政治

2020年8月23日

【三橋貴明】「包括的経済制度」を持つ国と、「収奪的経済制度」を持つ国

【近況】

ダロン・アセモグルと
ジェイムズ・A・ロビンソンの大著
「国家はなぜ衰退するのか 
 権力・繁栄・貧困の起源」
https://www.amazon.co.jp/dp/B00EJA1CJA/

では、国家を「包括的経済制度」を持つ国、
「収奪的経済制度」を持つ国の二つに分類し、
国家の繁栄や衰退の「理由」を解説しています。

包括的な経済制度とは、

「安全な私有財産、公平な法体系、
 公共サービスの提供」

により特徴づけられ、企業参入や
人々の自らのキャリア選択を可能とします。

結果、投資により生産性が高まり、
国家は繁栄する。

逆に、私有財産の否定、不公平な法体系
(いわゆる人治主義)、公共サービスの
貧弱に特徴づけられる「収奪的経済制度」の
国家は、投資が起きず、衰退する。

それはまあ、
「いつ、権力により、自らの財産や
 労働の成果を奪われるか分からない」
といった環境では、
投資や生産性向上は起きないでしょう。

無論、上記は「バランス」の話であり、
「究極の包括的国家」と「究極の収奪的国家」
との間には、無限のバリエーションがあります。

両者の間の「どこ」に
ポジショニングしており、
「どちらに向かっているのか?」
が問題なのでしょう。

我が国は、「国家はなぜ衰退するのか」に
おいては「包括的経済制度を持つ国家」に
分類されています。

もっとも、1997年のデフレ化以降の
緊縮財政、構造改革により、
「収奪的経済制度を持つ国」の方に
移動していっているように思えます。

「収奪的経済制度を持つ国」が
いかなる国なのか。

ご想像はつくと思いますが、
現在の「レバノン」です。

また、中華人民共和国は明らかに
「収奪的経済制度を持つ国」ではあるものの、
中国共産党の権力により、
経済大国に成長しました
(少なくともGDPの規模的には)、

「包括的経済制度を持つ国」とは、
要するに「真っ当な民主制の国民国家」なのですが、
民主制は「野党」「メディア」などの存在により、
国家権力の行使に制限がかかります。

この「欠点」は、
特に非常事態発生時に顕著になります。

日米英など、現在の「民主制の国民国家」は、
コロナ禍や第二次世界恐慌の中、

中国という「収奪的経済制度による経済大国」
の挑戦を受けています。

これはさすがに、「国家はなぜ衰退するのか
」の筆者たちも想定していなかった
「歴史的事態」だと思うのです。

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 第381回 苛烈!第二次世界恐慌
 
 なお、週刊実話の連載は、
 以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
 https://npn.co.jp/category/society

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 http://www.mag2.com/m/P0007991.html

 誰の債務でもない「硬貨」が、
 なぜ「通貨」として流通しているのか。

 我々が日常的に使用している割に、
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三橋TV、続々公開中です。

「日本政府は資産も大きい!」
式の財政破綻否定論にはご注意を [三橋TV第275回] https://youtu.be/4H5e541AzeE

戦慄するほど根深い「貨幣のプール論」 
所得再分配とは・・・ [三橋TV第276回] https://youtu.be/9AuW275Gh-g

レバノン爆発事故から見えてくる国家の本質
「生産諸力」 [三橋TV第277回] https://youtu.be/Eu006ARRJk0

チャンネル桜「RE:明るい経済教室 」
が配信されました。

【RE:明るい経済教室 #7】
銀行預金と現金紙幣~デフレ脱却のための基礎知識 [R2/8/18] https://youtu.be/-CsAO33DJN0

◆三橋経済塾

8月15日(土)に開催された、
三橋経済塾第九期 第八回対面講義が配信になりました。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1219

ゲスト講師は、作家・古代史研究家 
長浜浩明先生でした。

インターネット受講の皆様、
お待たせいたしました。

9月19日(土)に開催予定の、
三橋経済塾第九期第九回対面講義の
申込受付を開始致しました。

会場は名古屋で、ゲスト講師は
河添恵子先生(ノンフィクション作家)です。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=1236

第九回は地方講演になるため、
一般の方のお申込も可能です。(お申込は以下から)
https://ws.formzu.net/fgen/S78662785/

※ご入塾は以下から。
https://members9.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

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【三橋貴明】「包括的経済制度」を持つ国と、「収奪的経済制度」を持つ国への1件のコメント

  1. 大和魂 より

    これは何も中東だけとかに限った問題ではなく国際社会全てが一部の金融屋から受けている不可解で理不尽な実態ですね。また極東でも南北朝鮮やら中国などと意図的に国際社会を対立させて略奪している碌でなしの勢力が存在しているわけですし、その先頭で撹乱させるのが追放すべきメディアなのです。つまり国際社会の元凶はメディアだから追放するべきなのです。

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