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2014年5月30日

【施 光恒】日本人の働きやすさこそ

From 施 光恒(せ・てるひさ)@九州大学

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おっはようございま〜す(^_^)/

一昨日の東田さんのメルマガ記事で、替え歌ベスト3を募集していましたね。私のベスト3は……むずかしい
「(゚ペ) ウーム…

東田さんとは同い年なので、なんか元歌の選曲の好みが私とピタッとあっているんですよね。「愛は勝つ」「冬のリヴィエラ」「想い出がいっぱい」、はたまた「モンキーマジック」「ヤングマン」「魔法使いサリー」まで、どれも昔からなじみ深い曲です。

ま、むずかしいですが、一応、決めてみました。カッコ内、選出理由付きです。

(1)晋、晋、晋三さん(「公共投資って、どうなっているの〜」とか「平蔵だ、大田だ、浜田だ、元重だ」とか、ほんとに空耳が聞こえてきそう)。

(2)詭弁出す(「規久男 Kick out」とか「carry trade carry trade」とかいう細かいところにウケますた)。

(3)USTR(「フロマン タフネゴシエーター、フロマン ウォール街出身〜♪」という出だしが頭にこびりついて、二日ほど仕事になりませんでした)。

順位を確定するために聞き直していたら、頭の中でいろいろな曲が繰り返しながれています。やめてくれ〜という感じ(^_^;)。しん、しん、しんぞうさん〜♪

さてさて本題に行きましょう。最近、気になったものに、「労働時間規制の緩和」について竹中平蔵氏に尋ねたインタビューがあります。『週刊東洋経済』(5月24日号)に掲載されていたものです。
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「労働時間規制の緩和は経済界からの要望だ」と題されたインタビューですが、その最後で竹中氏は、次のようにインタビューアーとやりとりしています。

***
インタビューアー:(産業競争力会議の)雇用・人材分科会担当の竹中さんが人材サービス企業の会長であることに批判もあります。

竹中氏:経済政策の専門家として入っているので問題ない。派遣など利益相反になることには発言しない。ただそうなると雇用のテーマに会社の経営者が発言できないことになる。それはおかしい。言論封圧ではないか。
***

まさに「お前が言うな!」という感じですね。

産業競争力会議の雇用・人材分科会での議論で、人材派遣会社パソナグループの利害と関係しないことなんてほとんどないんではないかと思います。今回の「労働時間規制の緩和」だって関係するでしょう。また外国人労働者や移民の受け入れ問題にしても、斡旋事務を担うのは人材派遣業者でしょうから、パソナグループの商機に大いに関わる問題のはずです。

「利益相反になることには発言しない」ということになると、竹中氏は、この分科会のなかでほぼずっと黙っていなければならないことになるんじゃないでしょうかね。それに、たとえずっと黙っていたとしても、分科会での議論の過程や内容を知ることは、パソナグループの経営に際して有利な判断材料の獲得につながることが多いのではないでしょうか。

やはりどう考えても、産業競争力会議の雇用・人材分科会のメンバーに竹中氏が入っていることは、フェアではない気がします。

ちなみに、竹中氏は、一年ほど前の三木谷浩史氏との雑誌の対談(『文藝春秋』2013年4月号)では、次のように述べていました。

「実は、どの審議会にも、政策の利害関係者の方がメンバーにいますね。本来こうした政策審議会は、利害関係を持たないインディペンデントな議員のみによって構成されるべきです」。

私もそう思います。竹中氏は、人材派遣会社パソナグループの取締役会長か、産業競争力会議雇用・人材分科会のメンバーかのどちらかをおやめになるべきでしょう。

今回の「労働時間規制の緩和」にしても、外国人労働者や移民の受け入れにしても、「国のかたち」に関わるような重要なテーマですので、「李下に冠を正さず」でやってもらいたいものです。

ところで、「労働時間規制の緩和」については、三橋さんが昨日のメルマガで次のように書いていました。

「わたくしは、「雇用の安定」こそが、かつての日本の企業の「強み」だったと確信しているのです。特定の会社に勤め、安定的な雇用の下でロイヤリティを高めた「人材」が、自らの中に様々な技能やノウハウ、技術を蓄積し、同じく雇用が安定した「同僚」とチームを構成し、世界に立ち向かう。これこそが、グローバル市場における「本来の日本の勝ちパターン」であると信じているわけでございます。」

私も同感です。日本人が最もやる気をもって、能力を磨き、仕事に当たれるのは、そういう環境でしょう。

以前のNHKのテレビ番組『プロジェクトX』は、それほどずば抜けた能力の持主ではない平凡な会社勤めの人々が、まさに三橋さんの文章にあるように、会社に愛着を持ち、同僚と時には言い争ったりしつつも協力し、新しい製品やサービスを作り出していく姿を描くものでした。そういう古き良き日本の組織にスポットを当てる番組でした。

『プロジェクトX』では番組の終わりごろ、プロジェクトに実際に関わった人々(多くはもうお年を召された方)がスタジオに登場してきて、当時を振り返りながら、「あの時は大変でしたけど、皆で懸命に頑張りました」などと司会者たちと話を交わすコーナーがありました。だいたいそこにエンディング曲の中島みゆきの「ヘッドライト・テールライト」がかぶさってくるんですが、恥ずかしながら私は感動のあまりほぼ毎回、落涙しつつ観ておりました。
( ;∀;) イイハナシダナー

『プロジェクトX』が終了した後の番組は、今も放映が続いていますが、『プロフェッショナル仕事の流儀』です。こちらは組織ではなく、優れた仕事、よい仕事をしている個人にスポットを当てる番組です。『プロフェッショナル仕事の流儀』もよい番組ですし、感心することも多いのですが、私はこちらでは泣けません。

やはり普通の人々が組織にロイヤリティと愛着を持ち、皆と協力する。もちろん、組織のほうも一人一人を最大限大切にする。そして各人は、それぞれの能力を向上させ引き出しあいながら一致団結して大きな仕事を成し遂げていく。そういう話でないと私を含め多くの日本人の琴線に触れ、涙腺を緩めることはなかなか難しいのではないかと思います。

また実際、そういう環境がなんとかかんとかいっても一番、創造性などの日本人の各種の能力を高め、引き出す環境なのではないかと思います。

上記の『週刊東洋経済』の特集記事「雇用が歪む」によれば、雇用関係の規制緩和に経産省など政府が突き進んでいるのは、「とにかく外国人投資家受けする政策が必要だ」という発想から来ているとのことです。今後のアベノミクスの浮沈は株価動向に懸っており、株価の上下は、近年、外国人投資家の動向次第だからだということのようです。

昨日(5月29日)の日経新聞の一面記事にも同様に、「…日本の労働法制の見直しは、安倍政権の経済政策「アベノミクス」の成否を占うとして海外投資家らが注目する」とありました。

「日本人が働きやすい環境を整えること」や「国民の雇用の安定」「生活の安定」よりも、外国人投資家集団の評価のほうを重視するなんてばかばかしい限りですよね。

5月27日付の各紙が伝えたように、日本の対外純資産は過去最大を記録し、日本は世界一の債権国ですし、日本企業は相変わらず多額の内部留保を蓄えています。海外からの投資がないとにっちもさっちもいかない一部の途上国とは異なり、海外の投資家集団の目をそれほど重視する必要はないはずなのですが。いったいなんなんでしょうね、最近の政治は。
(_・ω・`)

うへ、書き終わったら、また「しん、しん、しんぞうさん♪ ヘイゾーだ、オータだ、ハマダだ、モトシゲだ〜♪」が戻ってきてシマッタ…。
f(^_^;)

長々と失礼しますた…
<(_ _)>

PS
三橋最新無料Video。他国を乗っ取る中国の”洗国”とは?
https://www.youtube.com/watch?v=KsarXQFVVP4

PPS
日本も他人ごとではない! 韓国大崩壊ただ1つの理由
https://www.youtube.com/watch?v=ZK5RY5rIGs8

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【施 光恒】日本人の働きやすさこそへの16件のコメント

  1. メイ より

     心の様子が乾いているように思えて、どうしてなのだろうと、少し気にもなりますが、いつか、心を割って、お話しできる時が来る事を、気長に祈ります。あなたにとっては余計なお世話と判っておりますが・・。

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  2. 匿各希望 より

    > あら、私も泣きましたよ。へー。それは大変おめでたい話ですね。ほんとよかったですね。> あまり良いお行儀ではないのよ?敬愛する東田先生の表現(行儀作法)を見習ったまでですが、人によっては気分が悪くなりますので、特にポリアンナ信者の方は読むのをお控え下さい。

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  3. メイ より

     施先生の仰る通りだと思います。 お読みしながら頭の中に「ヘッドライト・テールライト」が流れてきました。「プロジェクトX」懐かしいですね。ああいう良い番組が減ってしまったような気がします。 私も、日本人は、仲間と共に生きる生き方を求めているし、それが合っているように思うのです。「誰かに、何かに、尽くしたい」「協力したい」「一致団結したい」・・忘れかけているのかもしれないけれど、本当は、そういう事が日本人にとっての幸せなのではないかと・・。 人間ですから、何かと張り合ったり、個人的なエゴを通そうとする面も否定はできませんが、同時に、利他の心、周囲の人と仲良く親しみ合いたい、という欲求もあると思います。ですが後者の方はあまり高い価値を置かれなくなった。 競争も必要な時があると解りますが程度問題だと思いますし、国難の時には特に「助け合い協力し合う事」の方が必要に思えます。

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  4. メイ より

     あら、私も泣きましたよ。テレビ的な演出があったとしても、感動できる番組でした。執筆の先生に、おめでたい、という言葉を使うなんて、あまり良いお行儀ではないのよ?マナーも大事でしょう?

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  5. 匿各希望 より

    > 「中韓を揶揄し、朝日とNHKを非難し、靖国に参拝すれば、それで満足」さて、分析してみるか。中韓を揶揄し → 誰もそんな発言してませんw朝日を非難し → 誰も朝日なぞ非難してません。NHKを非難し → 非難ではなく批判だろw靖国に参拝すれば → 誰もそんな発言してませんwそれで満足 → 誰もそんな発言してませんw自称保守とは貴方のこと → 自分が保守だなんて発言してませんwこれだけ大量に嘘をつけるってNHKより凄いw

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  6. stars より

    東田さんがお書きになった「中韓を揶揄し、朝日とNHKを非難し、靖国に参拝すれば、それで満足」という自称保守とは貴方のことですね。

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  7. 山賊一号 より

    福岡市「法人税率15%に」 特区で引き下げ案http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140531-00000008-asahi-bus_all        ___      /      \   /          \    /   ⌒   ⌒   \    この( ゚Д゚)ヴォケガ!♪  |  /// (__人__) ///  | 

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  9. 山賊一号 より

            ___      /      \   /          \    /   ⌒   ⌒   \    おっはようございまーす♪  |  /// (__人__) ///  | 

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  11. ぬこ より

    その対外純資産を大量に保有している大企業や大投資家が、偽ユダ集いしウォール害だとしたら笑えない現状ですよね。旧約の民と新約の民集いし、真正ユダ血統の大和民族。偽物から苛められるのにも訳があるのでしゃうか?何もかもカオスなのでしゃうか?ソドムとゴモラならぬ、ポダムとゴジラなかりしや?

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  12. 古事記 より

    現状の会議メンバーのままならば、利益を得る可能性が有る者は意見を述べても良いが決定にさいしては反対側の意見も併せて検討することが当然。物事にはプラスとマイナス、陰と陽、表と裏、が必ず在る。大嫌いな言葉にWinとWinの関係と言う言葉があります。狭い間柄の関係のこの言葉を公の立場の人間が平気で話すのを聞くと腹立たしく、日本人ならば相身互いで譲り合いの関係でと、何故に言え無いのか__ 何時から共助の関係が失われたのか。施さんのコメントだけが、ホットします。

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  13. 匿各希望 より

    偏向脚色のフィクションNHKを見て涙流して感動したなんて、ほんとおめでたい話だと思います。

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  14. ハーヒフヘーゾー より

    利益相反云々を言わなくても竹中が我田引水をしていることは目に見えています。竹中が信奉する新古典派経済学の根幹をなす哲学を見れば、利益相反云々といった小難しい話を持ち出すまでもありません。新古典派経済学のモデルにおいては 「経済人」という人を想定していますよね。つまり「人は、自己利益を最大化させるように動く」という哲学が根底にあります。という事は、竹中がどんな美辞麗句を並べて政策立案をしようとも、結局のところそれは自己利益(パソナグループ、自分の懐)を最大化させるための方便に過ぎないということです。

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  15. poti より

    自分たちの強みを忘れ、知りもしないよそ者の歓心を買おうと白人に対して媚び諂う安倍一党は殆ど奴隷的な精神の持ち主のように見えます相手からは侮られ、第三者からは軽蔑され、国民からは恨まれながら仲間内の褒めあいと自己満足だけに終始するその様は、亡国の政治であり民主党のそれと殆ど変りがございません或いは、田舎者であるのに自分自身の出自を否定する、そういう極めて俗悪でハタ迷惑な連中でございましょう政治とは国民の鏡である、という仮説を信じるならば、最早これまでという感がなくはないですが、EUでのナショナリズムの勃興はとても頼もしくもあります。人間の小細工や詐術など置き去りにして時代というのは進むものですね。

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  16. John Doe より

    昨日、今日の記事を見ると、今の経済政策は世界の雰囲気や、一部権力者にあわせて適当に行っているような気がします。短期的利益にはなるやもしれませんが、長期的にみると、問題点が多々あります。今の政策のツケは若者が払うことになります。にもかかわらず、「若者が日本の未来をつくる」と言われると大人が責任逃れしているようで腹立たしいです。経済、政治についてより学び、間違った考えには迎合しないようにしなければならないと痛感しました。

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