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2015年5月5日

【藤井聡】「都構想」の危険性を明らかにする学者100人の所見

From 藤井聡@京都大学大学院教授

——————————————————-

●●憲法9条は日本の誇りなのか? 国家の危機の原因か?
月刊三橋最新号のテーマは「激論!憲法9条〜国家の危機に備えるために」

https://www.youtube.com/watch?v=4OQ4DnbgVS0&feature=youtu.be

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いよいよ「大阪都構想」、すなわち大阪市の「廃止」と分割に関する住民投票が、10日あまりとなりました。

この「都構想」については、これまでさまざまな視点から論じ、一貫して、

「論外」

の代物にしか過ぎないと主張してきました。

ただしこの当方の主張は決して「特異」なものではなく、政治学、行政学、財政学、そして、地方自治論や都市計画論等の学者の間では、いたって

「平均的」

なものなのです。

とはいえ、それを何度繰り返してもなかなか信じない方々も多くおられました。

そうした状況を踏まえ、立命館大学の森裕之教授とともに、

『大阪都構想』の危険性を明らかにする学者記者会見
〜インフォームド・コンセントに基づく理性的な住民判断の支援に向けて〜
http://satoshi-fujii.com/informedconsent/

を企画し、4月27日からの一週間、口コミやネットなどで

「『大阪都構想』の危険性についてのご所見をお持ちのさまざまな分野の学者の先生方」

にお声掛けし、その危険性についての学者としての所見を公募いたしました。

当初、7、8人、あわよくば10人以上集まっていただければありがたい……と考えていたところ、あれよあれよという間にさまざまな分野から多数の方々から返答いただき、GW中にも拘わらず、

たった1週間

で、実に

124名の方

から所見供出のご意向をいただきました!

そして、5月5日、午前中の時点で、実に100名からの「都構想の危険性についての所見」をいただきました!
(直前にもご連絡いただいたので、最終的には、合計126名、所見数は102となりました)

このすさまじい勢いに、当方と森先生は文字通り驚嘆の声を上げていたのですが、当方の「論外だ」という感覚が、いかに平均的な学術的意見であるかということを、改めて再認識したところです。

その全容は、

http://satoshi-fujii.com/informedconsent/

にすべて掲載されておりますので、ご関心の方は是非、全てじっくりとお読みください。

実に意義深く、深い所見が多数寄せられているところですが、本日は、その意見の中から、特に印象深いコメントを、それぞれの項目ごとに下記に抜粋いたしましたので紹介差し上げます。
(なお、当日の動画は、下記よりご覧いただけます。
ニコ生 http://live.nicovideo.jp/watch/lv219561055
youtube1_https://www.youtube.com/watch?v=H3g6IYx3cU4
youtube2_https://www.youtube.com/watch?v=skMqWGC1_yk )

100人分、ですから、かなりの分量になりますが「都構想」を理解する上で、この上ない

テキスト

になります。

是非是非、ご関心の方、特に「有権者の方」は、下記、じっくりとご一読ください!

【地方自治論(行政サービス論)】
「大阪市を分割し、権限・財源を大阪府に吸収すれば、大阪市民への生活サービスの低下は避けられない。」高寄昇三 (甲南大学・名誉教授) 財政学・行政学

「都構想」は大阪市を解体し市民へのサービスを低下させるものでしかありません。財源の多くが大阪府に吸い上げられ、その使い道を市民が決めることはできません。碇山 洋 (金沢大学・教授) 財政学

「大阪都構想は、住民サービスを著しく低下させかねない地域切り捨てです。」 上園昌武 (島根大学・教授) 環境経済学

きめ細やかな施策で地域住民の暮らしに寄り添い、地域の環境を守るためには自治体の規模は小さい方がいいと私は考えています。大阪市を解体し五つの特別区を設置するという「都構想」なるものは私の考えとは相反します。青山政利 (近畿大学・名誉教授) 環境学・エネルギー学

「これは大阪府への集中・集権であり、隷属への道である。縮小された権限と財源の下で、特別区は団体自治も住民自治も発揮することができず、特別区間での財政調整をめぐる争いと、住民間での負担増または歳出減の押し付け合いに終始することとなろう。」梅原英治 (大阪経済大学・教授) 財政学

「「介護保険制度」ば、5区がつくる一部事務組合に移され、窓口も担当職員も見えにくくなる。…(中略)…高齢化社会で求められる介護、医療、福祉を統合した「地域包括ケア」からは遠ざかる一方となるに違いない。当然医療費を下げることはますます困難になる。それが若い世代の負担をより重くすることが強く危惧される。」澤井 勝 (奈良女子大学・名誉教授) 財政学

「都構想では、いかにお金を儲けるかのみがうたわれ、広域な区になる結果住民へのサービスが低下し、介護など福祉も低下します。」田結庄良昭 (神戸大学・名誉教授) 地質学

「「都構想」は市民社会の基盤を弱体化させる。自治は制限され、安全、医療、福祉、生活環境の水準は低下し、公営住宅入居も一層困難になろう。政令指定都市である大阪市の廃止は、市民の暮らしを損なうことになる。」 早川和男 (神戸大学・名誉教授) 環境都市計画

「(国民健康保険事業は)一部事務組合によって運営されることになれば、これまでと比べて住民の要求は反映されにくくなり、地域医療が後退する可能性が懸念されます。」藤井えりの (岐阜経済大学・専任講師) 地方財政学

「住民の声は行政に届きにくくなり、「住みづらさ」が蔓延する失望の都市に変わってしまうでしょう。」保母武彦 (島根大学・名誉教授) 財政学・地方財政学

「行財政運営は混乱し、地域住民生活への深刻な影響、しわ寄せが懸念される。」山田 明 (名古屋市立大学・名誉教授) 地方財政学

「新たに設置される財政調整資金の配分をめぐり府と特別区および特別区相互の間で、絶えざる紛争が生まれる可能性があります。このため、大阪市民が現在享受している市民サービスが解体され、特別区の間で格差が発生し、低下してしまうことを危惧します。」横田 茂 (関西大学・名誉教授) 地方財政学

【自治喪失論】
「一見、民主的な印象を与える住民投票でカモフラージュしているが、今の大阪市の状況は、手続的にも内容的にも民主主義と地方自治の危機である。」真山達志 (同志社大学・教授) 行政学

「「大阪都構想」…(中略)…その本質は、市民の命と暮らしの砦である大阪市の解体にあります。」宮入興一 (愛知大学・名誉教授) 地方財政学

「大阪都構想は、大阪市の解体に他ならない。大阪市は自治権を失い、大阪府によって直接統治される。都市計画決定をはじめ、多くの権限を大阪府に吸い上げられる。こんなものが地方自治の伸長に役立つはずはない。」 山口二郎 (法政大学・教授) 政治学

「大阪市における住民自治を崩し、住民から行政を遠ざける大阪都構想には強く懸念を抱かざるをえません。」関 耕平 (島根大学・准教授) 財政学

「橋下・維新の会のもとでは、災害対策は重視されず、予算は削減されてきました。「都構想」でも、災害対策や教育・医療・福祉などの住民サービスを削り、大阪市民から吸い上げた財源をカジノや大型開発に投じようとしています。…(中略)…歴史と伝統をもつ大阪市を廃止する特別区の設置には重大な問題があるといわざるをえません。」山崎文徳 (立命館大学・准教授) 技術論

【地方自治論(衰退論)】
「大阪市は126年の歩みのなかで形成された有機的総合行政体。市を解体し、5特別区と前例のないマンモス一部事務組合に分割することは生木を裂くに等しく、大都市の活力をそぎ、長期低迷を生む」木村 收 (阪南大学・元教授) 地方財政学

「大阪市は戦前の名市長関一のもとで都市行政の先進的な事例を数多く生み出し、都市基盤の整備や環境政策、文化行政などの分野で全国の都市の手本となる成果を挙げました。…(中略)…大阪の再生は、こうした先例にこそ学ぶべきであり、都市の解体によって再生を果たすことは決してできないでしょう。」鶴田廣巳 (関西大学・教授) 財政学

「「大阪都構想」が通れば、大阪市民は共同体としての大阪市を失うとともに、共同体がもつ大都市行財政権限を失うことになる。その損失は計り知れない。」平岡和久 (立命館大学・教授) 地方財政学

「大阪地域は京都市や神戸市に比べて都市力や都市格ははるかに低いものになるであろう。」 宮本憲一 (元滋賀大学学長・大阪市立大学名誉教授) 財政学・都市経済学

「大阪都構想は、財源の低減により都市機能を低下させ、大阪市の発展と市民の暮らしを困難にするものだ。」 山口英昌 (大阪市立大学・名誉教授) 食環境科学

【地方自治論(都区制度論)】
「集権的な体制をつくるため、東京府・東京市が廃されて東京都・特別区がつくられた歴史的経緯を忘れるわけにはいかない。」荒井文昭 (首都大学東京・教授) 教育学

「もともと東京都の特別区制は、憲法の「法の下の平等」原則に反する疑いがあり、現実にも、多摩地域(30市町村)、島嶼各町村との間に無視できない格差が生じていて、特別区間の格差もまた深刻である。こうした現実の下で、…(中略)…なぜ「都」になりたいのか、全く理解できない。」 池上洋通 (千葉大学・元非常勤講師) 地方自治論

「新たに設置される「特別区」は憲法上の地方公共団体とは解されておらず、その制度的な根拠は立法政策に委ねられることになり、その存在は不安定なものであると言わざるを得ません。」今井良幸 (中京大学・准教授) 憲法・地方自治法

「特別区になったその日から自治権拡充の闘いが始まることを覚悟しなければならない。」 今村都南雄 (中央大学・名誉教授) 行政学

「今回の都構想では都(知事)への集権的体制を作り上げることになり、分権の流れに逆行する。」入江容子 (愛知大学・教授) 行政学・地方自治論

「大阪都になって、住民のための自治は拡大しません。東京都23区の多くは、数十万の人口を擁しているのに、市ではなく自治を大幅に制限されているのです。」紙野健二 (名古屋大学・教授) 行政法

「「大阪都」という行財政制度をつくれば、東京都に匹敵する経済力・行財政力になるというのは本末転倒した錯覚としか言いようがない。」 遠藤宏一 (大阪市立大学・名誉教授) 財政学・地方財政論、地域政策論

「東京都は大規模すぎて、自治の実体を持たない「非自治体」です。だから法律上の「都民」はいても、地方自治の担い手たる「自治体民」はいません。市民・住民のいないところに市民自治・住民自治は存在しません。東京都制はすでに失敗しているのです。」白藤博行 (専修大学・教授) 行政法

「特別区という制度は、東京の特別区自身が切に抜け出したいと思っている最悪の制度です。」菅原敏夫 (法政大学・元非常勤講師) 地方財政学

(都区制度は)「本質的には中央集権化の手段として案出されたものであり、地方分権に資するという議論は、理論上は考えられても現実的なものではありません。」竹永三男 (島根大学・名誉教授) 歴史学

「府の役割が重要なのは、市町村による活動を支援しまた調整することにあり、決して市町村に取って代わることではありません。」槌田 洋 (前日本福祉大学・教授) 地域経済学・地方財政学

「今回大阪市を解体し、あらたに5つの特別区を設置しようとする動きは市民自治を拡充することを目指すことを目的とせず、むしろ後退の虞がある。それというのも「解体」は大阪市の持っていた権限や財源の府への集中を進める一方で、やせ細った特別区をつくることになるからである。」 西寺雅也 (名古屋学院大学・教授(元多治見市長)) 自治体経営学

「「大阪都構想」は「大阪市」をリストラして、中身のはっきりしない「特別区への格下げ」という“粗悪品”である。」堀 雅晴 (立命館大学・教授) 行政学

【地方自治論(政治哲学論)】
「大阪市廃止構想の本質的な瑕疵は、『自治』の問題であるにもかかわらず、徹底的に『効率』の問題として語られていることです。市民の自治権と効率的な行政サービスの交換取り引きに応じようとする人たちは、一度放棄した自治権はもう回復できないことを忘れています。」内田 樹 (神戸女学院大学・名誉教授) 現代思想

「住民として市による「都構想」説明会に参加した。住民は「行政サービスの消費者」…(中略)…というのが市長の「住民自治」であった。自治体としての形はもちろんだが、住民も「消費者」に成り下がってしまってよいのかという問いが突きつけられている。 栗本裕見 (大阪市立大学・特別研究員) 政治学

「市の廃止は「大阪市」という一つの社会有機体の「死」を意味し、柳田国男が徹底批判した「家殺し」に他ならない。」 藤井 聡 (京都大学大学院・教授) 公共政策論、国土・都市計画

橋下政治の最大の罪は、同じ大阪人の間に内部対立を煽り立てたことにある。以前の大阪は、支持政党や思想信条の違いがどうであれ、もっと人情味に溢れた街であった。だが、今の大阪には刺々しい相互対立が蔓延している。…(中略)…真の「One Osaka」は、役所や行政の形式ではなく、人々の心の中で実現すべきものなのである。薬師院仁志 (帝塚山学院大学・教授) 社会学

【二重行政論】
大阪府と大阪市の二重行政が税金のムダづかいを生むというのが、「維新の会」が「大阪都構想」を主張する最大の根拠になっています。しかし、その主張には根拠がありません。」鶴田廣巳 (関西大学・教授) 財政学

「道府県と政令市とのいわゆる「二重行政」については、多くの場合ほとんど問題になっていないことから、そもそも政令市を解体する理由にはならない。」平岡和久 (立命館大学・教授) 地方財政学

「大阪府市は特別区になった場合の財政シミュレーションを示しているが、再編効果には大阪市の事業の民営化(地下鉄・バスや一般廃棄物事業など)や「市政改革プラン」など、「大阪都構想」による二重行政の解消とは関係のないものが意図的に盛り込まれている。それらを差し引けば、純粋な再編効果は単年度でせいぜい2〜3億円程度しかなく、その一方で「大阪都構想」によって初期費用600億円、ランニング費用20億円/年が必要となり、財政的に大きな赤字の発生が懸念される。」森 裕之 (立命館大学・教授) 地方財政学

「二重行政が「大阪」をダメにした。これが大阪維新の主張のひとつ…(中略)…本当にそうでしょうか。…(中略)…機会すら“無用”という考え方には重大な問題がはらまれています。」井上千一 (大阪人間科学大学・教授) 経営学

「広域行政を担う大阪府と基礎的自治体である市町村は、それぞれの役割と視点から行政を行っているので、「二重行政」が無駄とは一概には言えないのです。どうすればよりよい大阪を展望できるのか、その答は大阪市の廃止にあると結論する根拠を見出すことはできません。」 高山 新 (大阪教育大学・教授) 財政学

「漠然としたイメージだけの二重行政批判にもとづいてリストラの発想による商工行政・支援機関の一元化が図られる場合、企業支援の水準が低下する恐れがある。」 本多哲夫 (大阪市立大学・教授) 地域経営論・中小企業論

【政治学プロセス批判】
「市民の疑問を解消し,質の高い市民意思の表明のための条件となるべき住民説明会は,「催眠商法」と揶揄されるほど,賛成誘導に偏した,法の規定にある「わかりやすい説明」とはほど遠い内容のものとなっている。」柏原 誠 (大阪経済大学・准教授) 政治学・地方自治

「橋下徹氏が詐欺的なセリフやグラフを使い続けていることも大問題です。」北山俊哉 (関西学院大学・教授) 行政学・地方自治論

「政治家の取り引きの結果、歴史ある大阪市が消滅し、財源も権限も奪われた特別区へと解体される。そしてその結果、大阪市民が築き上げてきた財産が次々と切り売りされ、行政サービスも著しく低下する。そんなことを許して良いのでしょうか。」冨田宏治 (関西学院大学・教授) 政治学

「最後に特定公政治権力がこうした危険性についての議論を隠蔽し、弾圧したままに、特定の政治的意図の下、直接住民投票でそれを強烈に推進しようとしている。つまり、それはその中身も推進手続きも論外中の論外の代物なのである。」藤井 聡 (京都大学大学院・教授) 公共政策論、国土・都市計画

「書店に並ぶ本は、大阪都反対が圧倒的に多い。不思議なことに、橋下氏以外の維新の党の政治家は、討論会に出席しない。つまり、橋下氏の弁舌だけが、大阪都構想を支えているのだ。…(中略)…一方的でウソが多く、疑ってみるべきだ。(民主党政権や安倍政権を批判してきたマスコミや東京の学者が、大阪都に対して弱腰なのは、大阪都の複雑さと、異論には橋下氏や維新が「個人攻撃」するという異例のメカニズムとによるのだろう。)」村上 弘 (立命館大学・教授) 行政学・地方自治論

「民主主義は理念であり手続きです。「都構想」についての民の声はどのように形成されてきたのかが見えていません。」 岩崎裕保 (帝塚山学院大学・非常勤講師) 教育学

「制度を変えれば、政策が良くなるわけではけっしてない。議論をして手間ひまをかける民主主義を大切にして「大阪」の生活と文化と街を発展させる点からも、大阪市を廃止・解体する「大阪都構想」には重大な問題があります。」水谷利亮 (下関市立大学・教授) 行政学・地方自治論

「「自治体政策論の立場で考えれば、今回の大阪都構想はズサンな制度設計案といわざるをえず、その政策意思決定プロセスにおいても『いいことづくめの情報操作』『異論封じ込めの政治』が行われました。」大矢野修 (龍谷大学・教授) 自治体政策論

「政治学的に分析するなら、大阪都構想とは、思い付きに過ぎない政策を否定された維新の会が、これを実現するために、権力と財源を府に、そして一人の知事に集中すること目指したものである。これを進めてきた手続きは、行政学・政治学的に考えて適正なものではなかったし、行われた説明は願望とまやかしに基づくものであった。」 木谷晋市 (関西大学・教授) 行政学・政治学

「橋下徹氏の政策づくりの特徴は…(中略)…調査の軽視です。よい政策づくりに調査は欠かすことはできません。いわゆる「大阪都」構想にも調査不足の拙速さばかりが目立ちます。提供される情報は、客観的なデータではなく、根拠の乏しい期待や願望がほとんどです。これではうまくいってもラッキーヒット、普通はしくじると危惧されます。 窪田好男 (京都府立大学・准教授) 公共政策学

「大阪の地方自治の歴史において、とりかえしのつかない愚挙とならないことを祈っている。」重森 曉 (大阪経済大学・名誉教授) 地方財政学

「これら一連の橋下市長の行為は、彼の民主主義への無理解と傲慢さの表れであり、そのこと自体も「都構想」なる大阪市解体構想の危険性の証しである。この危険な政策に向けて、「不誠実な扇動」によって人々が動員されていく状況を深刻に憂慮しています。」下地真樹 (阪南大学・准教授) 経済学

「成熟した民主主義においては「手順」が非常に重要です。…(中略)…しかし今回はあまりに自作自演の勝手な順序であり、さらには「無理やり法定協を手中におさめる」「予算と恫喝をちらつかせて各方面を誘導していこうとする」など、いずれも実に悪質な手口であると感じました。」釈 徹宗 (相愛大学・教授) 宗教学

「唯一の根拠であった「二重行政解消」の虚構性が明らかとなったにも関わらず,改革者のイメージのみを強調して具体的内容を語ろうとせず,市民に判断材料を与えないまま選択を強いる手法は「戦後民主主義の危機」と言わざるをえない。」 杉本通百則 (立命館大学・准教授) 環境論

「この投票にはいくつかの無視できない前提が欠如している。一つ、大阪市の廃止など、「改革」の域を越えた事柄が問われているのに、それが十分伝えられていないこと。一つ、大阪府や大阪市をめぐる問題点についての現状認識が共有されないまま「二重行政の解消」という虚構が先行し、その議論に乗らない者は「対案を示せない」と切って捨てられる議論が横行していて、民主的に議論を進める上できわめて不公正な状況にあること。」 住友陽文 (大阪府立大学・教授) 歴史学

「大阪市民に是非を判断する材料が、提供されていないことに憤りを感じます。アンフェアでかつ虚構に満ちた説明を繰り返す手法の危険性は、映画『独裁者』でチャップリンが伝えたかったことではないでしょうか。」 長友薫輝 (三重短期大学・教授) 社会福祉学

移行にともなう莫大なコストだけははっきりしているにもかかわらず、「構想」が実現した場合の住民にたいする「効果」はきわめてあいまいです。政策の体をなしているとは到底言えません。」森原康仁 (三重大学・准教授) 経済学

【経済・産業政策論】
「「大阪都構想」は、住民の意思にもとづき住民の福祉向上をめざす自治組織を解体し、「大企業が潤えば、いまに住民も潤う」という破綻済みのトリクルダウン論にしがみついて、大企業奉仕の広域地方経営体をつくろうとするものでしかありません。」石川康宏 (神戸女学院大学・教授) 経済学

「地域経済学の視点からみると、むしろ大阪経済のさらなる衰退を招くといわざるをえません。…(中略)…今必要なのは、現在の大阪市や区の行財政権限と住民自治機能を強めて、大阪経済の圧倒的部分を担っている中小企業群の再投資力を高めることで、主権者である住民の福祉の向上を図ることです。」岡田知弘 (京都大学・教授) 地域経済学

「大阪経済の再生には、大阪市がこれまでの経済産業開発政策の総括と調査、研究を行い、社会のニーズと取り組みを発掘し、サポートするような都市経済政策とその実行が必要なのであって、大阪市を廃止し、大阪府に一体化したからできるものではない。」西堀喜久夫 (愛知大学・教授) 地方財政学

「今、これ(中小企業)を支援する産業政策、住民主体の福祉の街、緑豊かで子供が育つ街、つまりすこやか大阪が求められる、これが発展の方向だ。そのためには、住民に近い大阪市の区を活性化することだ。カジノなどはバブルの後遺症だ、決して、都への集権ではない。」北野正一 (兵庫県立大学・名誉教授) 経済学・経済政策論

「都構想にとって唯一の地域政策であるカジノ(賭博場)誘致は、「公共の福祉に反しない」という要件を充たさないばかりでなく、それ自体、決して儲かる商売ではないことが明らかになっています。」桜田照雄 (阪南大学・教授) 経営財務論

「住民投票にかけられる大阪市廃止・解体構想については、(大阪都構想の)理念とは全くの別物であり、また、制度疲労が言われている特別区による方法が、大阪の景気浮揚につながるとは思えません。東京には、益々水をあけられるだけでしょう。」道野真弘 (近畿大学・教授) 商法・会社法

「連綿と続く歴史的資産としての商店街が、「大阪都構想」によって一瞬にして解体されることによって、人々の生き生きとした生活が失われることになってしまうのではないかと強く懸念します。」中西大輔 (岐阜経済大学・専任講師) 流通経済論

「カジノ構想などの大型開発に依拠した成長戦略ではなく,大阪の中小企業の技術力を活かした大阪経済の活性化を目指すべきである。」 永島 昂 (立命館大学・准教授) 日本経済論

【民営化論】
「水道は、最も公共性が高い地域独占のライフラインであり、住民は選択不可能である。…(中略)…公営が良く民営はだめと決めつけるのは早計である。…(中略)…大阪市が解体されて無くなると、必然的に大阪市水道局もなくなり、民営化される。」中村寿子 (阪南大学・非常勤講師) 水環境学

「東京では都が直営している地下鉄、バス、水道について、なぜか大阪都構想では民営化するとしている。東京で民営化の予定<wbr /[limit]

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