欧州

2019年4月22日

米中覇権戦争 残酷な未来透視図

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】

米中覇権戦争 残酷な未来透視図(前編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12455089300.html
米中覇権戦争 残酷な未来透視図(中編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12455322256.html
米中覇権戦争 残酷な未来透視図(後編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12455551982.html

ビジネス社から
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本書のテーマは、ずばり「覇権」ですが、
歴史的に覇権国には「二種類」あります。
それを最も端的に表現したのが、トクヴィルです。

フランスの政治思想家
アレクシ・ド・トクヴィルは、
1835年刊行「アメリカのデモクラシー」において、
極めて示唆的な「予言」を書き残しているのです。

『アメリカ人は自然がおいた障害と闘い、
ロシア人は人間と戦う。

一方は荒野と野蛮に挑み、
他方はあらゆる武器を備えた文明と争う。
それゆえ、アメリカ人の征服は農夫の鋤でなされ、
ロシア人は兵士の剣で行われる。

目的の達成のために、
前者は私人の利害に訴え、個人が力を揮い、
理性を働かせるのに任せ、指令はしない。

後者は、いわば社会の全権を
一人の男に集中させる。

一方の主な行動手段は自由であり、
他方のそれは隷従である。

両者の出発点は異なり、たどる道筋も分かれる。
にもかかわらず、どちらも
神の隠された計画に召されて、

いつの日か世界の半分の運命を
手中に収めることになるように思われる。』

トクヴィルは相当にアメリカ贔屓の物書きで、
偏った文章であるのは確かです。

アメリカとは大陸の東海岸に上陸した欧州人たちが、
西へ、西へと先住民を虐殺し、狩り立て、
追い込みながら領土を拡大した国です。

アメリカにしても、
「兵士の剣」無しでは成立しえませんでした。

とはいえ、トクヴィルの言いたいことも分かります。

皇帝の絶対権力の下で、
膨大な人民が兵士として動員され、
領土拡大のために戦地に送りこまれる。

兵士は剣をふるい、長銃の引き金を引き、
大砲を引きずり、砲弾の雨を浴びせかけ、

リヴォニアで、スウェーデンで、フィンランドで、
ポーランドで、リトアニアで、ポルタヴァで、
クリミアで、ペルシャで、カザフ・ハン国で、
シヴィル・ハン国で、ウクライナで、
あるいはアウステルリッツやプロイセン、
ライプツィヒといった西欧の地でロシア軍は戦い、
何十万という犠牲を払いながらも、帝国の拡大を続けました。

ロシア帝国の「覇権」は、間違いなく軍事力、
「兵士の剣」によって成し遂げられたのです。

それに対し、アメリカは、
皇帝や絶対君主が存在しない
「デモクラシー」の共和国において、
「農夫の鋤」に象徴される
「生産性の向上」で覇権国への階段を昇って行きました。

過去の覇権国は、主に生産性向上で経済力を強化し、
覇権の座を掴んだ「アメリカ型」と、

軍隊、兵士の剣をもって敵を撃ち破り、
土地と人民を支配下に置いていく
「ロシア型」の二つに分かれるのです。

興味深いことに、
覇権国のアメリカ型とロシア型という分類は、

梅棹忠雄の「文明の生態史観」の
第一地域、第二地域、

さらにはマッキンダーの地政学の
シーパワー、ランドパワーとピタリと重なります。

ところで、アメリカ型覇権国に必須の条件は
「ナショナリズム(国民意識)」です。
国民が一致団結して生産性向上のための投資を続け、
経済力を強化し、覇権国へと上り詰めます。

逆に、ロシア型覇権国では
ナショナリズムは成立し得ません。
そもそも、軍事力で帝国の領域を拡大し、
必然的に多民族、多言語、多宗教国家に
ならざるを得ない以上、当然です。

現代において、ロシア型覇権国の候補が
中華人民共和国あるいは「中国共産党」です。

しかも、恐ろしいことに中国共産党は
ロシア型覇権国の弱点を理解し、それをカバーするべく、
アメリカ型覇権国の「生産性向上」を追求していっています。

そして、アメリカ型覇権国の系統において、
「アメリカの次の覇権国候補」が見えない。

特に、歴史的にこの手のタイミングで強国化し、
覇権国候補となる「ドイツ」が、
中東移民によりナショナリズムを失いつつある。

ナショナリズムが成立している国家において、
同一言語の国民が、
(※同一「民族」である必要は必ずしもないです)
生産性向上の投資を継続する。

これが、アメリカ型覇権国誕生への道なのですが、
かつての覇権国であるオランダも、イギリスも、
さらには毎度毎度「覇権国候補」となるドイツも、
移民によりナショナリズムを喪失し、候補国になれない。

アメリカ型覇権国の覇権を継ぐ者は、
もはや一カ国もないのでしょうか。

と、考えたときに、世界に一カ国だけ、
アメリカ型覇権を追求し得る国が
存在することに気が付きます。その国の名は・・・。

というわけで、ビジネス社から
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◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」
第317 MMTという黒船の上陸(後編)

なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol517 MMTの歴史的な意義(前編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
MMTがなぜ財務省にとって脅威なのか。
それは、彼らの財政破綻論の基盤である「おカネのプール」を破壊してしまうためです。

◆メディア出演

三橋TV、続々リリースされています。

三橋TV第78回【令和ピボット 自分自身への宣言】
https://youtu.be/VbFUFSuBfF8
三橋TV第79回【日本の経営者が求めるおぞましき「労奴」】
https://youtu.be/YDYFodFdj-Y
三橋TV第80回【原発ゼロや農協についてリアルな議論を!】
https://youtu.be/dYnk_cQRqfw

4月15日(月) チャンネル桜「Front Japan 桜」」に出演しました。
【Front Japan 桜】MMT(現代貨幣理論)おカネの真実を知ろう!(他)
https://youtu.be/8LDNoRHC5Tw

4月22日 チャンネル桜「Front Japan 桜」」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

◆三橋経済塾

平成31年4月20日(土)三橋経済塾第八期第四回対面講義を開催しました。
https://members8.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?page_id=75
ゲスト講師は 佐藤健志先生(作家・評論家)でした。インターネット受講の皆さまは、しばらくお待ちください。
第五回のゲスト講師は、いよいいよ「中野剛志」先生!

◆チャンネルAJER
変更版『財務省の狂気(前半)』三橋貴明 AJER2019.4.16
https://youtu.be/1Z2Ai6vb40k

—発行者より—
総理「政権中にこれを破棄できなければ、日本はオシマイ」

三橋貴明と総理との会談時で明かされた真実。

●総理が、三橋との会食をオープンに
(世に公開)してまで国民に伝えたかった事とは…?

●この会食で明らかになった、
私たちの邪魔をする[3つの敵の正体]とは?

●2020年に訪れるかもしれない
日本の危機的状況とは一体何なのか?

日本が発端となり、
2008年のリーマンショックが再来する?

などなどメディアが決して報道しない
「安倍総理の告白」と「日本経済2020年危機」
について解説した書籍を出版致しました。

こちらから詳しい内容をご覧ください。
https://keieikagakupub.com/38JPEC/1980/

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