From 三橋貴明
【近況】
2月19日から21日にかけ、
箱根で第一回「人手不足解消合宿」
を開催いたしました。
合宿において、全国からお集まり頂いた
(主に)経営者の方々から
お話を伺ったのですが、
日本の人手不足は洒落に
ならない状況になっています。
2017年の若年層失業率は4.6%と、
ついに年平均で5%を切りました。
世界に目を向けると、
若年層失業率が二桁の国が
当たり前の状況です。
4.6%という若年層失業率は、
他の国々から見れば「驚異的」
といっても過言ではない数値です。
ちなみに、ギリシャやスペインの
若年層失業率は、未だに
40%を超えています。
「国が亡ぶ」レベルでございますね。
日本の場合、少子高齢化により、
生産年齢人口比率が低下している以上、
若年層失業率が下がり続けて
当たり前なのですが、この
「人手不足というチャンス」を
「東京一極集中の解消」や
「生産性向上」に結び付ける
ことができるのか。
面白かったのは、人口流出が
著しい地域からお越しに
なられた経営者が、
「マスコミでは、東京が景気が良く、
地方は人口流出で衰退している
印象で語られるが、現実は違う」
と、断言されたことです。
少子高齢化に加え、若い世代が
都会に出てしまっている状況は、
「地元に残った若い世代」にとっては、
仕事はあるにも関わらず、
競合がいないという、ビジネスという観点から、
「大変、好ましい環境」
になっているとのことです。
それはまあ、高齢者という
「需要」は残るものの、生産の
担い手という「供給能力」が
減っているわけです。
経済構造がインフレギャップ
(総需要>供給能力)になるのは当然です。
などと書くと、
「若い世代が流出しているということは、
需要も減っているはずだ」
と、反論を受けるわけですが、
経済は「バランス」です。
需要が減ったとしても、
それ以上に供給能力が減れば、
インフレギャップという企業にとっての
「利益拡大のチャンス」
が訪れることになります。
実際、地方の人手不足を
「チャンス」としてとらえ、
業績をアップしている企業が
次々に出現しています。
それにしても、落ち着いて考えてみれば、
「地方から若い世代が流出する」
という現象は、需要以上に供給能力を減らし、
経済成長や企業の業績アップに
必須のインフレギャップを
もたらすのは必然なのですが、
やたらネガティブな捉え方をする人が
少なくないのはなぜなのでしょうか。
結局、過去二十年間、
日本経済が成長していなかった
という「歴史」を受け、
「今後も日本経済は成長しない」
という思い込みをしている人が
多数派になっているという話なのでしょう。
少子高齢化に端を発した人手不足は、
企業に利益拡大のチャンスを
もたらしつつあります。
この「目の前の現実」をとらえそこなうと、
企業はひたすら機会損失に苦しみ、
最悪、「人手不足廃業」という
結末を迎えることになってしまうでしょう。
チャンスを逃してはなりません。
◆2月17日(土) 三橋経済塾第七期 第二回対面講義が開催されました。。
http://members7.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2341
インターネット受講の皆様、お待たせいたしました。
◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第260回「東京都とシンガポール」
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/
◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol457 効用最小化(前編)
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
経済学は「効用最大化」を目的として発展した学問です。とはいえ、現実世界には効用が「小さいほうが望ましい」財やサービスも存在するのです。
◆メディア出演
今週のメディア出演はありません。
◆三橋経済塾
2月17日(土) 三橋経済塾第七期 第二回対面講義が開催されました。。
http://members7.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2341
インターネット受講の皆様、お待たせいたしました。
◆チャンネルAJER
『国土経済論(前編)①』三橋貴明 AJER2018.2.20
https://youtu.be/A-NfdYbNwkk
【三橋貴明】人手不足は利益拡大のチャンスへの1件のコメント
2018年5月16日 8:03 PM
人手不足だとはいっても給料が上がらない現実。本当は人手不足なのではなく、低賃金で働く奴隷不足なだけでしょ。
奴隷不足を人手不足とはいわないでほしい。
給料上げればなんぼでも人は集まります。
地方で人手不足で給料高いなら、俺は地方に移住しても良いよ。
でも実際は地方は給料も安い。
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