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2022年8月16日

【室伏謙一】第二次岸田改造内閣は超緊縮・ウルトラ新自由主義推進内閣である

From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表

 昨日は終戦記念日でした。日本は大東亜戦争に負けたのに「終戦」という言葉を使うのは随分とおかしな話。しかも降伏文書に調印したのは9月2日であり、本来であればこの日が敗戦の日とならなければいけないのに、何の日にも指定されていません。ここでは詳しい話は書きませんが、事実を誤魔化し、現実から目を背けて、騙し騙し戦後をやり過ごしてきたというのが、どうやらこの国の実態のようです。

 さて、そうした「誤魔化す」、「騙し騙し」というのは、他の分野でもしっかりと根付いているようです。

 先日、8月10日、内閣改造が行われ、第二次岸田改造内閣が発足しました。「安定内閣」なんて解説をする人もいるようですが、私から見れば、単なる超緊縮・ウルトラ新自由主義推進内閣。これまであまり明確にしてこなかった緊縮の姿勢を鮮明にした人事ですし、新しい資本主義とは単なる新自由主義推進政策集ですから、その推進に主眼を置いた人事はそのためのもの。

 そもそも、岸田総理が昨年の総裁選の時に掲げていたのは、新自由主義からの転換や令和の所得倍増計画であり、更には「経済あっての財政。順番を間違えてはいけません」ということを再三強調してきました。しかし、新自由主義からの転換は反故にされ、所得倍増は資産倍増にすり替えられ、そして、この改造内閣で「経済あっての財政」は「財政のための財政」、「緊縮のための財政」にすり替えられようとしています。

 見事な「誤魔化し」と「騙し騙し」。ある種の戦後レジームをしっかり引き継いでいます。

 そうした中で特に危険なのが、岸田政権の今最大の関心事が、増税の実現であろうということです。参院選に当たり、岸田総理は防衛費の増に関して「内容と予算と財源を3点セットで考える」と言い始めました。このメルマガの読者の皆様は、「財源は国債。以上。」となると思いますが、最近、この「財源」という言葉を殊更強調するようになりました。しかも総理自身ではなく、山際大臣をはじめとする関係閣僚もそうなのです。加えて、新型コロナ・ショックに対応して設けられた雇用調整助成金についても、「労働移動を阻害する」との頓珍漢な理由で廃止も視野に入ってきているようです。

 ここで「労働移動」とは、経済成長のためには成長産業が必要で、低成長産業やいわゆる「ゾンビ企業」から、労働者が成長産業に移動する必要があるという考え方です。ツッコミどころ満載な間違った考え方ですが、そんな話を元大蔵官僚の厚生労働大臣がする始末です。今後色々な屁理屈をつけて、難癖をつけて、様々な施策の停止、予算の削減行っていくでしょう。

 さて、話を元に戻すと、岸田政権は「財源論」を今後活発化させたいようであり、それはとりもなおさず、増税かいずれかの分野の予算の削減、特に国民への給付に係る予算の削減でしょう。コストプッシュインフレで国民や事業が困窮し、まだまだ新型コロナショックから立ち直っていない状況だというのに、国民からさらに搾り取るか、国民への給付を減らすかしたいというのは、棄民政策以外の何者でもありません。

 これは別の言い方をすれば、国民経済への貨幣供給を減らすか、貨幣を吸収するということですから、国民経済の縮小を進めることに他なりません。つまり、この国の経済を成長させるのではなく、縮小させる、衰退させる政策を進めようとしているということです。

 こんなことはマトモな政府がすることではありません。しかし、起こりもしない「財政破綻論」で国民を騙し、間違いを指摘されても誤魔化すということを今後も、御用言論人や御用メディアを使って続けていくことでしょう。

 その先にあるのはこの国の滅亡(中国に併呑される、中国とロシアに分割統治されるという悪夢の実現も含め)です。滅亡の時計の針を急速に進めようとしているのが岸田政権であり、その背後にいる財務省です。

 これに抗して、衰退・滅亡を食い止めるためには、一人一人が声をあげて、一人でも多くの国民を覚醒していくしかありませんが・・・・

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【室伏謙一】第二次岸田改造内閣は超緊縮・ウルトラ新自由主義推進内閣であるへの1件のコメント

  1. 盆正月も仕事 より

    新自由主義からの転換や令和の所得倍増計画、こんな大嘘をついても平気でいられる神経が分からん。普通の民間で働いている一般人からしたら、仕事でこんな大嘘をつくことなんて考えられない。

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