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2014年2月17日

【三橋貴明】世界を支配するもの

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
●人手不足の解消方法 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11771174577.html

●人手不足の解消方法 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11771650469.html

三橋は相変わらず全国を講演で飛び回っているわけですが、土木、建設、電気工事、内装工事、IT開発、運送等の人手不足が日に日に深刻化していっているのを感じます。

これらの業界の人件費は急騰しています。東京の電気工の募集金額は、実に日給3万5千円。それでも「人が来ない」というのが現実なのです。

上記の業界で人手不足、人件費急騰が始まっているにも関わらず、全体的な実質賃金はマイナス。現在の日本は、デフレからインフレへと経済のフェーズが変わる過渡期にあるのでしょう。

人手不足は、まずは東北で始まりました。東北の人件費急騰を受け、東京都内の業者さんが続々と北を目指し、結果的に東京が人手不足になりました。東日本大震災発生から半年が経過した時点で、都内では内装工事の職人さんが不足し、さらにはクレーンの運転手さんまで足りなくなるという状況になったわけです。

東京の人手不足を受け、今度は西日本から業者さんが東に移動を始め、地方に人手不足が拡散していきました。三橋が覚えているだけで、熊本、広島、山口、香川、佐賀、長野、茨城、北海道(網走地区)、富山、石川、三重、大阪、静岡、新潟等の地域で、経営者が「人手がいない!」と悲鳴を上げています。当然、これ以外の都道府県においても、人手不足は顕著になっているでしょう。

人手不足とは、経営者にとっては苦難ですが、働き手にとっては「良い時代」と言えないこともありません。何しろ、同じ労働を提供するだけで、以前よりも給料が上がるのです。

ところが、現状は企業の人件費が急騰する反対側で、「販売価格」の方が上がっていないため、仕事が増えた業界であっても「増収減益」の状態が続いています。デフレ脱却とは、最終的には販売価格も上がるという話ですので、いずれは「増収減益」状態は解消されるのでしょうが、今は「キツイ・・・」というのが現実です。

とはいえ、現在の日本はある意味で「チャンス」でもあるわけです。何のチャンスかと言えば、
「日本国の需要を、日本国民の供給能力により満たす」

当たり前の(とはいえ、ほとんどの国が実現できていない)経済を取り戻すチャンスです。全ての土建業の経営者の皆さんが同意するでしょうが、現在の我が国は「土建大国」でも何でもありません。

逆に言えば、土建大国と呼ばれていた時期の日本は、「自らの土建需要を自ら満たす」ことが可能な強靭な経済を保有していたのです。(残念ながら、「防衛」という需要については、アメリカに依存する部分が多い脆弱な状態が続いていましたが)

不思議なのですが、日本国民は「技術大国日本」という言葉を誇らしく感じます。とはいえ、現在の土木産業、建設産業も「技術屋」の世界なのです。地質学、材料強度学など、様々な「科学」を結集しなければ、国民が安全に暮らし、利用することが可能な建造物は作れません。

「土建大国」とは、土木、建設の分野で「技術大国」であったという話なのです。ところが、最近の日本国民の多くは「土建大国」という言葉に、ネガティブな印象を覚えると思います。

まずは、ここから修正しなければ、日本が「自国の土建需要を、自国企業で満たす」経済を取り戻すことはできないでしょう。我が国が土建大国から土建小国へと転落してしまったのも、結局は「考え方」の争いに敗北したという話です。

ジョン・メイナード・ケインズは、

「経済学者や政治哲学者たちの発想というのは、それが正しい場合にもまちがっている場合にも、一般に思われるよりずっと強力なものです。というか、それ以外に世界を支配するものはほとんどありません。」

という言葉を残していますが、世界とは「発想」「考え方」に支配される部分が多いと、つくづく思うわけです。

PS
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【三橋貴明】世界を支配するものへの5件のコメント

  1. 名無しの権兵衛 より

    「世界を支配するもの」の代表はウォール街にいる強欲な資本家達ではないでしょうか?ところで最近こんなニュースを見ました。【安部首相は韓国経済を見習え】『米紙ウォールストリートジャーナルは14日、安部晋三首相が進める「アベノミクス」を「自由化というより円安(誘導)や時代遅れの財政刺激策で構成されている」と批判的に論評し、構造改革を進める韓国経済に首相は見習うべきだとする社説を掲載した』[時事通信]韓国に投資しているウォール街の投資家達は円安ウォン高がよほど気に入らないみたいですね。まあそんな奴らに敢えて助言するなら、「自己責任」という言葉を捧げますね。

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  2. はいらんだー より

    必要を残して無駄をなくせという意見に賛成です。賛成ですが、もし公共事業の分野で必要と無駄の明確な線引きを多数の支持のもと果たせたなら、おそらく国は、国内を居住可能地域と尖閣のような非居住地域とに分別する作業に、非常なる情熱をもって取りかかる気がします。居住の制限だけならまだしも、過疎地の人が都市へ強制移住させられることはないだろうか。ふるさとから離れることを拒むと税金泥棒扱いされるような事態はおこらないだろうか。そのとき無駄を許さないという正義で以て自分も石持つ大勢に並ぶのではないかと心配です。必要と無駄の議論を目にするたびに、毒麦だけを摘もうとすると必ず良い麦も摘み取ってしまうという新約聖書の有名な毒麦のたとえを思い出します。無駄や利権の温床にしないよう目を光らせることが大事で、そのためにはたぶん人の動きも図面もよく読めなければならない。特定の官や民が血税にたかっていると言い切ってしまう感覚は、あそこの畑には毒麦が生えているから肥料などやらない方がいいというのと同じで、結局そこに生えている良い麦すら育てられないように感じます。

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  3. ofu より

     あれやこれや屁理屈をつけて一人一票の平等を妨げている制度と思想の削除。 有権者の投票率30%以下など不良な選挙制度の削除。投票すれば弁当、交通費として1000円を投票手当として支給する。 農家に休耕地手当、休業中の教師に残業手当などなど。 投票手当は当たり前。 期間の限られた需要(東北のインフラ整備、オリンピック関連)の為の設備投資は最小限。 借金の保証人になる人はお人好し。 お国が少しもよくならなかった、1000兆円の乱費をした同じ顔ぶれでワイワイガヤガヤ。 乱費のたびに政治業務者や行政業務者への不信が増加しているのが判らないようだ。 顔ぶれを替えたらもっと酷かった現実があるので醜い業務者の削除がすすむのをじっとまつのが国民の仕事。 自分の首を切り落とすことになる一人一票の選挙制度など政治業務者にできる訳はありませんが、実施できればお国の立法に大変化があるかも。 50年前、衣料、家電、自動車、一戸建て、公共インフラなどの需要が大増加中でした。東北やオリンピックの需要どころではありません。 統治政策は損益計算書を無視した資産の食いつぶしの限界までが行くようです。

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  4. ヌコ より

    誰が公共投資悪玉論を主導してきたのでせうか?冷戦終了後に日本経済を次の戦争ターゲットと捉えた、某、軍産政金油一体立国(大量破壊兵器創作国さま)なのでしゃうか???91年ソ連(偽ユダ国家)崩壊 ⇒CI○、日本経済ターゲットに⇒土地総量規制&BIS規制&時価会計爆弾⇒日本バブル崩壊急加速⇒デフレ突入⇒公共投資悪玉論⇒民需&公需絶望的⇒失われた20年なのでせうか?さ言えば、株安日本において、時価総額(株高経営)や三角合併などと言う言葉が流行り、リーマンエモン氏などが跳梁跋扈しておった気がします。その時、小生、小前氏やリーマンエモン氏の書籍を読み漁る新自由主義かぶれでしたので、ようけ覚えておりまんのん。日本の大企業や金融機関(ついでに日銀や郵貯も)のオーナーって誰どすのん?事実も小説も奇を通り越してケイオスなのん?

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  5. poti より

    というかですね。今現在の日本人の人口急減の傾向や、世界的な食糧・エネルギーリスクを予期するのであればどう考えてもどう考えても現在の新自由主義的方法論は不合理極まりない現状ママで、将来の震災や経済的破局等のイベントを想定しない場合ですら今現在は非常時と言っていいのではないかと思うのです単に軍隊や兵器を用いていないだけです問題は誰もそれを口にせず、利己的な現実に閉じこもっている点なんでしょうが、率直に言えば、どう見ても亡国の兆しにしか……

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