日本経済

2016年2月16日

【藤井聡】「新幹線」整備は、デフレ時代の超優良プロジェクトです。

FROM 藤井聡@京都大学大学院教授 

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「日本が国債破綻しない24の理由 ~国の借金問題という<嘘>はなぜ生まれたか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

p.1 日本は「国の借金」でなぜ破綻しないのか?
p.13 ”国民1人当たり817万円の借金”を広める財務省の記者クラブ
p.20 日本国民は債務者ではない、「債権者」である
p.36 かつて、本格的なインフレーションが日本を襲った時代があった
p.42 “日本は公共投資のやり過ぎで国の借金が膨らんだ”は全くの嘘
p.55 グローバリストから財務省まで、消費税増税を訴える人々の思惑

http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

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マイナス金利やアメリカ利上げ、中国経済ショック等の影響を受けて、日本経済、世界経済は大変な岐路に立たされています。

この状況を打破するためには、内需を拡大することが必須で、そのためには、公共投資が重大な役割を担う事は論をまちません。

そんな公共投資の中でも、とりわけ成長戦略や地方創生、(国土構造の分散化という趣旨での)国土強靭化などの視点から意義深い投資項目が、新幹線の整備、です。

そんな視点で、改めて、昨年3月に金沢まで開業した北陸新幹線の開業効果をざっととりまとめてみたのですが――その巨大インパクトに、改めて感心致しました。

まず、金沢まで、東京から、かつては「四時間弱」もかかっていたのですがが、新幹線によって一時間半も短い、「二時間半」で結ばれることとなりました。

結果、東京方面から、金沢に大量の人々が訪れるようになり、北陸新幹線の利用者は「482万人」となったのですがこれは、かつての「三倍」の水準です。

これは、事前の関係者の予想を大きく上回る変化で、例えば北陸新幹線を運営しているJR西日本の真鍋社長は、「当初は2・2倍とみていただけに想定以上だ」と率直に述べておられます。

中でも現在、とりわけ目覚ましい伸びを示しているのが、観光客でした。

実際、9月のシルバーウィークの利用者は、前年の「四倍」以上にもなっています。

金沢随一の観光地、兼六園の入場者は約「四割」増えていますし、金沢市内の複数のスポットで、実に「二倍」近い来場客を集めました。

富山県でも、宇奈月温泉では、前年に比して「4割」も多くの宿泊客を集めましたし、黒部峡谷鉄道の利用者も、前年から14%増えています。

さらには、その余波は、「並行在来線の利用者増」にも結び付いています。

しばしば新幹線開業によって衰退することが懸念されている「並行している在来線」にも、恩恵がもたらされており、旧来の路線(在来線)の運営をはじめたIRいしかわの普通列車の乗客数は、13%増加しています。

そして、楽天トラベルが選定する「2015年春、人気急上昇旅行先ランキング」では、石川県は堂々の一位となっていますし、富山県についても、「観光意欲度」のランキングが28位から16位へと大幅にランクアップしています。

・・・このように、観光面でのインパクトは甚大なのですが、活況を示しているのは、観光面だけではありません。

というよりむしろ、新幹線の開通がもたらすインパクトの内、観光面は、そのごく一部です。新幹線が通ればすぐにその効果は表れるし、多くの観光客の来訪はとかく目立つため、メディアはそれを大きく取り上げがちですが、本当の新幹線効果は、その「先」にあります。

その「先」とは、一言で言えば、「民間投資」が活気づき、それを通して、都市の活力が抜本的に底上げされる事であり、さらにはその都市の人口が増進していく事です。

事実、金沢市の中心部では再開発ラッシュが続いています。

JR金沢駅周辺では、大型商業施設が新幹線開業にあわせて相次いでリニューアルしているし、新しい施設も複数つくられています。例えば、片町地区には再開発ビル「片町きらら」が、武蔵地区には商業施設「ル・キューブ金沢」が開店しています。

富山でも、北陸初の本格的なアウトレットモール「三井アウトレットパーク北陸小矢部」がオープンしています。

こうした建設ラッシュは、当面続くこととなりそうです。このデフレの時代、これだけの建設需要がある地区は、オリンピックや復興といった特殊なケースを除けば、全国見渡してもほとんど見いだせません。だからこうした効果はそのまま、新幹線が地方に巨大インパクトをもたらすことの証左だということができるでしょう。

こうした動きはもちろん、地方創生にとって何よりも大切な「雇用」を生み出すことになります。

事実、厚生労働省によると、開業後数か月下時点での石川県、富山県の有効求人倍率は1・47倍、1・5倍と、(全国平均の1・21倍を大きく上回る)全国トップクラスの高水準となっています。
 
そして、経済効果としては、日本政策投資銀行(北陸支店)が、富山県については年間一世帯当たり約2・4万円、石川県については約3・2万円だと試算しています

そして未だ統計的には確認できませんが、こうした雇用の増加、つまり「仕事が増えた事」は、中長期的には確実に人口増に結びついていくことなるでしょう。

いずれにせよ、北陸新幹線が開業してから、金沢や富山で何が起こったのかを概観すれば、それが甚大な効果を生み出したことは明白なのです。

そしてそれは、今、安倍内閣が進めようとしている「地方創生」に、新幹線の整備こそが、甚大なディープインパクトをもたらすということを明らかにしているのです。

・・・

ではなぜこれだけのインパクトが北陸にもたらされたのかと言えばそれはもちろん、北陸と東京が新幹線に結び付けられたことで、金沢や富山と東京との間の「心理距離」が大幅に縮小したためです。

「心理距離」(あるいは心理的距離、主観的距離)とは、人文地理学や交通行動分析の分野では、しばしば使われる概念で、人間の行動に決定的な影響をもたらすものです。

もちろん、心理距離は心理的なものなので、実際の所要時間以外の様々な要素で伸びたり縮んだりしますが、やはり、心理距離において「時間」は決定的な意味を持っています。

4時間が2時間半へと一時間半も短縮されることで、金沢は東京にとって心理距離の短い、ぐんと近い街になったのです。

しかもかつては、東京から金沢に行こうとすると、どうしたって一回や二回は「乗り換え」ないといけなかったのが、今や、東京駅で車両に乗れば、乗り換え無しでダイレクトに金沢までついてしまいます。

そもそも「心理距離」は「乗り換え回数」に甚大な影響を受けることが知られています。

例えば、飛行機を利用するためには、何度も乗り換えないといけません。空港でバスや電車から飛行機に「乗り換え」、飛行機が着いた後も飛行機からバスや電車に「乗り換え」なければならなりません。だから、人は同じ時間でいけるのなら、飛行機よりも新幹線を圧倒的に好みます。

一例として東京から広島に行く場合を考えてみた場合、飛行機で行けば約3時間ですが、新幹線でいけば約4時間もかかってしまいます。

しかし、東京・広島間の飛行機と新幹線のシェアはほぼ同じです。つまり新幹線の方が1時間も余分に時間がかかるにも関わらず、多くの人が新幹線で広島に行くのです。

このことはすなわち、「心理距離」の視点で言うなら、空港で乗り換えることの抵抗感が、時間にして「1時間」にも相当していることを示しています。

だから、北陸まで新幹線で乗り換え無しに行けるようになったことで、北陸と東京との間の「心理距離」は、移動時間が1時間半短縮された、というインパクト以上に短縮されたのです。

新幹線の開業によって、大量の観光客が北陸を訪れると共に様々なビジネス上の交流が始められ、様々な投資が誘発され、雇用も生み出され、所得が増進する――そして最終的には人口も増える――といった巨大な地方創生インパクトがもたらされていったのも、こうした心理距離の大幅な縮小を思えば、「当然」だと言うことができるでしょう。

我が国も、こうした当たり前の事実を踏まえ、優良な公共投資を速やかに進め、デフレ不況や地方の疲弊、防災リスクなどの様々な問題を乗り越えて行くことができる近未来を心から祈念したいと思います。

PS 「インフラのディープインパクト」については是非こちらを。
http://www.amazon.co.jp/dp/4569826342

ーーー発行者よりーーー

「国の借金が1000兆円を超えた」「一人当たり817万円」
「次世代にツケを払わせるのか」「このままだと日本は破綻する」

きっとあなたはこんなニュースを見たことがあるはずです。一人の日本国民として、あなたは罪悪感と不安感を植え付けられてきました。そうしているうちに、痛みに耐える消費税増税が推し進められ、国民は豊かにはならず、不景気のムードが漂い続けています。本当に増税は必要だったのか? そもそも「国の借金」とは何なのか?

その正体とは、、、
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

『三橋さんは過激な発言をする人だと思っていましたが…』
 By 服部

“私は今年退職をして、世間から離れて行く様に感じていました。
そんな時、月刊三橋をインターネットで見つけ、三橋先生の
ご意見を聞くようになり、世の流れに戻る感じがしました。

月刊三橋を聞き始めて3か月になります。
最初は過激な発言をする人だなあと思って聞いていましたが、
今回の国債破綻しない24の理由を聞いて、
今まで何回も聞いていた内容が、私のように頭の悪い者でも
やっと理解出来るようになりました。有り難うございます。

これからの日本の為にも益々頑張って頂きたいと思います。”

服部さんが、国の借金問題について
理解できた秘密とは・・・▼▼
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

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【藤井聡】「新幹線」整備は、デフレ時代の超優良プロジェクトです。への5件のコメント

  1. bazooka砲 より

    日欧共同で進められた台湾新幹線の開業までを題材とした小説である吉田修一著『路』(文春文庫)を読みますと、一年ごとに章立てられた物語が開業にまつわる人間模様と相俟って、日台関係を紐解く上でも「新幹線」という存在があらためて大きいのだなと思いました。作中にもありますが、当初TGV(ユーロ・トンネル・システム)の受注が決まっていたにも拘らず、ICE(ドイツを中心とする高速列車)の事故や1999年の台湾中部地震を受けての日本の新幹線受注から始まります。昨今、インドネネシアの新幹線受注に日本側が失敗したとの報道もありましたが、インドネアシアも地震国でもありますので、是非安全性を考慮した、日本のノウハウを取り入れた物になれば良いなと(勝手に)思いました。

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  2. 學天測 より

    先生、新幹線もいいのですがリニアを大阪から奈良まででも先行着手できない物でしょうか?奈良中間駅の近くには生駒出身の先生もご存じの関西文化学術研究都市もありますしそう言った拠点が国土軸から孤立化しているのはよろしくないと考えますし、東大阪の私は個人的にその方がありがたいですしw何よりも奈良に政令指定都市がないのは放置していていいのでしょうか?奈良の発展の為にもなんとかならんものでしょうか?奈良の交通事情は酷いですよねwケーブルカーで通勤してますしwでも北陸新幹線もそうでしょうけど問題は大阪でのハブなんですよね。やはり戦いと言うのは航空優勢、もしくは今では核弾道ミサイルが飛び交う航空宇宙、そしてサイバーですね。そういった領域を制さないと海上優勢も得られず海を支配できないと考えるのです。海を支配できねば港湾都市は成り立ちません。交易したくても、それ以前でもっていかれます。従って第二国土軸というのでしょうか?それを意識すれば関空が新たな重心に見えてくるわけで、もはや新大阪だけを大阪のハブと考えるのはいささか疑問を感じます。西田先生の言われる天王寺への北陸新幹線接続も含め大阪南部へ新都心を作るという発想がやはり必要ではないでしょうか?私としては出来れば京都から東海道線ー片町線ーおおさか東線ー阪和線を繋いで大阪市内のバイパス路線を作ってほしいですね。京都や奈良や大阪府東部から大阪南部や関空がぐっと近くなりますし、関空直通行が出来れば大阪環状線の混雑も緩和されるのではないでしょうか?だいたい梅田も難波も天王寺も開発するのには手狭だと思うのですよ。今、なにわ筋線が提唱されていますが、都市中心部の混雑を解消するためには都市の外にバイパスを作るのが基本だと思いますが、どうでしょうか?

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  3. かわぐち より

    北海道内にもリニアなり新幹線なりで環状線を計画してもらいたいものです。北海道は道内都市間がが遠い!

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  4. 拓三 より

    去年、関西圏の磯釣りファンにとって、大事件が発生しました。それは、紀勢道が田辺からすさみ南間の開通であります!これにより大阪から阪和道経由で直接、紀勢自動車道と繋がることで何と周参見まで2時間ちょい、串本まで3時間もあれば十分おつりがきます。これは釣り好きにとって、凄い事件なのです。例えばグレ(メジナ)を釣るならば海水温17度を求めます。しかし田辺あたりだと1月末〜2月は15度前後まで落ちてしまいます。しかし黒潮の影響が強い周参見まで行くとこの時期でも海水温の低下がそれほど低くならないのでグレが釣れる可能性がありま……長々と趣味の話で失礼。何を言いたいかと言うと、この事により私もとより私の周りでも釣りに行く回数が増えたと言う事です。つまり消費が増えたのです。また津波が来たらひとたまりもない海岸線を走る42号線しかなかった南紀の津波対策からも有効であります。(これまでは酷過ぎた)釣りと言う小さな経済話でしたが、南紀の地形、交通、災害、津波、などの危険性を解っていれば紀勢自動車道の重要性も十分過ぎる大義はあるのです。

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  5. 神奈川県skatou より

    スポーツが暴力でないのはルールがあるからで、またルール共有を通して相手へのリスペクトも生まれる。競争しても相手を滅ぼすことは無く、また戦おうという話にもなります。金沢が新幹線開通をきっかけに熱く盛り上がっている。とっても素敵なお話ですね。もしその熱い盛り上がりがなにも規制のない、つまりルールの無いゼニの戦いならば熱も一過性かもしれなく、今後も、長いこと地方の中核都市を温め続けるには行政の適切な采配が要りそうですが、そのあたりはどうなのか、心配と期待を込めて成功をお祈りしたいと思っております。

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