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2013年9月9日

【三橋貴明】国土強靭化のボトルネック

FROM 三橋貴明

【今週のNewsピックアップ】
●国土強靭化のボトルネック 前編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11607138503.html

●国土強靭化のボトルネック 後編
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11608490961.html

国土強靭化あるいは安全保障強化と「予算」「供給能力」の関係を見ると、政治、そして経済が本当に難しいことが分かります。

日本国民の安全と生命を守るために、国土を強靭化する。この考え方に、真っ向から反対する「日本国民」は少ないでしょう(どこぞの築地に本社を置く新聞社は除く)。

国土を強靭化するためには、予算をつけて公共投資を拡大しなければなりません。日本の場合、何しろデフレで長期金利が世界最低なわけで、予算確保に際した「物理的」なボトルネック(制約条件)はありません。普通に政府が建設国債を発行し、日銀が国債を買い取ってしまえば、政府は「実質的な負債」を増やすことなく、予算を確保できます。が、実際に予算を確保しようとすると、「財務省」という巨大な壁が立ちふさがり、妨害をしてきます。

政治家が根性を発揮し、何とか国土強靭化のための予算を確保したとしても、今度は「土建企業の供給能力」がボトルネックになります(なっています)。これが1999年時点であれば、何しろ我が国の建設企業の数が現在よりも10万社も多かったわけです。土建企業の供給能力はボトルネックになり得なかったでしょう。

とはいえ、現実には98年以降のデフレ深刻化で、我が国の建設企業は10万社も姿を消し、企業や人材に蓄積されていた供給能力も消滅してしまっております。最終的には、土建企業の供給能力不足がボトルネックになり、財務省を説き伏せたとしても、国土強靭化が実現できないという可能性は残ってしまうのです。

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ボロボロに搾取されるアメリカ国民たちの哀れで悲しい現実。
日本人が今、やるべきこととは・・・・

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安全保障(国防に限定します)の強化も同じです。

東シナ海の向こう側に「仮想敵国」が存在する現在、日本の国防力を強化することに反対する人は少数派でしょう(国土強靭化反対論者よりは多いでしょうが)。彼らの妨害をはねのけ、財務省という壁を突破し、十分な予算をつけたとしても、我が国の企業に「装備品(注:兵器)の生産能力」がなければ、人員面はともかく、装備面で安全保障を強化することは困難になります。

幸いなことに、現在の我が国の防衛産業は「まだ」自国の安全保障強化のための装備を生産する能力がギリギリ維持されています(造船を中心に、相当数の防衛関連企業が廃業、倒産してしまいましたが)。陸自で言えば「10式戦車」、海自で言えば「いずも」、空自で言えば「心神(先進技術実証機)」など、現在の日本の防衛産業は最先端の兵器を開発、製造する能力を保有しています(「心神」はステルス実験機で、実戦に投入できるステルス戦闘機というわけではないのですが)。

いずれにせよ、我が国の防衛産業の供給能力が失われてしまうと、仮に充分な予算があったとしても、安全保障の強化など夢のまた夢、という話になってしまいます。

すなわち、「国民を守る」という目的を達成しようとしたとき、最終的なボトルネックになるのは「モノを作れるか、サービスを供給できるか」という供給能力なのです。経済学用語で言えば「潜在GDP」です。

デフレーションの最大の問題は、物価の下落でも、所得の縮小ですらなく、虎の子の供給能力を毀損してしまうことなのです。これはすなわち、国力の衰退です。国力の衰退を防ぎたいのであれば、とにもかくにもデフレーションを早期に終結させなければならないという話です。

ところが、政府がデフレ対策を打とうとすると、途端に「国の借金ガーッ」「通貨の信認ガーッ」「財政ファイナンスガーッ」と、カネの問題を持ち出し、妨害しようとする論者が次々に登場します。どう考えても、「カネをケチる」よりも「国力の増強」の方が国家にとって優先順位が高いと思うわけですが、彼らはそうは思わないようです。と言いますか、上記の類のことを考えたことすらないでしょう。

国民が「国家」「安全保障」あるいは「経世済民」の意味を理解していれば、上記の優先順位の間違いは発生し得ません。

安倍総理の言う「戦後レジーム」には、上記の優先順位の間違いも含まれていると思うわけですが、皆様はいかが思われたでしょうか。

PS
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【三橋貴明】ブレグジット

【三橋貴明】国土強靭化のボトルネックへの3件のコメント

  1. ごうだたけし より

    参議院議員 西田昌司showyouビデオレター「祝 東京五輪誘致」(H25.9.10)【三橋貴明】東京オリンピックと安倍政権・日本経済の行方[桜H25/9/9]三橋さんは、東京オリンピックまでにリニア新幹線を完成させよ、とおっしゃっていましたが、西田さんもリニア新幹線について言及されていました。できるといいですね。

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  2. ミノウ より

    いつも勉強させていただいております。初めてコメントします。先日、土建業の友人と飲みに行ったとき、現場から見たアベノミクスについて聞く機会がありました。(ちなみにその友人は、正に藤井教授がその重要性をよく語られる、”地元の土建業者”の三代目です。)聞いた内容を要約すると「アベノミクスで仕事は増えたが、従業員が足りないので募集している。また、業者自体が減ってきているので、仕事があっても入る業者がいない。」との事でした。普段から三橋さんや藤井さんのお話を(動画で)聞いている私にとっては、友人の語る実情が、あまりにもお二人の指摘そのままだったので、非常に驚きました。ただ、「今年度は仕事の単価が上がらないので、今の段階で大規模な投資は無理だろう。」という趣旨の事も言っていましたので、土建業の供給能力が健全化するには、まだまだ長い時間が必要な様です。蛇足ですが、その場にいた酪農家(主に牛乳)の友人曰く、日本の乳製品の自給率はほぼ100%らしいです。「なんで100%なのにTPPで海外から入れるんだよ!」と大層憤慨しておりました。(生乳はともかく、加工品はTPPの影響を受けるようです。ギリギリの経営をしている酪農家はかなり、ヤバイらしいです。)

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  3. ごうだたけし より

    安倍総理の言う「戦後レジーム」の中に「金は国富よりも上である」という従来の認識が入っていると感じたのは、国土強靭化で10年で100兆円から200兆円と言っていた衆院選前後の当たりまでです。今は、感じません。

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