From 藤井聡@京都大学教授
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●電力自由化をめぐるレント・シーキングを特集した
月刊三橋最新号『日本のエネルギーが危ない!』の配信は、7/10まで。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980_2013_06/index.php
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いよいよ国会がおわり,雰囲気もがらりと総選挙モード,に入りましたですね.
いわずもがなですが,国会は,法律を作るところ,ですので,今国会でも,「ねじれ」た状況ではありましたが,法律を巡って実にいろいろな動きがありました.
なんと言っても,第一に,いわゆる「国土強靱化基本法」が提出されました.
国会最終日の前日には,その趣意説明もされました.残念ながら時間切れで,今国会中に成立は叶いませんでしたが,廃案,になった訳では無く,次期国会に持ち越された訳です.したがって(もちろん未定でありますが),早ければ秋には成立し得る状況...にございます.
...で,もし,この「国土強靱化基本法」が通れば,総理大臣が本部長となり,国務大臣の皆さんがメンバーとなる推進本部が内閣に作られることになります!
また,国土強靱化の「基本計画」が作られることになるのですが,他の基本計画(国土計画,防災計画,エネルギー基本計画等々....)は,強靭化に関する事に関しては,この国土強靱化の基本計画の理念を参照することが求められます!!
....で,内閣総理大臣は,その計画に基づいて国土強靱化を進めるにあたっては,関係機関の長に必要な勧告を行うことができる,ということになります!!!
.....ということで,この法案が通れば,より強力に国土強靱化が進められることになるわけなんですね.
...で,それに関連して,「南海トラフ地震」や「首都直下地震」に対する対策のための法案も提出されています.
これらは皆,まだ,未成立の状況ですが,新しい法律として
「大規模災害復興法」
が成立しました.これで,大地震が起こった場合,市町村のインフラの復旧を,国が直接できるようになりました(今まで,それができなかったんですね).
それから,
「災害対策基本法改正」
も改正されて,大震災後の市町村のがれき処理を,国が直接代行できるようになりました(これもまた,これまで国は直接はできなかったんです).
これにあわせて,道路、河川、港湾のいろんな法律が一斉に改正されました.その結果,これらのインフラを,公的主体が管理する時は,「大災害」や「老朽化」をちゃんと考えなきゃいけません!ということが,これもまた,明文化されました(またまたこれも,今までは,必ずしも明確じゃなかったんですね).
それと,ちょっと毛色が違いますが,「小規模企業の事業活動の活性化のための中小企業基本法」「企業再生支援機構法」が一部改正されて,(債権の株式化ができるようになったりするなどして)中小企業への融資がしやすくなりました.
これまでは,オカネを借りる事さえ出来れば倒産せずに済んだのに...という優秀な中小企業がたーーくさんあったのですが,これから,そんな会社のいくらか(←全部....ではないのですが...)を,救うことが出来るようになりました.
....ということで,コマゴマとお書きしましたが,あまり大きなニュースにはなっていないかもしれませんが,防災,強靭化,インフラ,中小企業支援,といった,
「国民」
のために絶対に必要な諸点について,今国会でも,少しずつではありますが,着実に法改正が審議され,進められてきている...ということであります.
もちろん,まだまだ十分なわけじゃぁぁないですし,場合によっては,「これは,ちょっとどーよぉぉ...??」みたいなこともあるのかもしれませんが(笑),よい方向に進んでいる案件もありますよ! というご紹介でした.
....っていうことで,いろんな意味(?)で,「くらーーいお気持ち」になっておられるかたもおられるかもしれませんが(苦笑),そんな中でも,「良い流れを拡大していく」という道もまだ存在している....という小ネタの紹介でございました(笑)
では,また来週!!!
P.S.
どんな事になろうとも,日本は強靭化せにゃぁなりません!「日本強靭化」を!
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【藤井聡】4つの希望への5件のコメント
2013年7月3日 3:22 PM
昨今の外向き指向の顕著な安倍総理のもと「藤井聡なんて、いなかった」みたいな事にされてるのではと内心不安だったのですが今回の記事で安心いたしましたしかし、まだ…加速する外向き指向に加え「財政再建」の文言を目にする機会が増えてきました藤井先生の温められて来たプランが「日本企業に頼むよりは税金の節約になる!」とかの大義名分でハクトウワシに掻っ攫われてしまうのではないかと不安になります日本人の血税は、日本人に還元されますようこちらの方の防波堤もしっかりお願いしたいと思います
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2013年7月5日 11:44 AM
この期に及んでも強靭化に反対する人が居ることに驚きますね。酷い人なんか、災害も自己責任でおのおのが気をつけるしかないって言うんですよw先生と同じ京大の関係者でした。。。。ToTいつから一部の日本人は「備えあれば憂いなし」という言葉を忘れてしまったんでしょうね。目先の事しか見れなくなっているんでしょうか。。。
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2013年7月5日 2:23 PM
藤井先生は、論理的且真摯に日本國の有るべき姿を明示され、有難い限りです。ちょっと早口ながら、伝えたいことを分かりやすく、また洒落を交えた京都または奈良弁で、立板に水の論旨はすんなり理解出来ます。御著書拝読。更なる御活躍を祈念致します。
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2013年7月6日 5:43 AM
「これは,ちょっとどーよぉぉ...??」と思うことがとても多いのでつい攻撃的になりがちですが、こういうこともレポートして下さると良いですね。勉強になります。民主党の政治も酷いものがありましたがそれでもきちんと細かい点まで見てやっぱり悪いところは悪い、良いところは良いという評価が今後されなければいけないように思います。ネット上の言論はどうしても二元論に陥りがちですから。
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2013年7月7日 11:01 PM
>「大規模災害復興法」>「災害対策基本法改正」本来震災後すぐにでも国が直接出来るようにするべきでしたが、遅くても良い方向に進んでいるという事で良かったです。震災に関連したニュースは、被災地では毎日報道されているようですが、全国ニュースとなるとかなり少なくなってきています。(明日は我が身にも関わらず)藤井先生の発信で初めて知る情報も多いです。これからもよろしくお願いいたします。
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