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2013年6月19日

【東田剛】安倍首相の爆弾発言。尖閣はどうなる?

From 東田剛

ここ数週間、株価の乱高下が激しいですが、アベノミクスは大丈夫でしょうか?
(なお、ここでいう「アベノミクス」とは、安倍政権が今やっているような、インフレ目標を掲げて、量的緩和をにんじゃりばんばんやるけど、財政出動はしょぼい政策のことです。)

「米国の株価の下落という外的要因による影響だから、大丈夫」という見方もあります。

一見、そのようにもみえますが、でも、よく考えてくださいよ。

米国の経済運営は、財政出動はしょぼいですが、インフレ目標を掲げ、量的緩和を三回も実施するというものです。ちょうど、今のアベノミクスと同じような感じです。
その米国で、株式市場が混乱しているということですから、これは「外的要因」では片付けられません。

アベノミクスの「一本目の矢」の理論的支柱の一人は、インタゲ・モンスターこと岩田規久男日銀副総裁です。

岩田先生は、米国の例を引きつつ、インフレ目標を設定して量的緩和を行うと、金融政策の透明性が高まり、期待インフレ率が上昇し、株価が上昇し、設備投資が増加するので、
デフレ脱却に「効くお」と、強力に説いてきました。

http://www.seijo.ac.jp/files/www.seijo.ac.jp/univ/keiken/kankou/nenpo/keiken_nenpo25_iwata.pdf

また、岩田先生は、2%のインフレ目標は2年で達成できると言ったそうですが、お手本の米国がインフレ目標を設定したのは、一年半前です。

しかし、どうでしょう。
ここ数週間の米国では、インフレ率が目標の2%を下回り、失業率も目標より高い。それなのに、市場は量的緩和縮小どころか、利上げまで勝手に予想し、過剰に反応したため、株価が急落しました。

http://blogs.wsj.com/economics/2013/06/13/fed-likely-to-push-back-on-market-expectations-of-rate-increase/tab/print/

http://jp.reuters.com/article/mostViewedNews/idJPTYE95G05720130617?sp=true

19日の記者会見を前に、バーナンキ議長が緩和縮小を示唆するだろうという報道も流れていました。
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95G08C20130617

インフレ目標は、金融政策の透明性を高める利点があるとされ、バーナンキ議長もテカテカと透明性を心がけていました。
しかし、ゴールドマン・サックスのオニール会長は、「透明性イコール明瞭ではないことが最近の数週間で示された」と辛辣です。
http://www.bloomberg.co.jp/news/123-MOC7DL6K50Y301.html
透明だけど不明瞭って・・・
バーナンキは、きゃりー語をしゃべっているのでしょうか?

インタゲ・モンスターは、量的緩和は、期待インフレ率を上昇させると言ってました。
しかし、米国では、期待インフレ率を示すブレークイーブン・インフレ率は、今年に入ってから下降気味で、特に五月中旬から急降下しております。
なのに、量的緩和の縮小が取り沙汰されているという有様。

http://ycharts.com/indicators/10_year_tipstreasury_breakeven_rate/chart#series=type%3Aindicator%2Cid%3A10_year_tipstreasury_breakeven_rate%2Ccalc%3A&format=real&recessions=false&zoom=5&startDate=&endDate

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE95505020130606?sp=true

その上、米国の量的緩和縮小の観測は、普通なら円安につながるはずなのに、円キャリーがぱみゅぱみゅ巻き戻って、円高になっちゃいました。

というわけで、アベノミクスの「一本目の矢」は、クール・ジャパン戦略だったのでした。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20130529-00000007-pseven-bus_all

きゃりーぱみゅぱみゅと言えば、尖閣のことも心配です。

日米両首脳は、13日の電話会談で、尖閣を巡って「日中対話を続け、東シナ海の安定を維持していくことが重要だ」との認識で一致し、安倍首相は「常に中国と協議するためのドアは開いている」と述べたそうです。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/20080115-899562/news/20130613-OYT1T01114.htm?from=popin

しかし、なぜか誰も指摘しませんが、これって、ヤバくないですか?

従来、日本の尖閣についての立場は「領土問題は存在しない」というものでした。つまり協議の余地なしということです。
ところが、安倍首相は、オバマに「中国と対話しろ」と言われて、いきなり協議のドアを開いてしまいました。
これは、日本が、従来の方針から後退して、中国の思惑通り、領土問題の存在を認めてしまったということではないのでしょうか

これで中国は、「だだだだインベーダー、おっしゃLet’s尖閣征服!」

<参考>
http://bylines.news.yahoo.co.jp/tanakayoshitsugu/20130616-00025735/

PS
じゃあ、どうすればデフレは脱却できるのか。
アベノミクスは、本来は、どうあるべきだったか。
http://amzn.to/OTfVek

PPS
分かりやすくてためになると、ダブルで大反響!
http://amzn.to/10XzXGK

http://amzn.to/1aao2uo

『TPP 黒い条約』の序文だけ読めます。
http://shinsho.shueisha.co.jp/nakano/read01/#1

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【東田剛】安倍首相の爆弾発言。尖閣はどうなる?への4件のコメント

  1. はっちゃん より

    岩田氏の文章読みました。 僕は頭がそんなに良い方でもないので2000年代の金融緩和と「日銀がコミットする」以外に違いがわからなかったのですが、とにかく「(岩田)効くお〜っ」といって「金融緩和だけではデフレ脱却できない」と言った日銀総裁には「言い訳するな!」とカンカンに怒っていることだけはわかりました。途中「風が吹けば桶屋が儲かる」の話みたいで面白かったです。?〜?までありましたが、?と?はその通りだと思いました。安倍総理、オバマ大統領との電話会談で「尖閣諸島は日本固有の領土だ」と説明するのがそんなに危険なことだと判断したんでしょうか?2月も「TPP参加は最大与党である我が自民党が事実上反対しているので難しい」とか。どちらも当たり前のことだと思いますが、これを言ったらヤバイんでしょうか。どちらの話も来ることが十分予想される話なので例えば「TPP参加する」なんて言ったらオバマ大統領が以外がりはしないかとか言う話はやはり事前には全く予想つかないのか。誰か総理大臣に聞いてくれたら興味あります。

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  2. nanashi より

    東田さんの安倍論を聞いていると暗澹たる気分になってきますね。摩擦を嫌う国民性(福田恒存)。山本七平流に言えば、空気。安倍さんの政策、言動をも左右しているのではないでしょうか。一身独立して国独立す(福澤)、自己本位(漱石)、自己の現実を見ること(福田)。みな同じことを言っているようですね。対立摩擦を嫌う空気の住人である日本人にこれが可能であるかどうか。福澤、漱石、福田等みんな西欧近代と対峙格闘した人間ですね。この点、安倍さんはどうなのでしょう。浪人時代西部さんと接触があったらしいから多少の感化は受けているのでしょうが、東田さんの安倍評を聞いているとなんか心もとないですね。

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  3. もろへいや より

    私も菊池先生の解説に同意ですね。そもそも金融緩和は民間の資金需要に応じて金利低下を目的に行うべきものであって、それ自体でデフレ脱却への処方箋のように大々的に謳ってやるべきものではないでしょう。西部邁先生がおっしゃっていましたが、民間の投資には「ある程度の将来に渡って市場が安定している」ということが大事だと思います。誰も将来の予測が困難な状態で投資なんかしませんよ。リフレ派の言う金融緩和と、ケイジアンの言う金融緩和はそれに期待しているものが違います。それはそれぞれの根底にある思想がわかっていれば気づくはずなのですがね。言葉面だけ「金融緩和」ならOKと思っているからそこにつけこまれてリフレ論者にいいようにされるんです。西部先生は、チャンネル桜や西部ゼミナールなどで「アベノミクスの三本の矢は、それぞれがバラバラの方向に飛んで行くだろう。」とおっしゃっていました。そのご意見はもっともなもので、それぞれの矢がどのような思想に基づいたものであるかを考えれば自然とそのような結論に至ります。

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  4. ごうだたけし より

    AJERcastで今のリフレ政策に対して、とくに青木泰樹 先生、菊池英博 先生、 のお二人ががっつり的確に批判されています。素朴な感じで倉島原さんも頑張ってますね。・・・リフレ派が「デフレは貨幣不足だから、お金を供給すればいい」と言う。これに対してケイジアンが「今、銀行に金余ってるだろう(貨幣不足じゃねーだろ)、モノの需要がないのに、お金を刷ったって、さらに銀行に金が積みあがるだけ」そこでリフレ派の伝家の宝刀「期待インフレ率」の登場!・・・伝家の宝刀が実証的にも理論的にもボロボロなのに、リフレ派は事実を認めずに、金融緩和がまだ足りなかったと永遠に言い続ける。日本はいつまでたってもデフレから脱却できない。しかし、構造改革と長引くデフレで中小企業が軒並み潰れて、競争相手がなくなれば、いずれインフレになるでしょう。欧米の電力自由化と同じ現象をたどる。2013/03/28 衆議院 予算委員会 民主党 福田昭夫の質疑での甘利大臣の答弁を見る限り、アベノミクスは失敗しますね。尖閣諸島を領土問題にしてしまったら(もうしたのかな?)、民主党以下ジャン。

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