From 島倉 原(しまくら はじめ)@評論家
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【期間限定】
●中国バブルの実態と今後の行方、、、
●汚職追放が中国経済を失速させたカラクリとは?
●中国に進出した日本企業の末路はいかに?
「中国の読み方–地獄に引きずり込まれないために日本人が知るべきこと」
が聞けるのは11/10(火)まで!!
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_mag.php
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おはようございます。
相も変わらず、涼しくなったり暖かくなったりの日々ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近メールを開くたび、ソーシャルメディアであるツイッターからのメッセージを目にする機会が増えています。
私の過去のツイート(つぶやき)がリツイートすなわち拡散されたという内容で、主に2つのツイートが対象です。
1つ目は今年の5月2日、いわゆる「大阪都構想」の住民投票直前に行った、
「大阪都構想賛成派の高橋洋一氏は「大阪は都制でないため、社会インフラの整備が遅れて損をしている」と述べていますが、これは「1970年頃までの公共投資と経済成長の伸びは、共に大阪が東京を上回っていた」という事実と矛盾します。」
https://twitter.com/sima9ra/status/594486658017447937
というツイートで、100人以上の方々がリツイートされているようです。
有名人のツイートであれば、何てことない数なのでしょうが、私自身のものとしては恐らく過去に例がなく、しかも半年以上前のものが対象ということで、結構驚いているところです。
とはいえ、藤井聡さんが先週寄稿されたタイトルは、『大阪ダブル選の最大の争点は「都構想」。やはり「真実」の認識が必要です』というものでした。
http://www.mitsuhashitakaaki.net/2015/10/27/fujii-167/
そうした意識を多くの方々が共有し、半年前の議論が見直される過程の中で、私のツイートも掘り起こされたのかもしれません。
藤井さんは現在もご自身のサイトで積極的に情報発信されていますので、まずはそちらで「真実」を確認するのが適切でしょう。
http://satoshi-fujii.com/
さはさりながら、半年前にさかのぼり、そもそも「大阪都構想」なるものについてどのような議論が交わされていたのかを確認されたいのであれば、さまざまな論者の賛否両論を取りそろえた拙稿
『「大阪都構想」の賛否両論を比較する』
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-90.html
にも一見の価値はあるかもしれません。
ちなみに、同稿に関しては2015年4月29日に
「ブログ更新しました(タイトル:「大阪都構想」の賛否両論を比較する)。
「大阪都構想」賛成派・反対派両方の主な動画・文章コンテンツを対比しながら一覧にしていますので、判断が付きかねている方も含め、是非参考にしてください。」
https://twitter.com/sima9ra/status/593377667333771265
とツイートしている次第です。
ついでながら、2015年4月17日にツイートした
「「今の大阪に危機感は持っているけれども、今以上に状況を悪化させたくないから、大阪都構想には反対票を投じる」という選択肢は、当然ありえます。」
https://twitter.com/sima9ra/status/589023857790423040
という視点も、何気に重要なのではないかなあ、と思う今日この頃です。
さて、最近よくリツイートされている2つ目は、
「日本を含む29か国について、「財政支出を伸ばしている国ほど、経済成長率が高い」という明確な事実を示したグラフです。」
http://on.fb.me/1GFXgve
https://twitter.com/sima9ra/status/659028361314877440
というもので、こちらは先週10月27日に発信しています。
上記ツイートには、下記拙稿『「貿易依存度」から考える経済政策とTPP』へのリンクも貼られています。
これは、4週間前に「折に触れて発信していければ」と表明した、TPP・グローバリズム関連の議論の第一弾にあたります。
http://keiseisaimin4096.blog.fc2.com/blog-entry-118.html
「貿易依存度」とは、一国のGDPに対する貿易量(輸出入の合計額)の比率です。
例えば下記のコラムに典型的なのですが、どうも国内では、日本の同比率が世界全体に比べて低いことを「日本経済が閉鎖的である証拠」と捉え、「(貿易依存度が高い)シンガポールや韓国を見習ってグローバル化を推進せよ(それによって貿易依存度を高めよ)」という議論が少なからず横行してきたようです。
そうした議論は当然のごとく、「アジア太平洋の経済成長を取り込む」ことを狙ったTPP推進論にもつながります。
http://www.jcer.or.jp/column/kojima/index487.html
しかしながら、貿易依存度自体が経済の閉鎖性を示す指標ではないことは、上記拙稿でも示した、日本経済の長期的な推移からも確認できます。
それどころか定義上の帰結として、貿易依存度の上昇が強まるほど、国内の経済運営が上手く行っていない状況を示していると言うことすら可能です。
事実、日本経済に関しては、1990年代半ばを境にした貿易依存度のトレンドの変化は、まさしく緊縮財政への移行と軌を一にして生じています。
さらに、冷静に考えれば、貿易拡大そのものは輸出入が概ね相殺されるため、名目経済成長が停止して長期デフレに陥っている日本経済の問題解決にはほとんど貢献するものではありません。
上記グラフは以上の議論を展開する上記拙稿を補強したものですが、もともとは拙著『積極財政宣言』の出発点として作成したものです。
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ひるがえって上記のコラム、「日本は“貿易立国”を自任しているが、実態はどんどんかけ離れたものになっている。実像は「世界で最も貿易依存度が低い内向き経済」である。」と述べている時点で、「失われた20年のもとで貿易依存度は一貫して上昇トレンドにある」という事実と明らかに矛盾しています。
コラムニストの経歴を見ると、日本経済新聞の記者や論説委員を務めたマスコミ出身のエコノミストで、「国の借金」その他の財政問題をめぐる事実を無視したマスコミ報道とも通じるものがありそうです。
https://www.jcer.or.jp/center/staff/32.html
大阪維新の会によるカジノ推進の動きに象徴されるように、大阪都構想もTPPも、グローバリズムを前提として問題の解決を図ろうとするものです。
いずれも、国内経済活動の停滞、あるいはそれを引き起こしている緊縮財政が当然のように前提とされている点で、政策の方向性としては誤っていると言わざるを得ません。
レベルの違いこそあれ、本来行われるべきが「積極財政をテコとした、地域経済に根ざした問題の解決」であることも共通です。
そうしたことへの意識の高まりが、最近のリツイート数増加にも反映されているのかもしれません。
〈島倉原からのお知らせ〉
緊縮財政が様々な問題を引き起こしているという「真実」を認識できる一冊です。
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メルマガ「島倉原の経済分析室」、先週号と今週号のタイトルはそれぞれ下記のとおりです。
↓『ウォーレン・バフェットはなぜIBM株を買い続けるのか』
http://foomii.com/00092/2015102500000029405
↓『日本・タイ・中国の経営破たんをつなぐもの』
http://foomii.com/00092/2015110100300029521
↓↓発行者より↓↓
・・・中国経済は、高騰していた不動産価格、株価がともに大幅に下落し、バブル崩壊の苦境に直面している。この状況に対する解釈は二つに分かれている。
一つは「単なる景気後退」あるいは「投資主導の経済から消費主導の安定成長への過渡期」とする見方、もう一つは「メッキが剥がれた中国経済が崩壊を始めた」あるいは「経済のみならず、中国共産党の独裁体制崩壊の序章」などとする見方だ。
単なる景気後退なのか、それとも崩壊の序曲なのか? 日本への影響は? われわれは今後、どう対処していくべきなのか?
中国取材から帰国したばかりの三橋貴明が、自らの足で集めた最新の情報を元に、「中国の読み方」、そして「中国との付き合い方」について解説する。
(月刊三橋最新号「中国の読み方〜日本が地獄に引きずり込まれないために」)
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http://www.keieikagakupub.com/lp/mitsuhashi/38NEWS_1980_mag.php
【島倉原】グローバリズムとツイッターへの4件のコメント
2015年11月6日 5:59 PM
>貿易依存度自体が経済の閉鎖性を示す指標ではない>貿易依存度の上昇が強まるほど、国内の経済運営が上手く行っていない状況を示しているそういうことですよね。イトシゲはんも、人さんからおゼゼ取るんなら、普段からこんくらいマトモなことを言うてみなはれ。
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2015年11月8日 2:09 PM
「大阪は都制でないため、社会インフラの整備が遅れて損をしている」という話が本当におかしいのかどうかをもう一度考えてはどうでしょうか。市が府と競う様に施設を造っていたり、すぐに財政破綻するような施設に大金が使われていたとする。その場合、他の事が疎かになるのではありませんか?すぐに財政破綻する様な施設に莫大なお金を使っていたせいで、社会インフラの整備が遅れてしまった、というふうに。「財政支出を伸ばしている国ほど、経済成長率が高い」という話についても、もっと考えた方がいいはずですよ。給付金を配る政策を止めて行き、その代わりに公務員の給料を増やして行く。これでもGDPは大幅に増えます。計算上の理由からそうなる。そして「計算上の理由」から増えるようなものなら、「どうせ溜め込まれる」と予測されている給付金とあまり変わらない。お金を出している間だけは景気が上向くが、結局は景気を良くする呼び水にはならず、お金を使う事を止めた時にはすぐに振出しに戻っていく、というふうになる。なお、藤井氏が公共投資とGDPの相関性を紹介していたグラフでもそうなっていましたね。公共投資にお金を使う時にはGDPが増え、それを減らすとGDPが減っていた。GDPが増えてから減るまでの過程をグラフにするなら、グラフには山の様になっている部分があるはずです。そしてその山の大きさは、給付金よりも財政政策の方が必ず大きくなるでしょう。しかし財政政策を増やす事によってグラフの山が大きくなることには「計算上の理由」が多分に含まれていて、結局は財政政策も「景気を良くする呼び水」にならないのならば、「財政支出を伸ばしている国ほど、経済成長率が高い」などという話をしている事にいったいどれだけの意味があるのでしょうか?
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2015年11月10日 4:04 AM
島倉さんの正論だと思います。緊縮財政問題も貿易依存度も問題も緊縮財政の事はもう前からおかしいと言われてきてますが貿易依存度の問題でも日本は世界一の債権国であって貿易依存度が高すぎると却って国内の投資や国内の市場が伸びてない事のデフレの表れだと思います。そんな事も分からないのに貿易依存度は高い方が日本国内経済にとっては良い事だとか積極財政はいけないとか変な言説、明らかに効果が無いのに自由貿易は絶対だと宗教的な言説まで持ち出す変な人も居るから厄介ですね。
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2015年11月10日 6:12 AM
現実を直視する♪人間には二種類あります(たぶん)現実を直視できる者と現実を直視できない者あるいは 己の理念のみが正しくて間違っているのは 他者や現実の方であると頑に信じ続ける者後者は己が愚かである事実を直視できないため その愚かさは一生モンでしょう(きっと)日本人の大多数は ぼくよりも賢者であると 信じていますので、、多くの国民が現実を直視できますように島倉さまにおかれましては これからも真実を国民に周知していただきますようさらに一層の活躍をして下さることを心より祈念して いるのだ♪
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