From 三橋貴明
———————————————
【PR】
かつて日本は「一億総中流」などと言われ、比較的、経済格差の少ない国だとされていた。その「一億総中流」の経済力によって、大きな経済成長を遂げてきた国だった。
しかし、それも「今は昔」。デフレが深刻化するとともに、経済格差の拡大が問題視されるようになっている。
三橋貴明はその原因を政府が「デフレを甘く見ていること」と「実質賃金を軽視していること」と指摘する。特に「実質賃金」は重要なキーワードであるという。
実質賃金とは物価変動の影響を除いた賃金のことだが、要するにモノやサービスを「買う力」を表している。
この実質賃金が、日本では1997年をピークに下がり続けているという。株価が上昇していたアベノミクス初期ですら、実質賃金(=買う力)は下がり続けていたのだ。
なぜ、日本国民の「買う力」は低下し続けているのか。また、この事実はデフレや格差拡大とどのように関係しているのか。
三橋貴明が、デフレの正体やその脱出法とともに詳しく解説する。
『月刊三橋』最新号
「日本経済格差拡大のカラクリ–実質賃金の軽視が招いた大災害」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
———————————————
【今週のNewsピックアップ】
北陸新幹線延伸とリニア新幹線
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12149405928.html
インフラにゼロ金利融資
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12150081560.html
昨日は国内の公共建造物の耐震化という「需要」について解説しましたが、本日は交通インフラ。
現在の日本の最大の問題、というよりも「国難」とでも言うべき現象は、東京一極集中です。東京一極集中は日本国民全体(東京都民含む)の安全保障を弱体化させ、少子化の一因になっています。
詳しくは、間もなく初日となる日本文芸社「最強の地方創生 交通インフラの整備で日本を小さくせよ!」をお読み頂きたいのですが、興味深いことに、先日、江戸時代も、
「江戸に人口が集中することで少子化が進んだ」
という話を聞きました。江戸時代、江戸で建築需要が高まり、各地から膨大な「男性人口」が流入してきたそうです。とはいえ、皆さん、女性を伴ってきたわけではありません。
というわけで、江戸時代の江戸には独身男性が溢れ、結婚が減った結果、少子化が進んだ、と。
無論、江戸時代の少子化にはもう一つ原因がありまして、元禄バブルが崩壊した後に新井白石、徳川吉宗の緊縮財政により日本経済がデフレ化し、米価を中心に物価が下がり続けたためです。
要するに、我が国は「デフレによる実質賃金の低下」と「東京一極集中」が、伝統的に少子化を引き起こすわけでございます。
吉宗の時代には、デフレはともかく、江戸への人口集中を食い止めることが困難でした。とはいえ、現在は違います。
各地方と東京圏を結ぶインフラを強化し、税制等で企業や住民の地方分散を促す。現在の日本にとって、インフラ強化という公的固定資本形成は、デフレーションという需要不足解消にも貢献します。
すなわち、日本国が新幹線や高速道路といった交通インフラを整備することは「デフレ脱却」と「少子化脱却」と、二つの呪縛からの脱却をもたらすのです。
しかも、交通インフラ整備計画をゼロから造る必要はありません。とりあえず、全国の高速道路のミッシングリンク(繋がっていない箇所)を結び、基本計画がある新幹線を順次、整備していくのです。
特に重要といいますか、「取っ掛かり」になる可能性があるのが、北陸新幹線の大阪(できれば関空)延伸と、リニア新幹線東京−名古屋−大阪同時開業です。
北陸新幹線は、敦賀までの工事は始まっていますが、そこから先はルートすら決まっていません。早急に、できれば京都を抜け、関空に至るルートで整備計画を決定し、事業化するべきだと思います。
リニア新幹線は、JR東海が2027年までに東京−名古屋間、45年(!)までに名古屋−大阪間を整備する計画ですが、遅すぎます。エントリーにもありますが、マイナス金利を利用し、JR東海に9兆円を無利子、無担保で貸し付け、早期の同時開業を目指すべきです。
無論、北陸やリニア以外の新幹線も整備計画し、事業化していくのです。インフラが整備され、税制優遇を拡大すれば、ようやく東京への一極集中に歯止めがかかることになります。
長期のプロジェクトが同時並行し、人手不足が加速し、企業の生産性向上のための設備投資や人材投資が始まれば、実質賃金の下落も終わります。若い世代の雇用や所得が安定していけば、やはり少子化は終息の方向に向かうことになります。
現在の日本が「デフレ脱却」「少子化脱却」のために何をやるべきなのか。あまりにも明らかなのです。
ーーー発行者よりーーー
【PR】
かつて日本は「一億総中流」などと言われ、比較的、経済格差の少ない国だとされていた。その「一億総中流」の経済力によって、大きな経済成長を遂げてきた国だった。
しかし、それも「今は昔」。デフレが深刻化するとともに、経済格差の拡大が問題視されるようになっている。
三橋貴明はその原因を政府が「デフレを甘く見ていること」と「実質賃金を軽視していること」と指摘する。特に「実質賃金」は重要なキーワードであるという。
実質賃金とは物価変動の影響を除いた賃金のことだが、要するにモノやサービスを「買う力」を表している。
この実質賃金が、日本では1997年をピークに下がり続けているという。株価が上昇していたアベノミクス初期ですら、実質賃金(=買う力)は下がり続けていたのだ。
なぜ、日本国民の「買う力」は低下し続けているのか。また、この事実はデフレや格差拡大とどのように関係しているのか。
三橋貴明が、デフレの正体やその脱出法とともに詳しく解説する。
『月刊三橋』最新号
「日本経済格差拡大のカラクリ–実質賃金の軽視が招いた大災害」
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
【三橋貴明】二つの呪縛からの脱却への1件のコメント
2016年4月19日 4:58 AM
はじめまして。熊本大震災が発生して相互扶助の精神が押し出されるも、三菱自動車の不正試験の問題を考えればやはり自己責任で生活せざるを得ないのではと悶々した生活を送る者です。さて、私は三橋先生の東京一局集中を問題視されている点に共感を感じております。上からの指示命令に従うだけで世の中の変化、ましてや大災害に対しては臨機応変に対応できるものでしょうか。そして安倍政権の一億総活躍が一億総搾取とも思えてなりません。少子化について述べます。大半の国民はどこかしらの社員だと感じますが、社会は自己責任だと私のように感じている人は多いのでないでしょうか。優秀である人ほど、「被災地は運が悪かった。」と思わなければ会社の競争間において仲間同士で円陣を組むことは出来ないのではないかと考えます。現実として、内部でコンプライアンス違反する会社は三菱自動車以外にもそれなりにあると思います。マスコミの取材班も周囲の人々が心配するような危ない脚立の上でカメラを回したりするそうです。そんな会社員は好き好んで辞表を出したりするでしょうか。誰しも出世は意識するでしょうし、今の会社で出世できない又はしたくないから起業や転職の道を考えるのが一般的に思います。(三橋先生は分かりかねますが・・・。)基本的に、会社員は会社に残りたいものでないでしょうか。つまり、会社員の中でリストラを喜ぶ人は極小数だと思います。ドMは分かりませんけど。そして、老後などの社会不安が解消されず、パナマ文書のような格差があれば、若い世代は独身でも幸せだと悟る方がむしろ優秀でないでしょうか。それは会社内での過当競争が発生していると思います。田舎は早婚のようですね。理由は他にやる事がないとか耳に留まりますが、果してどうでしょう。私は、単純に田舎は不便なので共同生活のメリットが大きい事も一因だと思います。文化的な面も否定しませんけど。逆に、経済が豊かになりサービスが増えた事で結婚より独身の方がメリットを享受するケースも多いでしょう。芸のために独身を続ける芸能人がTV出演できる事もありそうです。少子化云々は個人の幸せの問題でもあるのでしょう。しかし、不況時に人の心は貧しくなるものでもあるでしょう。以上の事を、三橋先生は経済の視点で気に留められるものかどうかご判断頂ければ幸いです。今後もブログを拝見します。長文駄文、失礼申し上げます。
コメントに返信する
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です
コメントを残す
メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です