政治

2017年3月16日

【小浜逸郎】「新」国家改造法案

From 小浜逸郎@評論家/国士舘大学客員教授

安倍政権になってから、というと、まるで安倍さんだけが悪いように聞こえたり、民主党政権時代のほうがましだった、といっているように聞こえますので、どこを節目にしたらよいのか困るのですが、ともかく、この数年、日本の政治はひたすら亡国を目指しているように思います。

事態はかなり絶望的です。

当メルマガの読者の方々なら、きっとこの私の感想に同意してくださるでしょう。
この感想の論拠をいちいち述べていると長くなりますので、ここではとりあえず政策とそれがもたらした結果、または予想される結果だけを列挙するにとどめ、それについて少し違ったことを述べます。

◆経済政策。
1.「国の借金1000兆円」のウソによる緊縮財政の正当化→積極財政が抑制される。投資が減退する。デフレ不況の悪循環が続く。
2.消費増税→実質賃金が低下し、個人消費が下落する。投資が減退し、貧困層が拡大する(エンゲル係数の急騰)。富裕層、公務員らへのルサンチマンが高まる。
3.外国人労働者(移民)拡大・規制緩和政策→賃金低下競争が激化し、労働の質が低下する。中国人の経済侵略が進み、技術が流出する。文化摩擦が拡大し治安が悪化する。内部から安全保障が脅かされる。
4.公共投資の抑制→交通インフラの整備の遅れにより東京一極集中が強まり、地方がますます疲弊する。各種インフラの劣化が放置される。大災害のリスクに対応できない。
5.電力固定価格買取制度(FIT)→利益本位の未整備業者が続出する。電気料金の値上げ。再生可能エネルギー増大の困難がいっそう印象づけられる。
6.農協改革→株式会社や外資の自由参入を許す。土地利用の勝手な転換。日本農家が壊滅的な打撃を受ける。
7.労働者派遣法改悪→非正規社員比率が増大し、若者の生活難、結婚難が深まる
8.年金改革法→高齢者の生活難が深まる。現役世代の不安が増大する。
9.カジノ法案国会通過→経済政策の失敗が糊塗される。外資が乱入する、低所得層の生活が乱れ、社会秩序が混乱する。
10.TPP批准→アメリカの撤退によって無意味化し、対米二国間交渉がかえって難航する。アメリカの要求への屈従が強まる。
11.水道事業の民営化閣議決定→水道料値上げ、リスク管理の不安が高まる。

◆外交・安全保障政策。
1.尖閣問題への無策→中国の対日侵略意図が増長する。
2.慰安婦問題、南京事件問題への無策→中韓の反日政策を助長する。有力国間での日本のイメージダウン。
3.対プーチン外交→四島返還の不可能が確定的となる。ロシアペースでの「経済協力」が推進される。
4.対トランプ外交→対米依存姿勢が再び露呈し、自主防衛能力のなさを印象づける。
5.南シナ海問題への無策→日本の資源獲得の根幹が揺らぐ。日本に対する東南アジア諸国の信頼が失われる。
6.防衛予算不拡大→中国との格差が拡大し、日本はますます軍事的脅威にさらされる。
7.不動産に対する外資規制の欠落→中国による領土の現実的支配が進む(特に北海道)。

これらは、もうほとんど実際に結果として現れています。
しかもこれらは、はっきり言って、すべて国民を苦しめるだけの「悪政」であり、「バカ政」です。
数少ない心ある人たちは、もちろん日本が直面しているこの危機(というよりも政府が自ら招いた自殺行為)に気づいており、早くから政策の誤りや無策の落とし穴を指摘してきました。
政治がなぜこういう過ちを犯すのかについてもさまざまに説かれています。処方箋も出されています。
つまり警鐘はもう十分鳴らされてきたのです(もちろんこれからも鳴らし続ける必要はありますが)。

ところが、です。
事態はいっこうに変わる気配を見せません。

なぜなのでしょう。
いろいろと原因を挙げることができますが、あまり詳しい原因分析をしても仕方がありません。
要するに権力者が、物事を総合的に考える能力と、国民のために尽くす意志を失っているのです。だから「悪政」や「バカ政」がはびこるのです。

それには理由があります。
主権者である国民を代表するはずの代議員による政治が行われておらず、真の権力者が別にいるからです。真の権力者とは、オタク化した官僚であり、御用学者であり、「民間議員」と称する内閣傘下の各種会議委員であり、アメリカの圧力であり、彼らの言うことをそのまま垂れ流しているマスコミです。

ではどうすればこの「悪政」あるいは「バカ政」を少しでも修正できるのか。
二つの条件が必要です。

一つは、自ら権力を獲ること。

もう一つは、権力に強い影響を与えること。

一つ目は、たいへん難しい。社会の仕組みが複雑になっていて利害関心が個人化し、多くの同意を勝ち取ることが困難だからです。でも何かうまい手を考える必要があるでしょう。
二つ目は、言論を続けることも有力な手ですが、それだけでは不足です。みんながそれぞれの「信仰」に染まっていて、聞く耳を持たないからです。学者・知識人たちも自分を批判する議論から逃げていますね。テレビ討論などはみなその場限りです。これについても新手を考える必要があります。

これから、二つの条件を満たすために三つのアイデアを提示します。これらはさしあたり「夢物語」です。でも実力と気力ある賛同者が増えれば実現に向かって二歩も三歩も踏み出すことができます。

一つ目。「超教育論」

年少の青年子女を育成するのではありません。官僚の既定路線を変えるために、新しく官僚になった人たちを二年間くらい、庶民の生きている現場に出向させ、そこで働いてもらうのです。財務省の役人は中小企業や商品市場に、経産省の役人は町工場に、国交省の役人は地方の過疎地域に、文科省の役人は小中学校に、というように。
一部で試みられているようですが、はなはだ不十分です。制度として徹底させる必要があるでしょう。これは、庶民の生活実態を肌で知ってもらい、そこで常に一般国民の幸せについて考える想像力・構想力を養ってもらうためです。

二つ目。「超シンクタンク論」

日本の民間シンクタンクは個別企業の利害に奉仕するだけか、公共政策に関与している場合でも、単発・シングルイシューで終わっているケースがほとんどで、権力との恒常的な連携があまり保たれていません。横の連携が必要です。
経世済民の志をもった優れた人々が結束して、日本の政治経済の総合的なヴィジョンを打ち出せるような統合組織を作るのです。これは時の政権のアド・ホックなあり方を超越していなくてはなりません。そのためにはオーソリティとして認められる必要がありますね。

また、単に議論をしたり調査をしたり報告書を出したりするだけではなく、広く大衆に存在意義を知ってもらうために、映画などの文化事業と有機的に連携する必要があります。

三つ目。「超選挙制度改革論」

選挙制度改革というと、一票の格差がどうの、区割りがどうの、すべて比例代表制にしろだの、中選挙区制に戻せだのと、表面的・形式的な議論にとどまっていて、真に優れた政治家が選ばれるようにするにはどうしたらよいかという問いが欠落しています。

私のアイデアは、有権者と立候補者それぞれにテストを課して、参政権保持者をある程度まで絞るというものです。有権者には、健康な常識人ならまあだいたいが合格できるような易しいテストを課します。ただし、高得点者には複数投票権を与えるような「差別的」な選挙も視野に入れるべきでしょう。

また立候補者のテストは政治的見識を問う難しいものにします。ただしイデオロギー色があってはなりません。
これは、悪平等主義の弊害や組織ぐるみの半強制的な動員やポピュリズム政治を避けるためです。形の上だけの公正さは、真の公正さではありません。

そんなことができるわけがない、と思った方も多いでしょう。猫に鈴をつけるのは誰だ、金と力は誰が提供するのだ、どうやってコンセンサスを勝ち取るのだ、と。

なるほどこの提案自体が言論の無力を示していると考えることもできますね。日本には寄付文化もありませんからね。
でも、絶えず具体的な政権批判を繰り広げる一方で、これくらいのことを理念として掲げるのでななければ、今の日本の絶望的な政治状況に対するあきらめとニヒリズムが残るだけです。

何しろ、これだけ東アジアの安全保障が脅かされていながら、防衛予算の増加には75%が反対するお国柄です。政策レベルで安倍政権を対等に批判できる健全野党は存在せず、国会はやるべきことをやらず、くだらない足の引っ張り合いで時間と税金を空費しています。日本国民の大方は、GHQや財務省がかけたマインドコントロールにいまだに呪縛されている始末です。

危機をしっかり見つめている覚めた人たちの結束を促すべく、また少しでも意気に感じてくれる有力者が現われることを願いつつこれを書きました。まだ生煮えです。ご意見、反論をお寄せください。

(小浜逸郎からのお知らせ)
●小浜逸郎ブログ「ことばの闘い」
http://blog.goo.ne.jp/kohamaitsuo
●最近著
『13人の誤解された思想家』(PHP研究所)
『デタラメが世界動かしている』(PHP研究所)
●雑誌掲載原稿
「私の初夢!? プーチン、トランプ、習近平の三巨頭会談」(『正論』2017年2月号)
「誤解された思想家たち(23) 鈴木正三」(『表現者』70号)
「誤解された思想家たち(24) 伊藤仁斎」(『表現者』71号)
「誤解された思想家たち(25) 山本定朝」(『表現者』72号・未発売)
「プレフラなんて関係ない(仮)」(『正論』2017年5月号・未発売)
「『言ってはいけない』ことなんてあるのか(仮)」(『Voice』2017年5月号・未発売)
●ネットテレビChannel Ajer出演
「日本の民主主義が正しく機能していない」
「公共投資を増やさなければ日本は亡びる」
「トランプ氏の難民政策は自由への裏切りではない」
http://ajer.jp/video/search?k=%E5%B0%8F%E6%B5%9C%E9%80%B8%E9%83%8E&x
https://www.youtube.com/watch?v=1cjSk_5JePE&t=3s
https://www.youtube.com/watch?v=pA6Ij3d6uyk&t=351s

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【小浜逸郎】「新」国家改造法案への12件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    とても興味深い、IFな投げかけ有難うございます。
    以下愚考でありますがよろしくお願いします。

    一つ目

    自分は会社員であり、フリーランスの技術者ではありませんので、力というのは、信じて協力し合える多彩な仲間とチームを組み、予測・計画困難な事態に臨機応変に対処することだと考えております。

    現場に官僚を派遣し体験させる成果は、現場を見て知ることというよりも、現場の人間とつながりを持つことのように自分には思われます。
    なにせ官僚ですからアカデミックな文字優先の認知活動でしょう。現場に行っても文字化済みの己の知の追認作業で終わるのではないでしょうか。
    それに期待するよりも、人と人とのつながりで仕事を推進できるようになることへの可能性を残すことがその官僚の将来に重要な意味があると思われます。
    縦割りとか制度批判は可能ですが、制度・組織とはどんな形式でもそんなものですので、人のつながりの力を発揮するのが制度以前の基礎だと思いたいです。

    ふたつ目

    シンクタンクとして新しい言葉、新しい概念を生み出すべきなのかなと思いました。そして新しい言葉はひとがあつまり議論することだとすると、先生のIFの投げかけはとても大事な出発点だと感じました。
    文化事業と連携に大賛成であります。
    ただ映画(とポスター)というとプロパガンダの初歩を想起いたしますので「あつもの」に感じてしまいますが、その意味で文字だけの草の根の掲示板文化は期せずして日本の幸運だと自分は思ってます。
    もし映画は外国向けという意味でしたら、さらに賛成です。

    三つ目

    一見困難な提案を否定するのは楽であり、それをもし肯定するとなるとさまざまな可能性を検討を絞り出さなければいけない。思考実験という意味で投げかける意義をたいへん感じます。
    制度や決め事を覆すとき、議題はたぶん、Howでなく、Whatでもなく、Whyにすればよいのだろうなと最近感じております。
    反論するにも、Whyの摺合せをできれば建設的になると自分には思われます。

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      1. 冷静で、よく考えられたコメント、ありがとうございます。

        おっしゃる通り、官僚の傾向は「アカデミックな文字優先の認知活動」で、「文字化済みの己の知の追認作業で終わ」りがちだと思います。その意味で、ご提案どおり、「人と人とのつながりで仕事を推進できるようになることへの可能性を残すこと」が実現できれば目論見は成功したことになると思います。
        ただ現場に出向してもらうのは、新しく入省した若者ですから、まず頭の柔らかいうちに現場での仕事感覚を身につけさせ、本庁に戻って何かを構想する際にも、常にこの社会経験を基礎として、普通に苦労して働いている人たちに対する想像力を発揮できるようにすることが期待できるように思うのです。

        映画はたしかに安っぽいプロパガンダになりがちですね。ただ作品として優れているもの、最近では、『永遠の0』『シンゴジラ』『海賊と呼ばれた男』等が思い浮かびますが、これらは単純なイデオロギー注入効果を超えて多くの人の感動を呼ぶ要素を具えていますから、こうした高度な
        作品が企画できるような体制をシンクタンクの中の一部門として取り込むことが有効ではないかと思います。

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  2. 反孫・フォード より

    >真の権力者が別にいるからです。真の権力者とは、オタク化した官僚であり、御用学者であり、「民間議員」と称する内閣傘下の各種会議委員

     やはり個人攻撃はいけないとは思うものの、藤井氏を参与にしたことやデフレ脱却で煽動してきたことを攻撃するつもりはありませんけど、

    安倍総理はこれらの会議室を戒める意味で復活させたとは思えないので、国民は生煮え状態同然です。「煮えたかどうか食べてみよっ!むしゃむしゃ!」

     バブル崩壊後時代から安倍総理や小池ポチャ?等は改革の言葉が大好きですが、やってることはなんら改めること(政策)なんかではなく、
    それ以前からの新自由的なモノばかりを改革と詐称しているマンネリ・マッチ・ポンプ罪があると思えてなりません。

     詰まらない話で本当にすみませんけど赦してください、低学歴なんです私は。

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      1. コメント、ありがとうございます。

        おっしゃる通りですね。

        マンネリどころか、アメリカの悪いところを見習って、どんどん日本の労働文化や制度文化を壊す方向に進んでいると思います。

        具体的に言えば、産業競争力会議や、規制改革推進会議がこれに当たります。

        安倍政権は本質的にグローバル政権ですから、この病は、仕組みを変えなければ治癒しないでしょう。

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  3. たかゆき より

    「超」 賛成 ♪

    教育論

    現場に従事する期間はどれくらいが 適当なのかは計りかねますけど
    何種類かの職場をローテンションしていただき 職場の同僚から評価を受けるとか、、
    年少者の義務教育は 小学4年までとし それ以後は 各自の判断で進学するなり「丁稚」になるなり決めさせるのが妥当 と
    仰ってる方もおりました(名前は失念)

    選挙制度改革

    有権者 立候補者ともに
    なんらかの縛りをかける必要があると存じます
    30秒で一本を取ったり 100mを10秒で走ったり 
    「云々」をデンデンと 発音なさるような能力は
    政治家に求めてはおりません。。
    「政治や経済には何の興味もない」という有権者や
    選挙権を行使しない有権者に対しては
    棄権した回数に応じて選挙権の欠格期間を儲けるべきではないかとも
    考えている のだ ♪

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      1. 具体性あふれるコメント、ありがとうございます。

        何種類かの職場ローテーションは大賛成です。職場からの評価も必要でしょうね。エリート官僚候補生は、それくらいの試練に耐えなければ。

        共通義務教育の年限削減の考え方には、基本的に賛成なのですが、高校まで準義務教育化しているいまとなっては、小学校4年生は少し早すぎると思います。ただ大部分が普通高校に通う現状は、いろいろな不都合を生み出しているのは確かなので、高校を多種多様化させて、生徒の能力・適性に合った学校を選ばせるのがよいと思います。

        選挙権の欠格期間を設けるというのは、よいアイデアですね。ただこれは、共産党、公明党などの組織票依存の政党に有利に働くかもしれません。

        ともあれ、形式的な平等主義の観念が、今の大衆社会には沁みついていますから、これを克服するのは並大抵ではないですね。吉野作造は、「一番良いのは、民主的な手続きによる貴族制だ」と言っていたそうです。この場合の貴族制とは、精神の貴族主義を指すでしょう。

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  4. robin より

    長期的には教育を変える必要がありますね、馬鹿な政治家は馬鹿な国民からしか生まれないのですし。でも教育が実を結ぶとしてもそれは20年は先の話でその間にデフレも脱却出来ないまま、消費税20%なんて事態になったら国内の供給能力は崩壊して発展途上国になっている、それだけでは間に合わないかもしれない。発展途上国向けの政策ばかりなのだから、むしろ発展途上国になって初めて今までの壊国政策が有効に機能する、意味を持つことになりそうだ、潜在成長率の潜在とは可能性とか不確定、信頼関係や運の事で、今のまま何もしなければ間違いなく成長することは無い、潜在成長率の低下を証明するには何もしなければ証明出来るが、上げることは事前に証明することは出来ない、不確定なのだから。
    自由平等や民主主義等といった普遍的価値観を叫んでも「国際社会」において自分達自国民の独自の価値を提示出来なければ、それは国際社会においても何の存在感も示せないし、尊敬もされないのでは。他国から輸入した言葉や概念をその成立した歴史的文脈や背景を抜きにしてそのまま自国に合わせようとするのだから、いずれ発展途上国に向かうのも当然の帰結なのでは、長期的な教育としては自国に対する愛着や誇り、神話や文化といった独自性、国際社会の文脈の中では差別や偏見とされるものを取り戻す、見直す必要があるのでは、フランスにおけるノブレスオブリージュやイギリスにおけるジェントル、といった貴族的、紳士的作法は日本では武士や海軍、修身等が代わりをしていたのだろうか。イギリス人は自分達がイギリスだ、というリアリティがあり、女王に忠誠を誓うが、それ以上に自負心が強いのでは。ドイツや日本は愛国心が全体主義に繋がった過去、傾向?があるので、そうならない仕組みも必要になるのだろう。
    官僚政治家が権力毎や関係性から分離された死んだ知識から政策を行えばそれは死んだ政策しか実行出来ないのも当然だろう、知識を生きたものにするには横の繋がりが必須なのだろう、元々西洋は無時間的で言語的だが、日本は時間的で四季という変化を含む触覚的?な特徴があるのでは。関係性や時間の流れから切り離した時点で対象は「死んでしまう、生きるのを止める」が、死物でないと認識もままならない、というのも人の特徴か。役人には是非健全な想像力を維持するために現場に出向して頂きたいですね。横の連携を維持するための統合組織、あるいは橋渡し的な中間組織?も難しそうだ、でも是非協力して貰いたいです。排他的な権力組織が如何にして互いに国民の共通の利益のために協力出来るだろうか。どう「つなぐ」か、どう「しくみ」を工夫苦心するのか。それがスタートラインなのでは。

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      1. 本質を突いたスパイシーなコメント、ありがとうございます。

        ほとんど賛成です。これだけで一つの論考になりそうですね。

        デフレ脱却のために何も有効策(それはすでに明瞭にわかっているのに)打とうとしない権力を放置しておけば、まさに「潜在成長率ゼロあるいはマイナス」が証明されてしまいますね。国民の多くがウソに騙されてそれに慣れてしまっているのが一番困ります。「みんなで平等に貧しくなりましょう」などと言うふざけた言葉も出てくる始末です。

        中央権力における横のつながりは、あらゆる意味で必要ですね。優れた見識、思想が終結できる場所の設立、そして官僚の縦割り行政を打破すること。外からの圧力だけで物事を決めていって有名無実と化している「立法機関」の主体性の回復。

        私たちの目の黒いうちに何とか少しでも改善の方向にもっていきたいものです(笑)。

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  5. 赤城 より

    選挙に投票するものが立候補者の政策や政治の現状、政策の結果について無知であることはどんな手を使ってでも防がなければならないことだが、
    それは民主主義の欺瞞の最たるものであり非常に実現が難しい。
    本来国家の行く末が運命が決まってしまう重大な選挙結果が、重要な情報を何も知らないものたちの判断もできない投票によって左右されてはならないのだ。テスト形式が難しいなら投票者に最低限の情報を強制的に知らせなければ投票できないようにしなければならない。その情報を誰かが形にするのも難しいだろうが。
    それをつくるのが経世済民の権威を持ったシンクタンクであれば間違いないだろうが夢だなあ。

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      1. 実現の難しさをよくわからせてくれる的確なコメント、ありがとうございます。

        本当に、どう考えても実現が難しいですね。
        原因はやはり、オルテガの指摘する「大衆の支配」にあるでしょう。民度が全体として向上する可能性はまず望めないので、権力者にはたらきかけて考え直してもらうか、それもダメなら権力者を巧妙にすげ替えるしかありません。

        統合されたシンクタンクと言っても、その権威と継続の力を誰が保証するのかという難問が残りますね。「東大教授」や「経済学者」を、その肩書ゆえに無条件に偉いとみんなが思っているうちは無理でしょう。
        やはり言論の力でこのいわれなき権威主義を打ち破っていくほかはありません。

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  6. ドラゴンスレイヤー より

    安倍政権は経済政策がダメダメであることには同意しますが、外交、安全保障については必ずしも悪くないという認識です。確かに下手くそと思う時もあるもののむしろ現在の日本が置かれた状況を考えるとよくやっていると言えると思います。本メルマガの執筆陣や読者の方々とは認識が異なりますが、対中国が日本の最優先事項である以上、アメリカとは日米同盟強化、ロシアとは経済協力し中露分断し北方領土はしばらく棚上げ、韓国は放置、中国は挑発し過ぎないことが基本戦略です。確かにいわゆる保守派が言っている通り全方位攻撃していれば気持ちもいいですし、大抵のことは日本が道義的に正しいことは認めますがそれで何か解決しますでしょうか。日本に必要なのはリアリズムと戦略です。このような考え方からすると安倍首相は外交安全保障については悪くない動きをしています。

    超教育論と超選挙制度改革論については出来るものなら是非やって頂きたいと思いますが誰が決めてどこをどう通すのかを考えると正直出来る気がしません。
    超シンクタンク論の方がパトロンさえ付けば可能性があると思います。どのくらいの能力の人が何人くらいいて、いくらくらいの資金があれば出来るのかを考えるところから始めるのがいいのではないでしょうか。他の方のコメントにありましたがプロパガンダっていけないものですかね。それをプロパガンダと呼ぶかどうかはともかく世の中の人は自分が正しいと思ったことややりたいと思ったことを世間に向かって訴える訳で、それは広告だったり、営業だったりするんだと思います。誰でもどんな国でも意識しているか意識していないかはあるにせよ、みんなポジショントークをしています。国際機関を使ったいろんな活動やきれいごとも他者を説得するポジショントークやプロパガンダとも言えます。それを否定するのであればナイーブ過ぎます。

    寄付文化について書かれていましたが私はしていますよ。可処分所得の4分の1くらいはしています。三橋さんと田母神さんの政治資金もそれぞれ100万円寄付しました。お金はクラウドファンディングなり金持ちに依頼するなり自分で拠出すれば何とかなるような気がするのは私だけですかね。あくまでビジョンに共鳴出来ればですが。

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      1. 拙論に忠実に沿ったコメント、ありがとうございます。

        安倍外交、安全保障政策が、やれるぎりぎりのところでそれなりによくやっているという趣旨のご発言、じつはそれほど異論はありません。その点で、一括して「バカ政」と評したのは言い過ぎと思います。反省いたします。

        ただし、外交について、現実的な結果としては、ほとんど何の効果もないだろうと思っています。

        たとえばトランプ氏への抱きつき。日本のマスコミの「大成功」報道に反して、米国は、中国とけっして本気に対決せず、むしろ尖閣・南シナ海その他への中国の野心を黙認すると想定されるいくつかの根拠があります。米国が中国を警戒しながらも、習近平氏の主張する「G2」にかなり妥協するだろうことは確実に思われます。トランプ氏といえども、日本のために中国と対決するよりは、協調を模索する可能性のほうが高いと思います。

        ちなみにご存知と思いますが、尖閣に公務員を常置するというのは第二次安倍政権誕生時の自民党の公約であるにもかかわらず、4年経った今も一向にその気配がありません。

        また対ロシア外交による中露分断という戦略ですが、方向性としては間違っていないでしょう。しかしこれはすでに中露両国によって見抜かれていますし、ロシアは、「北方領土返還棚上げ」の約束をいいことに、永遠に返すつもりがないことは初めから明らかで、おまけに、経済協力も、「第三者的なルールで」などという約束を守るはずがなく、ロシアの国土、および北方領土に関わる経済協定に関しては、現に実効支配している以上、ロシアの法律で進められるに決まっています。

        さらに、東南アジア諸国は次々に「金」と「軍事力」の問題で中国になびきつつあります。フィリピンのドゥテルテ大統領が、中国に対して事実上の敗北宣言をしたことは記憶に新しいところです。
        南シナ海問題に対して、安倍政権は、具体的には少額の金銭的支援や少しの武器供与をする以外、中国に対する主体的な抑止政策をほとんど何もしていません。中国を過度に挑発しない程度に、東南アジアの友好国に、船舶の寄港地と称してひそかに軍事基地を置くなど、できることはあるはずです。中国のマキャベリズムに少しは学ぶべきです。

        私の三つの提案に関するご意見ですが、ほとんど同意します。本文中にも「夢物語」と断っています。つまり、日本国民はもっと絶望をくぐりぬけた上で現実主義に立つべきだということを訴えたかったのです。

        寄付については、ドラゴンスレイヤーさんの見上げた御志に全幅の敬意を表します。おっしゃる通り、ヴィジョンに共鳴するたくさんの篤志家が登場することを祈りたいですが、これも、たとえばほとんどの人が財務省のウソを信じていたり、七割を超える国民が防衛予算の増加に反対しているというような現状では、なかなか難しいですね。でも私どもの言論の有力者が募集してみる値打ちはあると思います。
        寄付文化に言及したのは、欧米にはキリスト教的伝統という強固な宗教的基盤が、いまだに残存している事実を意識してのことです。とにかく宗教は、残念ながら思想より強い!

        またよろしく。

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