日本経済

2018年5月18日

【三橋貴明】皇統と財政(前編)

From 三橋貴明

チャンネル桜「Front Japan 桜」
に出演しました。

【Front Japan 桜】
続・本当のお金の話をしよう
/ 御代替わりのお金事情[桜H30/5/16] https://youtu.be/-D5ybcfdaYs
http://www.nicovideo.jp/watch/so33217318

Front Japan 桜にて、せっかく
高清水さんと共演させて
頂きましたので、本日と明日は
「皇統と財政」をお送りいたします。

突然ですが、わたくしは
「信用」「信任」といった
抽象用語が大嫌いです。

もちろん、日常的に使うのは
構わないのですが、
「おカネ」や「財政」の話に、
この手の抽象用語を持ち込む連中は、

(1)
そもそも何も理解していない愚者
(というわけで、それっぽい
抽象用語を使ってごまかす)
(2)
真実を知られたくないため、
抽象用語で煙に巻く詐欺師

のいずれかであると確信しています。

ちなみに、昨日の経済同友会の提言でも、

「わが国の財政に対する
信認低下伴うリスクプレミアム拡大」

と、書かれていますが、同友会は愚者で、
ゴーストライターの財務省は
詐欺師(あるいは嘘つき)と
理解するべきでしょう。

皆さんが日常的に使っている
現金紙幣こと、日本銀行券。

日本銀行券は日銀の小切手
(あるいは約束手形。あるいは借用証書)
ですが、それ自体に価値があると
信じ込んでいる国民が多数派でしょう。

その手の人に、

「何で日本円の紙幣を使うの?
何で日本円が流通しているの?」

と、「おカネの本当の話」に関する
問いかけをすると、
ほぼ100%の確率で、

「日本円の信用があるから」
「日本政府の信用があるから」

と、それっぽい「間違い」で
回答してきます。

何なんですか「日本円の信用」やら
「日本政府の信用」とは。

具体的な説明を聞いたことがありません。

要は、何も知らないんでしょ。

何も知らないくせに、しかも常日頃は

「日本はもうダメだ!」
「日本は衰退する!」

などと言っている連中が、
懸命に日本円をかき集めている姿は、
滑稽を通り越して、
みじめに思えてきます。

特に、財政破綻論を振りまいていた
藤巻健史、朝倉慶、浅井隆といった連中
(わたくしはこの連中を
「日本三大バカ」と呼んでいます)
までもが、日本円で著作の印税を
もらっているわけですから、
呆れかえるしかありません。

わたくしが本気で日本が
財政破綻すると信じていたら、
印税は絶対にドルかユーロで
もらいますよ。

ちなみに、三橋が日本円で
所得を稼いでいる理由は、
信用云々ではなく、
日本円の価値が大幅に減らない、
より具体的には日本円で買える
モノやサービスの量が減らないと
確信しているためです。

そして、日本円の価値を
保障しているのが何かといえば、
「国民経済の生産能力」になります。

モノやサービスを生産する力、
すなわち経済力です。

このまま我が国のデフレが続き、
経済力が衰退していくと、やがては、

「日本円を稼いでも、十分な
モノやサービスを購入できない」

状況に至るでしょう。

すなわち、発展途上国化です。

だからこそ、早期の
デフレ脱却が必要なのですよ。

それはともかく、日本円の
紙幣(日本銀行券)にしても、
銀行が日銀当座預金という
債権(日銀の債務)と「交換」で
受け取るまでは、単なる
「コスト20円の紙片」である
という事実ですら知らないんでしょ。

番組で解説していますが、
現金紙幣は財務省の造幣局で印刷され、
日銀の倉庫に保管された時点では
おカネではありません。

なぜならば、その時点の
現金紙幣は誰の債務でも、
債権でもないためです。

おカネとは誰かと誰かの
「債務と債権の記録」なのですよ。

日銀当座預金を市中銀行が
「引き出す」形で現金紙幣を
受け取った瞬間に、
「市中銀行の債権、日銀の債務」
という関係性が成立し、
おカネとなります。

わたくしが小切手に「1万円」と書込み、
サインをしただけでは、
おカネにはなりません。

小切手を自らの債務の弁済のために
「誰か」に振り出した瞬間に、
小切手もおカネになります。

発行人(わたくし)の債務、
受取人の債権という関係が
成立するためです。

現金紙幣も同じなのですよ。

1万円札の札束は、
銀行が引き出す前の段階では
単なる小切手帳に過ぎません。

ところで、市中銀行は
日銀当座預金を引き出す形で
現金紙幣を入手し、
社会に拡散していきます。

それでは、そもそもの
「日銀当座預金」はいかにして
創出されたのでしょうか。

もちろん、日本銀行が
市中銀行から「国債」を
買い取る代金として、
日銀当座預金というおカネが
創出されたのです。

まずは、国債発行ありきなのです。

国債が存在しない場合、
日銀当座預金も存在できず、
現金紙幣の流通は不可能になります。

また、国債発行により、
銀行預金というおカネも
創出されるプロセスについても、
昨日の番組で解説しました。

まずは、国債発行ありきなのです。
(繰り返しますが)

結局のところ、日本国債が
100%日本円建てで、
子会社の日本銀行に国債を
買い取らせることで、負債の
返済負担が実質的に消滅する
日本政府に「財政問題」
などはありません。

財政問題がない以上、日本政府は
「予算」など気にせずに、
「現在の日本国民」及び
「将来の日本国民」のために
支出をする必要が
あるのでございます。

何に対し、政府は
おカネを使うべきなのか。

無論、インフラ整備や科学技術、
防衛、教育、社会保障など、
政府が支出するべき分野は
多岐にわたりますが、
今回のテーマは「伝統」。

というわけで、明日に続きます。

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