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2024年4月11日
【藤井聡】「スズキ自動車会長の鈴木修氏」を後ろ盾にした川勝知事がリニアに反対。結果数十兆円規模の経済被害発生…しかし、鈴木氏の反対理由は単なる「素人の妄想」に基づく勘違いであった。
静岡県の川勝平太知事が一貫して、「水問題」を盾に反対し続けた中央リニア新幹線。その川勝氏の反対の影響でJR東海は東京名古屋開通を裁定でも7年間延期せざるを得なくなったと公表しました。
当方の京都大学藤井研究室ではこれまで、全国各地の新幹線や高速道路などの交通インフラ整備による経済効果を、「MasRAC」と呼ばれる筆者等が国土交通省と共に開発したマクロ経済シミュレーションモデルを用いて様々に推計してきたのですが、その中の一つにリニア新幹線の経済効果を推計した研究があります。
https://38news.jp/archives/04985
この研究は、「名古屋と大阪のリニア開業による経済効果」を推計したものですが、その結果、年間7兆円の経済効果があるという結果が示されています。これは一日あたりで言えば約200億円となります。
川勝氏が延期させたのは東京名古屋間のリニア開業ですが、名古屋までの開業が遅れれば大阪までの開業も遅れる、と言うことになりますから、名古屋までの開業が一日遅れることで、裁定でも200億円の経済損失が生ずると言うことになります(無論、東京・名古屋間の開業による経済効果もありますから、実際には合計でその倍以上の4~500億円程度の損失になると考えられます)。
何にしても、川勝知事は、知事権限を使ってリニア反対をし続けたことによって、国民は一日あたり200億円ずつ所得を失っていくと言う凄まじい被害を日本国民に与え続けたのです。ちなみに7年遅らせたということは、合計で約50兆円の経済被害を日本に与えたという事になります。
川勝氏はその責任を少しでも感じているのでしょうか?(無論、何も感じてないでしょうけど…😢)。
…ではなぜ、川勝氏は反対したのかというと、リニアのトンネルを掘ることによって大井川の水量が減り、静岡県民に被害がでるというのが、「表向き」の「公式」の反対理由。
しかしそうした反対があったので、大井川に流れ込む水の「バイパス」トンネルを作って、水量が減らない対策をJR東海は打ち出しましたが、それでも川勝氏はその「工事」の間、水が減るだろ!という理由でやはり反対。JR東海はそれを受けて、工事期間中にダムの水の「水利権」を静岡県のために購入し、静岡県民に被害が出ない対策を提案しましたが、それを受けてもまた別の理由をつけて反対…と言う恰好で、技術的にどのような対策を講じても、川勝氏は反対理由を次々と支離滅裂に変えていき、反対を取り下げなかったのです。
川勝氏のこの態度はもちろん単なる不条理な態度そのもの。単なる反対のための反対であり、反対するための理由をこじつけて「いちゃもん」を言い続けているというようにしか解釈できないものでした。
しかし実態は、川勝氏が公式に表明している反対理由は単なる「嘘」であり、表だっては口にすることのできない「別の理由」で彼は反対しているのだ、ということが関係者の間では常識のように知られていました。
表だっては口にすることのできない「別の理由」とは何かというと、川勝知事が知事選挙で勝利する上で決定的に重要な後ろ盾であったスズキ自動車の会長であった鈴木修氏が、リニアに反対していたから、というもの。
例えば下記写真は、川勝氏が知事辞任を表明した直後に、取材された鈴木修氏が発言した内容をとりまとめたもの。ここに記載の通り、「私はリニア反対」と発言していることが確認できます。
つまり、鈴木氏は川勝氏を知事にさせ、そして、自分が反対しているリニアに反対させ、その建設を阻止しようとしていたと言う次第。いわば川勝氏は鈴木氏に道具として使われていたわけで…だから川勝氏は、選挙で応援してもらいたいものだから、理屈なんてそっちのけで兎に角リニアにいちゃもんをつけて、その建設推進の邪魔立てをしていた、という構図があることが、記者達の間では「常識」として知られていたわけです。
では、鈴木氏はなぜリニアに反対していたのか、というのは、その真実の理由は分かりません。一部では、リニアを進めるJR東海の会長であった葛西氏と犬猿の仲だったから、と言われています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7f05446d95cda07c0c64e7f19166fdbae9a609c
が、とりあえず、鈴木氏が口にしていたリニア反対の理由は、「東京一極集中をもたらすからだ」と言われています(先に紹介したTV画面を改めてご参照ください)。
しかし、この鈴木氏の認識は完全に間違い。
学会での議論を経て、リニア新幹線の開通は東京一極集中を「加速」するのではなく、その逆に、東京一極集中を「緩和」するものなのです!
https://trans.kuciv.kyoto-u.ac.jp/tba/wp-content/uploads/paper/planning/51/shinkansen.pdf
少し考えればスグにご理解頂けると思いますが、東京に住んでいる人がこれだけ多いのは、東京に職場を持っている人がたくさんいるからです・彼らは職場に通勤するには「東京に住まないといけない」から、東京に住んでいるわけです。が、もし、東京じゃなくても、長野や山梨や愛知に住んでいても東京に「数十分」で行けるのなら、別に東京に住まずに、長野や山梨や岐阜や愛知に住んで東京に通う人が増えるのは当然です。
実際、我々のMasRACを用いたシミュレーションによれば、東京・大阪間のリニアが完成すれば、東京の人口は47万人減少する一方、名古屋都市圏は19万人、大阪都市圏は26万人もそれぞれ人口が増えるという計算結果が示されています。
つまり、鈴木氏は、交通や国土や経済の事についてあまりご存じない一般の素人の方でありますが、そういう素人考えに基づいてリニアを作れば東京一極集中が進むと勝手に思い込み、それを根拠としてリニアに反対し、川勝氏にリニア反対をするなら俺が金を出して応援してやるぞと言い、それが成功してしまってリニアが7年も延期され、日本経済に50兆円規模の被害がでた…という事になってしまったと考えられるわけです。
ホントに最悪ですが…こういう下らない事が起きないように、川勝氏の後任の知事選挙では、鈴木修氏が後ろ盾となって擁立する知事選候補者(元浜松市長の鈴木康友氏と言われています)が勝利しない事を(あるいは、鈴木氏がその新候補にリニア反対せよという指示を出して支援しないことを…)祈念する他ありませんね。
日本の政治はいつになったら、理性的なものになるのでしょうか…誠にもって、下らない事ばかりで政治が決まってしまうこの状況を、何とかしなきゃいけませんね…。
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https://38news.jp/economy/27934
【藤井聡】「スズキ自動車会長の鈴木修氏」を後ろ盾にした川勝知事がリニアに反対。結果数十兆円規模の経済被害発生…しかし、鈴木氏の反対理由は単なる「素人の妄想」に基づく勘違いであった。への2件のコメント
2024年4月11日 4:12 PM
JR東海が自前のカネでリニア作ると最初は
そんな話でしたよね、
ところがアへとカサイの談合で
国庫から更に3兆円支援していますよね。
1日200億損するのはJR東海。
完全自己責任❗
土木工学の専門家が地下1000Mの日本列島が東西ぶつかり合いの軟弱地糸魚川静岡構造線ブチヌキトンネルの危険性を知らない訳が無い!
三橋さんも千葉埼玉群馬で自営農家
再考されては如何ですか?
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2024年4月13日 2:01 PM
素人の妄想は言い過ぎ。
いずれ藤井さんにも返ってくる。
先生たちで弾き出した経済効果とやらも
しょせん計算上の話。
瀬戸大橋を支える与島は、駅こそないものの
インターがあり、児島、坂出ゆきのバスが出る。
静岡県はリニア駅もなく、大井川の水も減る
となれば、このままだと与島以下になる。
国土軸発展のためだ協力しろ、などと
戦時中の鍋釜供出レベルの議論を持ちだされては
川勝氏でなくてもゴネたくなります。
新幹線は戦前の弾丸列車計画から20年で実現。
最高速度も消費エネルギー削減も飛躍的に向上。
一方、リニア式は半世紀以上前の夢の段階から
いまだ実現ならず。スイスはとっくに計画凍結。
なぜ拘るのか意味不明。
そもそも
ネットワーク構築には相互性、互換性が必要。
新幹線は在来線に対し軌間電圧信号も異なり
システムとして閉じているから
欧州のように基本相互乗り入れができない。
リニア式は新幹線にも閉じてしまっている。
先生お勧めの四国新幹線を鉄輪式で作ると、
中央新幹線をバイパスさせて
首都に直通したくても乗り入れできない。
リニアが新大阪開業を果たすと、まず間違いなく
博多広島のぞみは新大阪でぶったぎられる。
大井川の川勝氏のことを言えた義理でなくなる。
これでなぜ高速鉄道網を構築することになるのか
まったく理解できない。
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