From 三橋貴明_http://keieikagakupub.com/38news/
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●●三橋貴明が実践する経済ニュースを読む技術とは?
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【今週のNewsピックアップ】
●本当に危ないこと
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12029598981.html
●世界一のお金持ち国家
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12030014049.html
堤 未果氏の最新刊「沈みゆく大国アメリカ 〈逃げ切れ! 日本の医療〉」を読みました。
http://www.amazon.co.jp/dp/4087207854/
医療の「自由化」の下で、医療保険会社、薬品会社、医療機器会社、投資家が肥え太っていく反対側で、現場の医師が疲労困憊に陥り、
「おカネのある人は、命が助かる。おカネがない人は、命が助からない」
社会と化したアメリカでは、現在、「医師の反乱」が始まっているとのことです。すなわち、間に保険会社を入れない「直接支払い型」に切り替える医師までもが出てきているわけです。
何しろ、アメリカではオバマケア法案成立後、経営難と過剰な書類作成業務、患者との関係が作れないなどの理由から、全米医師の43%が五年以内に退職するとの調査結果が出ているわけですから、半端ありません。
さて、ご存知の通り、日本国の医療産業でも様々な「自由化」の改革が行われています。
5月19日の経済財政諮問会議では、民間議員と称する民間人が、
「人口の高齢化で著しい支出増が予想される医療や介護などの社会保障分野に重点を置いた歳出抑制策」
を提言しました。正直、ほら来た、と思ったわけでございます。
現実には「財政問題」など存在しない「世界一のお金持ち国家」において、存在しない「財政問題」を理由に医療分野、介護分野の歳出削減が推進され、さらに混合診療の拡大という「自由化」路線も進んでいます。
混合診療が拡大すると、次第に公的保険が適用されない治療や薬、医療機器が増えていきます。実際、歯科医療で混合診療が導入された結果、先端医療が保険適用されなくなり、高額な治療が増えていきました。
そもそも、混合診療の拡大の目的は、高額な自由診療の普及を増やすことである以上、当然なのです。
無論、一、二年では状況は変わりません。とはいえ、混同診療が解禁された十年後、二十年後、三十年後には、公的保険はほとんど無用の長物と化しており、我々は「命のビジネス」に翻弄される事態に至っているでしょう。
もちろん、アメリカ人が命を「ビジネス」とするのは、アメリカ人の勝手です。その「考え方」を日本国に押し付けるのをやめて欲しいだけなのですが、実際にはTPPで「金融(医療保険)」分野が交渉され、日本国内では混合診療解禁派が発言力を得つつあります。
加えて、ありもしない財政問題を喧伝する財務省の影響を受け、厚生労働省までもが混合診療を推進している有様です(実際には、混合診療を解禁すると、政府負担は増えるのですが)。
日本の医療は、「逃げ切れる」でしょうか。分かりません。分かりませんが、とりあえずこの手の問題を国民一人一人が知ることにより、逃げ切れる可能性が少しずつ上昇していくのは間違いないのです。
PS
月刊三橋最新号のテーマは、「日本経済の大問題」。
日銀は何を間違えたのか?
マスコミが報じないTPP交渉の真の問題点、
「国の借金問題」のウソ、大阪都構想、リニア新幹線、原発再稼働ほか、
2015年上期の経済ニュースを徹底解説
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv.php
【三橋貴明】日本の医療は逃げ切れるか?への1件のコメント
2015年5月26日 10:16 PM
>その「考え方」を日本国に押し付けるのをやめて欲しいだけなのですが、まさに、ここどすわよね。それをパワー(自衛隊の米軍への依存)で以てしてごり押ししてくるから、アメってのは質が悪いんですよね。だからこその憲法改正なのに、反米左翼はそこが判ってないんですよね(反米の矜持は何処に行ったのん??)。
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