日本経済

2018年9月2日

【三橋貴明】世界を変える国際リニアコライダー

From 三橋貴明

【近況】

国際リニアコライダー
(以下、ILC)
の誘致決断の締め切りが
迫ってきました。

欧州物理学会は、
19年以降の五年間における
活動計画を更新しようとしています。

そこにILCが入らないと、
欧州物理学者たちは
「別のプロジェクト」
に向かうことになります。

つまりは、今年末がデッドラインです。

ILCは、日本の北上山地に
長さ20kmの
直線型超電導加速器を建設し、
ビッグバンの再現や
ヒッグス粒子の謎を探る
というプロジェクトです。

直線型加速器の技術は、
現在は日本が世界ナンバーワンです。

しかも、
加速器関連の製造業が存続しており、
さらに裾野が広い
(数多くの中小企業が担い手になっている)。

誘致予定地である北上山地は
「山地」と名がついていますが、
実際には「丘陵」という感じで、
別に峻嶮ではなく、候補地も
普通の中山間地域。

川が流れ、水田が広がる
「里山」になります。

あの美しい日本の里山に、
世界最先端の加速器を建設し
(実際のトンネルは地下ですが)、
世界中から数千人の物理学者が集まり、
街が作られ、人々が交流し、
岩手や東北はもちろん、
日本中から大企業、中小企業が結集し、
「世界最大の精密機器」たる
超電導加速器を建設し、運用する。

東北の北上が、
世界の知識、知能、知恵の中心になる。

ちなみに、
欧州原子核研究機構(CERN)の
LHC(ラージハドロンコライダー)
の経済効果は、投入した資金の
3倍といわれ、ILCでも
同程度の試算が出ています。

さらに、ILC建設という需要を目指し、
様々な技術が開発され、
社会に普及していきます。

毎度毎度繰り返していますが、
CERNのLEP
(Large Electron-Positron Collider)
建設時に誕生したのが「WEB」、
LHC建設時に誕生したのが
「グリッド」です。

CERNがLEPやLHCを
建設しなかった場合、
WEB(HTML)や
グリッドが生まれたか・・・・。

分かりません。

インターネットは存在したでしょうが、
未だにメールのやり取り程度しか
行われていなかったかも知れないのです。

それを言えば、
そもそもインターネット自体が、
アメリカ国防総省の
高等研究計画局が資金を
投じたARPANETが発祥です。

インターネット、WEB、グリッド。

世界を変えた技術の数々は、
政府系機関(米国防総省やCERN)が
「支出=需要」を
決断したからこそ誕生しました。

日本がILC建設を決断し、
実際にプロジェクトが進んでいくと、
文字通り「世界を変える」技術が
次々に生まれていくことになります。

ILCは単なる公共事業ではなく、
「世界を変えるプロジェクト」なのです。

◆週刊エコノミスト 8月28日号 「唐突な外国人労働者受け入れ拡大 賃金引上げ目標に矛盾も」に登場しております。
https://amzn.to/2PW8DL0

◆週刊実話 連載「三橋貴明の『マスコミに騙されるな!』」 第285回 公共サービスの撤退は許されない
なお、週刊実話の連載は、以下で(二週遅れで)お読み頂くことが可能です。
http://wjn.jp/article/category/4/

◆メルマガ 週刊三橋貴明 Vol484 アンフェアなグローバリズム
http://www.mag2.com/m/P0007991.html
米中貿易戦争はなぜ始まったのか。中国製造2025や一帯一路の「本質」は何なのか。今、全ての日本人が知らなければならない「真相」を書きました。
グローバリズムは「アンフェア」なプレーヤーが出現すると、否応なしに終焉を迎えることになるのです。

◆メディア出演

9月7日(金) チャンネル桜「Front Japan 桜」に出演します。
http://www.ch-sakura.jp/programs/program-info.html?id=1651

◆三橋経済塾

平成30年9月15日(土)三橋経済塾第七期、第九回対面講義申込開始致しました。
http://members7.mitsuhashi-keizaijuku.jp/?p=2604
ゲスト講師は本塾初登場、高清水有子先生(皇室評論家・キャスター)

◆チャンネルAJER 今週の更新はありません

関連記事

日本経済

【三橋貴明】R・K・A

日本経済

【三橋貴明】日本の科学技術に関する残酷な現実

日本経済

【saya】70年ぶり漁業法の抜本改正 理由は“あー、まあ、みや、わか、、”

日本経済

【三橋貴明】凋落する科学技術力を食い止める

日本経済

【三橋貴明】ILCの経済効果と「未来への効果」

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【三橋貴明】財務省にとっての痛恨の一撃

  2. 2

    2

    【藤井聡】「令和ピボットニュース」にご登録ください!

  3. 3

    3

    【室伏謙一】政策評価は緊縮財政推進ためのものか?

  4. 4

    4

    【小浜逸郎】なぜ経済問題は敬遠されるのか

  5. 5

    5

    【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」を開催...

  6. 6

    6

    【藤井聡】財務省が紹介した「有識者のMMT批判」の「間違い」...

  7. 7

    7

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  8. 8

    8

    【三橋貴明】「MMTポリティクス」

  9. 9

    9

    【三橋貴明】アメリカ版「国の借金時計」があった!

  10. 10

    10

    【竹村公太郎】不思議な日本共同体(その1)江戸の強固な流域封...

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  2. 2

    2

    【藤井聡】財務省が紹介した「有識者のMMT批判」の「間違い」...

  3. 3

    3

    【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」を開催...

  4. 4

    4

    【藤井聡】政府の支出拡大が財政を健全化することを「数学的に証...

  5. 5

    5

    【三橋貴明】ネーデルラント連邦共和国の勝利

MORE

最新記事

  1. 日本経済

    【三橋貴明】「MMTポリティクス」

  2. 日本経済

    【藤井聡】「令和ピボットニュース」にご登録ください!

  3. 日本経済

    【小浜逸郎】なぜ経済問題は敬遠されるのか

  4. 政治

    日本経済

    【室伏謙一】政策評価は緊縮財政推進ためのものか?

  5. 日本経済

    【三橋貴明】財務省にとっての痛恨の一撃

  6. 日本経済

    【三橋貴明】アメリカ版「国の借金時計」があった!

  7. 未分類

    【竹村公太郎】不思議な日本共同体(その1)江戸の強固な...

  8. 日本経済

    【施 光恒】令和と「日本語のこころ」

  9. 日本経済

    【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」...

  10. アメリカ

    日本経済

    欧州

    【三橋貴明】ネーデルラント連邦共和国の勝利

MORE

タグクラウド