アーカイブス

2015年1月24日

【三橋貴明】需要と投資利益率

From 三橋貴明@ブログ http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/

——————————————————-

●月刊三橋最新号のテーマは「フランス経済」。

「ユーロという罠」に落ちた大国の選択とは?
フランスに今が分かれば、日本が見える!

https://www.youtube.com/watch?v=eQUSqYvie2s

——————————————————-

お待たせいたしました!第一回目講義がアップされました。
http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

昨日は太田市、本日は島田市、明日は名古屋市と、相変わらず日本中をぐるぐると回っております(講演で)。

北は北海道から、南は沖縄まで、日本各地を講演で回り、経営者、銀行家の方々とお話しさせて頂き、「景気がいい」と感じたのは、東京・仙台・福岡以外では、三河地区くらいでございますね(理由は言わずもがな)。その次は、名古屋、北関東がそこそこ良く、「これでおしまい」という感じです。しかも、東京都内にしても、不動産や証券は確かに景気がいいのですが、卸売業等は円安で経営悪化しています。(輸入価格が上昇したため)

日本全国津々浦々、「民間主導」の景気回復が行き渡るためには、結局は企業経営者が「設備投資」に踏み切らなければなりません。とはいえ、直近(11月)の機械受注を見てみると、製造業が前月比7%減で、二か月連続でマイナスでございます。先行きは決して明るくありません。

さて、わたくしも一応、経営者の端くれですが、
「経営者が設備投資を決断する」
のは、いかなるときでしょうか。と言いますか、名目金利や実質金利が低くても、企業経営者が投資を決断しない「時期がある」ということを知って欲しいのです。

すなわち、投資利益率がゼロもしくはマイナスになる時期です。投資利益の細かい話は、明日配信の有料メルマガ でやる予定ですが、とりあえず「=利益_投資」が投資利益率です。利益を計算する際の費用には、減価償却が含まれています。といわけで、「投資利益率>金利」になれば、企業は投資をすれば儲かるという話になります。とはいえ、投資利益率がプラスにならなければ、上記の計算式が成立しても、企業は投資をしません。

昨日、コメント欄に投稿して頂いた方がいらっしゃいましたが、ロイターが面白い調査をやっていました。

『ロイター1月企業調査:春闘賃上げ率、6割が昨年並みに届かず
http://jp.reuters.com/article/wtDomesticNews/idJPKBN0KT2I820150120?pageNumber=4&virtualBrandChannel=0
(前略)設備投資が回復傾向を強めるかどうかを占う上で、投資計画において最重視する点を聞いたところ、「国内需要動向」が最も多く、非製造業では73%、製造業でも47%を占めた。「いずれにしても需要が先決」(化学)「将来の生産量に確約がほしい」(非鉄金属)など、投資判断は需要動向で決まるとの回答が多い。
製造業では次いで「グローバルな生産体制」を挙げた企業が3割と多かった。「すでに海外での量産体制を敷いており、国内投資は海外との兼ね合いになる」(電機)「世界での需要を踏まえたうえでどの地域に設備投資を行うか検討」(輸送用機器)といった方針は世界各地に生産体制を広げている企業にとっては当然の方針となっている。
他方で、円相場や法人税、投資税制、実質金利の低下はほとんど重要視されていない。中には為替相場について「原料費に与えるインパクトが大きい」』

「投資計画において最重要視するのは国内需要動向」
「円相場や法人税、投資税制、実質金利低下はほとんど重要視されていない」

それは、そうでしょう。何しろ、投資利益率が十分でない場合、為替も法人税も、実質金利もあったものではありません。そして、投資利益率を高めるためには、
「需要が十分にある」
ことが絶対的に必要なのです。

需要が不十分であるにも関わらず、「実質金利が下がれば、投資は増える」などと主張する人はいないでしょう。いたとしたら、あまりにもビジネスを知らなすぎます。

需要が不十分で、儲からない以上、実質金利がどうであろうとも企業が投資するはずがありません。と言いますか、ほとんどの経営者は名目金利はともかく、実質金利など見ていません。

ところで、消費税増税後の日本経済の失速を受け、新聞紙上などでは、
「更なる追加の金融緩和が必要だ」
といった論調を頻繁に見かけます。これも、変な話です。何しろ、14年4月以降の日本経済の失速は、消費税増税です。すなわち、「負の財政政策」により、景気が悪化したのです。

たとえば、黒田日銀が金融引き締めをした結果、景気が落ち込んだというならば、話は分かります。「金融」で失敗したならば、「金融」で解決すればいいのです。

それに対し、消費税増税は「財政の失敗」です。財政の失敗により、日本が再デフレ化に向かっている以上、解決策も「財政」になります。すなわち、政府の需要創出です。

そして、上記の通り、需要が十分であれば企業が設備投資を増やす可能性が高まります。さらに、国債金利は史上最低水準に低迷。
あらゆる物差しが「財政拡大」を示しているにも関わらず、なぜ政府や一部の学者、エコノミストたちは財政を否定し、金融政策の更なる拡大などという「解決策にならない無茶」を言うのでしょうか。この辺りの話は、間もなく飛鳥新社から刊行になる「黄金の拘束衣を着た首相─なぜ安倍政権は緊縮財政・構造改革を推進するのか_ 」で明らかにしています。

繰り返しますが、現在の日本に必要なのは「財政出動による需要創出」です。

PS
「日本に必要なのは財政出動による需要創出」に、ご賛同下さり、
三橋経済塾への入会を希望される方は、こちらをクリック
http://www.mitsuhashi-keizaijuku.jp/

PPS
月刊三橋会員の方には、数千円の会員限定割引が適用されます。
三橋経済塾の前に月刊三橋の会員になるには、こちらをクリック!
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980/index_sv2.php

関連記事

アーカイブス

【三橋貴明】バカバカしい限りです

アーカイブス

【浅野久美】餡とかけまして、片栗粉をとく

アーカイブス

【三橋号外】続・大失態

アーカイブス

【施光恒】TPP──米国やカナダから学ぶべきでは?

アーカイブス

【佐藤健志】「トランプ列車」の大脱線、またはポピュリズムへの歯止め(後編)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。
* が付いている欄は必須項目です

名前

メールアドレス

ウェブサイト

コメント

メルマガ会員登録はこちら

週間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】<号外速報>「内需冷え込み」による輸入急落が無けれ...

  2. 2

    2

    【藤井聡】「令和ピボットニュース」にご登録ください!

  3. 3

    3

    【三橋貴明】「MMTポリティクス」

  4. 4

    4

    【小浜逸郎】なぜ経済問題は敬遠されるのか

  5. 5

    5

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  6. 6

    6

    【三橋貴明】財務省にとっての痛恨の一撃

  7. 7

    7

    【三橋貴明】財務省への宣戦布告

  8. 8

    8

    【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」を開催...

  9. 9

    9

    【藤井聡】「財政悪化」を導く消費増税が生み出すのは、「害のみ...

  10. 10

    10

    【角谷快彦】介護職員の待遇改善とCCRC(前編)

MORE

月間ランキング

  1. 1

    1

    【藤井聡】<号外速報>「内需冷え込み」による輸入急落が無けれ...

  2. 2

    2

    【藤井聡】財務省が紹介した「有識者のMMT批判」の「間違い」...

  3. 3

    3

    MMT(現代貨幣理論)とは、「現代社会の実態に即した、貨幣に...

  4. 4

    4

    【藤井聡】『消費税増税の「リスク」に関する有識者会議」を開催...

  5. 5

    5

    【藤井聡】政府の支出拡大が財政を健全化することを「数学的に証...

MORE

最新記事

  1. 未分類

    【角谷快彦】介護職員の待遇改善とCCRC(後編)

  2. 日本経済

    【藤井聡】「財政悪化」を導く消費増税が生み出すのは、「...

  3. 未分類

    【角谷快彦】介護職員の待遇改善とCCRC(前編)

  4. 日本経済

    【藤井聡】<号外速報>「内需冷え込み」による輸入急落が...

  5. 日本経済

    【三橋貴明】財務省への宣戦布告

  6. 日本経済

    【三橋貴明】「MMTポリティクス」

  7. 日本経済

    【藤井聡】「令和ピボットニュース」にご登録ください!

  8. 日本経済

    【小浜逸郎】なぜ経済問題は敬遠されるのか

  9. 政治

    日本経済

    【室伏謙一】政策評価は緊縮財政推進ためのものか?

  10. 日本経済

    【三橋貴明】財務省にとっての痛恨の一撃

MORE

タグクラウド