アジア

2017年2月3日

【三橋貴明】中国不要論 後編(日中関係が米墨関係と違う点)

From 三橋貴明@ブログ

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 さて、「中国不要論」を書いていた頃は、
未だアメリカ大統領選挙前で、少なくとも
日本のマスコミではトランプ大統領誕生について
「ありえない」と嘲笑的に否定されていた時期でした。

 大統領選と無関係に、小学館から「中国不要論」を
書いてくれと依頼を受け、わたくしは昨日もご紹介した
スイス政府の「民間防衛―あらゆる危険から身をまもる」をベースに、

「日本が中国に経済の五要素について、依存を強めるリスク」
 について解き明かし、経済的安全保障を寄りにもよって
仮想敵国中国にゆだねる危険に警鐘を鳴らそうと考えたわけです。

 経済の五要素とは、経済力(供給能力)の三要素である
資本(モノ)、労働(ヒト)、技術に、資源と需要を加えた
ものです。経済力は、モノ、ヒト、技術で構成されますが、
同時に資源や需要が十分に存在しない場合、資本主義の発展はあり得ません。

【図 経済の五要素】

http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/image-12243838249-13859174408.html

 上記五要素について、日本は資本(生産拠点)、需要
(爆買い、など)、資源(南シナ海のシーレーン)について、
中国への依存度を強めていっています。さらに、労働について
まで、中国人労働者を増やす方向に進んでいます。

 最終的に技術について、中国依存となった場合、
日本の実質的な独立は消えるでしょう。

 ちなみに、「資源(南シナ海のシーレーン)」が何かと
いえば、もちろん九段線のサンゴ礁を中国が埋め立て、
軍事基地化していっている問題です。

 南シナ海を経由して運ばれる原油の23%、天然ガスの
57%が日本に向かいます。本来であれば、日本は南シナ海
という決定的な「資源」のルートを守るために、フィリピン
やベトナムなどと協定を結び、海上自衛隊を配備するなど、
中国の先手を打たなければなりませんでした。

もちろん、現行憲法では不可能ですが。

 また、以前も掲載しましたが、我が国は対中直接投資と
対中輸入を同時に増やしていきました。すなわち「逆輸入」問題です。

【図 日本の対中輸入と対中直接投資(百万ドル)】

 アメリカのメキシコからの逆輸入は、もちろんアメリカ
国内の雇用、需要に悪影響を与えます。とはいえ、別に米墨間は
日中間のように軍事的な緊張を抱えているわけではないのです。

 日本の仮想敵国は、中華人民共和国です。

 我が国の企業、経営者、投資家、政治家は、日本の雇用や
需要を「利益のため」に中国に差し出し、逆輸入を増加させ、
同時に中国の経済力の強化に貢献してしまったのです。
中国が経済成長し、GDPが大きくなれば、財政規模も拡大。
当然ながら、軍事力は強化されます。

 日本企業の対中直接投資の拡大は、中国の軍事力を強化し、
我が国の安全保障が脅かされるに至ったのでございます。

 今からでも遅くない、せめてこの「現実」を
できるだけ多くの人たちに知って欲しいと、
わたくしは「中国不要論」を刊行するに至ったのです。

—発行者より—

【オススメ】

2016年は激動とも言える一年だった。

イギリスのEU離脱(ブレグジット)、
アメリカ大統領選挙のトランプ氏の勝利、
さらにはフランスやドイツでテロが多発した。

これから世界はどうなっていくのか。
その中で、日本はどう動くべきなのか。

三橋貴明が思考停止の世界と日本を目覚めさせる。

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【三橋貴明】中国不要論 後編(日中関係が米墨関係と違う点)への3件のコメント

  1. たろう より

    日本も世界最大権力者トランプさんに盲目的に従って、中国からの輸入に30%の関税(今の日本は0%)を掛けましょう。外国人労働者を制限すべきです。90%以上の内需国家を目指し、世界一の豊かな国を目指しましょう。日本はそれが出来ます。

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  2. 神奈川県skatou より

    トランプ外交とはどうやらキッシンジャーのリバランスが源流にあるようで、でも執行者である大統領は公の仕事としては素人で、強引さもワンマン社長のそれですし、今後どうなるか周囲もひやひやとワクワク半分だったりするのでしょうか。他人事(アメリカ)なので面白いなぁと思います。じゃぁ日本の旗印はなにかと思うに、どうにも一貫した筋のようなものが無いようで、もしかするとトッド氏含めたいろいろな知見を「アイディア」としてパッチワークしている、そしてその糊づけとして、抽象的なナショナルなものがあるのか、というふうに妄想いたしました。「抽象的なナショナル」というのは、時間軸、それが無いか、極めて個人的な時間(祖父とかいう話?)に限定されるのではという心象からくる表現であります。是非でなく対処として、よりよいパッチワーク素材が提供できないものかと。。(江戸の続きをやろう、今の我々が、とか)

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  3. 學天則 より

    佐藤さんが炎上なんて風な書籍を刊行されてますが穏やかではありません昨今ですが・・・。冷戦、終了後から事、ここに至るまでの認識を整理しますと腐っても民主制ですから多数派の現場で報われたいはずの価値観の皆様が上の言う事を聞いていればというサラリーマンの鏡の様な社畜精神で米国に従う政財官と供にへへ〜と平身低頭ひれふしてこられたのが、この報われない結果でございますよねえ。価値観はいいんですよ、価値観は、でも結果ですよね、そうなってない。そして、その為に生まれたのがこの差別的な雇用制度で自分可愛さに同胞を切り捨て、売り渡しただけでなく、少子化も推進したであろうかもしれない、正義を捨てた歪で陰湿な社会の現状であります。そして我が身可愛さに同胞を売った連中はそのツケが自分の身に迫り炎上しはじめると、コロッと手のひらを返して、今度はまた社畜精全開のご都合主義でトランプに続け〜なんて歓喜して言ったりする訳です。とりあえず成功体験からくるパブロフのなんとやらは解りやすいですねえ。とまあ簡単に実社会での社畜人生をプロファイルできたりします。一方で西部先生やその論調に真成る者を感じ取り同調しつづけた私も含めたある意味で多数派の皆様に政治的少数者として嘲られた、ささやかであっても少しでもいいからより独立路線を取る事が少しでも報われる世になるんだと申し上げた側も現場の方が報われる様な世にすると言う価値観なのでしょう。何が違うのが?前者はまず自分だけは報われるべき、社会の事は知らないで後。後者はそうではないと言う点ではないでしょうかね?そう言う前者の様な連中がグローバリズムだ、ナショナリズムだと言ったところで明らかにポジトークであって、そう言う社畜精神では今後も報われる事はないだろうと後者の私などは申し続けておる訳ですが、結局、冷戦後は主体性があってこそ国を良くしていける訳でしょうし、保護だって言ったって、この20年保護も一方でしてきた訳ですが、その保護してきた物も大企業の相次ぐ倒産やスマホ等がプロダクトされなかった現状を見ると誤まっていたかもしれない。AIなども後れを取っていると聞いたりするから尚更だ。船が沈んでそこから逃げられない前者の人は自分だけが助かる訳もない、国家を良くすると言う観点から保護を出来ないとね、自分と言うポジトークではなくてね、まあ社会権ですかね。別に再軍備をしろとまではいっておりません、その方法論を自分で考えるのが社畜精神からの脱却でしょうからねえ。日本はどうするか、自分で考えましょう。そうすると貴方はこれからは保護されないかもしれませんけどね。でも責任を取る覚悟ですよね、大事ですよこれは。私が言いたいのは(*_з`)ぶ〜たれてないで前者どもは責任とれよですなぜなら、今まで私のような政治的少数者或は同様に皇室が擁護される真なる弱者など引き続き決定権を持たない側を多数決の横暴で抑え込んで叩いておいて、またまた結果責任を押し付けるつもりじゃたまりませんからな。というかそのつもり全開でしょうから嫌になる。まあ、今後もそんなことしたら破滅まっしぐらでしょうけど例にもれず期待に応えてくれそうだ。戦前にも戦後にも戻らず、次は戦前以下だったな〜んてね。冷戦崩壊後を見ると笑えない。私は日本が先頭に立ち過度に積極的に中国叩きをする事には賛同しません。争う方には争わせておけばいい。もっと生産的なやるべき事もありますからな。ソ連を潰してその後どうなりましたか?ほどほどにしとくべきだと思いますね。盾を壊さず、生かさず殺さず利用ですよ。それをやるなら天安門の時にやっておけばよかった訳です。大陸の争いなんて1000年戦争、率先してその中心に巻き込まれればロクな事にはなりゃしないですよね。やりたい奴を煽ってやらせておけばいいんですよ。連中は過去の因縁からやるしかないのだから、どうせそんな事で争いの根は解消しないで更に争うだけでしょうしねえ。日本がそこまで率先して絡むことには生産性を感じません。天安門後に陛下が中国を訪問された意義も考慮すべきであろうと、敵の逃げ道づくりは大事ですよ。

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