日本経済

2026年5月4日

【三橋貴明】市場は主権通貨国に勝てない

【今週のNewsピックアップ】
円急騰
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12964707548.html
主権通貨国相手に市場は勝てない
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12964819602.html

日本は
自国通貨を持つ変動為替相場制の国、
つまりは主権通貨国です。

主権通貨国は、
経世済民を実現するために
国債を発行し、
予算として支出する。
必要があれば、
中央銀行が国債を買い取っても構わないし、
為替介入をしても構わない。

というか、
それは政府も認めており、
日銀の植田総裁は、
「長期金利が急騰するなど
例外的な状況が今後生じれば、
機動的に国債買い入れを増額する」
と、発言しています
(2025年11月13日)。
当たり前です。
それが、日銀の仕事なのだから。

為替介入についても、
片山財務大臣が
「必要とあればやりますよ」と、
繰り返してきました。

【日本の外貨準備高の推移
(百万ドル)】

http://mtdata.jp/data_98.html#FCL

日本の外貨準備は、
直近で1.4兆ドルという巨額に
達しています。
1ドル155円で計算すると、
217兆円!

先日の円急騰ですが、
当局が珍しく為替介入を認めました。

アメリカ側と
連絡を取り合っていたようですが、
協調介入ではないでしょう。
アメリカ財務省は、
日本の円買い介入については
容認しています。

日米協調介入の場合、
「市場」側に勝ち目はありません。
日本の外貨準備が
1.4兆ドルを超えているというのも
凄いですが、
アメリカ側の、
「ドル売り、日本円買い」
介入の場合、
「弾丸は無限」になるためです。

日本の「円売り、ドル買い」介入で
考えてみましょう。
ドルを買うための円が、
どのように調達されるのかといえば、
政府短期証券(国庫短期証券)の発行です。

政府短期証券とは、
要するに短期の国債ですね。

政府短期証券で日本円を調達し、
ドルを買う。
政府短期証券は、
日本銀行がキーボードを打つこと
(日銀当座預金の発行)
により
「貨幣化(マネタイゼーション)」
できてしまうため、
日本政府(財務省)の
円高対策の為替介入は、
「日本円という貨幣を発行し、
ドルを買う」
行為そのものなのです。

アメリカ側も、同じです。
ドル安対策は
原資(外貨準備)という
「貨幣のプール」に
制限されますが、
ドル発行には制限がないのです。
日本側の弾丸は
1.4兆ドル、
アメリカ側は無限。
こんな二人を同時に相手にして
(協調介入)、
勝てるはずがない。

もちろん、
「インフレ率」という限界は
ありますが、
オペレーション的にはありません。
しかも、
政府短期証券を発行して
ドルを買ったところで、
別に
国内需要が
増えるわけではないため、
インフレ率にも影響を与えない。

それに対し、
市場側は違います。
例えば、
円売りドル買いで円安に誘導し、
儲けようとしたとして、
「ドル」を
何らかの手段で
調達しなければならないのです。

市場とは民間ですので、
当然ながら貨幣発行はできません。
借入です。
下手に円の空売り
(ドルを借りて、円を売る)
を仕掛け、
それにもかかわらず
為替が円高になってしまうと、
破滅します。

主権通貨国相手に
市場は勝てないのですよ。

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是非とも、三つともご視聴ください。

なぜ2026年に世界経済は大転換するのか?
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「物」を持つ国が生き残る?
[三橋TV第1162回]三橋貴明・菅沢こゆき
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なぜグローバリズムを推進したら
労働者が貧乏になっていったのか?
仕組みを解説します
[三橋TV第1163回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/aAwtXSSG3WM

これからは
反グローバリズムを採用した国が
繁栄します
[三橋TV第1164回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/M6j6MXRdfO4

「GDPが高い=幸福・豊か」は正しいのか?
GDPだけでは
「本当の豊かさ」が測れない理由
[三橋TV第1165回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/6c_0xGNdxi0

日本はなぜ各地方に名産がある?
豊かな文化の理由を
「地政学」で解き明かします
[三橋TV第1166回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/BCgGbEBbMN8

皇室典範改正は危険?
武器輸出解禁はぶっちゃけどう?
高市政権で議論が進む2026年4つの重大テーマ
[三橋TV第1167回]三橋貴明・菅沢こゆき
https://youtu.be/ZtfCA33-Kv8

4月25日(土)、
ニコ生配信しました。
https://live.nicovideo.jp/watch/lv350367065

【第二次グローバリズムの終焉】
2022年のロシア・ウクライナ戦争勃発、
26年のイラン戦争、
そしてホルムズ海峡封鎖を受け、
第二次グローバリズムは
完全に終焉を迎えました。
そもそも、グローバリズムとは何なのか。
なぜ、終わるのか。
今後「どうするべきなのか」について
解説しました。

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https://members15.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2619
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