日本経済

2016年2月15日

【三橋貴明】マイナス金利で、もう終わりです

From 三橋貴明

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「日本が国債破綻しない24の理由 ~国の借金問題という<嘘>はなぜ生まれたか?」
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

p.1_ _日本は「国の借金」でなぜ破綻しないのか?
p.13 ”国民1人当たり817万円の借金”を広める財務省の記者クラブ
p.20 日本国民は債務者ではない、「債権者」である
p.36 かつて、本格的なインフレーションが日本を襲った時代があった
p.42 “日本は公共投資のやり過ぎで国の借金が膨らんだ”は全くの嘘
p.55 グローバリストから財務省まで、消費税増税を訴える人々の思惑

http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

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【今週のNewsピックアップ】
●長期金利のマイナス 袋小路の終点
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12127066972.html

●致命的な間違い
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12127804002.html

青木泰樹先生が「マイナス金利」政策について、素晴らしく整理された論説を書いて下さいました。

【青木泰樹】マイナス金利で得する人、損する人
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2016/02/13/aoki-23/

何度か書きましたが、これほど高度なコンテンツをボランティア(つまりは無料)で書いて頂いていて構わないのでしょうか・・・。悩んでいます。

それはともかく、注目すべきは、いわゆるリフレ派の理論について、青木先生が、
『日銀のリフレ政策の根幹は、フィッシャーの方程式(実質金利=名目金利−期待インフレ率)を前提に、「たとえ名目金利がゼロ以下にならないとしても、期待インフレ率を上げる方策があれば実質金利は下げられる。期待を変える方策こそ、2%インフレ達成まで日銀がベースマネーを増加させることをコミットメントし、かつ実行することだ」』
と、看破されている点です。

改めて振り返ると、岩田規久男教授をはじめとする「いわゆるリフレ派」の理論は、名目金利ではなく、
「インフレ目標とコミットメント、量的緩和で期待インフレ率を引き上げることで、実質金利を引き下げる」
という、フィッシャーの方程式(実質金利=名目金利−期待インフレ率)の右辺から左辺を導くという考え方でした。

「そもそも、経営者も消費者も、実質金利や期待インフレ率『とやら』に依存して、設備投資や消費をしているわけではないだろうに・・・」
という突っ込みは脇に置きます。同時に、
「経営者が投資を決断するのは、十分な投資利益率が確保できるとき、つまりは儲かるときで、消費者は期待インフレ率がどうであろうとも、実質賃金が安定的に増え、豊かになった実感がない限り消費を増やさないだろうに・・・。デフレで儲からず、実質賃金が下がり続けている国では、金融政策で投資や消費を十分に増やせるはずがない」
といった突っ込みも脇に置きまして、とりあえず「いわゆるリフレ派」の理論は、名目金利ではなく「期待インフレ率」を高めることで、実質金利を下げ、消費や投資を活性化するというものでした。

ところが、今回の日銀による当座預金へのマイナス金利政策は、青木先生が書かれている通り、「名目金利」の引き下げを狙うものです。何しろ、黒田日銀総裁自ら、

「イールドカーブを全般にわたって引き下げ、一方で予想物価上昇率を引き上げることで、実質金利をイールドカーブ全般にわたって押し下げる。それによって、消費や投資を刺激し、経済が拡大し、その中で需給ギャップが縮小し、インフレ期待の上昇と相まって、物価上昇率を2%に向けて引き上げていく」

つまり、債券の残存期間に関係なく、全体で「名目金利」を引き下げること「も」目指すと断言してしまったのです。この時点で、岩田規久男大先生に代表される「いわゆるリフレ派」理論は、終わりという話です。

まあ、「いわゆるリフレ派」の先生方や支持者たちは、

「デフレ脱却できないのは、消費税増税のせいだ!」

と、反論するかも知れません。ならば岩田教授や浜田教授は、消費税に死に物狂いで反対しなければならなかったはずです。ところが、「いわゆるリフレ派」の多くは、消費税を増税しても「金融政策を拡大すれば、大丈夫」と、容認してしまいました。

いずれにせよ、今回の日銀のマイナス金利政策採用は、「いわゆるリフレ派」理論に基づく社会実験が「失敗した」ことを、日銀自ら示してくれたという話なのです。

ーーー発行者よりーーー

「国の借金が1000兆円を超えた」「一人当たり817万円」
「次世代にツケを払わせるのか」「このままだと日本は破綻する」

きっとあなたはこんなニュースを見たことがあるはずです。一人の日本国民として、あなたは罪悪感と不安感を植え付けられてきました。そうしているうちに、痛みに耐える消費税増税が推し進められ、国民は豊かにはならず、不景気のムードが漂い続けています。本当に増税は必要だったのか? そもそも「国の借金」とは何なのか?

その正体とは、、、
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

『三橋さんは過激な発言をする人だと思っていましたが…』
By 服部

“私は今年退職をして、世間から離れて行く様に感じていました。
そんな時、月刊三橋をインターネットで見つけ、三橋先生の
ご意見を聞くようになり、世の流れに戻る感じがしました。

月刊三橋を聞き始めて3か月になります。
最初は過激な発言をする人だなあと思って聞いていましたが、
今回の国債破綻しない24の理由を聞いて、
今まで何回も聞いていた内容が、私のように頭の悪い者でも
やっと理解出来るようになりました。有り難うございます。

これからの日本の為にも益々頑張って頂きたいと思います。”

服部さんが、国の借金問題について
理解できた秘密とは・・・▼▼
http://www.keieikagakupub.com/sp/38DEBT/index_mag2.php

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【三橋貴明】マイナス金利で、もう終わりですへの1件のコメント

  1. 學天測 より

    私はソフトウェア業ですのでまず顧客の納得できるソフトを作り納品する実績が求められます。理論や理屈など物が出来てなんぼですし、そんな物は後付です。物だって過去のやり方や先駆者が必ずしもいる訳でない。答えが必ずしもある訳ではない。先に方程式があって、それを試す事が目的では無いはずでしょう。仮説を検証するのは研究の世界であり、実業とは言えません。この人達は勘違いをしているのではないでしょうか?国家運営は研究ではなく実業です。考え方自体が訳が分かりませんね。

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