From 三橋貴明
【今週のNewsピックアップ】
人手不足のリスクとチャンス(前編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12354566179.html
人手不足のリスクとチャンス(後編)
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12354803734.html#
昨日の続きになりますが、結局、
人手不足解消の方法は、
二つしかありません。すなわち、
(1) ヒトを雇用する
(2) 生産性向上する
の二つです。
そして、(1)の「ヒトを雇用する」は、
特に地方企業にとっては、
(1)-1 地元でヒトを雇用する
(1)-2 地元以外でヒトを雇用する
(1)-3 外国人を雇用する
の三つのバリエーションに別れます。
うち、(1)-1の「地元でヒトを雇用する」が、
ほぼ不可能になっている地方が
増えてきているわけです。
島根県の失業率(17年7-9月期)1.1%、
長野県、和歌山県、佐賀県が1.8%、
富山県と福井県が1.9%。
失業率が2%を切っているこれらの地域は、
完全雇用が成立していると受け止めるべきです。
完全雇用が成立すると、もはや
「地元でヒトを雇えないのではなく、ヒトがいない」
状況に至ります。
生産性向上のためには、
リスクと時間が必要です。
リスクを承知で、生産性向上のための
投資をしたとしても、効果が出るのは
少し先になります。
つまりは、目の前の人手不足解消には、
短期的には貢献しません。
ならば、ヒトを雇う必要がありますが、
(1)-1が不可能である以上、
選択肢は(1)-2か(1)-3しかないわけです。
もっとも、(1)-3の外国人労働者雇用には、
〇言語的コミュニケーションの問題、安全性の低下
〇様々な付随的業務発生によるコスト増
〇技能実習生や留学生は期限付き雇用となる(戦力に育ったところで帰国する)
〇中長期的に日本社会にリスクが生じる(=移民政策のトリレンマ)
〇生産性向上のための投資が進まず、中長期的に人手不足解消を継続できるとは限らない
〇日本政府の「政策」に依存する
〇送り出し国(外国政府)側の「政策」に依存する
〇技能実習生失踪などのトラブルの発生と対応
〇日本人の若年層への技能継承は不可能
〇地政学的リスクの問題
など、多数のリスクがあります。
特に、個人的に問題だと思うのは、
「日本人の若年層への技能継承は不可能」
になります。
現在の我々が人手不足を移民で補うことは、
将来世代に「技能が継承されていない」
日本国を押し付ける羽目になってしまうわけです。
そう考えたとき、現在の日本の
人手不足解消は、地元でヒトを
雇用できないのであれば、
「地元以外でヒトを雇用する」と
「生産性向上」の組み合わせこそが
最適解になることが分かるはずです。
【三橋貴明】人手不足のリスクとチャンスへの1件のコメント
2018年2月26日 10:40 PM
思うのですが途上国特区制度への批判の無い中、総理は生産性向上の言葉を利用してパソナの存在をカモフラージュ擁護するばかりです。
もしかしたら総理は三橋さんのblogを見ていて勉強しているのかもしれませんけど、結果的には逆に悪事利用していることにしか成っていません。
そもそも付加価値が衝いて来ることが出来るインフレーションに戻れれば、自ずと生産性の指標も衝いてくるのではないのでしょうか。
とは言うものの脳足りんのオイラは鶏が先か卵が先かの堂々巡りの狂言をしているだけなのでしょうか。
すみません、お邪魔しておいて、批判しているつもりではありませんので。間違ってれば削除してください。
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