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2013年8月15日

【柴山桂太】アメリカの闇

FROM 柴山桂太@滋賀大学准教授

スノーデン事件は、大ごとになってきました。スノーデンの亡命をロシアが認めたことで、アメリカが9月に予定されていた米露首脳会談をキャンセルするなど、国際政治を揺るがす事態に発展しています。

http://sankei.jp.msn.com/world/news/130808/amr13080821440007-n1.htm

この元CIA職員がこれまで暴露した内容は、大きく分けると二つあります。

一つは、アメリカの情報機関が関係国の通信を傍受しているというもの。日本を含む38の大使館の通信を監視していただけでなく、2009年4月にロンドンで開かれたG20(リーマンショック後の対応が話合われた重要会議でした)では、イギリスの諜報機関と協力して、各国高官の電話や電子メールを盗聴・傍受していたようです。

最近もドイツのシュピーゲル誌が「EUのワシントン代表部などにも盗聴器が仕掛けられていた」と報じたことで、欧州は大騒ぎになりました。

二つに、インターネット上の個人情報を大量に収集していたという事実です。グーグルやフェイスブックなど大手会社の協力を得て、電子メールのやりとりや検索履歴などを監視していた、それもメタデータだけでなく電子メールの中身についても丸裸にできるシステムを、すでに開発していることが暴露されました。

スノーデンがイギリスのガーディアン紙に語ったところでは、アメリカの情報機関は、相手が最高裁判事であれ大統領であれ、個人的な電子メールの中身を覗き見ることができるそうです。

一つ目の点については、アメリカ政府は「どの国の情報機関もやっていることだ」と開き直っています。確かにそうなのでしょう。いつの時代でも外交に諜報活動はつきものだからです。しかし、それでも諜報されている事実が明らかになれば、強い抗議を行ってみせるのがまともな国家というものです。

フランスのオランド大統領は、アメリカが秘密の情報収集をやめないかぎり、米欧FTAの交渉はできないと反発しました(実際には協議は行われているようですが)。日本も、同じくらい強い抗議の姿勢を示すべきでしょう。こっちの情報が丸裸にされているのに、有利な交渉など出来るはずもありません。

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「アメリカ格差社会〜グローバル資本主義の悪夢」。

http://www.keieikagakupub.com/sp/38NEWS_SAMPLE/index_usa_mag_sl.php

ボロボロに搾取されるアメリカ国民たちの哀れで悲しい現実。
日本人が今、やるべきこととは・・・・

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二つ目の点は、もっと深刻です。アメリカ政府は、ネット監視は「テロ対策」だと説明していますが、誰がテロリストか分からない以上、アメリカ内外のあらゆるインターネットユーザーが潜在的な監視対象であるのは明らかです。しかも得られた個人情報が、テロ対策だけに使われているという保証もありません。真相は藪の中ですが、ここに不気味さがないと言えば嘘になります。

もちろん、アメリカの情報機関が市民を密かに監視していたからといって、いまさら驚いても仕方ないところがあります。インターネットが登場する以前から、似たようなことは行われていたはずです。(特に冷戦期には、スパイの摘発など日常的に行われていたことでしょう。)インターネットのような新たな情報テクノロジーが登場したことで市民の監視がいっそう秘密裏かつ効率的に行われるようになったに過ぎないのだと思います。

ただ、こうした一連の事実が、「自由の国」というアメリカの国家イメージを大きく揺さぶるものであるのは、間違いありません。これまで市民監視は、全体主義国家の特徴であると考えられてきました。冷戦期には全体主義のソ連と、自由主義のアメリカを対比するイメージが盛んに喧伝されたのは記憶に新しいところです。

しかしアメリカの自由主義も、一皮むけば、政府による強力な監視システムによって維持されていることに変わりはありません。しかも今やグローバル化の時代ですから、テロリストはいつでも国内に侵入できます。アメリカのような移民国家ならなおさらです。自由な社会を維持しようと思えば、こうした社会の「異物」を即座に検知し、排除する強力なシステムを進化させなければならない。スノーデン事件が明らかにしたのは、アメリカ社会のそのような現実です。

こうした監視システムの進化は、私には、国家がグローバル化/新自由主義化していくことの、ほとんど必然的な帰結であるように思えてなりません。モノ・カネ・ヒトが国境をこえて瞬時に移動する時代、しかも共同体による「顔見知り」の関係が希薄化した時代の国家セキュリティは、市民の個人情報を丸裸にする強力な監視システムなしには成り立たなくなっているのです。

道徳も秩序も希薄化し、家族も共同体も弱体化した後で、それでも治安への不安に対処しようとすれば、あとは監視システムを強固にする以外に方法はありません。極端な自由主義の実現は、強力な監視社会の到来と紙一重です。日本もこれからいっそうのグローバル化/新自由主義化を進めていけば、待っている未来はそのようなものになるでしょう。

PS
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PPS
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【柴山桂太】アメリカの闇への6件のコメント

  1. nanashi より

    スノーデンは情報価値がないと瀧澤一郎さんが言っていたけどプーチンは彼になにか利用価値を認めたのでしょうか。nicovideo.jp/watch/1374138988グローバル化と監視システム。ではパイ防止法と監視システムというのはどうでしょうか。国体を護るためにはスパイ防止法が必要のようですが。「日本がアメリカのようになったら嫌だなぁ」それでいて世界中からアメリカに人間が集まってくる。「あの戦争」と「グローバル化/新自由主義」(アメリカ)。林房雄(『大東亜戦争肯定論』)のいう100年戦争はまだ終わっていない、というか日本は戦後その第二ラウンドを余儀なくされてきたのかもしれません。チャンネル桜や安倍政権は第二の100年戦争の敵前作業なのかもしれません。林房雄はその敵前作業が明治維新のときには不十分ながらかろうじて間に合ったが昭和維新の時には間に合わず敗戦したといっていますが、今回も間に合わないのでしょうか。東田剛さんなんかの話を聞いていると、安倍さんは心からのグローバル主義者、新自由主義者のような印象をうけますが、水島総さんなんかはそれ(安倍さんの一見した?新自由主義)はやむを得ぬ敵前作業(それも老獪で卓越した)で、内心では真の愛国者だと言っているようです。そうだといいんですけどね。そうでなければ、水島さんの安倍支持はまったくの自己矛盾、自己欺瞞です。安倍のかわりを出せ、対案を出せだけではすまない。nicovideo.jp/watch/1376525808

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  2. ゆう より

    どうもです。 ここ最近シナ共産党もアメリカで活動するグローバル投資家の連中のやってる事はプロセスこそ違いはあるけど、あまり変わらないなと思うようになりました。お互い人口国家で人種も入り乱れてますしね。 日本のような国は世界でも稀でしょう。冷静になって考えてみると単一国家の方が国としてうまくいくのではないかと。 逆にそれぞれバックグラウンドが違う人種が入り乱れてる人口国家だと様々な揉め事が起きるだろうし、国として長く持たないんじゃないかと思うんすよね。特に宗教絡みの争いなんて面倒だしな。 日本以外で国としてまとまりのある国は台湾、トルコ、インドネシア辺りですかね。

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  4. こじこじ@京都 より

    なるほど、そういう見方があるのですね。勉強になります!そして、プライムニュースお疲れ様でした!!西部先生とのタッグ、とても見応えがありました!八木さんは全くわかってなかったですねwあの顔は忘れられません。何年もアナしてても知識はあの程度なんですね、、、。

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  5. 青丸 より

    自分が常にどこかから監視されているようなうっすらとした不気味さは日本でも感じられますね。あまり意識しないようにしていますが、気味の悪さが心の裡から消えることはありません。グローバル化とは国家権力を解体を志向するものですが、グローバル化が進むほど国家による監視システムが強化されていくという矛盾。グローバル礼賛の方々たちはこの矛盾をどうやって頭の中で整理しているのだろう。

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  6. 鎌田 徹 より

    もう一つ、アメリカ政府、裁判所さえも。監視の対象になっていること、監視している主体は誰なのでしょう。

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