From 三橋貴明
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●電力自由化をめぐるレント・シーキングを特集した
月刊三橋最新号『日本のエネルギーが危ない!』の配信は、7/10まで。
http://www.keieikagakupub.com/sp/CPK_38NEWS_C_D_1980_2013_06/index.php
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【今週のNewsピックアップ】
●幸運
http://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-11561568159.html
三橋は現在、扶桑社の単行本「国家の階層−ザ・レント・シーキング」の最終章を書いているわけですが、本章のテーマは「日本の電力産業におけるレント・シーキング」になります。
過去にブログなどで取り上げてきた、再生可能エネルギー特別措置法に基づく再生可能エネルギー固定価格買取制度、通称「FIT」はもちろんのこと、発送電分離についても書いています。
日本には頭にお花畑が咲き誇り、電力文明の恩恵を思いっきり受けておきながら、
「げんぱつはんた〜い、ドン、ドン、ドン!」
「げんぱつとめろ〜、ドン、ドン、ドン!」
などとやっている連中がいます。彼らは日本の電力産業において「レント・シーキング」を虎視眈々と狙っている投資家、企業家、構造改革主義者に利用されていることに気がつかないのでしょうか。彼ら、お花畑軍団が「ドン、ドン、ドン」とやり、さらに彼らの身内としか思えない連中が原子力規制委員会に入り、
「40万年前に活断層が動いているから、原発を再稼働してはダメ」
などとやっていると、我が国は恒常的に電力供給不足になります(すでになっています)。供給能力が不足すると、必然、電力料金は値上がりしていくことになります(すでになっています)。
そうなると、
「電力の不足はクリーンな太陽光や風力など、再生可能エネルギーで賄おう!」
「電力料金を引き下げるためにも、発送電を分離し、電力市場を自由化しよう!」
などと、投資家や企業家、厳密には彼らの手先と化した評論家、政治家たちが主張し、我が国の電力サービスは解体された上に「レント・シーキング」を狙う連中の懐に収まっていきます。日本の電力サービスを懐に入れた連中が、別に所得のパイが増えていたわけでも何でもない「電力サービスのパイ」から所得の分け前を受け、その金額分、別の誰かが損をすることになるわけです。すなわち、電気料金を納めている企業や家計です。
「電力サービスの所得のパイ」が増えていない以上、新たに太陽光やら風力やら、あるいは発送電分離後に火力やらの電気供給が増えたとしても、
「限られた拡大していないパイの一部を持っていく」
行為になります。そうなると、反対側に必ず誰か損をしている人がでるわけです。(日本国民のことです)現在の日本で行われている電力の議論は、基本的には「低所得層から高所得層への所得移転」になっています。太陽光や風力に投資をできる高所得層が、投資できない低所得層から所得の移転を受けているわけです。
すなわち、日本のお花畑「原発反対!ドンドンドン!」の連中は、知ってか知らずか、彼らが嫌っているはずの資本家の「手先」と化しているわけでございます。かなり控えめに表現しても、
「頭悪い・・・・」
としか言いようがないわけです。
さて、国会末期の混乱の中、電気事業法改正案が廃案になりました。電気事業法改正案は将来的な発送電分離を含んでいるため、この法律が成立しなかったこと自体は日本にとって幸運です。
とはいえ、別に経産省は諦めたわけでもなんでもないでしょうから、参院選終了後、新たな電気事業法改正案が提出されることになるでしょう。その前に、日本国民の方々に是非「FITの問題」「発送電分離の問題」そして「FITと発送電分離を組み合わせた場合の問題」について知って欲しく、三橋は「国家の階層−ザ・レント・シーキング」を書き進めているわけでございます。
PS
投資家、企業家、構造改革主義者の言う通りに規制緩和&構造改革していたら、
何が起こるのか。電力業界を舞台に進む「強制所得回収制度」を
あなたは許せるか。
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【三橋貴明】電力「ブラック企業」の狙いへの6件のコメント
2013年7月1日 7:35 PM
ジェネレーターは原発だけじゃない!原発の割合なんてたいしたことない!そうですねぇ。そのとおりですねぇ。原発を失った日本を待ち望んでいるでしょうねぇ彼らは。資源屋はもちろん、電力業界に食い込みたい資本家・企業、そして日本の国力が弱まることが望ましい人たち・・・原発反対どんどんどーん代案出さねどどんどんどーん電気は使うがどんどんどーん
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2013年7月2日 9:39 PM
原発反対=お花畑 とレッテルを貼るのは如何なものかと。。
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2013年7月3日 11:30 PM
都市ではない地域での施設化が進んでいるんでしょうね。それに関わる企、起業からすれば自分の首を締めることにもなりそうたし、そもそも通るところだったのですよね(自公党内でも賛成になったってことですよね?)、政府内閣も秋には成立させる。と言ってるし、もう何が何だかさっぱりわからなくて発狂しそうです。いやしてる。 やっぱり共産主義の没落の後になっても、自由主義の侵食信仰侵攻は根が同じようなものなのに、停めるのが至難ですね。 左の次は右、少数派の立場は変わりようがないみたいですね。応援する立場のつもりではあります。が、筆者はエネルギーが‥‥そうだぁパネルを‥‥「テメェ、何やってんだーっ」‥‥その手の企、起業からは平手打ちの応酬ですね。(そう言えば欧州では破綻したと何かで読んだことがある)
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2013年7月5日 7:09 AM
いつも学ばせて頂いております。ありがとうございます。電力産業のレント・シーキングは大問題だと思います。しかし、合わせて、原発運用による国益損失も大問題です。固定価格買い取り制度を廃止し、最新技術の、天然ガス火力発電、石炭火力発電を新設し、一次エネルギーである、天然ガスと石炭の確保に国策として尽力し、その先に、原発利用の検討があるべきだと考えているのですが、間違っていますでしょうか?世の中の議論を見ておりますと、原発反対=左翼 vs 原発推進=利権の亡者という図式で対立していて、良くない状態だと感じています。
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2013年7月6日 9:03 AM
電力の恩恵を受けているだろ!というお決まりのセリフもおかしなものです。当然ながら電力の元は原子力だけはありません。そしてそれに占める割合はいくらになるというのでしょうか?「電力」=「原発」とするのもまた強引な手口です。
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2013年7月7日 8:55 AM
発送電分離はむしろ原発推進の政治家の方こそが主張されていると思いますが・・・。原発反対にはんた〜い!ドンドン!とやるために強引に結びつけてはいけませんよ。
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