日本経済

2018年8月16日

【三橋貴明】治水の後れは国家の怠慢

From 三橋貴明@ブログ

戦争、防災。

この二つに共通するのは
何でしょうか。

それは、手元に現金がなかったとして、
おカネを借り入れてでも
推進することが「善である」
という点になります。

戦争状態になり、

「ちょっと待って、
おカネが貯まるまで
軍隊動かせないんで、
攻めて来ないでちょうだい。悪いね」

なんてのは通りません。

同じように、明日でにでも
大災害が起きる可能性が
あるにも関わらず、

「堤防建設や防潮堤建設、
耐震化工事はおカネをためるから、
待っててね」

などとやり、防災インフラ建設前に
豪雨災害、大震災が起きる。

それで、構わないのでしょうか。

そんなわけがありません。

また、需要が十分に存在し、
生産すれば儲かる状況で、
生産力増強のための工場建設。

需要があるにも関わらず、
工場の建設ができない。

いわゆる、機会損失が発生します。

当然ながら、企業は
「内部留保を貯めるまで待つ」
などということはせずに、
銀行からおカネを借り入れてでも
設備投資を決断する必要があります。

子供のお小遣いならば、

「〇〇を買うために、貯める」

という発想はありえます。

ところが、我が国の場合は
「政府」までもがこの発想なのです。

普通に「狂っている」と表現できます。

『治水の後れは国家の怠慢だ
京大・藤井教授
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34138730U8A810C1000000/

西日本の広範囲に甚大な被害を
もたらした西日本豪雨から
1カ月がたった。

これまでの記録を塗り替える大雨で、
山や河川の治水能力を超えてしまう
事態に見舞われた。

毎年起こる豪雨被害に対し、
どう国土の整備を進めていけばいいのか。

国土強靱(きょうじん)化を推進する
内閣官房参与を務める
京都大学の藤井聡教授に聞いた。
(後略)』

藤井先生は後略部で
かなり重要な指摘をしています。

● 30年前と比べ、1時間あたり80ミリ以上の激しい豪雨の発生頻度が1.7倍になっている
● 豪雨のリスクが高まっているにも関わらず、治水の整備費用が1990年代に比べて半減以下の年間7千億円から8千億円規模となっている
● 日本は最も激しい災害が起きるとされる荒川流域で整備目標の達成が6割台、大阪平野の大和川流域で4割台と低すぎる水準。

つまりは、

「治水工事が全て目標をクリアしたので、
予算を削減した」

のではない、わけでございます。

簡単にいうと、政府の怠慢です。

後半、藤井先生が、

「政府が掲げる基礎的財政収支の
制約下に置かれていることが問題」

と、指摘しています。

つまりは、経常的支出と
「投資的支出」が同じ土俵で
PB黒字化目標の対象に
なってしまっているのです。

本ブログでも取り上げてきましたが、
投資系支出をPBに入れるなど、
まさしく「狂っている」以外に
表現のしようがありません。

本記事では、ラストに日経の記者が、

「インフラ整備、公共事業と
聞くととかく悪いイメージがつきまとう。

「コンクリートから人へ」
「脱ダム宣言」などのスローガンのもと、
21世紀に入って公共事業を
削減する動きが顕著になった。

そのせいもあって日本の
治山治水対策は大きく遅れている。

近年頻発する災害に対処する
インフラ整備のあり方を
もう一度議論すべきだろう。」

と、書いているのが、印象的でした。

いや、お前ら新聞が散々に
公共事業を叩き、
悪いイメージを植え付けたから
こんなことになったんだろう。

というのは正論ですが、
とにもかくにも日経に
これほどまともな記事が
掲載されたのは、
大きな進歩です。

もっとも、言論が進歩したところで、
予算がつかなければ
何の意味もありません。

政府は躊躇なく、治水をはじめとする
防災投資を増やさなければなりません。

国民のための政府であると
主張するならば。「治水の後れは国家の怠慢」
From 三橋貴明@ブログ

戦争、防災。

この二つに共通するのは
何でしょうか。

それは、手元に現金がなかったとして、
おカネを借り入れてでも
推進することが「善である」
という点になります。

戦争状態になり、

「ちょっと待って、
おカネが貯まるまで
軍隊動かせないんで、
攻めて来ないでちょうだい。悪いね」

なんてのは通りません。

同じように、明日でにでも
大災害が起きる可能性が
あるにも関わらず、

「堤防建設や防潮堤建設、
耐震化工事はおカネをためるから、
待っててね」

などとやり、防災インフラ建設前に
豪雨災害、大震災が起きる。

それで、構わないのでしょうか。

そんなわけがありません。

また、需要が十分に存在し、
生産すれば儲かる状況で、
生産力増強のための工場建設。

需要があるにも関わらず、
工場の建設ができない。

いわゆる、機会損失が発生します。

当然ながら、企業は
「内部留保を貯めるまで待つ」
などということはせずに、
銀行からおカネを借り入れてでも
設備投資を決断する必要があります。

子供のお小遣いならば、

「〇〇を買うために、貯める」

という発想はありえます。

ところが、我が国の場合は
「政府」までもがこの発想なのです。

普通に「狂っている」と表現できます。

『治水の後れは国家の怠慢だ
京大・藤井教授
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO34138730U8A810C1000000/

西日本の広範囲に甚大な被害を
もたらした西日本豪雨から
1カ月がたった。

これまでの記録を塗り替える大雨で、
山や河川の治水能力を超えてしまう
事態に見舞われた。

毎年起こる豪雨被害に対し、
どう国土の整備を進めていけばいいのか。

国土強靱(きょうじん)化を推進する
内閣官房参与を務める
京都大学の藤井聡教授に聞いた。
(後略)』

藤井先生は後略部で
かなり重要な指摘をしています。

● 30年前と比べ、1時間あたり80ミリ以上の激しい豪雨の発生頻度が1.7倍になっている
● 豪雨のリスクが高まっているにも関わらず、治水の整備費用が1990年代に比べて半減以下の年間7千億円から8千億円規模となっている
● 日本は最も激しい災害が起きるとされる荒川流域で整備目標の達成が6割台、大阪平野の大和川流域で4割台と低すぎる水準。

つまりは、

「治水工事が全て目標をクリアしたので、
予算を削減した」

のではない、わけでございます。

簡単にいうと、政府の怠慢です。

後半、藤井先生が、

「政府が掲げる基礎的財政収支の
制約下に置かれていることが問題」

と、指摘しています。

つまりは、経常的支出と
「投資的支出」が同じ土俵で
PB黒字化目標の対象に
なってしまっているのです。

本ブログでも取り上げてきましたが、
投資系支出をPBに入れるなど、
まさしく「狂っている」以外に
表現のしようがありません。

本記事では、ラストに日経の記者が、

「インフラ整備、公共事業と
聞くととかく悪いイメージがつきまとう。

「コンクリートから人へ」
「脱ダム宣言」などのスローガンのもと、
21世紀に入って公共事業を
削減する動きが顕著になった。

そのせいもあって日本の
治山治水対策は大きく遅れている。

近年頻発する災害に対処する
インフラ整備のあり方を
もう一度議論すべきだろう。」

と、書いているのが、印象的でした。

いや、お前ら新聞が散々に
公共事業を叩き、
悪いイメージを植え付けたから
こんなことになったんだろう。

というのは正論ですが、
とにもかくにも日経に
これほどまともな記事が
掲載されたのは、
大きな進歩です。

もっとも、言論が進歩したところで、
予算がつかなければ
何の意味もありません。

政府は躊躇なく、治水をはじめとする
防災投資を増やさなければなりません。

国民のための政府であると
主張するならば。

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【三橋貴明】治水の後れは国家の怠慢への2件のコメント

  1. たかゆき より

    ままごと財政

    ウチにはお金がないでチュウ

    雨が降ったら 死んでくだちゃいね。。。

    まさに稚戯

    おままごと財政やら 草政治で 殺されつつある 今日この頃

    お金なら こども銀行に 腐るほどありま チュウ ♪

    返信

    コメントに返信する

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  2. 鶴田 忠則 より

    豪雨災害の防止は治水だけではありません。
    一番大きな事は、日本の国土の7割を占める山林にあります。
    この山林を戦後以降70年以上も放置した国の政策の誤りで
    この事は災害をはじめ経済面でも大きな損失をしていると考
    えています。
    工業生産と輸出に偏り林業も農業も駄目にしてきた自民党政
    策に問題があるのではないかと思います。
    豪雨災害は山林に人を入れ、蘇らせれば少なくとも災害は減
    り、里まで下りてくる猪をはじめ熊、鹿等の被害も防止でき
    ます。
    山林を放置する事は国土の破壊そのものです。

    ユートピア環境・企画研究所
          鶴 田 忠 則

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