FROM 藤井聡@京都大学大学院教授
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●月刊三橋「アメリカ格差社会〜グローバル資本主義の悪夢」
の配信は本日終了。
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※次号のテーマは「尖閣沸騰」。
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2020年オリンピック(&パラリンピック)開催地が、我が日本の首都・東京に決まりました!
心ある日本国民にとっては、暗く沈みがちなニュースが多い中、これは、本当に嬉しいニュースだたのではないかと思います!!
もちろん、そんな事より大切なことが、日本には山積みだ。。。。というお考えの方々も少なからずおられるものと思います。ですがそんな山積みなっているいろんな問題を解消する「ため」にも、このオリンピック開催は、重要な肯定的影響があることは間違い無いのではないかと、思います。
なぜなら、四年に一度の世界的大イベントである「オリンピック」を開催するためには、日本国家のごくごく一部の組織に丸投げして、後の国民は(税金を投入することも含めて)全く知らんぷり。。。。を決め込んでいたとすれば、絶対に失敗するものだからです。
多くの日本国民は、オリンピックが、世界中の人々からの、とてつもなく大きな注目を集める舞台であることを知っており、そして、そんな大きな注目を集める機会に、世界中の人々から「なんだ、日本のオリンピックって、メッチャクチャしょぼいもんだったなぁ。。。」なんて思われることは、日本人の「誇り」の問題として、絶対に許せない。。。。とお感じなのではないかと思います。
つまり、どんな日本国民でも、多かれ少なかれ、世界が注目するオリンピックの場にて無様な姿を、世界の人々に見せるわけにはいかぬ。。。。。とお考えなわけであります。
では、オリンピックにおいて、どうすれば、日本人が「恥」をかいてしまうような事態を避けられるのかと言うと。。。それは、兎にも角にも、多くの日本国民がオリンピックの成功に向けて、「一致団結」して「協力」いくことが何よりも大切なのです。
例えば、恥ずかしくないオリンピックを開催するためには、様々なスポーツ施設や様々なインフラが、世界中のお客様方をお迎えするにあたって絶対に必要となります。実際、かつての東京オリンピックでは、様々なスポーツ施設のみならず、世界中のお客様をお迎えしても恥ずかしくない高級ホテルがつくられると同時に、日本の技術の高さを世界に発信する事を企図しつつ東海道新幹線がつくられました。
そして、それだけの大型インフラを整備するには、国民が全員、最低でも「納税」を行うという格好で「協力」をし、それを通して得られた資金でもってインフラ投資に支持をさしむけ、国民全体が協力しながらそうしたインフラを整えていく。。。という姿勢が絶対的に不可欠なわけです。
つまり、世界中が注目を差し向けるオリンピックという場では、日本国民は皆、恥をかくわけには行かぬという意識を多かれ少なかれ持つのであり、それを通して、是が非でも成功させねばならぬ、そのための準備に向けては、兎にも角にも、最低限の「協力」はせねば。。。。。という、意識が国民全体に共有されることとなるわけです。
かくして、オリンピックの開催は、否が応にも、日本国民全体の「協力意識」を高めることとなるわけです。
こうした国民全体の協力意識は、一般に「ナショナリズム」と呼ばれます。
つまり、ナショナリズムの本質とは要するに、国民全体が、ある目標に向かって「協力し合う」という意識の共有や社会現象を意味しているわけで、この国家的な水準での「協力意識」が高い状態にあれば、その国家は、実に様々な問題や課題を解決していくことが可能となるのです。
したがって!
「オリンピックの開催
→ 国民同士の協力(ナショナリズム)の活性化
→ 様々な国家的課題の解消」
という図式が考えられることとなるわけです。
そのあたりの構図については、拙著、「新幹線とナショナリズム」にて、かつての「東京オリンピック」が日本のナショナリズムを刺激し、それを通して、「夢の超特急・東海道新幹線」を作りあげた、という大きな物語を描写いたしておりましたので、そのあたりを拙著から引用しつつ、当時の状況を振り返ってみたいと思います。
まずそもそも、『東京オリンピックは,戦後復興の象徴として,そして,日本の復活を世界に印象づける大イベント』だと当時の人々は認識しておりました.
そしてれは、『日本全国の人々が,世界十の人々が注目する中で大々的に開催することを誇りに思い,その成功を共に願い,その開催に向けた様々な取り組みに共に重大な関心を差し向ける国民的大イベント』だったわけです。すなわちそれは、『国民の国民意識,ナショナリズムを強烈に喚起するものであった』わけです。
だからこそ『敗戦で傷ついたナショナル・プライドを取り戻し,日本国民が一致団結して立ち上がる,そして文字通り「世界一」の技術で作り挙げた新幹線を,オリンピックという全世界が注目する部隊で全世界に見せつける───こうした敗戦から立ち上がるという大きなナショナリズムの「大きな物語」に,日本国民全員がリアルタイムで参加し,「超特大の人間ウェーブ」とでも言うべき大きなうねりを作りあげた』のが、当時の東海道新幹線プロジェクトだったわけです!
すなわち、『着工からわずか5年で,新幹線は開通した』のが東海道新幹線だったのですが、それはまさにその「夢の超特急」は,『列車のスピードだけではなく,その着工,完成に至るまでスピードもまた,超特急』だったのであります。
そして、『その超絶なプロジェクトの推進スピードをもたらした「エンジン」が何であったかと言えば,それは明確に,日本国民の「ナショナリズム」』 だったのです.
そうした背景から、拙著の中では、『もしも「東京オリンピック」が2020年に開催されることとなったのなら,それによって日本のナショナリズムは活性化することは確実です.そうなれば,かつての東海道新幹線と同じように,オリンピックで活性化したナショナリズムによって,リニア新幹線プロジェクトが「ナショナル・プロジェクト」として大きく展開していくこともあるのかもしれません』と指摘し、その上で、
『本書が、日本国民同士の絆を深め“オールジャパン”で数々の危機を乗り越えていく明るい未来の実現に僅かなりとも貢献することを──日本の未来を左右し得る国民的大事業となるに違い無い2020年の東京オリンピックの実現と共に──心から祈念したい。』
と申していたのですが。。。。まさに、それが現実のものとなったわけです!!!
ですから、今回の決定は、これをめでたいと言わずして何をめでたいと呼ぶのか(笑)、なんて程にめでたいものだと思います。
改めて、この2020年におきます我が国の一大ナショナル・イベントの決定を、一国民として祝福いたしたいと思います。
そして、このオリンピックの開催が、我が国が、デフレや震災で沈みかけていた我が国の活力を喚起する可能性を秘めていることを自認しつつ、明るい日本をつくりあげるあめの努力に、多くの国民の方がご賛同下さいますことを、心から祈念いたしたいと思います!!
PS
三橋音声解説「アメリカ格差社会」の公開は本日まで。
http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE/index_usa_mag_sl.php
PPS
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