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2022年6月22日

【藤井聡】『プライマリー・バランス亡国論』こそ、参院選の最大争点である。

From 藤井聡@京都大学大学院教授

参院選挙まであと2週間と少し。

当方、この選挙にあわせて、

『プライマリー・バランス亡国論:PB規律「凍結」で、日本復活! 』


 冊子版:https://www.amazon.co.jp/dp/4594091806/
 電子版:https://www.amazon.co.jp/dp/B0B4B29JF9/

を6月17日に出版致しました。

PB亡国論とはもちろん、「PB規律を守っていれば、国民のために必要な政策が出来なくなり、日本は地獄に落ちる」という議論。

例えば、今岸田政権が、効果的な物価高騰対策が全く打てないでいるのも、ガソリンがこれだけ高いのにガソリン税を引き下げを全くやろうとしないのも、はては、消費税を減税しないのも、コロナ給付金を全く配ろうとしないのも、さらには、防衛費を増やすために将来増税することを約束した国債(つなぎ国債)を発行しようとしているのも……全て、PB規律を守ることを最優先課題にしているからこそ。

まさに今の岸田総理が一貫して「無為無策」に終始している根本原因が、このPB規律の堅持にあるわけです。

事実、政府・与党は骨太の方針を決め、「プライマリーバランス規律を堅持」する姿勢を改めて閣議決定し、自民党の参議院選挙公約にも「財政の健全化を進め」という文言を明記しています。したがって、この「軛(くびき)」がある以上、公約に何を書こうが、予算総額が「プライマリーバランス規制」によって制限されますから、その大半が「絵に描いた餅」になってしまいかねないわけです。

もちろん、骨太方針には「重要な施策の選択肢を狭めることがあってはならない」とも記載されていますから、公約に掲げた施策の全てが「重要な選択肢だ」と主張すれば、PB規律を度外視して全て実現することが可能となるわけですが、はたして、そういうことを、あの「岸田総理」がやるのかといえば……甚だ疑問です。

そもそも財政健全化推進本部を総裁直轄で設置した当の本人が「岸田文雄」なのですから、「岸田内閣」においては、個々の政策の重要性よりもプライマリーバランス規律を重視する「緊縮財政」路線を推進することは避けられないでしょう。

一方で、野党各党は、いずれも「プライマリーバランス亡国論」を基調とした公約に掲げています。

国民民主党は、「積極財政」による「給料上がる経済」の実現を明確に掲げています。

立憲民主党も、時限的なものではありますが、「5%への消費税減税」を公約に掲げています。

そして、れいわ新選組は「プライマリーバランス目標は有害無益なので破棄する」と公約に明記した上で、消費税を廃止することを宣言しています。

つまり、与党は、「プライマリーバランス規律の堅持」を基調とした「緊縮財政」を公約に掲げている一方で、野党は「プライマリーバランス亡国論」を基調とした「積極財政」を明確に公約に掲げているという次第です。

このように与野党の財政に対する態度の相違が「公約」にハッキリと現れているのですが、個々の政治家・候補者の認識もまた同様に、与野党間でハッキリと異なっていることが、京都大学主催で実施したアンケート調査から伺い知ることができます。その詳細は、

【悲報】「自民党」こそ、日本を地獄に陥れる「緊縮&新自由主義」を最も強く支持する政党であることが京大調査より実証的に示された。
https://foomii.com/00178/2022062013084495913

にて紹介していますが、そこで報告したデータを一部紹介しましょう。

このデータは、昨年の衆議院選挙の候補者を対象に、当該選挙直前に行った調査の集計結果ですが、まず「PB規律」に対しては、次の様な結果となりました。

ご覧の様に、岸田総理の様に、コロナであろうがなかろうが「PB規律を守るべきだ!」と考えている者なんて公明・維新を含めた自民党以外の政党には文字通り一人もいなかったのです。ところが恐るべきことに自民党だけには、多数おられたのです!

これは、自民党が相当極端な「緊縮政党」であることを示しています。

次に、消費税「減税」への賛成率を見ると、野党各党は、約70%~100%という非常に高い水準となっている一方で、自民・公明の両与党は、驚くべき事に「0%」となっています(ちなみに、与野党の中間の「ゆ党」とも言われる維新は、消費税減税の賛成率についてもまた両者の中間にあるようです)。

このことは、自公連立政権には消費税減税を行う気など全くなく、「絶対に
消費減税しない」という財務省路線を完璧に受け入れてしまっていることを意味しています。

つまり、“財務省のポチ”とすら揶揄されてきた「岸田文雄」を中心とした自公連立政権は今やもう、PB亡国論を完全に度外視する財務省に「制圧」されてしまっているのです。

もちろん……自民党の中にも「プライマリーバランス亡国論」を理解する「積極財政派」が少なからず存在し、財政政策検討本部(安倍最高顧問、西田本部長、城内幹事長等)の活躍によってその勢いはかつて無い程に拡大していることも事実です。
https://foomii.com/00178/2022061222033995623

しかし、以上の調査結果は、そうした積極財政派は、自民党内部にて未だ「主流派」を形成するには至っていない、という残念な実態を示しているわけです。

ここでもしも、今や緊縮財政派のリーダーになり果せた岸田氏率いる自民党が、何事も無かったかのように淡々とこの参議院選挙に勝利してしまえば、緊縮財政がさらに加速し日本の凋落はさらに加速してしまうことは必至。

そうである以上、そんな最悪の悪夢の回避するためには、政党の別を超えて、「積極財政を唱えている候補者」を応援することが今求められていると言うことができるでしょう。そうすれば、与野党各政党において積極財政派の勢力が拡大し、政界全体の積極財政への転換が促されるからです。

ただし「政党」選択においては、緊縮的な公約を掲げる政党でなく、積極財政論・PB亡国論を公約に掲げる政党を支援することが必要であることは言う迄もありません。

ただし……そうした個別具体的な投票行動より、より重要なことが有ります。

それは、この選挙の機会に、表面的には正しそうに見えるプライマリーバランス規律なるものが、どれ程恐るべき害悪を日本にもたらし続けているのかという「プライマリーバランス亡国論」を過不足無く、しっかりと、一人でも多くの国民に理解頂くこと、です。

正しき認識無きところに、正しき政治などありません。そして、選挙という機会ほどに、正しき認識が拡散する機会はありません。

ついては当方は今、この選挙の機会に、一人でも多くの国民に、『プライマリーバランス亡国論』をしっかりとご認識頂きたいと考えています。
https://www.amazon.co.jp/dp/4594091806/

なかなか厳しい状況が続きますが……ここで諦めてしまえば日本の転落は確実になってしまいます。当たり前の話しではありますが、できるだけのことをできるだけ実践していくことの他に我々になすべきことなど無い、のです。

何卒、よろしくお願い致します。

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【藤井聡】『プライマリー・バランス亡国論』こそ、参院選の最大争点である。への2件のコメント

  1. はし より

    岸田政権の無為むさくをあざわらうかのように円安が進み、議席も減少していき新たな対策を打ち出さざるを得ないようになってきています。ざまあみろと思いながら、次はどうするのかと思いめぐらしながら投票に行きたいと思います。

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  2. 利根川 より

    >>自公連立政権には消費税減税を行う気など全くなく、「絶対に消費減税しない」という財務省路線を完璧に受け入れてしまっていることを意味しています。>>

     自民党にも公明党にも積極財政に協力的な方も居るので、その方達を批判する意図はありません。最初にそれは言っておきたいと思います。
     先日、公明党の山口代表が

    山口代表「野党は消費税を減税しろと言ってますが、今すぐ消費税減税をやったとしても実際に減税が施行されるのは来年になるんです。ガソリン、小麦価格などの高騰で今この時に困っている国民がたくさんいるというのに、来年まで待ってくれなど馬鹿げている」

    このようなことを言っていました。
     ちょっと振り返ってみたいと思いますが、コロナ禍が始まって間もなくの頃、当時、自民党議員であった安藤裕衆議院議員が

    安藤裕議員「すぐにでも粗利保障をやる準備をしないと大変なことになります」

    ということで、党本部に提言書を出しました。当然のごとく、下っ端議員であった安藤議員の提言など自民党は無視。それだけではなく、次の選挙では公認ももらえず失職に追い込まれました。選挙前と選挙後の高市早苗議員の豹変ぶりを見れば分かるように、自民党は自分の考えを曲げて曲げて曲げぬかないと生き残れない政党のようです(まるで中国共産党のようだ、苦笑い
     あのとき言われていたのは、

    自民党「今から粗利保障を出す準備を始めたとしても、急いでやっても支給するのは来年になってしまう。来年にはコロナ禍も終息してるだろうし、それでは意味がないから粗利保障などやる必要はない」

    といったことでした。しかし、コロナ禍は3年も続いてしまった。そもそも、コロナ禍終息までどれだけかかるかなど誰にもわからないことだったし、今後、パンデミックに関わらず、何らかの有事が起きた時のために粗利保障を出す方法を確立しておくことは無駄ではなかったはず。でも、彼らはやらなかった。
     コロナ禍の時に粗利保障を出す方法を確立しておけば、今回のコストプッシュインフレで被害を受けている業界に被害額に応じた補償も出せたかもしれない。
     振り返りはこの程度にしておいて、現在のことに目を向けてみましょう。
     現在のコストプッシュインフレは

    「ウクライナ戦争によるモノ不足(原材料不足)食料不足、エネルギー不足」

    から起きているわけですが、このウクライナ戦争がこの先どれだけ続くのかは不透明な状況です。
     
    国連「戦争はいつ終わるのですか」

    ロシア・ラブロフ外相「作戦目標が達成されたら終わる」

    ロシアの言う作戦目標がどこまでなのかは知りませんが、ウクライナ側としては自国にしこたまミサイルぶち込まれれば応戦せざるを得ませんので、この戦争は長引くのではないかとも言われています。
     公明党の山口代表は

    「今すぐ消費税減税をやったとしても実際に減税が施行されるのは来年になる。来年には戦争なんて終わっているさ」

    と言っていますが、そんなことは誰にもわからないわけでね。コロナ禍の反省ができているのであれば、

    自民党「来年にはコロナ禍も終息してるだろうし、それでは意味がないから粗利保障などやる必要はない」

    山口代表「今すぐ消費税減税をやったとしても実際に減税が施行されるのは来年になる。来年には戦争なんて終わっているさ」

    こんなことを言っていないで、さっさと消費税廃止、ガソリン税減税をやるべきです。
     日本はコロナ禍が来る前から不況で、そのコロナ禍前の水準にすら未だ回復できていないのだから、長期的にみても減税は必要なことでしょうに…
     国民民主や令和新撰組の政策を見れば分かるように、なにも今回のコストプッシュインフレに減税だけで対処しろなどと言っているわけではないわけです。
     コロナ禍では1回こっきりで終わってしまいましたが、必要に応じて10万円の給付をしつつ、それと合わせて減税もやるべきだと彼らは言っているわけです。10万円の給付については既に一度やっているので、できないことではないはずです。
     どこの政党もそうなのかもしれませんが、どうしてこう上の方の連中は危機感が無いのか…
     日本はもう20年以上まったく成長していませんが、その状況をおかしいとも思ってこなかった上の方の連中がどれだけアレなのか…上の方の連中だけ落選させるとかできればいいんですけど落選するのは下の方からなんですよね(苦笑い
     さて、コロナ禍が始まってすぐに粗利保障の準備を始めた先見の明のある安藤裕前衆議院議員は、35人も立候補者がいる激戦区東京から出馬するのだそうで、新党くにもり、応援してます。

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