。
その条件は以下のとおり。

(1)経済的な豊かさがそこそこいきわたっている。
(2)高等教育がそこそこいきわたっている。
(3)誰にも言論の自由があることが法的には
保証されている。
(4)誰にも政治参加の機会が一応は与えられている。
(5)マスジャーナリズムが過剰に肥大している。
(6)高度な情報技術が発達している。
(7)主権者であるはずの国民が、
中央政治やマクロ経済に真剣な関心を示さず、
簡単に割り切る習慣を身につけている。
(8)世論なるものが、
マスジャーナリズムの印象操作によって形成される。
(9)災害時の風評被害の例のように、
情報伝達のスピードと不正確さが背中合わせになる。
(10)豊かさに陰りが見え、格差が開くと、
ルサンチマンが強い力を持つ。

こうした状態が長く続くと(続いているのですが)、
実権を握る者たちの大衆操作がしやすくなる反面、
民衆が、それとは必ずしも連続しない感情的な世論に
迎合しやすくなります。
また情報発信が誰にでもできるので、
深い考えもない人々が一丁前に意見を言うことで、
「自己実現」を果たした気になります。
それらの多くは、大局を見逃した些末な問題に
偏りがちになります。

つまり政治の表面にあからさまな権力者が
君臨していなくても、
国家や国民生活の命運を左右する重大事が、
慎重な議論もされないままに、
いつの間にか空気や時々の勢いによって、
決定されて行ってしまうのです。
かくして高度大衆社会こそ全体主義の生みの親です。
全体主義というと、
だれもがヒトラー・ナチス・ドイツや、
ソ連のスターリニズムを思い浮かべますが、
現代の全体主義は、
一人あるいは少数の権力者によって
作り出されるのではありません。
民衆の一見不統一な集合のうねりそれ自体が、
すでに全体主義なのです。
形式的な権力者は、高度大衆社会では、
民衆に迎合せざるを得ず、その点でむしろ無力です。

こうした状況に対処するには、
次の方法しかありません。
よく考えることにおいて卓越した能力を持ち、
公共精神あふれる者たち(真のエリート)が、
権力者に実際に働きかけ、
適切な政策提言をし、
時には政権に一定のポストを占めることです。
以前、このメルマガで、
「新」国家改造法案として
提案したことがあるのですが、
https://38news.jp/politics/10204
これを少しでも実現するためには、
まず上のような人たちによる、
スーパー・シンクタンク」のようなものを
作る必要があります。
こういう人たちが少なくとも10人集まって、
定期的に会議を開き、
これからの日本の進むべき方向を決めていくのです。
これは、政権が代わっても存続する必要があります。
それだけの権威を維持するのに何が必要か、
どうやって権力に食い込むのか、
それを考えるのがさしあたっての課題です。

この発想は、
プラトンの「哲人国家」論に近いものがあります。
筆者は、
プラトン思想に必ずしも共鳴する者ではありません。
しかし、彼がペリクレス時代の民主政治に
たいへん批判的だった点には、
共感できるところがあります。
プラトンは、衆愚政治が師のソクラテスを殺した
と考えていました。
真のエリートを活かすことができない現代でも、
基本的な問題点は、
変わっていないのではないでしょうか。

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●月刊誌『Voice』6月号
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●『日本語は哲学する言語である』(仮)
を脱稿しました。
●ブログ「小浜逸郎・ことばの闘い」
http://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo

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【小浜逸郎】高度大衆社会における統治の理想への9件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    今回もすごく濃いお話しをありがとうございます。
    自分は一月ほど研修に出ていて様々なものをかじってきましたが、複雑な問題を解決するに、TOC、制約理論というのが使えるらしく、自分なりに上記(1)から(10)を考えてみました。

    要するに、関連のあるもの、順序性のあるものを線で結び、より根本にあるものを明らかにし、その根本への対処を解決策にすればよい、という手法のようです。

             8)印象世論 9)風評炎上
              └──┬──┘
                 │
               7)安直理解
                 │
                 ├───────┐
                 │      10)格差陰湿
                 │
              5)マスメディア肥大
                 │
          ┌──────┴───────┐
          │              │
         (需要?)          (条件??)
          │              │
    ┌─────┼─────┐     ┌──┴──┐
    1)経済的豊 2)高等教育 4)政治参加 3)言論自由 6)高度情報

    不思議なのは、2)高等教育がある程度妥当だとすれば、5)マスメディア肥大したとしても、7)安直理解には容易に結びつかないのではないか。それだけ、10)格差陰湿の影響力が大きいのでは、と思いました。
    あるいは、10)以外にも強力な要因があるのではないか。他にも5)マスメディア肥大から7)安直理解へと結びつく要因として、なにか無いか。つらつら愚考しますに、

    X)情報、教養についての権威崩壊?
    Y)安直理解で留まってしまう程の自ら考える力の劣化?
    Z)「多様な価値観」を後ろ盾にした意見の乱立・意見調整機会の喪失?

    で、自分がフォーカスしたいのは、自ら考える力の劣化です。それがZ)と相互作用しているのかも、と。

    というのは、それは高等教育が進むほど悪化する可能性がある。つまり「学ぶこと=習うことが増える」&「習ったことを客観的に評価する」という土台があり、「膨大な客観テストに耐える」必要が生まれ、そのため知識、知恵が形式知としてのみ獲得され、その形式知のさらなる抽象化により、もはや暗黙知とは全く別物の体系となってしまう。
    そのとき知識はただの道具になり、その場限りで有益ならば節操なく使われる使い捨てになってしまうのではないか。
    ・・上手く言えませんが、そんなふうに感じます。

    「車輪の再発明は意味がない」
    という話があります。つまり先人がすでに発明してしまったものをわざわざ後世の人がやるのは無駄、ということです。ただ、実際にやってみると試行錯誤、失敗から多くのことを学び、また気づく現実というものがあり、それはその人の世界観を形成する上で重要な学びかもしれません。
    高等教育の肥大、そして客観評価というのは、組み合わせると
    とても残念なことがあるかもしれない。そう思いました。(気長すぎですね・・)

    早急な社会問題解決としては、10)を取り除くため、ぜひとも消費税撤廃、デフレからインフレ、つまりカネ(=効率)重視から、モノ(=価値)重視への社会変化を達成すること、そして教育、自ら学ぶこと、最近文科省もそう言っているようですが、に、まともに取り組むこと。

    それらを実現するために、短期間なら手段を選ばずもありかもしれない。そう思います。短期間というのは、結果が出てしまえば手段を正当化できてしまう、という理由です。

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  2. 赤城 より

    大日本帝国における元老のようなものでしょうか。
    国家を長期的生存戦略によって安定的に運営するためには、
    独裁的な権力機構を持たない民主国家であれば特に
    そういった安定的な立場の人たちが必要ですね。
    明治憲法に決定的な欠陥があったとはいえ、
    元老がいなくなったことで旧日本は国家の安定的な統治能力を失って
    亡国に至ってしまった。

    現日本でその立場に近い人たちは財務省の官僚でしょうか。
    だから彼らを完全に抑えてコントロールできれば日本は現在のように
    簡単に自滅に追いやることが出来るわけです。

    まともな先進国なら長期的国家戦略を考案進言実行できるような
    安定的な国家組織が必ず存在しているでしょう。
    さもなければ現在の日本のように愚かさに狂ったような振りをした
    売国者と隣国の支配者によって、
    それに抗うことができない多くの大衆の無知と無責任を手玉に取られ、
    簡単に自滅に追いやられてしまうのです。

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  3. あまき より

    有識者会議は総理または関係大臣の諮問に応じて設置されるが、経済財政諮問会議設置の説明には関係大臣の諮問に応じの文言がない。総理の意向が強く反映されている。

    有識者会議は諮問会議であるから設置は義務でない。設置してもいいし設置しなくてもいい。暗闘の事実があるそうなので、早くその事実を承知の範囲で説明してもらいたいものだが、暗闘の真っ最中、息のかかった人間を財務省から民間議員として送り込まれる危険を承知で、消費税増税以降の第3次、第4次と財政諮問会議を設置し続けているのだとすれば、その意図は一体どこにあるのだろうか。

    森友学園問題は財務省の陰謀の可能性があるとの陰謀説を、まさかこの本紙で目にする機会があろうとは思いもよらなかったが、「外交ではよくやっている」と驚くべきご認識を披露されることもある方だから、動揺するまでもないことだった。

    したがって、グローバリストで占められてしまう有識者会議の根本を問わずして「スーパー・シンクタンク」を提唱される不思議に接しても、もはや驚きはないけれど、いまの有識者会議とどこがどう違うのかが不明。メンバーを三橋さんたちに入れ替えろ、と素直に言われるのならまだ理解できるのだが。

    私もプラトンには少しだけ共感する。しかし愚かな民主政治のもとに生まれた愚か者としては、小選挙区制度を即刻廃止して旧に復するが先決。在野にあるこの方たちの中に志を立てる人が現れ、当選圏に押し上げるためにも、中選挙区制復活は焦眉の急だと思う。

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  4. たけちゃん より

    高度大衆社会にあくまで安倍晋三に責任が無いとデマゴギーを垂れ流しする似非右翼識者扇動家にも問題あるんとちゃうか?

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      1. たけちゃん より

        考える事に卓越した能力を持ち公共精神溢れる安倍信者が日本人を滅亡させるのですね。
        全く不同意です、カルト野郎 いい加減な事言うな 売国奴。

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        1. たけちゃん より

          >多くの方の支持を頂き
          何を以て政治の実権を握っているのは財務官僚と民間議員だと強弁するのか? 全然根拠を明らかにせずに声高に叫ぶ姿勢こそが安倍信者そのものだ。
          他の方の言うように最早周知である日本を攪乱するロバートフェルドマン、米商工会議所、日米合同委員会に言及せず安倍には実権が無いーーーと言うのか? 

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  5. ぬこ より

    保守派の人達って、CFRやビルダバーグ会議や、TCに関して、本当に目をつぶりますよね。

    小浜先生おっしゃる、官僚や日本の財界人の上に居るのが、彼等で、ゴールドマン等の投資銀行の傀儡の様な欧米人を(民間議員)と称して、日本政治に内政干渉してるんですよね。
    特にフェルドマンとかの自称ユダヤ系が悪質。
    ユダヤを利用してるのが、英米やスイスやバチカンの王族貴族なんだと思うんですけど(ユダヤだけ陰謀論もこうした連中の工作かと)。

    特区問題や水道民営化や発送電分離も、こうした連中の提言である事は、TPP以前から、年次要望書や日米経済調和対話で言われてた事かと。

    その辺の事情は、小浜先生も三橋さんも、ご存知無いわけ無いですよね。
    でも、公人として名を売ってる人達は怖くて直で批判できない。

    個人が調べるしか無いわけですよね。

    元自衛隊陸将で、地下鉄サリン事件で陣頭指揮を取った池田整治さんが、そのオーム事件の黒幕は北朝鮮で、さらにその上は米国工作機関(笑)で、その上に上述の世界の王族貴族が居ると指摘しております。

    彼等、欧米支配層が資本支配している大企業(水や製薬や穀物や建設や軍需のメジャー企業群)に出資してる欧米1%(0.01%?)が、日本の失われた20年にも影響してると思いますけどね。

    プラザ合意やBIS規制や三角合併解禁や郵政民営化やTPPや働き方改革も、この連中の日本喰いの一貫かと。
    中国共産党は、彼等のアジア支部みたいなもんで。

    こうした事に知識人が逃げつづけるのは昔からの習性だから仕方ないとしても、僕の様な庶民は知らないと、自分の生活に直轄しますからね。

    明治維新からやらせで喰われまくってんだから。
    最近、欧米権力層の汚さに、当の欧米人が気付いてきて秋波を日本にも送っております。

    三橋さんの桜の講演等の、移民問題に関する提言が勝手に英訳されてYouTubeに上がってますけど、思った以上に欧米庶民からの応援メッセージが多いです。

    その多くが、
    日本は賢いんだから俺達の様になってくれるな
    です。

    そうした声無き欧米人が、反EUやトランプ支持とかを言ってるんだと思いますけどね。
    トランプがどっちなのかは微妙ですが。

    日本のリベラルや左翼と言われる知識人は、保守系エセ知識人と違って、欧米支配層の実態を研究してますよね。
    広瀬隆さんの赤い盾とか。

    よほどリベラル左翼の方が保守よりも日本の支配の実態に肉薄してますよね。

    彼等が、護憲や東京裁判マンセーをしてる間はアメリカも目をつぶってるんでしょうけど。

    僕のような庶民は、保守派さま違って英米さまに
    忖度
    する必要無いので、これからも学習していこうかと思っとります。

    庶民が真相に怒り抗議した後で、知識人さまや官僚さまや政治家さまは重い腰を上げるんでしょうけどね(笑)

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      1. ぬこ より

        明らかに欧米支配層の悪事を隠して、戦後日本人のひ弱さや、大衆社会の持つ欠点を指摘するのもいかがなものかと。

        明らかな悪を批判するのが先だと思います。

        勿論、欧米人だけでなく、楽天の親父の様に、TC(日米欧三極委員会)に属してるグローバルエリートが居ますよね。
        今の財界や官僚や政治家もほとんどがそれら欧米支配層のおこぼれを預かってる連中ですよね。

        だからこそ、庶民は震源地の存在に気付いて、叩かないといけないのかと。

        学者センセと違って実生活を破壊されてるんですから。

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  6. 利根川 より

    <資本主義システムで起きる事>

    イノベーションがおきない

    実体経済が成長しない

    ”金融によって”儲けるしかなくなる

    バブる

    バブル崩壊

    需要不足の資産デフレの状況が続く

    利子率が下がって投資先が無い

    企業は設備投資をしなくなるのでイノベーションも起きなくなる

    最初に戻る(ループって以下略)

    中野剛志さんの「日本防衛論」あるいは中野剛志さんと柴山桂太さんの対談本「グローバリズムその先の悲劇に備えよ」
    で紹介されていますが、資本主義自体がそもそも「自らを崩壊させるメカニズムをもっている」不安定なモノだとの事(by経済学者ハイマン・ミンスキー)

    投資というのは将来の利益を予測して(この〇〇に賭ければ儲かるはず ザワッ ザワッ)現在支出する

    といったものなので、どれほど情報を集め、確率論的に予測を立てたとしても結局は単なる主観に基ずく賭けにしかならない。
    この、本質的には不安定なモノを

    ・金融危機時に「最後の貸し手」となる中央銀行

    ・金融危機により需要が縮小した際に、需要を刺激する事ができる「大きな政府」

    によって恐慌(経済システム全体の崩壊)にまで至る事を防いでいた。
     なのに、1970年代後半から1980年代にかけてアメリカを中心に市場メカニズムを重視した「小さな政府」を目指すようになってしまった。
     私も人の事は言えませんが、今こうなっている根本的な原因は民主主義国家の国民が自分達が使っているツール(資本主義システム)について知らな過ぎたためだと感じるのです。
     だから、そのツールのもっとも重要な部品を他人に言われてホイホイ捨ててしまうのではないかと

    日米で行われた各種規制緩和(小さな政府)
    ユーロシステム(「最後の貸し手」を自ら手放す) 

    これらも国民が自分が使っている道具の特性をもっとよく知っていたなら防げたかもしれません
     これは資本主義システムという大きなツールについてだけではなく、「お金」という小さなツールについても言えます。
     お金というのが「債務と債権の記録に流通性を持たせたもの」で、何に書かれているか(紙とか金銀とか)ではなく、何が書かれているかが重要、などという事は瀧本さん三橋さんの動画で初めて理解しましたし、国民の大半はまだこういった事を”本当には”理解していないのではないでしょうか。
     また、先ごろ上梓された施光恒さんの「本当に日本人は流されやすいのか」でも書かれているように、ツールのみならず、自分達の長所(日本人の特性)にも無頓着であったため自分達のスタイルに合わないダイエット(アングロサクソン型)を”丸々”取り入れてドツボにはまっているわけです。
     確かに、自分達の利益を最大化しようとせっせとロビー活動をしているグローバリスト(0.01%層、あるいは欧米支配層)も居ますが、例え彼らを攻撃し殲滅できたとしても、時代時代でまた新たな「現代版東インド会社」はいくらでも発生するのです(無限湧き)
     新経世済民新聞や各種書籍などで言論活動をしてくださっている方達が何を目標にしているのかと言えば、無限湧きする「その時代時代の似たようなモノ達」を叩くのではなく、それらにそそのかされて自分達の生活・習慣・慣習をめちゃくちゃにされないように知識と情報を仕入れてください、ということなのではないでしょうか。(言論活動をしている方々ありがとうございます)
     私は勧善懲悪モノが好きですが、それは現実では「悪」を倒して平和になるなどという単純な事にはなっていないというのを実感しているからです。
     三橋貴明さんは日欧以外の地域は独裁者の存在がなければ国家としてまとまれないと解説していますが、どうも最近は日本国民も独裁者をお望みのようです(小泉劇場、橋下さんの維新フィーバーなど)

     
     
     

     

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