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2025年5月22日
【藤井聡】野党のみならず与党総裁&幹事長も「売国奴」と化した今、国民は「参議院選挙」で一体どうすべきなのか? ~まずは、全国比例で「個人名を記載」を徹底すべし~

今の自民党政権は、自民党支持者ですら嫌悪する対象となっています。
中国には媚びる外交に終始し、アメリカには超弱腰で、しかも、財務省の顔色ばかりを窺う政治に終始しています。
とりわけ消費税については、長引くデフレ不況の中で、輸入品価格の高騰によって突如として訪れた物価高で貧困化が過激に加速している現状では、どう考えても減税すべき状況。そして、全野党もその必要性を理解し、減税を今度の参議院選挙に公約に掲げることを決定し、与党の公明党も、そして自民党の8割に上る参議院議員もまた、消費税減税を主張しています。
にも関わらず、自民党の森山幹事長「政治生命をかける」とまで大見得を切って、消費減税を不条理なポピュリズムと断じ、消費税減税を固辞。石破総理もその森山に説得され、消費税減税の回避を決定しました。そして遂に財務省による完全なデマを頭から信じ込み、「日本の財政はギリシャより悪い」とまで公言しています。
彼は図らずももう完全に馬と鹿の区別が付かない愚者中の愚者であることを自ら宣言してしまったわけです。
要は石破政権は、国民の利益を度外視した上で、「財務省」と「アメリカ」と「中国」の意向に絶対刃向かわぬように政権運営を行っているわけです。
これでは、どれだけ自民党を支持してきた国民でも自民党を否定せざるを得ない状況に至っているわけです。
そんな状況の中で今、次の7月の参議院選挙において、一体どうすればよいのか分からなくなっているのが、高市早苗氏をはじめとした自民党内の、反石破勢力を支持している人々です。
そもそも石破は高市氏や安倍氏と言った政治家とは水と油の野田や前原といった野党勢力と親和性の高いリベラルなのか何なのか分からない至って出鱈目な政治家です。
(彼の出鱈目さの論証については是非下記をご参照ください
https://www.amazon.co.jp/dp/B0F17V6J7F?__mk_ja_JP)
だから、高市支持者、あるいは、自民内の保守勢力や積極財政勢力の支持者達(自民保守支持者)にとっては、要は「敵」の様な存在です。
ただし、共産党は言うまでも無く野田立民や前原氏などもまた、そういう自民保守支持者層にとっては明確な「敵」というべき存在。
では、そんな「自民保守支持者層」は、一体どうすればよいのでしょうか…?
もし仮にここで、自民党を応援すれば、彼らの敵である「石破」が総理を延々と続くリスクが極大化します。
だからむしろ、自民党が次の参議院選挙で大敗すれば、石破退陣となり、自民党内の保守層が浮上し、総裁となる目が出てくるわけです。
かといって、自民党を叩き潰してしまえば、前原や野田に権力が移り、それもまた「自民保守支持者層」にとっては耐えがたい状況です。
ついてはそれらを踏まえれば、高市支持者等の「自民保守支持者層」は、次のような戦略をとることが得策だと考えます。それは、
「次の参議院で石馬自民が世論から“正当”に評価されるのなら、自ずと大敗を喫することとなる。さすれば、高市早苗氏を中心とした自民党内保守派が総裁となり、保守政党へと回帰した自民党が、同じく保守的な政策論を展開する国民民主党らと協力関係を取り結び、保守政権が誕生する運びとなる。こうした流れを創出することが必要である」
という戦略です。この基本戦略を前提とすれば、次のような3つの個別戦略が見えてくることとなります。
【戦略1】石破・森山・岸田批判を徹底する
【戦略2】自民内保守勢力(高市氏等)の支持活動を展開する
【戦略3】参議院選挙では「自民支持」でなく「政治家支持」を徹底する。とりわけ全国比例では、絶対に「政党名」でなく「個人名」を明記する。
まず、戦略1の石破・森山・岸田批判は、彼らが一体誰なのかに関わりなく、彼らが口にする「消費減税回避」なり「国債は悪論」なり「媚中姿勢」等について正当に評価し、正当に論評し批判していれば、自ずと推進されます。
戦略2は逆に、同じく彼らが一体誰なのかに関わりなく、彼らが口に得る「消費減税論」や「財政論」、「対中論」「外交論」などについて同じく正当に評価し、正当に公言していれば、これもまた自ずと推進されることとなります。
ただし、自民保守系の政治家達は、執行部の石破・森山らに従い、消費減税や積極財政論、中国に対する適切な対応の必要性についての主張が停滞してしまえば、この戦略2を、国民が遂行することができなくなる――という点には要注意です。
したがって今、この戦略2を推進するためには(執行部を直接批判するか否かはさておき)、石破政権の方針に違和感を感ずる自民党の政治家達が、石破・森山に対してお行儀良く従って口をつむぐのではなく、「あくまでも自身の持論であるが、私はこう考える。私は自民党の中で徹底的にこうした主張を展開し、自民党の方向をこういう風に変えていきたいと思っている」と、主張し続けることが求められているわけです。
無論それは、党内の軋轢を生むリスクが拡大することになると思われますが、同じ志を持った議員達はおそらく、誰かが「声を上げる」ことを待っている節があります。例えば、現執行部や緊縮財政や対米外交、対中外交を批判する声は大きく有る筈です。
ついては選挙前であっても、例えば、次のように主張することは十分可能な筈である「党内には多様な声がある。党の制作をより高度化するためにも、私は積極財政が必要だということを、党内で訴えていきたいと考えている」と主張することは、決して不可能では無い筈だ。そうした声が党の中から出てくれば、それに賛同する者も増え、党内の雰囲気が変わることは今でも十分にあり得る筈です。
そして何よりも、そうした声が上がれば、多くの保守系の国民はその持論の主張者を強く支援することとなる筈です。そもそも党内の短期的な支持よりも国民支持の拡大の方が、政治的展開においては徹底的に重要であることは論を待ちません。
そうした世論の力を得るためにも、自民党には「多様性」が必要なのです。
そして最後の戦略3は、至って戦術的な内容ですが、極めて重要なポイントです。自民党内保守を支援したい人にとって、今の自民党はあくまでも「石破自民」である以上、筋から言って、軽々に支援することは不可能です。
しかし、自民党内保守の政治家を支持する気持ちがあるのなら、その個人を直接支持することは必要でしょう。
しがたって、そういう自民党内保守支持層は、参議院の全国比例で「党名」を記入するのではなく、「個人名」を記載することが最善の策となると考えられます。
そもそも参議院選挙とは、「全国比例」と「選挙区」の二つの投票行為とで構成されており、「選挙区」は通常の記名式ですが、「全国比例」の方は、政党名を記載しても、個人名を記載しても良い、ということになっています。
このことを余り知らない人は、「全国比例は政党名、選挙区は個人名」と考えているようですが、そういう人に対しても「双方に個人名を記載すること」が可能だということを周知していくことは重要です。
そして自民保守派の支持者にとって見れば、この全国比例において「自民党」と書けば石破・森山に塩を送ることになってしまい、それ以外の野党名を書けば、自民保守派の勢力を削ぐ事になってしまうわけですが、自らが支持する政治家の名称を記載すれば、石破に塩を送ること無く、自民保守派をサポートすることが可能となる…と言う次第です。
いずれにしても、当方は、特定政党や特定個人の支持者ではありません。
当方が支持するのはただ一つ「日本」です。
ただし、日本支持者の当方にしてみれば、石破や岸田は論外です。野田も前原も論外です。
おそらくそれは当方だけで無く、多くの国民が共有する感覚だと思います。
この難しい局面をどう乗り切るのかについて…「石破自民を支持しないが、特定の政治家を支持したい」という国民対しては、「全国比例において党名を記載することを避け、個人名を必ず記入することにする」ということが可能であることの徹底周知が必要だと考えます。
是非、以上の議論を、7月の選挙判断にご活用いただけると大変有り難く思います。
追伸:
ここがおかしい戦後80年!日本列島劣化の原因と将来を考える.
https://foomii.com/00178/20250518020655138504
石破茂は平和と幸福を愛するクリスチャンなのになぜ全うな政治ができないのか? ~政治における宗教の蒸発が,日本を滅ぼす~
https://foomii.com/00178/20250515162013138415
立民・維新の「食料品だけの消費減税」は,まったくもってダメダメ.それすらやらない石破自民は論外です.
https://foomii.com/00178/20250511170608138257
『なぜ,「核」がなければ,各国の安全が保証されないのか?』それを理解するための四つの議論
https://foomii.com/00178/20250507042732138081
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