日本経済

2024年6月10日

【三橋貴明】労働分配率

【今週のNewsピックアップ】
25カ月連続の国民貧困化
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12855040280.html
贅沢な消費とヒャッハーッ!!!な国家
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12855168731.html

実質賃金の下落が25カ月連続。
春闘で5%超の賃上げ
(※労組加盟者のみ)
になったにもかかわらず、
実質賃金は上昇に転じませんでした。

今後、電気代やガス代、
ガソリン代の値上げが
予定されているため、
正直、実質賃金が
いつまで下落を続けるのか、
見通しがつかない状況です。

ところで、
話がややこしくなりがちなので
整理しておきますが、
実質賃金は以下の四つで決まります。

(内部要因)
1.生産性
2.労働分配率

(外部要因)
3.輸入物価
4.消費税

外部要因が変化しない場合、
実質賃金は
生産性と労働分配率で決まる。
一人の労働者が
1の生産をしていたところ、
投資等により
2生産できるようになれば
(=生産性向上)
実質賃金は2倍になる。

もっとも、
最初に所得を得るのは
企業(※粗利益として)です。
生産性が向上し、
企業の粗利益が増大したとしても、
十分に従業員に分配されなければ、
実質賃金は上がらない。
労働分配率が
影響してくるわけですね。

ちなみに、
「実質賃金が上がらないのは、
法人税率引き下げの結果、
企業が利益増大を図り、
人件費を抑制したため」
「実質賃金が上がらないのは、
消費税増税の結果、
企業が人件費を
売上原価化しようとしたため」
といった理屈は正しいのですが、
実質賃金に直接影響を与えるのは
労働分配率の低下です。

法人税を引き下げ、
消費税を引き上げた結果、
「労働分配率が下がり」実質賃金が
低迷した。

24年3月の春闘で、
5%超の賃上げが実現したのは、
生産性向上ではなく、
労働分配率の上昇によるものです。
別に、原資が
増えたわけではないにもかかわらず、
(主に)大企業は賃上げを決断した。
つまりは、労働分配率の上昇を
受け入れたわけですね。

ちなみに、以下が高度成長期以降の
労働分配率の変化です。

【日本の労働分配率(%)の推移】

http://mtdata.jp/data_90.html#bunapiritsu

意外なことに、
高度成長期の労働分配率は
今よりも低かったのです。
それが、上昇していった。

なぜなのか。

メルマガまぐまぐ
(http://www.mag2.com/m/P0007991.html)、
Foomii(https://foomii.com/00305)で
解説しております。

これを機に、是非ともご登録下さい。

◆メルマガのFoomii配信を始めました。
「実質賃金決定要因「労働分配率」」
https://foomii.com/00305

◆経営科学出版から
「歴史教科書が教えてくれない
聖徳太子の英雄物語」が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38nike3_980

◆経営科学出版から
「経済大国ニッポンの不自然な没落
なぜ、「信じられない衰退」は現実化したのか」
が刊行になりました。
https://in.38news.jp/38botu_teika

◆メルマガ週刊三橋貴明Vol788
実質賃金決定要因「労働分配率」
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
実は、高度成長期の労働分配率
(※企業が稼ぐ付加価値から
人件費への分配割合)は、
今よりも低かった。
それが上がっていった、
あるいは上がらざるを得なかった理由は?

◆メディア出演

三橋TV、続々公開中です。

高度経済成長期と
今の日本は似ている?!
人手不足は日本復活の大チャンス
[三橋TV第868回]三橋貴明・saya
https://youtu.be/VgUIOUAq74k

「闇に葬られた自民党と
経団連の蜜月関係」
政治資金パーティーを規制しても、
裏金問題は解決しない…?
[三橋TV第869回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/nkmo7OM4zUc

SONYは外資系企業だった…!?
〜経団連を裏から動かす支配者Xの正体
[三橋TV第870回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/3YQVVh96Ntg

特別コンテンツ配信中。

【6/12(水)までの限定公開】
教科書がもみ消そうとした
聖徳太子の功績
〜唯一の天皇暗殺事件に隠された
皇統2000年の秘密
https://youtu.be/pPRV9uFMzHA

日本は経済成長していない。
確かにその通りです。
ならば、日本経済を成長させるためには
どうしたら良いのでしょうか。
日本経済の成長に
本当に必要な指標、考え方、
そして政策を、
わたし、シンガーsayaと共に
学んでいただくのが
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さあ、私と共に経済成長について
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三橋貴明&saya
「シンガーsayaが
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6月15日(土)開催、
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◆チャンネルAJER
「日本はなぜ経済成長したのか(前半)」
三橋貴明 AJER2024.6.4

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【三橋貴明】労働分配率への2件のコメント

  1. 利根川 より

     2024年6月15日の読売編集手帳に

    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    「法が禁止していないからといって、なんでもしていいわけではない」

    「民主主義の核心である選挙に、あろうことか金儲けを仕掛けてきた」
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

    こんな記事が載っていました。まあ、「NHKから国民を守る党」がポスター掲示板をジャックして一か所につき1万円でポスターを貼る権利をゆずるビジネスを展開していることへの憤りが文面から読み取れるわけですが、その気持ちがあるのであれば積極財政派が

    国民生活に重要なインフラ(水道・鉄道・トンネル・医療)を次々に民営化(個人的な金儲けの道具に)されていくことにどれだけ怒りを感じてきたか

    理解していただけるのではないかと。
     構造改革の名のもとに様々なものが民営化されてきましたが、その応援団をしてきたのがTV新聞でしたよね?積極財政派の気持ち、わかっていただけたんじゃないでしょうか。

    おっと、こんなことを言うとカスハラ認定されてしまうかな?政治や報道に対する批判すらできないこんな世の中じゃ…なんだか専制国家にどんどん似てくるなあ(苦笑い

    返信

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      1. 利根川 より

         中野剛志さんと森永康平さんが面白い対談をしていたので、のっけておきます。日本のエリートは毎回根性論を振り回して自滅するわけですが、お決まりのパターンからなんとか脱却してもらいたいところですね。くわえて、上田日銀のいい加減なこと…

        上田さん「根拠はありません、予想です」

        勘弁してもらいたいです。
        ということで、以下、対談の様子。

        【日本はすでにデフレを脱却したか?】“実質賃金”はいまだマイナスである 中野剛志×森永康平  文藝春秋 電子版より

        森永康平さん「ちょっと今の日本のマクロ環境をみましょう」

        森永さん「株価がいいとか、それはそれでいいですけど、マクロ的に見た日本の環境がどうであるかというのを見たいなと」

        森永さん「これが総務省が出してる実質消費指数(物価調整した後の消費指数)というやつなんですけども」

        森永さん「前年同月比の変化率でみると12ヶ月連続でマイナスであると」

        森永さん「ということで、マクロでみた消費は間違いなく『冷えてる』と」

        森永さん「だから、『景気が上がってるのに実体経済は恩恵を感じない』とか当たり前に話で、株価が上がってても消費自体はこれだけ冷えてますよという現状がまずある」

        森永さん「じゃあ、なんでみんな節約してるのかというのが次のスライド」

        森永さん「これ(現金給与総額の推移のグラフ)青い方が名目賃金、赤い方が実質賃金」

        森永さん「で、(実質賃金は)22ヶ月ずっとマイナスですから、かれこれもう2年くらい実質賃金はマイナス」

        森永さん「つまり、給料は額面上(名目上)上がってるんだけど、物価の上昇率がそれを上回ってしまっているので、実感としての給料所得というのはマイナスがずっと続いていて」

        森永さん「ゆえに、マクロで見たときの消費は冷えてると」

        中野剛志さん「なんで消費が減ってるかなんてこれ(現金給与総額の推移のグラフ)見りゃ一目瞭然で当たり前じゃないですか」

        中野さん「図表見なくたって世間では最近(モノの値段が)高くて節約してるってみんな言ってるわけで、(このグラフは)それを裏付けてるだけなんですけど」

        中野さん「物価高なので価格転嫁しないと中小企業がまずいということで(企業は)価格転嫁をしろしろってやってるんですけども」

        中野さん「価格転嫁って最後は消費者に価格転嫁しなくちゃいけないと」

        中野さん「しかし、実質賃金下がっているから消費者に価格転嫁できないので、上流(企業)も(十分な)価格転嫁できない」

        中野さん「当たり前なんですよ」

        中野さん「ところが、価格転嫁しないと駄目だという人達がなんて言い出したかというと、」

        中野さん「『良いものはお金を出して買わなければいけない!デフレに慣れすぎた国民のマインドを変えなければいけない!』」

        中野さん「実質賃金が下がってるのに消費を増やすくらいマインドを変えさせるって、どこの国でもやったことないんですけど(笑」

        中野さん「なんでそうなっちゃうのかなっていう」

        中野さん「ミクロ(ミクロ経済)すら分かってないんじゃないかなって(苦笑い」

        森永さん「先ほど日本人が権威主義だっていう話をしましたけども、けっこう色んな『主義』に固まっちゃってるなと思う一つが『スポ根』というか、」

        森永さん「『苦しくても買え!』みたいな(苦笑い」

        森永さん「『苦しくても金出して買えば買えるんだ!』みたいな」

        森永さん「スパルタみたいなのを地で行きたがる人がいるなと」

        中野さん「『マインドを変えろ!』とかね(苦笑い」

        森永さん「『そんなに金使ったら貧乏になっちゃうじゃないですか』ってなると『お前何言ってるんだ、貧しくても武士としての誇りを持て』みたいな(苦笑い」

        森永さん「ちょっと武士道を誤って理解してませんかって(苦笑い」

        森永さん「シンプルに金がなかったら買えんわ!っていう話なんですけど、そこになんかメンタリティーの話を入れ込んでくると」

        中野さん「(なんで根性論になっちゃうのかは)簡単で、実質賃金をどうやって上げたらいいのか分からないからで」

        中野さん「(実質賃金を上げるためには)色々なことをやらないといけないのは事実で、例えば最低限やらないといけないのが財政出動(政府による需要創出)なんですけど」

        中野さん「(財務省が)『財政破綻するからそれ(財政出動)はやっちゃいけない』と」

        中野さん「その議論(財政出動の議論)は他に置いておいて、他の方法はないかなってやると、他の方法はあとは精神論しかなくなると(笑」

        森永さん「政府が握っている選択肢の中でもかなりシェアが大きいであろうところを、あえて自ら手足を縛って『私は手足動かしませんけど何とか頑張りましょう』って」

        中野さん「GDP全体で占める割合で民間の所は個人とか企業の集まりだから誰か一人が投資を増やしたって(全体のGDPが)大幅に増えるということはないけれど」

        中野さん「政府支出はGDPに占める割合はかなりの部分を占めているわけですよね」

        中野さん「だから、GDPをデカくしようとしたら政府の力が最も大きいわけです」

        ~中略~

        【日銀“マイナス金利”解除は時期尚早?】植田総裁の発言を検討する 中野剛志×森永康平 より

        森永さん「マイナス金利を解除しましたと。マイナス金利の解除の時にすごく問題だなと思ったのがマイナス金利の解除うんぬん以前に(情報が)漏れてるんですよ」

        森永さん「びっくりしたのが、あるメディアは19日の火曜日が政策が発表される日だったんですけど、18日の月曜日の夜か何かに携帯に(ニュースの)通知が来て、見たら」

        森永さん「『日銀、利上げ決定!』っていうニュースなんですよ」

        森永さん「まだ(日銀の制作発表が)何も出ていない前日の夜にスクープとして『決定』って出ちゃってる」

        森永さん「どっかから漏れちゃっている情報をメディアは持っているんですけども、何がまずいって『追加利上げ』っていうのが今報じられ始めちゃってる」

        森永さん「おそらく、ズブズブの関係を見ると『追加利上げ』は年内にやる可能性が相当高いと僕は見ている」

        森永さん「じゃあ、次のポイントはどこで追加利上げをやるのかって言う時に先ほどのグラフに関わってくるんですけども」

        森永さん「僕はおそらく実質賃金がプラスのなった瞬間に追加利上げをすると思ってます」

        森永さん「じゃあ、実質賃金がいつプラスになるのかっていうのが次のグラフ」

        森永さん「これ物価のグラフなんですけど、5個くらい線があって何じゃこれってなると思うので簡単に説明すると」

        森永さん「緑色の線が持ち家の帰属家賃を除く総合っていうやつで、持ち家の帰属家賃っていう本来の支払いとかとは関係なく国際比較するために統計上処理してるっていう、そういうのを除いた国民の実感に近い物価」

        森永さん「その右にある赤い線が総合という、いわゆる普通の消費者物価指数」

        森永さん「青い線が生鮮食品の価格を除いたいわゆるコアCPI」

        森永さん「オレンジが生鮮食品とエネルギーを除いた”日本でいう”コアコアCPI」

        森永さん「紫のが欧米で言うコアCPI」

        森永さん「これ見てもらえばわかるように物価の趨勢としては完全に物価上昇率はピークアウトして鈍化していってる傾向にある」

        森永さん「これは世界中どこもそうで、アメリカとかも一時9%超えてましたけど、足元3%くらい落ちていますし」

        森永さん「見ていくと、おそらく物価上昇率はどんどん落ちていくんだろうと」

        森永さん「一方で、今回の春闘、大企業でも5%超ですし、中小企業でもデータがあるところでは4%台ですから、」

        森永さん「おそらくそれが反映されてくる夏ごろのデータから、物価が落ちて行って賃上げが反映されてくるとおそらく実質賃金プラスになってくるでしょう、と」

        森永さん「そうなったときに追加利上げをするんじゃないかなと」

        森永さん「今回、日銀の政策で問題だなと思ったのが一つは(情報の)お漏らしをしたことですね」

        森永さん「意図せず漏れてしまうのがお漏らしですが、日銀の場合は意図的におもらししてるっていう…とんでもねえなと」

        中野さん「きたねえな(苦笑い」

        森永さん「もう一個が、これ」

        森永さん「これ、日銀の上田総裁が19日の記者会見でしゃべった内容を文字起こししたやつです」

        森永さん「そもそも、なんでこのタイミングでマイナス金利を解除したのかっていう質問に次のように答えています」

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        賃金を巡る環境を整理しますと、企業収益は改善を続けており、労働需給は引き締まっています。

        こうしたもと、本年の春季労使交渉では、現時点の結果を見ますと、
        昨年にひき続きしっかりとした賃上げが実現する”可能性は高く”、本支店における企業からの”ヒアリング情報”でも、幅広い企業で賃上げの動きが続いていることが窺われます。
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        森永さん「まず、『昨年にひき続きしっかりとした賃上げが実現する”可能性は高く”』っていう言い方」

        森永さん「あと2~3ヶ月待ってれば結果出てるのに、あえて(結果の出ていない)3月に『可能性が高い』って見切り発車しました」

        森永さん「しかも、何のデータを見たんですかって聞くと、日銀の支店が各都道府県にありますのでそこでヒアリングをしましたと」

        森永さん「ヒアリングって言ったって、日銀の支店の人が聞く相手なんて中小企業の中でもそれなりの格の方たちであって、それが全ての中小企業じゃねーだろと」

        森永さん「しかも、ヒアリング内容も誰にヒアリングしたのかも国民はわからないわけですね」

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        物価面では、既往の輸入物価上昇を起点とする価格転嫁の影響は減衰してきていますが、
        これまでの緩やかな賃金上昇も受けて、サービス価格の緩やかな上昇が続いています。

        このように、最近のデータやヒアリング情報からは、
        賃金と物価の好循環の強まりが確認されてきており、
        先行き、見通し期間終盤にかけて、物価安定の目標が持続的・安定的に実現していくことが見通せる状況に至ったと判断しました。
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        森永さん「『サービス価格の緩やかな上昇』とか書いてありますけど、これデータを見ると最近サービス価格は頭打ちしちゃってますと」

        森永さん「にもかかわらず、何度も繰り返すんですよ、『データやヒアリング情報によると確認が取れています』と」

        森永さん「でも、データを見たらサービス価格頭打ちしてますけど、ヒアリングって誰に聞いたんですか?っていう所もわからない」

        森永さん「次に行っていただいて…だんだん弱気になってくるんですよ(苦笑い」

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        特に私どもで今回実施したヒアリングとしましては、日銀の本支店にお願いしまして、コンタクト先、短観の中堅・中小企業よりもさらに小さい先も含めて、ヒアリングを実施しております。

        幅広い先から、”ヒアリング先の半分以上の所から賃上げの計画があるという回答を得た”ということも一つの情報になっております。

        追加的に申し上げれば、特に小規模の企業、なかなか賃金を上げていくのが大変なところも多いという所は認識しておりますけれども、

        小規模企業は全体あるいは大企業がどういう賃金設定をしていくかということを見つつ、自分たちの賃金設定も決めていくという傾向がありますので、
        その点も加味して今後の中小企業の賃金の動向を”予想した”という面があります。
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        森永さん「最後の方には『小規模企業は大企業がどういう賃金設定をしたのか見てから動きます』と」

        森永さん「なので、大企業は調子がいいっていうのが報じられているので、中小企業の動向も『たぶん調子よくなるだろう』と」

        森永さん「『”予想した”という面があります。』と、だんだん弱気になってきちゃってる(苦笑い」

        中野さん「思ってないことを言わされてる感(笑」

        森永さん「さらに次に行くとですね…」

        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
        まず、中小企業の特に賃金動向ですけれども、これについてはもちろん、先ほど申し上げましたように、ある程度の情報は収集しましたし、それから、これまでの中小企業の行動パターンを見て、今後こうなりそうかという予想もしていますけれども、
        ”絶対ある程度以上上がるという自信ないし根拠があってということでは必ずしもない”です。

        ただし、ここまでの大企業の賃金の動向、出方を見ますと、中小企業のところが多少そこから下振れる、少し弱いということがあったとしても
        ”全体としてはある程度のすがたになるんではないかな”ということで、今回の判断になったという風に申し上げられるかと思います。
        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

        森永さん「ここは会見の最後の方なんですけども『ある程度の情報は収集しました』っていう謎の発言から」

        森永さん「『絶対ある程度以上上がるという自信ないし根拠があってということでは必ずしもない』」

        森永さん「『全体としてはある程度のすがたになるんではないかな』」

        森永さん「最後の方は完全に見切り発車しましたっていうのをゲロってしまったと(苦笑い」

        森永さん「で、上田総裁は元々『賃金と物価が好循環で上昇しているのが確認出来たらマイナス金利政策をやめる』と言っていたんですけども」

        森永さん「まず、賃金の方、(記者会見の)最後の方になると(賃金が上がるっていうのは)全部予想です、大企業はよかったよね、中小は予想です、見切り発車しましたってのをゲロってしまった」

        森永さん「じゃあ、もう片方の物価はどうなんだいと」

        森永さん「これ、日銀自体が出してる1月に出した展望レポートをそのまま抜粋してるんですけども」

        森永さん「真ん中が、いわゆる日銀が見ているコアCPIです」

        森永さん「2025年度のコアCPIは日銀の審議員9人、みんな1.6~1.9くらい、中央値は1.8でしたと」

        森永さん「つまり、総裁から審議員全員が来年度(物価)2%割りますって予想してるんですよね」

        森永さん「つまり、物価は落ちていくし、賃金も『予想です』って言ってるわけで非常に根拠が弱いまんま金融政策の修正をかけたなと」

        中野さん「根拠が弱いってのは自分でゲロってて」

        森永さん「そうです」

        中野さん「お漏らしをした上にゲロって、きたねえなホントに(爆笑」

        森永さん「なんか金融と財政は引き締めるのに、お前はいろんなところ緩んでるなと(笑」

        森永さん「緩和しまくってる(笑」

        森永さん「まあでも、日銀のマイナス金利政策自体は異次元、MMTとか積極財政派もそこは同意するところだと思いますけど」

        森永さん「そこを解除しただけに関してはとやかく言うつもりはないですけど、僕が気にしてるのは、まずタイミングですよね」

        森永さん「自分で『物価目標達成できません』って言っていて、賃金状況もあと2~3ヶ月待てば結果が出てくるにもかかわらず、それを見ずに3月にやったのっていう」

        森永さん「ここからは僕の邪推になるんですけども、今、マーケットではアメリカの利下げ予想が6月であると」

        森永さん「日銀の追加利上げのタイミング、最短、たぶん6月とか7月。春闘の結果ができて物価が下がって実質賃金プラス」

        森永さん「もし6月のタイミングで上田さんがマイナス金利解除してFRBが利下げしますとなると金融政策が逆方向でバッティングすると」

        森永さん「金利差が閉じると何が起きるのかというと、明確な株安要因であると」

        森永さん「株価と支持率は相関関係などないにもかかわらず、たぶん安倍政権の遺産としてあるので気にはするはずなんですよね」

        森永さん「となると、アメリカが利下げしたタイミングで真っ向から日銀が金融政策を引き締めに行くと為替が円高になって株安になる可能性がある」

        森永さん「そんなタイミングでやる根性はない」

        森永さん「ってなると、(春闘の賃上げの結果が反映される)6月まで待ってる余裕はないと」

        森永さん「ってなると、3月か4月にもうやるしかないと」

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