FROM 渡邉哲也
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こんにちは、渡邉哲也です。
さて、今回は前回の続きで、インフラの国際標準作りの話を致します。
国際社会と戦う上で、ルールは大切です。日本がルール作りに成功すれば世界を取ることが出来ます。残念ながら、日本はこの部分が下手で、これまで欧米などに好きなようにされてきた歴史もあります。
身近なところではオリンピックやスポーツのルール、大きなものではBIS規制(銀行の自己資本比率規制)などがありますね。BISによる締め付けにより、日本のバブル崩壊は悲惨なものとなり、バランスシート不況は失われた20年を生んでしまった。
また、米国型の時価評価なども同様で、2008年 欧米は国際会計基準を変更し、時価評価を捨ててしまった。これは厳格な時価評価をした場合、欧米の銀行が倒産の危機に直面するからでもあります。それに対して、日本はこれを守り続けている。欧米は、新たな自己資本基準(BISIII)も先延ばしし続けています。
本来は、メディアがこれをきちんと論じるべきでありますが、殆どの日本人はこれを知らないでしょう。
さて、本題です。
メディアではほとんど取り上げられませんでしたが、先日、日本政府は 第88回世銀・IMF合同開発委員会 日本国ステートメント というのを発表しました。
http://www.mof.go.jp/international_policy/imf/dc/20131012st.htm
2) インフラ需要に対応する新しい仕組みの構想について
現在、世銀グループをはじめ、各開発金融機関において、グローバルに増大するインフラ需要に対応する新しい仕組みが検討されています。日本は、政策金融機関である国際協力銀行(JBIC)の融資や出資を活用することで、アジア等におけるインフラ事業に民間資金の動員を図っており、世銀に対しては、これまで開発分野で培った知見等を生かした投資環境整備面での貢献を主として期待します。
また、こうした仕組みは、開発課題の解決に資する効率的なものでなければなりません。世銀グループにおいて、インフラ分野における支援は従来からIDAや国際復興開発銀行(IBRD)を通じて実施されていますが、新しい仕組みのため限られた人的資源を投入することにならないか、或いは、各開発金融機関との役割分担を重複なく整理できるのか等、十分な検討が必要と考えており、日本としては、こうした観点から引き続き議論を注視してまいる所存です。
世界には様々な基準がありますが、国際基準として 国際標準化機構が定めたISOというものがあります。身近なものではネジ一本から、企業の社会的責任まで、色々なルールを統一し、国際障壁を解消しようというものです。
まぁ、このようなグローバリスムの是非は別にして、実際にそこに存在するわけですから、それと戦い利用していかなくてはいけないわけです。
この中で、現在、スマートシティに関する国際標準作りが進んでいます。ISO/TC 268/SC1 と呼ばれるものですが、詳細にご興味のある方は「ISO/TC 268/SC1」で検索ください。
簡単にいえば、インフラ輸出に関して、この基準をどのように作ることが国益にプラスとなるかと言う話ですね。そして、この主導権争いを 日本 フランス 世界銀行 で行っているわけです。
例えば水道 日本の基準では水道の蛇口から出た水道水が飲用できるレベル、フランスでは生活用水として利用できる(飲用できない)となるわけです。ここで日本基準を世界標準にすれば、高度な技術をもつ日本のメーカーに有利となるという仕組みです。
このような国際標準作りは価値観外交の裏側ともいえるものとなります。是非、多くの国民に知っていただき、それを支えてもらいたいものです。
それではまた次回
渡邉哲也
PS
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【渡邉哲也】マスコミが報じない水面下の戦いへの11件のコメント
2013年11月7日 5:33 PM
まとめて返信。> これは偏見でしょう。禅問答になってしまうので簡単に答えますね。思想宗教という言葉を、あなたが偏見と受け取られるならば、あなたの中ではそれが真実なのでしょう(それは否定しません)。ちなみに、私の表現は事実無根ではありません。その事実の評価があなたと異なっているということだと思います。> グローバル化には2つあります。なるほど。卵と鶏のような関係ですね。勉強になりました。> レッテルを貼ることになります。自然言語の言葉というものは概念を抽象化した(名札を付ける)ものですから、大なり小なりレッテルをはるものですし、受け手によってその強度も変わるのでしょうね。ちなみに、「偏見」「レッテル」と断定的に評価することも、受け手からすると、それこそ偏見でありレッテルである、という説明も可能ですね(そんなことを主張するほど愚かではありませんが)。> 味方に不要なレッテルを貼るスミマセン、味方というのがよくわかりませんでした。> この辺は気をつけなければいけませんね。これは仰るとおりですね。
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2013年11月9日 2:39 PM
追加でスイマセン。グローバル化には2つあります。グローバリズムは思想クローバライゼーションは現象前者を利用して暴利を貪ろうとしているグローバル企業などに向けられているのが、いわゆる反グローバルというやつだと思います。この辺を整理して考えないと、味方に不要なレッテルを貼ることになります。この辺は気をつけなければいけませんね。
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2013年11月11日 1:00 PM
確かにルール作りで日本は負けることが多いですね、目立つだけで常に負けているわけではないと思いますが。。。渡邉さんの基本姿勢は賛成で理解できるのですが、現実にTPPの事前協議などで妥協しまくっているところを見ると、楽観視出来ない現実があります。そのような状況になっている原因と対策を具体的に分析・検討した上で戦略を立てるなら大賛成です。今は逆に空元気で突っ込んでいくと痛い目にあう状況だと思います。渡邉さんくらいの人が責任者になって、官僚、交渉する人を統率してくれるなら良いのですが。。。
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2013年11月11日 4:46 PM
>東田さんのような思想宗教これは偏見でしょう。バランスが取れているように見えて、実はそれが一番現代思想に染まっている場合もあるんですよ。普通はそれに気が付かないだけです。
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2013年11月11日 11:41 PM
私も渡邊さんの視点ってとても大切だと思います。同様に他の方たちの視点もとても大切に思っています。ただ、新自由主義的発想に凝り固まっている人の意見は今の日本にはあまり重要ではないと思っています。極端な資本主義を求めるのではなく、日本が大きく成長した頃の国民全体が豊かになるための経済政策に期待しています。
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2013年11月13日 5:52 PM
中庸ということが重要ですね。保守の在り方としても、渡邊さんはとても安心出来る存在です。
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2013年11月14日 11:30 AM
江戸時代は鎖国をしてたと言いますが、あれは良い物は取り入れて、害があるものは入れないという政策で、別に反国際的な政策ではないですよね。そのように良いところ取りが上手く出来たから日本独自の文化が発展したんだと思います。
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2013年11月15日 2:30 PM
グローバリズムに関して一言反グローバリズム主義に固まるならば、ネット(もともとアメリカ製)やテクノロジー(多くはアメリカ製)、Amazon、Google、SNS・・その他諸々も排除ってことになるけど、そんな極端な人はあまりいませんよね(もちろん居てもいいけど)。利用するところは利用する、のスタンス。実際、三橋貴明の「新」日本経済新聞の紙面でもPR(宣伝)はAmazonやYouTubeなどの外資企業サイトへのリンクですし。程度の問題。やんわりと反グローバリズム、もしくは、日本(または自分)が損するなら反グローバリズム、というのが実情かつ現実的な見方かな。要するに白黒ではなくて自己都合による中間の選択。なんて思いました。渡邉さんのいいところは、東田さんのような思想宗教やチャンネル桜のような日本文化美徳万歳や三橋さんのような三橋主義によるデータ重視とは一歩距離を置いて別の現実をしっかり見ているところ。もちろん三橋さんや東田さん、桜のような観点があってもいい。それはそれで価値があるから。
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2013年11月17日 12:28 PM
> グローバリズムの是非は別にして現実はもう何十年も前からグローバリズムまっしぐらですしね(萌芽は中曽根政権あたりから)。いまに始まった話でもない。アベノミクスの成長戦略でさらに推進される。アベノミクスは「グローバリズムで瑞穂も儲けよう」がメインテーマですし。これの是非を問い直すということは、現実を変えるか、現実から置いていかれるか、のどちらか。二つ(または中間)のシナリオでの評論・分析は当然あっていい。三橋貴明の「新」日本経済新聞は、どちらかというと(読者も含めて)極に寄りすぎなので、渡邉さんの観点は紙面のバランスという意味でも、個人的な興味という意味でも、大変勉強になる。
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2013年11月17日 6:38 PM
国際標準・・グローバルスタンダード、ですか・・。 「グローバリズムの是非は別にして」→うーん・・。これは大切なテーマだと思うのですけれど・・。
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2013年11月18日 6:08 PM
>2008年 欧米は国際会計基準を変更し、時価評価を捨ててしまった。欧米さま(特にサクソンさまとユさま)は、一体、何枚の舌がおありなのでしゃうか??バブル崩壊後の日本に減損会計を押し付けてきた欧米様の所業とは思えませんわよ。変わり身早きサクソンさま(いい加減)に対して、嫌味の一つ位言える圧力団体の醸成も、日本側に待たれるのでせうか?
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