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2013年12月23日

【三橋貴明】国土強靭化への道

From 三橋貴明

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【今週のNewsピックアップ】
国土強靱化推進本部発足
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11730829560.html

「国土強靭化政策大綱」決定
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11731445279.html

どうなることかと、ドキドキしながら見ていたわけですが、12月18日に無事に安倍晋三内閣総理大臣を本部長とする国土強靭化推進本部が発足し、国土強靭化政策大綱が決定されました。これにより、国土強靭化が正式に「政府の方針」となったことになります。
本当に良かったです。藤井聡先生をはじめ、国土強靭化基本法及び国土強靭化政策大綱策定に関わられた皆様に、一日本国民として感謝の意を捧げます。

さて、すでにしてマスコミの「反・国土強靭化キャンペーン」が始まっているわけですが、彼らの努力に水をぶっかけるニュースが12月19日に報じられました。

【首都直下地震 死者2万人超も】
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20131219/k10013967481000.html

首都都心の直下で、M7クラスの地震が発生した場合、死者は最悪2万3千人、被害額は95兆円に達すると、政府の検討会が公表したのです。
重要なポイントは、検討会が、
「建物を耐震化して火災対策を徹底すれば、死者の数は10分の1の2300人に減らせる」
と、対策の効果を明記していることになります。

事前に必要な対策を講じておけば、人命はもちろんのこと、被害総額も相当程度に減らすことができる。「事前防災投資」こそが、現在の日本政府に求められています。

さらに、首都直下型地震や南海トラフ巨大地震が発生し、ある程度の被害が生じるのは、これはもう避けがたい話です。とはいえ、被害発生「後」の復旧の時間は、事前の対策により短縮化することができます。事前に可能な限り、被害最小化の努力をし、さらに被害発生後に速やかに復旧させる。これこそが、まさに「国土強靭化」の根本的な思想なのだと思います。

ところで、いわゆる新古典派経済学というか、「経済学」には、安全保障の強化や国土強靭化など、非常事態への備えが含まれていないように見えます。これはある意味当然で、経済学とは経済合理性のみを追求し、かつ情報が均等な「経済人」を設定し、彼、彼女らが「自由な市場」で経済的活動を行うことで、市場参加者の効用を最大化するという「考え方」が基本にあるわけです。

非常事態への備えとは、非常事態が発生しない限り「無駄」という話になります。海岸に大堤防を造ったとして、人類滅亡の日まで大津波が押し寄せないとなると、これは「無駄」以外の何物でもありません。とはいえ、現実に非常事態は「発生する可能性」はあります。

あるいは、警察官や刑務所の刑務官で考えてみましょう。日本国は幸いなことに、犯罪認知件数が04年以降、着実に減少していっています(少なくとも、12年までは)。犯罪者が減ると、警察官や刑務官は暇を持て余すことになりますが、
「ならば、警察官や刑務官を減らせ!」
という発想は正しいでしょうか。無論、国民経済がインフレに悩んでおり、政府が需要縮小策を講じなければならず、かつ「犯罪者が減っている」状況であれば、警察官や刑務官といった公務員を減らすことは「ある程度」正当化されるかも知れません。それにしても、警察官を減らしたため「犯罪が増えた」となってしまうと、まさに本末転倒ですし、さらに現在の日本の政府はむしろ政府の消費需要を増やすべき時期です。(公務員給与の支払いは、政府最終消費支出というGDPの需要項目になります)

要するに、治安維持にせよ、自然災害対策にせよ、あるいは安全保障強化にせよ、政府は「一つの考え方」で突き進むべきではないという話です。安全保障強化に際しては、
「市場原理に全てを委ねよう」
も、
「安全保障が強化できれば、カネはいくら使っても構わない」
も、共に間違いで、その時点の「環境」に応じ、複数の考え方に基づき、適切な水準を模索しなければならないわけでございます。

この手の「模索」が面倒くさい人が、「経済学によれば、市場原理は常に正しい」という「考え方」に転んでしまうように思えます。とはいえ、現実に「非常事態」は起きるわけで、この種の「異なる考え方」のぶつかり合いが、2014年以降はさらに激しくなっていくと予想しているわけです

PS
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【三橋貴明】国土強靭化への道への2件のコメント

  1. 古事記 より

    近視眼的な損得が新古典派の経済学で経済学が何の為に有るのかが解ってい無い!人より金、根本目的より手段を優先し国より地域、地域より個人、遠くは見ず目の前を見ることが愚衆の政策だとは気が付いているのか、いないのか。世の為の民の為より規律や損得が新古典派の哲学。安全安心な国に必要な国防、防災さえも金銭の損得や個人利益を優先し主張する、余りにも近視眼的な国家戦略が敗北し正しい政策が一つでも多く実現することが今まさに必要です。

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