日本経済

2018年5月14日

【三橋貴明】忌まわしき税金

From 三橋貴明

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6月の骨太の方針2018閣議決定
を前に、「財政目標」関連の
攻防が激しくなってきました。

それにしても、なぜ財務省は
ここまで緊縮財政、特に
「消費税増税」に固執するのでしょうか。

グローバリズムの歴史を辿ると、
何となく理解できています。

グローバリズムあるいは
「新自由主義」の考え方では、税金は

「平等(※公正ではありません)
に徴収するべき」

となっています。

特に、個人や企業が稼いだ所得から
過剰に税金を徴収することを
「悪」とするのです。

というわけで、新自由主義的には税金は

「所得税ゼロ、法人税ゼロ、
税金は人頭税のみ」

が理想なのです。

三橋が東京都立大学
(現、首都大学東京)で経済学の
講義を受けていた際に、教授が、

「人頭税は最も効率が良く、
望ましい税制である」

と、力説していたのを記憶しています。

人頭税とは、文字通り
「一人頭いくら」で
徴収される税金です。

貧困層も超高所得者層も
「同額」の税金を徴収されるわけです。

当たり前ですが、人頭税には
「国内の所得格差是正」といった
概念は一切なく、多数派の
「非・高所得者層」の反発を
受けるため、導入は困難を極めます。

実際、典型的な新自由主義政権で
あったイギリスのサッチャー政権は、
居住する家族の頭数分だけ税金を課す
「コミュニティ・チャージ税」
なる人頭税を導入。

大邸宅に住む一人暮らしよりも、
狭いアパートに住む
子沢山家族の方が、高い税金を
支払う羽目になり、
サッチャー政権の支持率は急落。

退陣に追い込まれました。

というわけで、現代において
人頭税の導入は難しいのです。

だからこそ「消費税」なのではないか。

消費税の場合、何しろ人間は
消費しなければ生きていけないため、
誰もが逃れられません。

また、高所得者も低所得者も、
消費をするたびに「同じ税率」の
税金を徴収されるため、
まことに平等である、
という理屈なのです。

どれだけ所得が高い人でも、
お腹が一杯になれば
それ以上は食べられません。

金持ちが消費を増やす
とはいっても、限界があるのです。

というわけで、高所得者層の
消費性向(所得から消費に回す割合)は
低くなります。

逆に、低所得者層は所得の
ほとんどを消費に使わざるを得ないため、
消費性向は高まります。

つまりは、支払った消費税が
所得に占める割合を比較すると、
低所得者層の方が高所得者層よりも
高くなってしまうのです。

人頭税ほどではありませんが、
消費税もまた「逆累進性」が強い
ことは間違いありません。

消費税は、格差拡大型の税制です。

また、消費税には所得税や
法人税のように、景気を安定化させる
スタビライザー(安定化装置)の
機能がありません。

何しろ、失業者や赤字企業
であっても、消費税は
容赦なく徴収されます。

景気とは無関係に徴収可能
であるため、消費税の
「安定性」は抜群です。

財務省的には、そこ(安定財源)も
魅力なのかも知れません。

消費税は、弱者からも
容赦なく徴収される、
格差拡大型の税金なのです。

97年の消費税増税後の
デフレ環境下において、
日本国民の所得格差は拡大しました。

所得格差拡大に、消費税が
一役買っているのは間違いないと思います。

国民を豊かにする経世済民
という視点から見ると、
そもそも消費税は忌まわしき税金なのです。

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【三橋貴明】忌まわしき税金への7件のコメント

  1. 神奈川県skatou より

    >国民を豊かにする経世済民
    >という視点から見ると、
    >そもそも消費税は忌まわしき税金なのです。

    三橋先生のご活躍をいつも熱く熱く応援しております。
    忌まわしき税、消費税、多くの国民が「なんとなく感じている」ものに、言葉の翼を与えて消費税減税、撤廃してほしいものですね。
    今日の内容を政治家30名が街頭演説したら面白いかも??

    人頭税といえば、自分は高校の世界史で、とある帝国の失敗として人頭税、というふうに習った記憶がかすかにあります。その時自分は人頭税って合理的だと感じたのでつらつら考えましたが、赤ちゃんや老人まで同列に扱うのは変だよなぁで納得した覚えがあります。
    もっとも今の日本も、固定資産税という、所得でなく資産にかけるへんてこな税がありますから、ずいぶんだと思います。
    (持ち家が減ってマンションが増え、人口が偏在する訳です)

    消費税を上げて法人税を下げる根拠は、やっぱり取りやすさ、経団連からの圧力等、なのでしょうか。とても近視眼的ですね。
    所詮日本のエリートレベルでは、深い勉強をしてないからでしょうか。
    英語教育の時間を増やしてグローバル化対応など、自動翻訳機で一瞬で無意味になるような全国民レベルの無駄な真似はやめて、その時間、簿記でも、経世済民でも教科化して、点数付けさせればよいのではと思います。道徳を点数化するよりずっと良さそうです。

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  2. 中村和仁 より

    消費税を0%にして、利子所得、配当所得にかかる税率を一時所得のように90%にする。低所得者には優しく、株や不動産のような不労所得を得てる方からは、たっぷり税金を取るようにすれば良い。
    とはいうものの、海外のグローバル投資家のロビー活動に丸め込まれて実現できないんだろうけど。

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  3. みやお より

    消費税には反対です。

    >どれだけ所得が高い人でも、
    >お腹が一杯になれば
    >それ以上は食べられません。

    >金持ちが消費を増やす
    >とはいっても、限界があるのです。

    金持ちは金持ちなりにお金を使うのでそれなりに消費税を払っていのように思います。
    金持ちは低所得者層よりも食品にしても単価が高い人が多いのでないでしょうか。
    服にしても住居にしても車、娯楽、旅行など金持ちは低所得者層よりもより多くの消費をしていると思うのは私の先入観でしょうか。

    私が今まで見てきた中小企業の社長やその一族は概ねそういう人達でした。

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      1. F-NAK より

        先入観というか、よく考えてないだけでしょう。

        低所得者は生活費だけで所得を全て消費してしまいますが、あなたの知っている社長たちって、所得をすべて生活費で消費してるんですか?

        あなたの理屈だと、所得の大小に関わりなくエンゲル係数は、どの国民も一定ということになってしまいますが、そんなことはないでしょう。

        それに、消費の中に「住居」を入れている時点で、あなたは税金のことをよく分かっていないでしょう。

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  4. 利根川 より

    デフレ不況の状況下で個人が豊かに暮らそうとすると”必ず”別の誰かがその分だけ貧困化してしまう。
    この様な状況下では自分より豊かそうに見える者、足を引っ張りそうな者は「敵」という認識になりがちで、国民同士で足の引っ張り合いが起きてしまう。
    おもえば、生活保護問題や企業の預金(内部留保)なども景気が良かった時期はほとんど誰も気にしていなかったように思う。
    最近、何かと理由を探しては誰かを叩くという”炎上”が流行りですが、全部とは言わないまでもデフレの影響も考えられるのではないでしょうか。

    皆、誰かを叩きたくてしかたがないのです。

    デフレを悪化させる消費税増税はなんとか回避してもらいたい。その為に頑張ってくださっている日本の未来を考える勉強会の皆様、本当にありがとうございます。

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  5. 日本晴れ より

    だから消費税に反対なんですよね。消費税は公正な税制じゃないし
    格差やデフレ長引かせる税制です

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  6. 多田光子 より

    おっしゃること100%深く頷いているのですが、表題を「税金」となさらずに、「消費税」となさった方がより三橋先生のお考えが伝わると思うのですが、如何でしょう。

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