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2015年4月17日

【三橋貴明】驚愕

From 三橋貴明@ブログ http://keieikagakupub.com/38news/

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●●憲法9条は日本の誇りなのか? 国家の危機の原因か?
月刊三橋最新号のテーマは「激論!憲法9条〜国家の危機に備えるために」

http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

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2013年1月19日。

浜田宏一・内閣官房参与 「「目途」はゴールや目的と違うといった詭弁的な議論は日銀の得意とするところだが、読者は巻き込まれなくてもいい。中途半端なのは、目標値が二パーセントでなく一パーセントだというところだ。これではバレンタインデーの「ギフト」というより、「義理チョコ」だというのが第一印象だった。それが半年たって、チョコレートをあげると見せかけただけだったことを痛感した。」
( http://gendai.ismedia.jp/articles/-/34586  )

2013年1月20日。

浜田宏一・内閣官房参与 「デフレ期待がこれだけ定着してしまった現在、個人的には、世界の有力経済学者の言うように、インフレ目標はそれより高く3%でもいいのではないかと思います。」
( http://diamond.jp/articles/30804?page=3  )

そして、2015年4月14日。

『インタビュー:すぐの追加緩和不要、月末でも反対せず=浜田参与
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPKBN0N515B20150414?sp=true
(前略)
──量的・質的金融緩和(QQE)導入から2年が経過したが、足元で消費増税の影響を除いた消費者物価はゼロ%(生鮮食品除く、コアCPI)。目標の2%に距離ある。「原油、食料を除いた指標に注目し、それを1%くらいの緩やかなインフレに持っていくことが妥当だと思う。物価ばかりを気にする必要はない」』
(中略)
──17年4月からの消費税再増税には、賛成との立場か。
「どちらかといえば、そうだ。私自身は、これからは間接税である消費税を重んじる代わりに、法人税を大幅に安くした方がいいという考え。法人税は国際競争があり、引き下げないとやっていけなくなる。法人税を下げることで外国から投資が入り、日本の投資が出ていかないという意味で、税収をプラスにする大きな要因になり得る。(後略)』

わたくし共は散々に、
「インフレ目標とコミットメント、量的緩和といった金融政策だけでは、【需要創出】に結び付くかどうか分からない。金融政策と同時に、【需要】を創り出す財政出動が必要だ。デフレは貨幣現象ではなく【総需要の不足】という現象である」
と、繰り返し主張し、藤井聡先生をはじめ、政治への提言を繰り返し、わたくしもしつこく、しつこく政治家(主に自民党)を通して政府による需要創出を訴え続けてきたわけですが、
「大事なのは物価目標」
と、金融政策に偏重した提言を続けた浜田宏一内閣官房参与が、
「物価ばかりを気にする必要はない」
と、いきなり変節しました。理由は明明白白で、浜田教授や岩田教授らの理論に基づき「デフレ対策」を実施したにも関わらず、物価が上昇しなかったためです。さらに、円安にはなったものの、実質輸出は直近で東日本大震災前を下回っています。

【日本のマネタリーベースとコアCPIの推移】

http://members3.jcom.home.ne.jp/takaaki.mitsuhashi/data_50.html#MBCPI

上記の通り、浜田・岩田理論に従い、いわゆる「リフレ派」の政策が行われた結果、マネタリーベースは2月までに130兆円増え、二倍超になりました。反対側で、消費者物価は伸び悩み、2月のコアCPIは(コアコアCPIも)対前年比ゼロパーセントに戻ってしまいました。

それはそうです。何しろ、日本銀行が量的緩和で国債を買い取り、日本円を発行しても、その時点でインフレ率に影響を与えるわけではありません。インフレ率とは、モノやサービスが購入された際の価格の変動なのです。国債はモノでもサービスでもありません。

日本銀行がマネタリーベースを拡大するとして、そこから「モノやサービスの購入」(=需要創出」に向かう道が不明確であるため、財政出動が必要だと我々は言い続けてきたわけです。先方は「期待」やら「資産効果」やら、定量的に効果を測定できない理論を主張していましたが、少なくとも過去二年間で、財政なしで日本をデフレ脱却させることは不可能だったと証明されたわけでございます。

浜田教授も、岩田教授も間違えていたのです。
間違えていた学者は、いかに責任を採るのか。注目させて頂いております。

岩田教授は、当然、日本銀行副総裁を辞任されるのでしょう。ご本人が仰っていたように。
浜田教授は、もちろん内閣官房参与を辞任されるのでしょう。と思っていたわけですが、何と「物価ばかりを気にする必要はない」ときましたか。稀に見る、お見事な変節を拝見させて頂きました。
しかも、需要創出に結びつかない「消費増税」「法人税減税」に賛成する、と。

繰り返しますが、岩田教授も浜田教授も「間違えていた」のです。間違いを間違いと認め、正しい道を探る「議論」を進めなければ、我が国がデフレから脱却する日は永遠にやってこないでしょう。

PS
「正しい道を探る議論を始めよう」にご賛同下さる方は、↓このリンクをクリックを!
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

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【三橋貴明】驚愕への12件のコメント

  1. robin より

    大衆社会から選ばれた政治家はアジテーターでしかない、議論する能力は無いかもしれませんね。せめて潔く間違いを認め公に周知して欲しいです。でないと永遠に同じ間違いを繰り返し続けて、社会も成熟しない。選挙権に資格を求めるのはどうでしょ。投票しなかった人から0.5票上乗せできるとか。戒めくらいにはなりそう。でも安直すぎかな。

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  2. 神奈川県skatou より

    民主主義の利点が多数決でなく議論することだと考えれば、異論・反論・疑問の投げかけは、とても大切なことですよね。

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  3. メイ より

     浜田先生の発言、驚きすぎて「ええっ!?」という感じです。 本当に「驚愕」、ですね。 

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  4. lemoned@F-NAK より

    歴史上いつか来る現象を待てるほど我々の寿命は長くありません。永遠という言葉を何故か数学的に極限に発散させた時間という極端な意味にして扇動的な書き込みが日常生活になってしまっている人は、永遠に自己矛盾に気付かない可哀想な人です。その様な可哀想な人を否定してはいけません。頭が悪く育ってしまったのは本人のせいではありません。そっと見守ってあげましょう。

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  5. 匿各希望 より

    三橋表現の明らかな「間違い(というか極端性へのミスリード)」の指摘が「あげ足を取る」とはこれ如何に。贔屓の引き倒しもホドホドに(笑)というか、例えば平成23年(震災の年)から平成27年までの期間について言及すると、自殺率は下がってるし。内閣府の資料見てね。

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  6. robin より

    仰る通りですね。でも間違いを認めないと議論すら始められないってのは当たり前だしこれを扇動的と言うのは謎です。間違いを認めて政策転換すれば倒産失業自殺率を下げ本来死ななくて良かったはずの私達の隣人(日本人に限定します)を救うことが出来るのですよ。上げ足を取ってる場合なのかな。

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  7. あまき より

    チャンネル桜、拝見しました。三橋さんの言われる通り、浜田さんの点取り虫の如きふるまいは本当に残念。2年以上前、ちょうど番組中でのマグレブの話題のときのように、岩田規久男さんを称揚するキャスターと一緒に鈴木さんが盛り上がっていたのを思い出しました。当時のふるまいを記憶しているのか、浜田、岩田理論の誤りに対する鈴木さんの反応が心なしか控えめで、それが三橋さんの口調以上につよく印象に残りました。我が国のマグレブが時速590キロをマークしたのは素晴らしいことですが、おフランスの新幹線テージェーヴェーはすでに時速574.8キロを記録しています。

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  8. 売国ドバッ奴(or羽野克之) より

     “超偏凹っ凹ツッコミ”型浜ちゃんの漫才も面白いと思ってしまっていたハクチ時代の自分もあったけど、やっぱりてんやわんやさんとかの言葉による正統な漫才でないと存在していけない気がする。と、関係あらへんっ、とツッコまれそうな話題の前振りは置いといて、 考えに耽り捲っていたら、金融緩和、異次元に逝く黒田バズーカ、バブル膨満、金融引き締め、財政出動公共投資否定、需要抑制の為の消費税、税制、日銀総裁権限の分離、大蔵省解体、やってきてることが総て全然タイムリーじゃない、タイムラグ的に間違って真逆の結果を導いてきているよう‥‥です。とんでもない状態になってるんですね、これは馬鹿エリート政府に銃を乱射されて国民が殺されていると言っても過言ではありません。 このままの思考で逝けば突然急転直下金融引き締め世論浮上大衆迎合‥‥、デフレ状況下でのセカンドバブル崩壊へ導かれたりしないんですか?そうなった方がレジスタンス側(左翼混じり)としては‥‥それじゃ善くないのですが。 うまく言葉で具体的に語れない読者ですみません。

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  9. たかゆき より

    浜田教授と書いて睾丸無知 もとい、、厚顔無恥と読む♪リフレ派には笑点のお題になるような人材で溢れておりますね。そんなにインフレが怖いならいっそのことリフレ派からデフレ派に名称変更されては如何かと存じます。というわけで山田君!デフレ先生の座布団全部持って行きなさい。。。

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  10. 中田 絹子 より

    日本が世界中に範を示す、ビッグチャンスです。阿部首相は、このまま、どっかの走り使いで終わりたいのでしょうか?それとも、歴史に名を残す政治家になりたいのでしょうか?豊かな和の文化を子ども達に残してあげたいです。しっかりして下さいよ!

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  11. 中田 絹子 より

    浜田教授もそうですが、みっともないですね。教授の提言が受け入れられれば、韓国並みの奴隷社会が、待っていますね。日本人の富はすべて、欧米資本家のふところに。そうなったら、教授の懐が潤う約束でもされましたかね?なんて、おばさんでも突っ込んでみたくなりますよ!上念さんに、浜田教授の首に鈴をつけて頂かないといけません。本当にネット社会になって良かったと、つくづく思います。

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  12. 匿各希望 より

    > 正しい道を探る「議論」を進めなければ、我が国がデフレから脱却する日は永遠にやってこないでしょう。上の主張は「間違って」ますね。「永遠に」というような極端な形容(似たものに「絶対」「必ず」など)は筆者と読者の気持ちをアゲるためには有効かもしれませんが、さすがに「永遠」はないでしょ(笑)三橋的に正しかろうが間違っていようが、長いスパンで歴史を見ればインフレ/デフレはやってくると考えるのが常識的。というわけで、毎度のことかもしれませんが、言葉が極端で扇動的ですわ。

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