【今週のNewsピックアップ】
4-6月期GDP 戦後最悪の落ち込みに
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12618390184.html
「消費税廃止」が最適解である「証拠」が出た、故に
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12618598797.html
現在の日本政府は、
EBPMを提唱しています。
EBPMとは、エビデンス・ベースト・
ポリシー・メイキングのことで、
日本語では「証拠に基づく政策立案」となります。
内閣府の説明によると、
「EBPMとは、政策の企画をその場限りの
エピソードに頼るのではなく、
政策目的を明確化したうえで
合理的根拠(エビデンス)に基づくものとすること」
と、なっています。
但し、実際にはEBPMは
「緊縮財政」のために用意された、
財務省のツールに過ぎません。
「骨太の方針」が、「PB黒字化目標」を
明記するためのツールであるのと同様に。
緊縮財政を推進する際には、
「EBPMによると~」
と、持ち出され、財政拡大が必要な際には
引っ込められ、無視されるのでございます
(骨太の方針も同じです)。
実は、この種の「ツール」が緊縮財政に
活用されるケースは少なくありません。
代表が、公共事業の際の
「B/C(費用便益分析)」になります。
B/Cは、国土交通省の官僚が
「国内の交通・防災インフラを整備する」という、
実に真っ当な目的に基づき、
「公共事業のプロジェクトを、
どの順番で事業化していくのか、
地元で説明しやすいように」
という、「優先順位」を明確化するために
整備されたツールになります。
ところが、これが財務省に奪われ、
「B(便益)を可能な限り少なくする」
という発想の下で、しかもB/Cが、
「公共事業をするのか、やめるのか?」
の判断に用いられるようになってしまったのです。
道路建設で言えば、Bは「渋滞解消」などに制限され、
災害時のバックアップルートとしての価値や、
道路のネットワーク効果、経済発展は含まれていません。
となると、地方の道路整備は
ほとんど不可能になってしまいます。
もちろん、国土交通省の官僚は
「国民のため」という善意から、B/Cを開発したのです。
それが、財務省により公共事業を
ほぼ不可能にする形で使われ、
緊縮財政が推進されてしまった。
20年4-6月期のGDPが発表になりました。
特に酷かったのが、消費です。
民間最終消費支出
(持家の帰属家賃を除く家計最終消費支出)の
対前年比が、何と▲13.7%!
我々家計は、一年前と比べて14%近くも
消費を実質で減らしてしまったのです。
消費拡大政策が必要です。
そして、最も効果がある消費拡大策は、
「消費に対する罰金を無くすこと」
すなわち、消費税廃止になります。
現在の日本経済には、
消費拡大策が必要であるという
「エビデンス(合理的根拠)」が出た。
EBPMなどと偉そうなことを言っている以上、
エビデンスに基づき、政策立案をしてもらいますかね、
安倍総理大臣。
それとも、やはりEBPMは
「緊縮のツール」に過ぎないのでしょうか?
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硬貨は「貨幣」なのか?
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誰の債務でもない「硬貨」が、
なぜ「通貨」として流通しているのか。
我々が日常的に使用している割に、
正体がよく分からない「硬貨」に
ついて徹底検証しました。
◆メディア出演
三橋TV、続々公開中です。
「日本政府は資産も大きい!」
式の財政破綻否定論にはご注意を [三橋TV第275回]
https://youtu.be/4H5e541AzeE
戦慄するほど根深い「貨幣のプール論」
所得再分配とは・・・ [三橋TV第276回]
https://youtu.be/9AuW275Gh-g
レバノン爆発事故から見えてくる国家の本質
「生産諸力」 [三橋TV第277回]
https://youtu.be/Eu006ARRJk0
チャンネル桜「RE:明るい経済教室 」
が配信されました。
【RE:明るい経済教室 #7】
銀行預金と現金紙幣~デフレ脱却のための基礎知識 [R2/8/18]
https://youtu.be/-CsAO33DJN0
◆三橋経済塾
8月15日(土)に開催された、
三橋経済塾第九期 第八回対面講義が配信になりました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1219
ゲスト講師は、作家・古代史研究家
長浜浩明先生でした。
インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。
9月19日(土)に開催予定の、
三橋経済塾第九期第九回対面講義の
申込受付を開始致しました。
会場は名古屋で、ゲスト講師は
河添恵子先生(ノンフィクション作家)です。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1236
第九回は地方講演になるため、
一般の方のお申込も可能です。(お申込は以下から)
https://ws.formzu.net/fgen/S78662785/
※ご入塾は以下から。
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◆チャンネルAJER
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【三橋貴明】緊縮のツールへの2件のコメント
2020年8月27日 4:14 PM
世の中は無駄に広いので、大抵の理屈なら正しい証拠ぐらい
幾らでも引っ張り出せる。
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2020年8月28日 3:39 AM
27日の報道ステーションで上久保靖彦 京都大学大学院教授や日本の免疫学のパイオニアであり権威である順天堂大学の奥村さんの名前こそでなかったものの、集団免疫の話が報じられていてちょっとびっくりしました。
今回のコロナ禍で、アメリカでは17万人、ブラジルでも10万人死亡者が出ている中で日本の1000人少々という数は文字通り桁が違うわけで、どうしてここまで死者数が少ないのかを検証することは世界のためにもなると思いますが、分科会はどのように考えているのでしょうか。
いま、医療や介護の現場では熱中症の被害が拡大しているそうで、政治家や専門家の皆さんに現場の声が届かないことを嘆く者も少なくないとか…
まあ、日本の国会議員は713人しか居ないのに、日本の労働者5660万人の声を一人一人聞いていけなどと言われても
政治家「無茶を言うな」
という話ですよね。半神的存在であるところの聖徳太子なら可能なのかもしれませんが、ただのモータルにすぎない現代の政治家には無理な話でしょう。
だから、農協や漁協といった組合をつくって、現場の声を組合でまとめて政治家に届けてきたわけですが、平成に流行った
「〇〇は既得権益」
といった組合叩きを経て、いまではすっかり現場の声は届かなくなってしまったわけですね。(非正規も続々と解禁されましたしね)
人が集まれば良くない部分もでてきますし、悪いことをやってしまう人も中にはいたのかもしれませんが、それを懲らしめるために組織をぶっ潰してしまうというのは雑過ぎたように思います。
話は全く変わって、ゴールド(きん)の話。
いま、ゴールドの値段があがっているそうです。
株とか金とか、お金持ちが買いあさっているのかもしれませんが、バブルの崩壊を引き起こしてみたり、リーマンショックを起こしてみたり、懲りないですね。
市場とやらに無駄にお金を持たせておくと、ろくなことをしないから高収入者には重税を課していたはずなのですが、度重なる構造改革の果てに、なぜか高収入者ほど税負担は軽く(法人税減税)低収入者ほど税負担が重く(消費税増税)なってしまったんですよね。
「インフレには良いインフレと悪いインフレがある」
悪いインフレというのは資産バブルのことですね。マルチには良いも悪いもありませんが、インフレには良いインフレと悪いインフレがあるということです。
法人税が高い状況(高度経済成長期の日本)であれば、利益への罰金である法人税を減らすために諸費用(人件費や設備投資)を増やして課税逃れをしていたが、そんなことをしなくても最初から法人税が低ければ諸費用など増やす必要はないわけですね。
だから、ひたすら実質賃金は下がるし、企業の設備投資も伸びないわけだ。
そうして、余ったお金は株主配当金として資本家の手に渡り、カネ余りの資本家が株やゴールドを買いあさって金融ショックを起こすわけですね。
ここらへんのカラクリは
日本をダメにした財務省と経団連の欺瞞 小学館
で解説されているので、興味のある方は一度読んでいただければと思います。
ステファニーケルトン教授が日本で講義した際に、取材に来る記者が示し合わせたわけでもないのに全員「インフレになっちゃったらどうするのか」と聞いてきて困ってしまったそうですが、このインフレ恐怖症はバブル崩壊の記憶をいまだに引きずっているというのもあるのかもしれないと、ふと思ったわけです。
資本主義は、電子データ(債務と債権の記録)でしかない形のない貨幣(銀行預金)を使って、現実世界に形のある物(道路や橋、工場)を作るのが肝なわけですが、形のない銀行預金で形のない株を買うということを繰り返していたら、いつまで経っても形のある物ができないじゃないですか…そりゃあ、不具合(金融ショック)も生じるでしょう。
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