政治

2020年11月10日

【室伏謙一】「都構想」否決で終わりではない「改革」勢力の跳梁跋扈に要注意

From 室伏謙一@政策コンサルタント/室伏政策研究室代表

 

 11月1日の住民投票により、大阪都構想もとい大阪市廃止構想が否決されました。大阪市民の大阪市を守ろう、住民のための自治の体制を守ろうという良識が示されたわけですが、これで安堵していてはいけません。早速負け惜しみと言うより、「改革」なるものへの盲信・狂信的な発言、動きが既に出てきています。

 それらを一つ一つ取り上げることはしませんが、そのうちの一つとして総合区の設置というものがあります。これについては前回の否決(平成27年)の際に解説した拙稿がありますので(当時は不覚にも都構想なるものに賛成寄りの立場であったので、文末は少々そんな論調になってしまっていますが、悪しからず。)詳細についてはそちら( https://blogos.com/article/112729/ )をご参照いただくとして、この話が出てきた意図如何を勝手に考えてみましょう。

 前回の都構想の否決の後、総合区の導入について検討が行われることとなりましたが、結局結論には至らず議論は棚上げになりました。本来は政令指定都市内の自治に関する話だったはずですが、どちらかと言えば、現在の24の行政区を幾つの総合区に再編するかという話に重きが置かれていたように思います。

 その議論の棚上げというか膠着を奇貨としたかのようにシラっと「都構想」の再住民投票という話が出てきたわけですが、この流れが今回にも当てはまるのではないか、ということです。つまり、総合区導入の話は時間稼ぎのための見せ紙であって、基本的に大阪市を是が非でも実質的にでも解体するという考え方は変わらず、「やっぱり総合区では話がまとまらないじゃないか!やっぱり大阪市を解体して特別区にするしかない!」という結論に無理矢理持ち込まれる可能性が否定できないということです。

 それをさせないためには、地方自治法の中に規定できない筋の悪いものであることが、特別法であることからも明らかな大都市地域特別区設置法(正式名称は「大都市地域における特別区の設置に関する法律」)をできる限り速やかに廃止することです。

 皆さん、「大都市制度に関する問題について議論するのであれば、本来は地方自治法本体の中で議論すべき。まずは大都市地域特別区設置法を廃止すべきだ。」という声を挙げてください。

 今後の「改革」勢力の伸長、跳梁跋扈を許さないためにも。

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【室伏謙一】「都構想」否決で終わりではない「改革」勢力の跳梁跋扈に要注意への4件のコメント

  1. 大和魂 より

    先ずは『構造改革』とか『規制緩和』や『イノベーション』や『グローバリゼーション』や『成長戦略会議』や『教育無償化』や『社会保障の安定』などなどの実態の大半が【民営化】することの口実であり中身は、日本国民の財産を外国資本に売り渡すこと。それを竹中平蔵や上山信一は平気で、ワクワク感とか言っているの。それに加えて橋下徹やその取り巻きが維新の広報部隊として、白々しく【大阪の成長が~】とか【大阪が一つに】とか【身を切る改革】などと絡めてラストチャンスの住民投票を二回しているわけね。これこそまさに日本国民国家と民主主義を愚弄した【バカの真髄】でしかない!!

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  2. ひぃ より

    いつもありがとうございます。

    都構想お化けを退治するためには

    「大都市地域特別区設置法を廃止すべきだ。」

    という声を挙げるということですね?

    これは要するに、もう特別区なるものを作れなくするということですか?

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  3. 大阪市民 より

    大阪市(松井市長)と大阪府(吉村知事)が一元化条例を互いに来年2月に成立させようとしています。

    (住民投票を二度も否決されたのに、住民の意思を無視して)
    住民投票無しで勝手に一元化条例を決めて、

    大阪市という名称は残ったけれど、大阪市の権限と財源は奪われようとしています。

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  4. 大阪市民 より

    市長と知事の
    『広域一元化条例』(NHK)の発言。

    【大阪市長 広域一元化条例目指す】

    いわゆる「大阪都構想」が住民投票で否決された事をうけて、大阪市の松井市長は、二重行政が生じぬよう、府と市が一体で取り組む今の体制は維持する必要があるとして、広域行政の一元化など、府市の役割を定める条例の制定を目指す考え示した。
    いわゆる「大阪都構想」で否決された事をうけて、大阪市の松井市長は、府と市が一体で取り組む今の状況は支持されているとして、引き続き大阪府と連携して市政運営にあたる考えを示しています。

    これについて、松井市長は、5日の定例会見で、「リーダーが変わっても広域行政の一元化の体制が維持できる様にしたいので、ルールとして条例で定めていきたい。今回の民意に沿った形で大阪市を残す中で、二重行政や府市の対立を抑される1つの形は出来ると思っている」と述べ、広域行政の一元化など、府と市の役割を定める条例案を提出したいとしています。
    また、松井市長は「都構想」に関連して議論された大阪市を維持した上で今の24の行政区を再編し区長の権限を強化する事などを盛り込んだ[総合区]の案について、「身近な行政区の機能が強化されるのは住民にとってプラスだ」と述べました。その上で「公明党が提案した8区に再編する案があるので、先頭に立って旗振り役をすべきだ。公明党が腹をくくれば、大阪維新の会は賛成する」と述べ公明党に対応を求めました。

    【゛府も条例制定目指す“】
    大阪市の松井市長が、府と市の役割を定める条例の制定を目指す考えを示した事について、大阪府の吉村知事は、5日夕方、記者団に対し「住民投票の結果は、大阪市を残すべきであるが、府市一体の成長戦略や二重行政の解消はすべきという意思だと捉えている。府市が広域行政を一体でやっていく条例案を、来年2月の定例府議会に提出したい」と述べ、大阪府でも条例の制定を目指す考えを示した。

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