日本経済

2018年6月4日

【三橋貴明】移民送り出し国「日本」

From 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】

移民送り出し国「日本」 前編
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12380145335.html

移民送り出し国「日本」 後編
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12380400864.html

 

04年のEU加盟以降、ポーランドは多くの国民を
「移民」としてドイツやイギリスに送り込みました。

ポーランド移民は独英で「安い賃金」
でも喜んで働きました。

逆にいえば、賃金切り下げ競争を引き起こし、
ポーランド移民の影響で
独仏の国民の実質賃金は伸び悩みます。

もっとも、何十万もの人々が
ポーランドから西へと向かった結果、
ポーランド自身も人手不足に陥ってしまいました。

人手不足になったならば、
生産性向上の投資を増やすことで、
国民の実質賃金を上昇させるという
「経済成長の黄金循環」が見えてきます。

ところが、現実のポーランドは
「より安い所得水準」の国である
ウクライナからの「移民受入」という道を選びました。

ポーランド政府はウクライナ人に短期労働ビザを発給。
100万人規模の移民を受け入れるとのことです。

ポーランドから移民を受け入れたイギリスやドイツ。
ウクライナから移民を受け入れるポーランド。

いずれの国々も、移民により人手不足が解消し、
経済成長率は抑制されることになります。

移民で人手不足が解消するのであれば、
生産性向上の投資は必要ありません。

投資とは、リスクがあります。

リスクを覚悟で企業や政府が
投資をすることで、経済は成長します。

もっとも、グローバル株主資本主義が
蔓延した現代社会では、
「リスクがある投資」に踏み切ることが難しくなります。

企業経営者は、投資判断について
株主から説明を求められます。

投資とは、短期的利益には結び付きません。
むしろ、費用(減価償却費)を拡大するため、
利益を圧迫します。

グローバル株主が求めるのは、
短期の自己利益最大化であり、
「将来の成長」ではないのです。

政府は政府で、グローバリズムに支配されると、
財政均衡主義に縛られ、公共投資という
「国家の基盤」に支出することすらできなくなります。

投資が減ると、経済成長率も低迷。

国民が次第に貧困化してきたというのが、
過去二十年の日本の現実です。

日本は少子高齢化により生産年齢人口比率が低下し、
人手不足が深刻化していっています。

この人手不足を「投資」によって埋めると、
我が国は経済成長の黄金循環に入ります。

ところが、現実には「移民受入」により
人手不足を解消しようとしています。

我が国においても「賃金切り下げ競争」が
激化することになるのです。

すると、相対的に貧しくなった日本国民は、
やがて「高い所得」を求め、
外国に移民していくことになります。

日本もポーランドやウクライナ同様に
「移民送り出し国」となるわけです。

ポーランドの場合、元々が移民送り出し国で、
人手不足が進行。
ウクライナから移民を受け入れることになりました。

日本の場合はプロセスが逆で、
人手不足を理由に移民を受け入れ、
賃金水準が下がり、移民送り出し国となるのです。

日本もポーランドも、あるいはイギリスもドイツも、
いずれの国も人々が「底辺への競争」を強いられている。

この不毛な競争から脱しなければなりません。

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【三橋貴明】移民送り出し国「日本」への2件のコメント

  1. ぬこ より

    底辺への競争

    今の50代以上は、その意味が本能的に分かって無いでしょうね。
    そんなのが政治家や官僚や財界人で意思決定の立場に居るから、どうしようもないですね。
    あ、日本(の財界を動かす大企業や銀行を動かす大株主の欧米人)を実質動かしてる欧米人にとっては、ゴイムが何匹死のうが関係ないんでしたっけ??(笑)

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