From 三橋貴明
【今週のNewsピックアップ】
敵基地反撃能力の保有を!
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PB黒字化目標という扇の要を破壊せよ!
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12290366320.html
三橋は現在、小学館から刊行予定の「財務省亡国論(仮)」執筆の佳境に入っているのですが、財務省が主導する緊縮財政、プライマリーバランス黒字化目標によって、我が国は悲惨な状況に陥っています。
公共投資(公的固定資本形成)は、ピークの48兆円から、現在は25兆円に削減。安倍政権にしても、15年、16年と二年連続で公共投資は削減しました。
結果、日本の建設業許可業者数は60万社から46万5千社まで減少。建設業就業者数はピークの685万人から500万人未満へ。
世界屈指の自然災害大国が、土木・建設の供給能力を削減する。
国家的自殺行為としか、呼びようがありません。
防衛費のピークは4兆9500億円ですが、現在は4兆8500億円。
予算総額は増やさない中、装備品は拡張しているため、自衛隊はその分、人件費を抑制せざるを得ないという悲惨な状況に陥っています。
特に、実際に防衛の現場を担う「士(士長、1士、2士)」の充足率が75%に低迷しているのは「危険」です。
それでも、予算がないため、自衛隊は人員を増やせないのです。
2000年度を100とし、各国の2015年度の科学技術予算を見ると、中国が1121(!)、韓国が474、アメリカが163、ドイツ159、イギリス152となっています。
それに対し、日本はわずか106。
中国が11倍以上に科学医術予算を拡大したのに対し、我が国はわずか1.06倍なのです。
研究費の政府負担の割合は、日本は18.4%に過ぎず、主要国最低となっています。
国立大学法人運営交付金は、04年の大学法人化以降、減らし続け、1兆2415億円(04年)だったのが、現在は1兆0970億円となっています。
財務省は、高齢化により社会保障支出(医療、年金、介護など)が増え続けることを受け、
「社会保障支出の拡大を可能な限り圧縮し、消費税を増税し、インフラ、防衛、科学技術、教育等の支出を減らす」
という方針を採り続けています。
社会保障支出は、本来は年間に1.2兆円ずつ増えなければならないのですが、財務省は16年度から18年度まで「三年間の伸びを1.5兆円に圧縮」しようと図っています。
結果、安倍政権は介護報酬(15年度)、診療報酬(16年度)を削減。
18年度は、介護報酬と診療報酬が同時に改定されます。もちろん、財務省は両者を同時に「削減」することを狙っています。
さらに、消費税を増税し、公共投資、防衛費、科学技術研究費、教育費は削減を続ける。
何しろ、政府が「プライマリーバランス黒字化目標」を閣議決定しているため、財務省の方針は「閣議決定に沿っている」という話になってしまうのです。
というわけで、ようやくのことで自民党から「PB黒字化目標の撤回」等を求める、反緊縮財政派が声を上げ始めました。
この流れにストップがかかると、我が国の小国化、発展途上国化は、回避不可能でしょう。
【三橋貴明】PB黒字化目標という扇の要を破壊せよ!への3件のコメント
2017年7月11日 12:18 PM
投資する事の意味を誰も知らなくなったのでしょうね。
投資を緊縮削減さえすれば財政や国家がよくなるとさえ感じているのかもしれません。
実際は削減した分すべて悪化していくのに。
削減したものに意味があり次につながるのなら価値はあるでしょうが、実際は削減してまた財政悪化してさらに削減を繰り返す悪循環しかなくてジリ貧が永久に続いているわけです。
それでもデマ宣伝によって緊縮すれば日本の財政はいつか良くなると信じているのです。なにしろ宣伝しているのがもっとも偏差値の高い人たちの巣窟であり最高のエリートブランドである財務省や東大の教授たちですから自分たちより頭がずっといいに決まっているw。
日本人ほど未来将来をなくしてしまった民族は存在しないのかもしれません特に精神的に。
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2017年7月11日 3:09 PM
今回の九州豪雨被害の復興や東日本大震災の復興のためでも、国債を発行することができないんですか。
まるで「借金をしてまで助ける価値はない」とでも言われてるようですね。
国民から搾り取ることしか考えていない財務省は、どこかの三流独裁者のようですね。
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2017年8月16日 8:56 PM
中央銀行に対してインフレ率などの目標を与え、達成できなかった場合には責任を取らせるべきだという議論がありますが、財政当局に対しても何か数値目標を与え、それを達成できなければ責任を取らせるという仕組みを作るべきではないかと思います。
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