From 三橋貴明
【近況】
現在、月刊三橋の新コンテンツ
「真・日本近代経済史 日本近代の歴史は、
グローバリズムとの戦いだった」
の作成、及び採図社から刊行予定の
「種子戦争(仮)」執筆のために、
大航海時代から大東亜戦争までの「歴史」を
改めて勉強し直しているのですが、
我が国の近代の歴史は、本当に
「グローバリズム」との戦いだったことが分かります。
グローバリズムとは、もちろん
「モノ」「ヒト」「カネ」の国境を越えた移動の自由化です。
ポルトガル人の種子島漂着から、
江戸幕府の鎖国令までの時代、
日本人は意外にグローバリストでした。
傭兵として、あるいは朱印船貿易で、
多くの日本人が東南アジアで活躍していたりします。
例えば、オランダ東インド会社が、
香料諸島からイギリス東インド会社を駆逐する
切っ掛けになったアンボイナ事件では、
日本人傭兵9名も巻き込まれ、処刑されてしまっています。
当時にしても、「ヒト」の国境を越えた移動の自由が、
日本国においてさえ成立していたのです。
ついでに書いておくと、ポルトガルは日本人を「購入」し、
奴隷としてアジアやヨーロッパに「輸出」する
奴隷交易に手を染め、秀吉の怒りを買いました。
奴隷交易に代表される、残酷な「ヒトの売買」を
規制するためには、国家権力を用いるしかないのです。
現代に至っても、日本国内では「派遣業」という
ヒトの売買が大々的に行われています。
人材紹介業はともかく、継続的に「ヒト」の売却代金を
得続ける派遣業は、間違いなく賤業です。
また、無政府状態に至ったリビアでは、
アフリカ人たちが欧州(イタリア)を目指すべく、
密航業者の「自由市場」に自分という
ヒトを売り込んでいっています。
厳密には、イタリアに渡るためにカネ
(意外に高く、イタリアのメディアによると22万円ほど)
を支払い、密航業者は「利益」を拡大していっているわけです。
何しろ、何ら政府の規制がないため、
密航業者たちはゴムボートや漁船に
アフリカ人を詰め込み、地中海を渡らせます。
当然、沈没が相次ぎ、昨年だけで5000人以上が
地中海で命を落としたと推定されていますが、
全ては「自己責任」です。
リビアの密航ビジネスこそが、
究極の「グローバリズム」なのでございます。
何しろ、統一政府が存在しないわけですから、
全ては「市場の自由」に任せられます。
現在のリビアやイタリアを見ていると、
「グローバリズム」や「自由」の意味について、
改めて考えさせられるのです。
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◆「幸いな人 2017年7月号 」に、「アジアの火薬庫、朝鮮半島」を寄稿しました。
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◆週刊アサヒ芸能 連載 列島報告書 第128回「90年代に始まった財務省の「財政破綻」プロパガンダ」
http://www.asagei.com/
◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第233回「遠のくインフレ目標の達成」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/
◆有料メルマガ 週刊三橋貴明 Vol428 スパイスロードとグローバリズム(後編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
グローバリズムの主役は、胡椒・スパイスから、インド産の綿製品キャラコへと移っていきます。(後、紅茶になりましたが)
イギリスにおけるキャラコの大ブームが、最終的には「産業革命」を引き起こし、歴史が大きく動くことになったのです。
◆メディア出演
8月9日(水) 6時から文化放送「おはよう寺ちゃん活動中」に出演します。
http://www.joqr.co.jp/tera/
8月2日(水) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演しました。
【Front Japan 桜】本日の経済ニュース / 日本の政治的マトリクス~シンポジウム「モンサントとグローバリズム、そして日本のコンテンツ」[桜H29/8/2]
https://youtu.be/mGvaMicwMFU
http://www.nicovideo.jp/watch/1501660667
◆三橋経済塾
8月20日(日)三橋経済塾第六期 第八回対面講義の詳細と申込方法をご案内致します。
http://members6.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2061
※今回は日曜開催でございます。
ゲスト講師は上島義郎先生(元産経新聞社 『月刊正論』編集長)です。
◆チャンネルAJER
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