日本経済

2020年11月11日

【藤井聡】『「自粛」と「緊縮」で日本は自滅する』を、都構想住民投票の11月1日に発売。是非、ご一読下さい!

From 藤井聡@京都大学大学院教授

 

こんにちは、京都大学の藤井です。当方この度、大阪都構想=大阪市廃止が住民投票で否決され、都構想を巡る議論に終止符が打たれた11月1日に、まさにその「都構想」の背景にある「緊縮思想」そのものを批判する書籍を出版いたしました。題して、

『「自粛」と「緊縮」で日本は自滅する ~菅総理への直言』
画像
https://www.amazon.co.jp/dp/4828422269

この本では、過剰な自粛が日本経済を衰弱させ続けると同時に、政府による「緊縮」によって、日本経済の衰弱がさらに加速させられ続けている、という現実を様々な角度から検証し、論じたものです。

本書ではまず、コロナ感染症が拡大していくにつれて、日本経済が如何に、「過剰」と言わざるを得ない行きすぎた「自粛」によって傷付けられていったのかを論じます

その中で、感染拡大初期の安倍総理の「学校閉鎖」や、西浦教授の「8割自粛要請」、さらには緊急事態宣言解除後の「2メーターのソーシャルディスタンス確保」論といった様々な問題の「過剰性」を一つ一つ論じていきます。

そしてそれを受けて、政府の緊縮が、医療出費をケチる事を通して如何にコロナ感染症を「拡大」させ、所得補償をしない事を通して如何にコロナ自粛による経済被害を「拡大」させていったのかを論じます。

ちなみに、本書発売日の11月1日に終焉を迎えた大阪都構想なる発想そのものも「緊縮」思想の産物でした。

そもそも、大阪都構想は「二重行政の解消」を論拠に提唱され、推奨されてきたものです。そしてその「二重行政がダメなもの」という発想自身は、「緊縮」の思想がなければでてこないものです。

例えば、一人一人の国民の暮らしを、市と府で二重に守ろうとする方が、府だけや市だけで守るよりもより望ましいという発想もあって然るべきだからです。それがダメだとなるのは、「政府は支出をできるだけ削らなければならない」という緊縮の発想があるからこそ。

だから、大阪都構想があれだけの支持を集めたのは、国民全体に緊縮の思想が浸透しつくしているからこそなのです。

そして、そんな発想で提唱されてきた都構想がもし仮に可決されていたなら、大阪市は解体され(推進派の主張とは裏腹に実際には大量の無駄なカネがかかると同時に)、大阪の行政能力が大きく毀損し、大阪は没落し、それを通して日本が没落していたであろうことは確実です(詳細は繰り返しませんが、こちらの書籍をご参照下さい。『都構想の真実』https://www.amazon.co.jp/dp/4899920725

ということは、「緊縮思想」は、都構想を実現させることを通して、大阪のみならず日本全体を自滅させかねない、極めて深刻な「危険思想」だと言うことができます。

そして言うまでも無く、緊縮思想は、

・消費税を増税させ、
・コロナ禍で大不況に陥った日本経済を放置させ、
・防災投資をさせず、
・国防投資をさせず、
・研究開発投資をさせない、

といった諸々の悪行を通して、日本を自滅へと導いていることは確実です。

…ただし、「緊縮」という思想の背後に何があるのかといえば、それは、

「自粛」

思想なのです。

そもそも自粛とは「自分で自分の行いをつつしむこと」を意味します。つまり、本当ならばできることを、あえて意図的にやらないことを自粛と言うわけです。

もちろん、本来ならばできる「悪い事」をあえて意図的にやらないというタイプの自粛は、「望ましい自粛」ですが、それとは逆に、本来ならばできる「良い事」をあえて意図的にやらないというタイプの自粛は、「悪い自粛」と言わねばなりません。

そして、「政府の緊縮」とはまさに、この「悪い自粛」なのです。本来ならば政府支出をすべき所を意図的にあえてやめてしまうのですから、「悪い自粛」と言う他ありません。

本書タイトルがそう示しているように、今日本を自滅に追い込んでいるのは政府の「緊縮」と、民間の過剰「自粛」ですが、双方とも実は、なすべき事をなさないという悪い「自粛」という点で同じ根を持つ、日本の深刻な精神病理を反映したものなのです。

私達はこの深刻な精神病理を克服し、適切な日常生活や適切な積極財政を取り戻し、日本経済を自滅から救い出すことができるのでしょうか……?

本書はそんな思いで書かれたものです。

言うまでも無く、筆者はこの書籍に書かれた通りの提案(本書最終章は、まるまる一章「提案」となっています)を、現在の菅政権が採用すれば、日本の自滅を回避することが確実に可能であると考えています。


本書はそうした思いを込めて、そのサブタイトルを

「菅総理への直言」

といたした次第です。

大阪都構想=大阪市廃止の言論戦が、少なくとも一旦は「真実の勝利」「詭弁の敗北」に終わった今、日本の自滅を回避するためのさらなる世論対策、言論対策が求められています。

そんな中、如何にすれば日本が救われるのか、すなわち、如何なる自粛が適正で如何なる自粛が「過剰」なのか、さらには、政府の緊縮を乗り越えるには如何にすべきか……こうした問題にご関心の方は是非とも、本書

『「自粛」と「緊縮」で日本は自滅する ~菅総理への直言』
画像
https://www.amazon.co.jp/dp/4828422269

をご一読頂けますと幸いです。

何卒よろしくお願いいたします。

追申:
「都構想住民投票」については、様々に総括する必要があります。それが無ければ、また再び、こうした壮大な詭弁まみれの「詐欺」的蛮行が繰り返されることになるからです。T教授をはじめとした御用学者達による、如何に酷い詭弁がその時横行したのか…しっかりと記録しておく必要があります。是非、ご一読ください。
『「大阪都構想=大阪市廃止」否決を受けて今、思うこと。』
https://foomii.com/00178/2020110809171772830

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【藤井聡】『「自粛」と「緊縮」で日本は自滅する』を、都構想住民投票の11月1日に発売。是非、ご一読下さい!への4件のコメント

  1. 大和魂 より

    そもそもが地球上の生き物全てが主体性で行動しているわけですから、それを前提として考えて判断するのが【常識】ですよ!!それでさまざまに行動に移しながら試行錯誤を繰り返し、その都度その都度の状況に応じて最善策を構じていく流れは万物の法則と同じもの。しかし何でこんな簡単な中学レベルの理屈も認識できないのかと腹立つのと同時に、変な考え方こそ身を滅ぼす自業自得になることすらも自覚できない哀れな方々だと想うところです。ちなみにこの書籍を購入して読んだ全体的な感想は、いかにも藤井先生らしく率直に一点の曇りもない誠実に問われていた内容でして、わたくしも賛同しております。

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  2.  緊縮ムードが正当化されたのが、
     未曽有の現代高機能都市型直下地震で引き起こされた阪神淡路大震災のあった1995年。
     こういう時こそ復興需要の喚起が必要なのに、
     橋本首相は、『火だるま行革』という狂気の政策。
     災害大国日本で、てんやわんやの基礎自治体の職員や自衛隊員の姿をみんな観ているはずなのに、公務員は多すぎるという脳無い革命!

     それに追い打ちをかけたのが、
     1997年に消費税3%を廃止すべきなのに、5%に増税。
     健康保険の自己負担率引き上げ、特別減税廃止など、総額約10兆円の緊縮財政の影響や金融不況の影響もあり、1998年度には名目GDPは、前年度比マイナス2%の503兆円まで約10兆円縮小し、GDPデフレーターはマイナス0.5%に落ち込んで、深刻な就職氷河期、デフレーション経済が蔓延(数値引用Wikipedia)。
     このこの頃から自殺者が年間2万人から3万人に跳ね上がります。

     それはそうと、そもそも消費税制度の発足の当初の意図は、クシピン(クロヨンと言われたのは後の事)、トーゴーサンといった税の補足率、課税率の不公平で、農家や商売人が税負担を免れているというサラリーマンの怒り・妬みがきっかけとした直間比率の見直しだったはず。
     間接税を増やせば、直接税が減税されて源泉徴収される人たちの不公平感が無くなると喧伝されていたのに!
     消費税5%にするなら、何故所得税減税をしなかった?
     そもそも逆進性の強い消費税を、所得格差が顕在化し始めたこの時期にアップする理由も分からず、有権者の関心は専ら橋本首相が寝た後の枕カバーにつくであろうポマードのことだけ。
     東日本大震災の時、TPPの話がメディアで褒めそやされて、「じゃあ、罹災した東北の農民は死ねということか?口先だけ、サッカー選手に頑張れニッポンと言わせながら、最低だなニッポン人」と怒りとともに獅子吼した中野剛志の姿が今でも鮮明に焼き付いていますが、
     阪神淡路大震災の後の「火だるま行革」で、テレビでぶち切れた人っていましたっけ?

     それで、税制で優遇されていたはずの農家はウルグアイラウンドで壊滅的な打撃を受け、農地は荒れたまま放置され、商売人は大店法で潰れまくってシャッター街の大量生産。
     そもそもの消費税という税制改革の大義は、不公平税制の是正。
     直間比率で優遇されているはずの農家、商売人がいなくなっても、消費増税だけは上げ続けるって馬鹿なの?

     そもそも、武漢がブルドーザーで道を埋没封鎖される過激なロックダウン映像が流され、全人代の地方会議の開催の見込みが立たなかったこの時点で、全人代は大幅に遅れ、その後の習近平来日はぶっとんだはずの春節祭前に支那人を入れないという「水際対策」をやらなかったのがそもそもの原因だし。

     志村けんさん、岡江久美子さん他1000人の死者はありもしないインバウンドと、既にに目途がつかなくなった全人代後の習近平来日というフィクションに忖度した、政府による未必の故意の夜殺人だし。

     水際対策をしっかりすれば、ここまで緊縮を厳しくなくてもいいと私も思います。
     むしろ、インバウンドなどという幻想を追わずに、人の出入りを厳しく制限し、本来内需国家である日本の内需の拡大こそが喫緊の課題だと思います。

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  3. 麦粒 より

    47NEWS
    目指すのは「集団免疫の獲得」ではない

    スウェーデンの感染症対策、結構厳しいと思うけどな。

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  4. はあ goto travel 張本人に連名させて本売れますか? より

    金子氏も主張してる様に北海道 沖縄の感染者爆発はgoto のせいですよ
    利尻礼文島で自然発生するわけないでしょが。
    何で一章割いてまで支那命発言させたのか 意味不明

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