欧州

2016年7月7日

【三橋貴明】オーストリア自由党は「極右」なのか!?

From 三橋貴明@ブログ

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少子高齢化に伴う生産年齢人口比率の低下。
深刻化する人手不足の中、鈍化する日本の成長。

しかし、この人手不足こそ次なる成長への鍵だった。
これから起ころうとしている第4次産業革命とは一体?

『月刊三橋』最新号
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「オーストリア自由党は「極右」なのか!?」
From 三橋貴明@ブログ

 チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演いたしました。

【Front Japan 桜】グローバリズムと帝国主義 / 不安だらけのリオ五輪、開催間近[桜H28/7/6] https://youtu.be/N0aMAwXDZ7I
http://www.nicovideo.jp/watch/1467788601

 上記、Front Japan桜でも話題にしていますが、「6月1日 その1 」 で、
『オーストリア大統領選挙は、緑の党出身のアレクサンダー・ファンデアベレン元党首が、自由党のノルベルト・ホーファー国民議会第3議長に、何と50.3%対49.7%という紙一重で勝利しました。

 即日開票分は、ホーファー議長がリードしていたのが、不在者投票分でファンデアベッレン元党首が逆転。緑の党側が、社会民主党と国民党という、これまでの二大政党分の票を集めても、50.3対49.7という超僅差な結果は、世界に衝撃を与えました。

 しかも、オーストリア内務省が一部の市において郵送票が不正に開票された疑いがあるとして、検察に告発。
「事実が確認され(敗退した)自由党から要求があれば、当該地域の郵送投票をやり直す」
 としています。

 自由党側は、今のところ投票のやり直しは求めていませんが、いずれにしても「きな臭い」ことになっています。』
 と、書きいた5月のオーストリア大統領選挙について、オーストリアの憲法裁判所が「無効」と判定し、結局、やり直しということになってしまいました。

『オーストリア大統領選、10月2日にやり直し
http://www.sankei.com/world/news/160705/wor1607050037-n1.html
 オーストリア政府は5日、憲法裁判所がやり直しを命じた大統領選挙の決選投票について、10月2日に実施することを決めた。日程は国会の承認を経て正式決定される。5月下旬に行われた決選投票をめぐっては、僅差で候補が敗れた極右の自由党が開票作業に不正があったとして憲法裁に選挙無効を求めて提訴。憲法裁が1日、訴えを認める判断を示していた。』

 相変わらず、産経新聞を含めた日本のマスコミは、オーストリア自由党を「極右」と表現し、レッテル貼りに勤しんでいますが、「移民制限」の主張が極右というならば、このブログも極右になってしまいます。結論ありきのレッテル貼りによる印象操作は、いい加減にやめるべきだと思います。

 ギリシャの「黄金の夜明け」はともかく、フランス国民戦線、オランダ自由党、イタリア五つ星運動、ドイツAfD、スウェーデン民主党、イギリス独立党、そしてオーストリア自由党は、EUの、
「労働者は連合内を自由に移動する権利をもつものとする」
 という理念、条約に反発しているだけで、国民主権国家として当然の話を主張しているに過ぎません。

 日本で言えば、年間に70万人、100万人の中国人労働者が流入してきたとして、
「中国移民を制限しろ!」
 と主張することが極右、という話になってしまいます。外国移民を制限することは、主権国民国家の国民の当然の権利であり、それを制限する方が「全体主義」とレッテルを貼られるべきなのです。 

 外国人差別はいけません。そりゃ、そうです。
 だからと言って、

「全面的に外国人労働者を受け入れろ!」
 という政策に反発することを「極右」と否定することは、間違いなくナチスと逆方向の全体主義です。

 ちなみに、わたくしは日本の人手不足に対する解決策を、ブログやテレビ、ラジオ、そして著作で、うんざりするほど繰り返しているため、
「だったら、人手不足はどうするんだ!」
 といった批判も受け付けません。人手不足に対する「解」は、生産性向上です。

 厳密には、生産性向上のための設備投資、人材投資、公共投資、そして技術開発投資の拡大です。資本主義国なのだから、当たり前でしょ?

 少子高齢化に端を発する生産年齢人口比率低下による人手不足に対し、「だから、外国人を!」などとやっている連中は、バカか、もしくは日本国家の統合を破壊しようとしているのか、あるいは両方です。
 代表が、自民党の「労働力確保に関する特命委員会」の会長である木村義男参議院議員です。

 それはともかく、桜の番組でも語りましたが、昨年以降、
「9月4日に、トルコ沖で亡くなったシリア人男の子の写真が全世界を駆け巡り、ドイツやイギリスの世論が一気に難民・移民受入に傾いた」
「5月のオーストリア大統領選挙で、わずか3万数千票差で自由党が敗北したが、同国内務省が「不正」があったことを認めた」
「イギリスのEU離脱の是非を問う国民投票において、「離脱派」が有利な状況で、残留派のヒロインであったジョー・コックス議員が、離脱派と言われる男に射殺された」
 など、タイミング的に「怖い」事件が相次いでいます。

 オーストリアは、結局は大統領選挙のやり直しということになりましたが、昨年、欧州に流入した百数十万人の難民・移民問題は、もはや取り返しがつきません。

 外国移民は、一度、受け入れてしまうと、取り返しがつかない上に、国内で様々な問題が発生します。朝鮮戦争の際に、朝鮮半島からの難民を受け入れ、すでにして在日朝鮮人・在日韓国人という「移民問題」を抱えてしまった日本国民であれば、理解できるはずです。
 移民問題は取り返しがつかず、将来に必ず禍根を残します。

 将来の日本国民のことを真剣に考えるならば、我が国が外国人労働者(=外国移民)」を受け入れてはなりません。

 さて、
「国民主権国家を維持するために、外国人労働者を受け入れてはならない。人手不足には資本主義国として『生産性向上』で対処を!」
 と、主張するわたくしは「極右」なのでしょうか?

ーーー発行者よりーーー

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【三橋貴明】オーストリア自由党は「極右」なのか!?への2件のコメント

  1. 平成苦難 より

    移民も難民もいらん特にシナ人と鮮人はいらんイスラムもいらん、人口が減って8000万人ぐらいになったらそこで維持する政策を考えれば良い、日本は日本人だけのもので外人の補充はいらん、海外に行き発展途上国を助けより良い国作りに協力することもいらん、基本途上国は恩を仇で返すでけで日本に何一つ良かった事はない。アフリカに貸した円借款は返せないとなればすぐに債権放棄の法則が発動され放棄の後セットでまた円借款をする。もう途上国に情けをかけるな何時までも日本のお小遣を当てにする癖がついてる。今後の発展期待地域という人もいるがそれは無いと思う

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  2. robin より

    今朝のモーニングcrossで日銀が市場から国債を買い取って政府の借金が実質的に減ってる、という話の直後に「しかし、借金は問題で〜」のようなコメントが流れていて可笑しかった。「健診「合格」40歳以上は17%」というニュースがあって、基準を厳しく設けてるのは医療保険業界の圧力の結果では?と思った。悪い言い方をすれば不安に付け込み安心を買わせるのが保険という商売か。手法が宗教と似てるが予防医学は儲からないし(?)、病気は医学の敵でも、健康は医者の敵、資本主義的には健康で良く働いて、定期的に病気になってもらうのが都合が良いか。マスコミは嘘を付かないが(嘘ですが)、同時に事実も語らない、事実はそれ1つではないことをもって嘘と言うか、事実が1つでも混ざっていれば「真実」と強弁するか。病気が減り、寿命が伸びたのは医学の進歩したおかげ、ではなく生活環境や水周りが改善されたおかげ、文明が滅んだのは権力闘争ではなく、木材エネルギー資源の枯渇、雇用が改善されたのは政策のおかげではなく、少子高齢化と生産年齢人口比率の低下で人口構造上の必然、心理面での原因は無数に作られて環境面での原因は気付き難く、都合の良い事実、嘘はそのまま利用される。

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